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雪ノ下さんとの邂逅があった翌日、やはりというかなんというか雪ノ下さんは突如として面会に来た。
「こんにちは!比企谷くん!元気してた?」
朝一番だというのに元気だなぁ、この人は。
「元気も何も目の腐ったゾンビはこんな朝早くから元気にはなれませんよ。」
無意識のうちに自虐を交えて返してしまう。多少の自虐は愛嬌である。しかし身内以外だと引かれてしまうのがネックだが。
「ふふっ。比企谷くん相変わらず面白いね、でも君はいい目をしてる。何か本質を見分けられるようなとても真っ直ぐな目。」
そう言いながら俺の目を見つめてくる雪ノ下さん。近い近い近いいい匂い。
「あれ?比企谷くん顔赤くなってるよ?お姉さんに惚れちゃった?」
冗談でもそれを言うのはやめてほしい。うっかり惚れそうになる。
「ち、違いますよ。ただちょっと距離が近いというかなんというか」
「え?…あっ。」
漸く気づいたのか茹でタコのように真っ赤になった雪ノ下さんは俺から距離を取る。いや、何その表情可愛過ぎる。勢いで告白して振られるまであるな、やっぱ振られちゃうのかよ。
「いや、何その表情可愛過ぎる。勢いで告白して振られるまであるな、やっぱ振られちゃうのかよ。」
「えっ告白!?そ、そんなまだ会って2日とかなのに…もう比企谷くんったら!」
…思っていた事が声に出てしまったらしい。この癖治さないと後々不味いな、気をつけないと。
「なんかすみません。俺みたいなのからこんな事言われても嫌でしょうに。」
「ううん、違うよ。私こんな見た目だから言われ慣れてなくて、それでちょっとビックリしてただけだから。それにしても~へぇ比企谷くん私に告白したいの?なに?B専?」
落ち着きを取り戻したからってまた即座にからかってくる雪ノ下さん。この性格はどこの世界でも変わらないのかよ、うへぇ…
「別にB専って理由でもないですし昨日話した通りですし美的感覚が他の人と違うって思っていただければそれでいいです。ところで昨日妹さんの話をしてましたがもっと聞いてみたいなと。」
これ以上からかわれ続けるのも体力が持たないと察知した俺は強引かつ合理的な話題の変え方をした。
「え!なになに!雪乃ちゃんの話もっと聞きたいの!?」
1つ分かった事と言われればこちらの雪ノ下さんは表に出す程のシスコンらしい。
「それで5歳の時の雪乃ちゃんはね~」
と雪ノ下さんは小さい頃からの雪ノ下の話を1年刻みで話してくる。
まじか、後10年分聞かなきゃいけないのかこれ。話題転換失敗じゃね?ふえぇ助けてこまえもーん!
悲愴的に思っていると祈りが届いたのか病室の扉がトントンと音を鳴らす。
突然の来客に俺と雪ノ下さんは目を合わせ病室の扉に目を向けた。俺が「どうぞ」と声をかけると扉をノックした人が中に入ってくる。
「し、失礼しまーす」
おどおどしながらもややか細い女性の声で来室を告げた人物は小町の次に聞き覚えのあるごく最近までよく聞いていた声だった。
茶髪に染めていた髪は黒色になっており、右側に付いてたお団子は無く下ろしていて、着崩していた総武校の制服もしっかり着こなしている。これも美醜が逆転した影響なのか元いた世界では考えられない姿の由比ヶ浜結衣がそこにはいた。
「えっと、比企谷…くん、お礼を言いに来るのが遅れてごめんなさい。病院の場所とか調べてたら遅くなっちゃって、でもちゃんとお礼が言いたくて。家の犬を、サブレを助けてくれてありがとうございます。」
由比ヶ浜との邂逅を果たして一言目でやや早口ながらも謝罪とお礼を告げられた。
「いや、遅れたって言ってもそこまで時間経ってないし調べてきてくれたやつに偉く言える口じゃないから。お礼はありがたく受け取っておくわ。だが大事な家族なんだったら今度は首輪とかリードとかちゃんと点検しとけよ?」
伝える事はこれくらいでいいだろう。元いた世界では家に菓子折りだけだったから初めての事で少し動揺したが。
「うん!ホントにありがと!あたしの家族を助けてくれて。」
そう言うと由比ヶ浜は元いた世界と全く変わらない優しくも可愛げのある微笑みをしてくる。なんだよその笑顔可愛すぎんだろ。
「なんだよその笑顔可愛すぎんだろ。」
「か、かかか可愛い!?ふぇ!?」
「ひーきーがーやーくーん?」
どうやら俺のこの癖は治らないらしい神様まじ許さねえ。
皆様台風にはお気をつけてください。