捻くれた少年と海色に輝く少女達 CYaRon編 作:ローリング・ビートル
「比企谷さーん!!」
やめて!大声で名前呼ばないで!
冒頭から元気な高海は、たたたっと駆け寄ってきて、隣に並んだ。
「おはようございます!」
「……おう」
そのまま並んで歩くが、なんかむず痒い。
普段なら耐えられる沈黙にも耐えられそうもないので、俺から口を開いた。
「……もう、大丈夫そうだな」
「はいっ。心配かけてごめんなさい」
「気にしなくていい。それよか、またライブはやるのか?」
「もちろんです!絶対に観に来てくださいね!」
「お、おう……」
その勢いに気圧されていると、高海が正面に立って、じっと見つめてきた。
「…………」
「……どした?」
何を言われるのかと緊張していたら、高海はそのままぷいっと顔を逸らせた。
「な、何でもないです!さあ、行きましょう!」
「そろそろ別れるんだが……」
********
「おっはよー、千歌ちゃん!」
「あ、おはよう!」
「あれ、どうしたの千歌ちゃん?顔赤いよ?」
「えっ?……あはは、何でだろ?」
「…………」
********
「っ!?」
「比企谷くん、どしたー?」
「……いや、何でもない」
なんだ、今の悪寒は?
チャラいクラスメートから心配されるくらいには震え上がったぞ。てかこいついい奴だな。チャラいけど。後で礼くらい言っておいたほうがいいかもしれない。
「そういやさ、比企谷くん。Aqoursって知ってる?」
「ん?ああ、なんか聞いたような……」
「いや俺さー、最近ハマっちゃってさー、誰推しか決めかねてるんよー。比企谷くん、俺高海さんと桜内さんどっち推しになればいいかなー?」
「……桜内、じゃないか?」
「よしっ!そうするわ!」
とりあえず、礼を言うのはやめておこう。いや、特に意味はないんだけど。
********
翌日、休みということもあり、知らない所を散策しようと近くの山を登ってみた。なかなか急な階段をしばらく登っていると、結構いい眺めなのに気づく。
船が沖へ出ていくのを見届けると、ざっざっと変わった足音が聞こえてきた。
……な、何だ?何かいるのか?
さすがに熊とかではないだろうと思いながら、音のしたほうに足を向けると、そこには……
「っ!?」
********
「ち、千歌ちゃん、果南ちゃんはやすぎない?」
「そ、そうだね……はあ、はあ」
「そういえばさ、千歌ちゃん……」
「なぁに?」
「……ううん、何でもない」
「?」
曜ちゃん、どうしたんだろ?
あ、もう少しでゴールだ!
話は後で聞こうと思い、気合いで階段を駆け上がる。
すると、そこには……。