これから本文を読んでいく前に、Fateを知らない人でも聖杯戦争がなんとなく分かるよう軽い説明をしていきます。
綺礼が聖杯戦争の話する時のBGMをかけてご覧下さい。
この作品で言う聖杯戦争とは、魔術師のマスターとその使い魔であるサーヴァントを一組とした計七組の陣営で行う儀式の事です。
目的はあらゆる願いを叶えると言われる聖杯の獲得で、それには自分以外の他のマスターを脱落させなければなりません。
マスターは令呪という赤い紋章を持っていればなることが出来、サーヴァントを召喚し契約すれば聖杯戦争に参加が可能で、脱落条件は主に令呪が無くなった、サーヴァントが消滅した、マスターが死んだなどがあります。
また、前者2つは他者の令呪を移植する、マスターのいないサーヴァントと契約するなどで復帰する事も可能です。
注意事項
遠坂凛や赤セイバーなど既存のFateキャラは登場しません。愛歌様は帰って下さい。
次に、本作にカニファンや花札のような理想郷はあんまりありません。カルデアも来ません。snやzeroのようなランサー以外も死にまくるド人でなしが苦手な方は閲覧を控えて下さい。
最後に、設定の間違いやお気に入りのキャラが死んだなどで騒ぎ立てるマウントゴリラはイキりドラミングを止めて下さい。後ドラミングは戦う合図じゃないらしい。
後者はFate自体が元々そんな作品なので悲嘆するコメントまでは許可しますが、他人や作品を非難するコメントは控えて下さい。
設定の間違いは普通に教えて下さい。
誤字脱字正確な言い回しとかの指摘もお願いします。
それでは、混沌渦巻く聖杯戦争をお楽しみ下さい。
──英霊召喚、死者を再びこの世に呼び戻す儀式。
人々に伝説として語り継がれ永久の存在と化した者は、時間の概念が存在しない英霊の座にその身を刻まれる。
そして、そこから呼び出される英霊は過去の偉業になぞられた「クラス」を当てられて現界するのだ。
他にも存在するが呼ばれるのは基本この7クラスなので割愛する。
しかし、やはり英霊というものは死んでいった先人の全てがなれる訳ではなく、後世までその存在、物語を紡がれる程群を抜くような偉業を成していなければ選ばれる事はない。
近代を生きた英霊が少ない理由がその為であり──。
───例外がいるのは、それ相応の対価を払っていたからだ。
──東方ではビルなどが建ち並び、西方には住宅街の連なる都市、見山区の某廃病院地下。
部屋の所々に妙な空間のある魔術工房にて、電話で誰かと会話する魔術師がいた。
「……でよ師匠、その例外っていうのがな──
師匠と呼ぶ相手にしては軽い口調で話しかけるのは、まだ若い魔術師の男。
大きい声で強弱の付いた喋り方は、聞く相手の興味を引くであろう。
『……それがどうした。』
しかし、それに全く興味が無いと言わんばかりの落ち着いた口調で話す電話の相手。
声からしてそこそこ高齢の魔術師だろう。
「いやな、昨日俺の工房の整理をしたんだ。剣とか槍とか、一応盾や銃の類いも片付けた。」
それを聞いた師匠の魔術師は、何かに勘づいたように少し声を大きくする。
『………おい、私は興味があるなら聖杯戦争に参加してもいいとは言ったが、まさか──』
言い終わる前に弟子の魔術師が口を開いた。
「……流石にここまで話したら誰でも分かるか。──今俺の工房にある触媒になりそうなモンは俺が作った魔道具くらいしか置いてねぇ。もしこの話が本当なら、召喚に応じれるのは俺か、あっても俺に縁のある師匠くらいって訳だ。」
赤の他人が聞けば彼を頭のおかしい人間と笑うだろう。
しかし、師匠方は怒りと呆れの篭もった声で真剣に受け答えた。
『………戯けが。相手は英霊、国を征したような猛者もいれば、竜を討ち取った英雄だって呼ばれないとは限らない。その中にお前は──』
師匠は間違いなく弟子を心配して言っているのだろう。
しかし、弟子はそれを分かっているように落ち着いて返した。
「大丈夫だって、俺に魔術の才能を見たから弟子に取ったんだろ?アンタも俺も、時計塔では結構名の通った魔術師だ。無理な話じゃねえ。…じゃ、携帯が触媒になったらいけねぇからもう切るな。召喚が終わったらまたかけるぜ」
弟子の方から電話が切られた。
そして、男はそれを工房の外へ置きに階段を上がっていった。
戻ってきた男は、早速英霊召喚の儀式を始める。
彼は手に持った硝子瓶から彼独自の調合方法で作った液体で召喚陣を描き、あらかじめ呪文の書かれた紙を持って陣の前に立つ。
「──素に銀と鉄───」
円陣が僅かに光を放ち始めた。
──彼が自分の滞在する地で聖杯が見つかったという話を聞いてから今日に至るまでの日数は非常に短かった。
だが、「未来の自分を召喚できる」という話を聞いた時からそれに興味が湧き、聖杯戦争の準備は適当にやっていた為、思いの外早く実行に移すことができ、実際にこの聖杯戦争では一番最初の召喚者となった。
「──
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。」
───しかし。
彼がこの時、この場所で最初の英霊召喚を行った事で、この聖杯戦争に
「───誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」
彼の呼びかけに答えるかのように光は一層強くなり、工房を白く包んだ。
「やった……!これは成功した!確実に……!!」
発光が止むと、陣の真ん中には一つの陰があった。
無論、彼の呼びかけに応じたサーヴァントである、が───
「──何だ………これ………!?」
彼が召喚した英霊は高ランクの魔力を持った英霊、確かに彼の望んだキャスターであった。
しかし陣の真ん中に立つそれは未来の彼でも、その師匠の姿でもなく──
───人間を単純化した、
「──サーヴァント「キャスター」、召喚に応じて来させてもらったわ、マスター。……突然だけど、この工房の近くに一般人が入れる所はあるかしら?」
「……へ?」
目を疑う光景に呆然としていた魔術師は、キャスターが口を切ると変な声を出した。
「質問をしているのよ。そうね………例えば、道路とか。」
「それなら外に出れば道路だけど……」
数秒考えた後に答える魔術師。
「ありがと、じゃあ後でねマスター。」
「えっ、オイ、待───」
キャスターは彼の言葉に耳を傾ける事無く、走って工房の外へ上がって行った。
十数分して、キャスターが戻ってくる。
キャスターのマスターとなった男は、彼の話は誰かが始めたほら話であり、未来の自分が召喚されないという可能性を受け入れる準備はしていた。
だが、召喚されたのが人間の形ですら無い何かだったのが頭に来ていたのか。
先程まで軽い口調で電話していた人間とは思えない位の勢いでキャスターに対して声を荒げた。
「キャスタァァアアア!!!召喚して早々に何をしていた!!!」
しかし、キャスターは落ち着いた様子で返す。
「アラ、ごめんなさいね、人助けをしていたの。」
そう言って階段を降りるキャスター。
──が、その後ろにキャスターより少し背の低い謎の陰があった。
「──何だ…………?」
「──貴方はもう用済みよ。召喚してくれてありがと。じゃあね。」
「ッ何!?ふざけるな───!令呪を持って命ずる、俺に刃向かうなキャスター!」
魔術師は手に刻まれた令呪の1画を使用してキャスターに命令を下す。
「ぐっ──!」
いくら英霊と言っても、サーヴァントである以上高ランクの対魔力を持っていなければ抵抗など到底不可能だ。
彼の声に応えるように赤く光る令呪の魔力が、キャスターを難なく拘束した。
──が。
「───赤報隊で培った鉄砲火器の知識を元に作った炸裂弾だ。」
──野太い「男」の声が響いた。
それはキャスターの後ろにいる陰ではなく、間違いなくキャスターから発せられた声。
「──やれ、「アサシン」。」
「アサシン……だと………!?」
「ヒィウィゴーーーッ!!!」
───その瞬間、爆音が工房内に響き渡った。
─サーヴァント詳細判明─
クラス:キャスター
マスター:死亡
性別:女性?
クラス別能力
陣地作成:?
道具作成:C
保有スキル
変化:E+
クラス:アサシン
クラス別能力
気配遮断:E