こんなに読んでいただけるとは思ってもいなかったので驚いています。
これからも頑張って書いていきますので、温かい目で見守っていただけると幸いですm(_ _)m
悠斗がベートとレフィーヤをボコボコにしたその数時間後...
ー黄昏の館ー
「おかしい...いくら何でも遅すぎる!」
リヴェリアが不安そうな声で言う。
「まさか何かにあったんちゃうんか?あのベートが寄り道するとは思えんし...」
「レフィーヤだけならまだしもベートがいるんだ、さすがにそれは考えにくいが...僕の親指も反応してるしさすがに心配だな。探しに行ってくる」
「あ、団長私も一緒に行きます!」
「あたしもあたしもー」
あまり大勢で探してもしょうがないので、結局フィン、ヒリュテ姉妹でベートとレフィーヤを探しに行くことにした。
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「二手に分かれよう。僕はこっちから探すから君たちは反対側を探してくれ」
「本当は団長と2人きりで行動したかったけど...分かりました団長!」
「もーティオネったらー。了解だよー」
二手に分かれ、急ぎ行動した。
「でもさあ、本当にどうしちゃったんだろうね?また喧嘩でもやっちゃったのかなあ」
「ベートだけならまだしもレフィーヤがそんなことするわけないでしょ。まったく、団長に心配かけたんだからきっちり説教しなきゃ!」
「ティオネはほんとフィンのことしか頭にないね!」
「なっ!?そ、そんなわけないでしょ!私はこれでも2人を心配して...ん?」
「あれ?こんな時間なのに人がたくさんいるよー。何かあったのかな?」
しばらく探し続けているとその先で人だかりができていた。
事件か何かと思い近づく。すると1人の野次馬がヒリュテ姉妹に気づき
「あれ?お、おいあれは【怒蛇】と【大切断】じゃねーか!」
「や、やべーぞこれ...」
どんどんヒリュテ姉妹に気づき始め、野次馬はたじろいでしまう。
「はいはいそれはいいから!で、何かあったの?」
「い、いや何かあったってそりゃあこっちが聞きてえくらいだよ...ほら」
野次馬が指をさした方を見た瞬間
「!!?」
「ベート!?レフィーヤ!?」
悠斗がやったベートとレフィーヤが気絶した状態で放置されていた。
2人は一目散に近づき起こす。
「ベート!レフィーヤ!しっかりしなさい!!何であんたたちがそんな傷だらけなのよ!?」
2人を揺さぶるが全く起きない。
「だめだよティオネ、完全に気絶してる。レフィーヤはまだ大したことなさそうだけどベートはボロボロだよ...」
「そうね、急いで運びましょ。ほらどいたどいた!!」
野次馬をはねのけてヒリュテ姉妹は気絶した2人を黄昏の館に運び、その後フィンを呼び出して合流した。
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ー黄昏の館ー
2人を部屋に運んだ後、ロキ・ファミリアでは緊急の幹部会議が開かれた。
出席者はロキ、フィン、リヴェリア、ガレス、アイズ、ヒリュテ姉妹。
「何やねん一体!どこのどいつか知らんがウチのファミリアにケンカを売るとはええ度胸しとるやないか!」
自分の大切な眷属がやられた姿を見てロキは憤慨する。
「ロキ、落ち着くんだ。とにかく今は情報を集めるのが先決だ。どこのファミリアなのか、何人でやったのか、その目的、全てが分からない状態でがむしゃらの動くのはあまりに危険すぎる...」
「しかし、ベートとレフィーヤがここまでやられてしまうとはのう...考えられるとしたらフレイヤ・ファミリアか?」
フレイヤ・ファミリア。ロキ・ファミリアと並ぶ最強のファミリアであり、レベル6も複数いながらオラリオ最強と呼ばれるレベル7の【猛者】オッタルが所属するファミリアである。
「その可能性もゼロではないが...いや、神フレイヤがこんな無意味なことをするとは考えにくいな」
あーでもないこーでもないと話は続いていく。
「とにかく、相手は2人を倒してしまうほどの実力者。明日レフィーヤに話を聞くつもりだけど正体をつかむまでは出すぎた行動はしないようにね?」
「はーい団長!」
「アイズもね?強い人だろうから気になるとは思うけど」
「...うん」
そんなこんなで会議は終了した。
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翌朝...
傷が回復して何とか立ち上がれるようになったレフィーヤを含め、再び会議が開かれる。
「ごめんねレフィーヤ。病み上がりなのにこんなことさせてしまって」
フィンが申し訳なさそうに謝る。
「い、いえ。そこまで大したケガではありませんし、向こうは手加減もしてくれたみたいなのでもう大丈夫です」
「ありがとう。さっそくなんだけどレフィーヤ、昨日何があったのか話してもらえるかな?」
「はい。昨日ベートさんと買い出しに行った帰りなんですけど、突然全身を黒いローブで覆われた人が現れたんです」
「では顔も分からなかったというわけか...」
「はい、その人は黒い木刀を武器に見たこともないスキルと魔法らしきものでベートさんを圧倒して、ベートさんは傷一つつけられないまま倒されました...」
レフィーヤは悔しそうに答える。
「木刀というのも驚きじゃが、魔法まで使えてしまうのか...ではオッタルという可能性は低いかのう...」
「はい、体型的にもベートさんとあまり変わらないくらいだったので【猛者】ではないと思います。そして、ベートさんや私も殺さずに見逃してくれたのを見ると、暗殺者や"闇派閥"の類の可能性も低いと思います」
「じゃあ一体誰やねん。あのベートを一方的にボコれる奴なんてそうそうおらんやろうし、もしかしてもう1人のレベル7か?いや、あいつは確か今オラリオにはおらんかったか...」
「黒い木刀に見たことのない技や魔法の類を駆使する冒険者か...そんな人物見たことも聞いたこともないな...」
「私もだ。それにそんなに強いのに今の今まで話題にすら上がってないというのも不可解だ」
「じゃあずっと隠してるとか?」
「このオラリオで冒険者やっててずっとレベルやスキルを隠し通すなんてほぼ不可能に近いわよ...」
「もしかして最近外からやってきたとか?」
「その可能性も否定できないが、外はせいぜいレベル3で異質と言われるくらいじゃ。レベル3じゃベートにはまず勝てんじゃろ」
会議は難航していく。
「す、すみません大した情報を持っていなくて!」
レフィーヤは必死に頭を下げる。
「いや、相手の特徴が分かっていただけでも十分だ。レフィーヤ、相手は何か喋らなかったか?どんな些細なことでもいいんだが」
「しゃ、喋ったことですか...えーと、そうですね.......あっ!」
レフィーヤは何か思い出したかのように声をあげた。
「そういえば、最初に会った時に"トマト野郎を知っている者"って言っていました」
「何やそれは?」
レフィーヤの言葉にティオナは何か思い出したようで
「それって昨日豊穣の女主人で飲んでた時にベートが言ってたことじゃないの?」
「「「!!!」」」
全員が反応した。
「まさかあの子が?」
アイズが口を開く。
「アイズ、その子見たんだよね?どんな子だったの?」
「名前とかファミリアは分からない。白い髪に赤い目をした男の子。兎に似てる可愛い感じの子」
「ま、まさかアイズたん...その子に惚れてしまったんか...!?」
ロキは肩をわなわなと震わせてアイズに問いかける。
「ロキ、こんな時にふざけないで?」
アイズは少し怒ってしまう。
「ふざけてるつもりはないぃ!...とはいえ、名前もファミリアも分からんとはお手上げやな...(ん?そういえばあの時ドチビもおったな。関係あるかは分からんが、ちょっと問い詰めてみるか)」
「もしかしたらアイズが言うその子がカギを握ってるかもしれないね。僕の方でも調査してみるけど、くれぐれも出すぎたことはしないようにね?」
フィンがそう釘を刺し会議は終了した。
「(しかし、ベートを圧倒する程の強さをほこり僕の親指が反応するほどの人物か...本当に一度会ってみたいものだ。もしその人物が善人である場合は...)」
などとフィンだけは考えてしまっていた。
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「ぶぇっっくしょん!!」
「風邪ですか?悠斗さん」
鍛錬中にベルは豪快なくしゃみをした悠斗に問いかける。
「何を言ってる俺はもう10年以上も風邪はひいたことないんだ。ほら、そんなことよりも早くこい!」
「わ、分かりました!せやあ!」
ベルの攻めを涼しい顔をして受けながしていく悠斗。
「甘いぞ!」
ドゴッ!!
「ぐふ!?」
隙を逃さずベルに思いっきり手加減をした蹴りを打ちこみ、吹っ飛ばした。
「い、いたたたた...」
「大まかに動きすぎだ。お前は速さがウリなのにそんな隙の多い動きをしては攻撃してくださいって言ってるようなもんだぞ。もっと肩の力抜けや」
「は、はい!でもやっぱり難しいですね...」
「そりゃそうだ。普通は楽して力なんざ得られないさ。こういった地道な努力の積み重ねによって初めてそいつの力となっていくんだからよ。それに、お前はあのアイズ・ヴァレンシュタインに追いつきたいんだろ?なら、もっともっと努力しねえとな」
「!」
そう、ベルが追いつきたいのはそこらへんの冒険者じゃない。オラリオの中でも上位クラスにいるアイズ・ヴァレンシュタインなのだから。生半可な努力では到底追いつかない。そのために彼はアイズよりも強い悠斗に戦いを教えてもらっているのだ。
「僕は...アイズさんに追いつけますか?」
ベルは真面目な顔で悠斗に問いかける。
「それはお前次第だ。お前が本気でやろうとしているなら時間がかかろうとも自ずと結果はついてくるさ。だが強くなるには壁や挫折というものは必ず出てくる。それをどうするか自分で考え、時には誰かを頼ってもいいさ。悩み苦しみ、それでも懸命に食らいついていった者だけがそれらを乗り越え、初めて強さを得るんだ。ここで言えばレベルは良い例だな」
「・・・」
「だから決して焦るなよ?焦ってがむしゃらにやって死んだ奴、楽に力を得ようと飛びついて死んだ奴、そんな奴らを俺は今まで何人も見てきた。お前はそんな奴らにはなるな。お前は筋は良いしなかなか見込みはあるんだ。俺が保証してやる」
ポンポンとベルの頭をたたいた。
「ありがとうございます!やっぱり悠斗さんって本物の英雄ですね!」
「よせよ。俺は英雄が嫌いだ。さて、そろそろ朝飯の支度しないとヘスティア様が怒ってしまうな...行こうぜ!」
「はい!!」
鍛錬を切り上げると2人はホームへと戻っていった。
「しかし、ユート君のご飯はホント美味しいね」
「そうですね。美味しいし食卓も豪勢になってほんと嬉しいです!」
食卓には簡易ではあるが、パンとスープとサラダにベーコンエッグが並べられている。
前まではジャガ丸くんのみというのがザラだったが悠斗が来てからは見違えるくらい変わった。
「まあ俺は戦場を渡り歩いた影響でけっこう食にはうるさいからな。そんな奴が料理もできないなんて笑い者だろ?」
「戦場で食って関係あるんですか?」
「もちろんだ、1番大事と言っても過言じゃない。考えても見ろ、自分がいざモンスターと戦って疲れて腹が減ってる時に不味い食事なんて出されでもしたらどうだ?力もつかないしやる気も起きんだろ?」
「あっ...」
「食は兵士の力と士気を上げてくれる重要な役割がある。だからこそ俺は食を何よりも大切にしてるんだ。二の次なんて考える奴は三流以下よ」
「うんうん!じゃあユート君がいればボクは毎日美味しいご飯にありつけるんだねえ!僕は最高に幸せ者だよ!」
「「ヘスティア様(神様)...」」
2人は思い切り呆れ、ため息をついた。