東方深理壊~The Girl To Deny Life~   作:hinanan

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略して、は(の)がない、です。
平坂読さんも好き。読んでると意外そうな顔されるのがたまに傷ですが。

さて、本編の前に一つ。
私もそろそろあることを求めてみようと思います。なんだかわかりますね、そうハンペンです。違います。
実は、私の小説に感想やら評価やらを寄せてくれるとうれしいナー、なんて!
すると、何があるかですか?
なんと、モチベが上がります……私の。お昼御飯がお汁粉だったときくらいあがります。
はい。

でははんぺん入ります


……はむ


巫女は(人間の)友達が少ない

 はぁ、あそこで仕留められていたら……。

 

 今さら仕方のない後悔に頭を悩ませながら、私は迫ってくる水の弾幕を間を縫いつつお返しの札を投げつける。何をしているかと聞かれれば、にとりの弾幕を避けている最中と答えるしかない……余裕がないのも手伝って、ね。

 今また私をかすった弾幕に肝を冷やしながらも、被弾を避けるため変則飛行を続ける。いや、スペルカードは効果時間が切れるまで避けてても勝ちにはなるけど、時間が無いので体力を削ってさっさと落としたいのが現状だ。でも、さっきから何度も札やら針やらとお返しに叩き込んでいるけど、相手の弾の密度が高すぎてほとんどかき消されている。まるで、激流のような弾幕で時間をへるごとにそのかれつさ

 ふと視線を向ければ、魔理沙もぐるぐるとよけながら苦しそうな顔をしているのが見えた。

 思えばさっき二人がかりで攻撃を当てられていなかったのが、やっぱりそもそもの失敗だったわね。まとめて吹っ飛ばしたあとで気が抜けていた、と言うのもあるけどアイツを少しなめていたと言うのも事実。軽めの弾幕で仕留めようとしたら、見事に避けられて即スペカ。まさに、慢心ここに極まれり、といった感じで頭を抱える他にない。

 

 と、縦横無尽に私の視界を乱舞していた弾幕が突然消える。ようやく一つ目のスペカが終わったみたいね。だけど安心はできないし、勿論さっきのような慢心なんて論外。それに私が落ちたら面倒なことになりそうな予感がするしね、最後まで気を抜かないようにしないと。

 

「どうしたのさ、盟友たち。久しぶりだからって鈍っているのは君たちの方じゃないの?」

「よくいうぜ、一発も当てられなかった癖に」

「避けるのに必死に見えたけど?」

「それはあんたの目が節穴なだけよ。それよりにとり、もう少しきれいな弾幕を作りなさいよ。普通すぎて見とれないで避け続けちゃったじゃない」

「そりゃ、ごめんよ。盟友たちよりも高尚な技術を持ってるから理解できなかったみたいだねー」

「出た、河童の他人を自然に見下す癖」

「実際下じゃないか」

「さぁて、ね。それはこの弾幕勝負に勝ったやつだけが分かることよ」

「そりゃそうだ。なら、もう一人の巫女に取られる前にさっさと沈めてあげるよ」

 

 もう一人の巫女?

 早苗も動いているのかしら……ってよく考えたらそりゃそうか。あそこの神社元々外から来てたし、なによりこんな状況だもの。新しい物好きのあそこが動かないはずがないわよね。

 しっかし大きく出たものね、にとりも。これは少しお灸を据えてやらないとダメかしらね?

 だから、私達は同時に指をやつに突き付け、荒々しく凄烈に嘲笑ってやる。

 

「ふん、にとり一つ良いことを教えてやろうか?」

「あんたは、私たちに弾幕勝負で勝ったことは一度もないってことをね」

 

 こいつ相手に負けるようじゃ、異変解決なんてしないっての。

 しかし、私にとっては当たり前でもアッチにとっては気に入らない真実だったようで。

 私達の言葉を聞くや否や、その体から妖気を噴出させゆっくりと言葉を紡ぐ。

 

「へぇ……『人間』が私達河童よりも優れているってかい?」

 

 そして手の中のカードをまるで風船を割るかのように、パンッ、と消し潰す。

 さらに、私達を見下すかのごとく頭上に上がっていく。

 

「驕るなよ、『人間』。今回ばかりは君らは私の盟友足りえない。

だから、本気でやってあげるよ!

スペルカード宣言!」

 

瀑符【世界の終わりの幻想大瀑布】

 

 

 始めはポツポツと。だが次の瞬間それは急激に数と大きさを増して、あっという間に私の視界を埋め尽くす。

 例えるなら、それは世界のすべての水をかき集めた滝――いや名前通り瀑布か。それはにとりを取り囲み、まるで水でできた要塞のように円上に、隙間なく、際限なく量と密度の暴威を築き上げる。遠くから見れば、いっそ壮大であるとも圧倒的であるとも言えるだろう。

 だが――

 

「ぶつけられてるこっちからしたら冗談じゃないわよっ」

 

 弾と弾の間の1メートルにも満たないあいだを、必死に潜り抜けながら叫ぶ。

 ちっ、やっぱり見えないわね。これじゃ、こっちの攻撃を当てるのもままならないわ。さっきからアミュレットを飛ばしてるのに、ほとんどがそのまま水に飲み込まれてるし。

 

「おい霊夢、どうするんだ? お前が焚き付けたせいだぜ」

 

 責任転嫁甚だしい言葉に振り向くと、いつの間にか魔理沙も近い場所まで来ていた。だからなにって話でもあるけど、こいつの観察眼も借りれば何か分かりそうね。でも

 

「なに私にだけ押し付けてんのよ。あんたも言ってたでしょ!」

 

 人に責任を丸投げしないでよ、魔法使いってそんなものだろうけど。

 それにこいつを落とすよりも先にやらなきゃいけないことがある。

 会話をするには少しばかり空が忙しないけど、贅沢は言ってられない。近くて遠い位置にお互いを置き、蜂のようにひゅんひゅんと飛び回りながら私達は叫びあう。

 

「そういえば、――っふ、魔理沙」

「なんだ?」

「なにか分かった?」

「えらく曖昧な質問だな。でも少しな、らっ!」

 

 言葉と一緒に大きく宙返りしたかと思えば次の瞬間私のすぐそばにいた。

 目を丸くする私の肩をパシッと叩き、

 

「思いついたから、ちょっと離れてくれ」

 

 ええい、肝心なところで人任せなのどうにかならないの、こいつは!

 しかし、私には文句を言うどころか一刻の猶予すらないのだった。目の前に迫る弾幕に冷や汗を垂らし、術を起動する。あわや後数センチ――という危険なとこでなんとかギリギリそれを発動させる。

 

――【夢想亜空穴】――

 

 次の瞬間、目の前に見ていた弾幕は見えなくなり、代わりに壁のような水の弾幕が姿を現した。

 

「いよっ、さすが次期スキマ妖怪候補」

「今度その笑えもしない冗談を言ったら、一緒に甘味処に行ってやらないから」

「ごめんなさい」

 

 割と本気で噂されてるから本当にやめて。というか、誰よこんな悪質なデマを流したの!

 一番可能性が高いのは張本人のスキマ妖怪だけど、何故か発祥は妖怪サイドからじゃなくて人里からっぽいのが腑に落ちない。よくも悪くも目立つから、人里で動いたんなら、何かしらの痕跡が残ってそうなのになにもないし。でも、人里で、このスペカを見てスキマを想像しそうなやつって……あぁ。

 いた。しかも、おあつらえ向きに要らない想像をしそうな友人までもってるやつが。後でお仕置き決定ね、あいつら。

 真犯人も分かったし、あとはこいつの話を聞いてさっさとあの河童を倒しちゃいましょうか。

 

「で、結局なにを思い付いたの」

「ん? ああ、そうだった。そういう話だったっけ」

 

 そう言うと、私の肩においていた手を離し、人差し指を指す。

 

「まずアレ。アレ見えるか」

 

 指した方向を見てみるが、その方向にあるのは落ちてくる水の弾幕だけだ。正確に言えば、落ち始める位置だけど……それが何なのかしら。あ、もしかして上から突っ込んでみようって話? 確かに上からの弾幕なら、横方向に行くより、縦でいく方が楽に決まっているわよね。

 

「違う違う、説明に必要なんだよ。さて、ここからじゃ落ちてくるとこしか分からないだろう。でも実はあれ、予想じゃ上の方の中心から落下地点までは横方向に流れているぜ」

「なんで、そうだって言い切れるのよ」

「スペカの名前聞かなかったのか? ありゃ、天動説由来だぜ。幻想郷だからって好き勝手やりやがって」

「ちょっと、説明放棄して勝手に怒らないでくれない?

そもそも、こっちはそんな言葉はじめて聞くのよ」

「ああ、すまんすまん。でも、詳しく説明している時間もなさそうだぜ」

 

 魔理沙の視線を追うと、今まさに壁がこちらへと近づいてくる。

 とりあえず逃げながらでも説明してもらおう。

 そう考えて、追いたてられるようにそこを離れた。魔理沙がこちらも見ずに言葉を続ける。

 

「ええと、天動説は地球じゃなくて太陽やら星やらが動くから空の模様が変わるって考えだ。でもって、大昔はそれに加えて地球が平べったい板だ、ってのも付け加えていたんだ」

「へぇ、違ったんだ。で?」

「……。そういう考えの場合、海の水とかはどうなると思う?」

「確か、それって世界を覆う大きな水溜まりだっけ?

んーと、下に落ちる……?」

「そうだ、なんのしきりもない板の上の水なんて端までいきゃ落ちるのは当たり前だ」

「つまり、それがアレってことね」

 

 背後をチラ見すると、まだぴったりと後ろについてきていた。物凄い勢いで通りすぎていく下の景色と、びゅうびゅうと吹き付けてくる風がどれ程の速度か教えてくれる。知りたくはないけど。

 もし止まったら、大根おろしみたいになりそうで怖い。

 

 あれ?でもその考えだったら……

 

「真ん中は水が落ちてないんじゃないの?」

 

 それはつまり表層の厳しさを突破できれば、後は楽になるということ。実際スペカが発動した直後、弾幕はにとりを囲むように――発動者に当たらないように降っていた。それは、魔理沙も頷く。

 

「あぁ、そうだぜ。水の及ばない陸地のとこなら水は落ちてこない」

 

 

 だけど、私たちは知っている。この幻想郷にいるやつがそんなに甘いはずがないってことを。

 

 

「でも、安全じゃない」

 

 魔理沙がそう言うと、背後からの押し寄せるような圧が更に強くなった。まるで、大きな生き物が蠢動し始めたかのように。

 

 

「そろそろくるぞ」

 

 その忠告が早かったか。

 

 ぞわり。

 

 と勘が危険を知らせる。

 

「……っ!?」

 

 咄嗟に上へ。すると薙ぎ払うかのように、レーザーの束が過ぎていった。

 

 しかし、安心している暇はない。チラリと後ろを振り向くと、水の壁から次々とレーザーが涌き出るのが見えた。

 それは、一個の巨大な生物。光の届かない深い水の中で、巨大な何かが蠢くよう。

 時に尾びれを薙ぎ――横から埋めるように迫る弾幕の間を縫い、

 時にその体の動きで水中をかき回し――唐突にバラけて飛んでくる水の弾を結界で弾き、

 時にその大口で飲み込もうとする――上下から押し寄せるレーザーの束をその紙一重の隙間に滑り込んで避ける。

 私たちにとってはこれは戦闘だが、その生き物にとってはまるでうるさいやつを追い払うぐらいの行動でしかないだろう。

 

 

 彼女は知っている。

 

「昔の人が考えたのはその平べったい板だけじゃない」

 

 私と同じように、だが分析をしながら、そして言葉を継ぐ。

 

「バハムート、って言うんだ。要は神話と同じだ。水が落ちていった先の広大なる海にいる、板みたいな世界を支える奴の一体として信じられてきた」

「神話? それにその名前……何であいつがそんなこと知ってるのよ」

 

 飛んできた水塊に身を反らす。追加で来たのは今の隙で作った結界を使って消す。

 やっぱり避けるのも厳しくなってる……。弾幕を弾く結界も後何度使えるかしらね。

 

「あんたはあそこに出入りしてるから分かるわ。でも、あいつが外の、それも日本でもない国の廃れた神話を知っているわけない」

 

 依然、弾幕は激しさを増すばかり。しかし、そこは私にとっては聞き逃せない。そこらの情報は私たちが管理しているはずだから。唯一、紅魔館の大図書館はその検閲から逃れているが、それは持ち主やそこの利用者がその情報を悪用、拡散しないと分かっているからだ。

 

「本当にそうか? それとも、今何が起こってるか忘れたのか?」

「はぁ? 何がって、異変で外のものが大量に……ってそう言うことね」

「たまたまそれが載った媒体を手に入れたんだろうな」

「頭痛の種が増えたわ……ますますさっさと終わらせないと」

 

 つまり、これから運悪く他のやつに捕まったら、そいつも強くなってるかもってことでしょう?今回のやつ本当に面倒くさいわね。

 足に霊力を込め、弾幕のひとつを蹴ってそらす。そろそろ結界も間に合わなくなってきたわね。

 さて。

 それで?

 ここまでわざわざ弾幕避けに撤して話をしたからには、何か対抗策が有るのよね?

 

「もちろん! そもそも、外の知識が入っただけじゃあいつhが強くなるのはあり得ない。

そして、この弾幕のからくりも大体予想がついた。

反撃の時間だぜ!!」

 

 そうこなくっちゃ!

 私が期待の目で見ると、魔理沙も楽しそうに笑い右手を前に突き出す。

 

「まずはあの辺りを吹き飛ばすぞ、合わせろ霊夢!」

 

 指したのは、にとりが弾幕を展開し始めた位置――よりも下のレーザーがわき出ている部分。

 

「分かったわ!」

 

 その言葉で焦ったのか。突然大量の弾幕が落ちてくる。しかし、残念だが狙いが甘すぎる。

 私たちはひらひらと弾幕を避け、スペルカードを取りだす。

 

「「スペルカード宣言」」

 

 私たちの手の中でカードが消え、その力の形状を現出させた。

 

 

 霊符【夢想封印・集】

 

 恋符【ノンディレクショナルレーザー】

 

 

 現れたのは集束する霊弾と貫けないものなどない光。

 先ずはレーザーが水の壁に激突し、貫く。そしてその穴を広げるように、霊弾が押し通る。

 その穴から見えた中には誰もいなかった――始めは。

 レーザーが通り抜け、その後の集束した霊弾が爆発を起こす。

 すると、次々と相手のレーザーがかききえ、代わりにさっき落ちていったはずのカッパ達が姿を現す。

 

「なるほどそう言うことね」

 

 カッパが落ちていくのと比例するように、弾幕は薄くなっていく。

 つまりは、それしか答えがなかったみたい。

 強くなった、じゃなくて仲間を集めて強く見せていたってこと。確かにルールには複数人でやってはいけないと明記していないし、似たようなことをしているやつらならいる。でも、ここまで堂々とやられるなんて……しかも気づかないなんてね、まったく私の勘も鈍ったのかしら。

 

「タネが分かったか?」

「ええ、完璧にね。今回はあんたのお手柄よ」

「あはは、私一人じゃ切り抜けられなかったぜ」

「はいはい。まだ終わってないんだからあんまし気を抜かないでよね」

 

 そういって上を見る。底には未だに水の壁が塞がっていた。

 やっぱり、にとりは残ったわね。下の方にいるとは思ってなかったけど、いたら一気に終わってたのに。

 

「で、あいつを倒した方が手柄ってことでいいのか?」

 

 うずうずと八卦炉を手の中で転がしている魔理沙に、私は答える。

 

「ええ」

 

 術を発動させてから。

 

【夢想亜空穴】

 

「出来たらね」

 

 目の前に現れるのは水の要塞の、中心部。見下ろした渦の真ん中を睨み、早口でスペルの宣言をする。

 

「は? え……ズルいっ!?」

 

 下でなんかのんびりしているやつがいるわね。まぁ、関係ないけど。一番手柄をあげた方が人里でスイーツおごる約束はしてるけど、それとは関係ないだろうし。

 魔理沙の嘆きは無視して、投げたカードを蹴り砕く。

 

「宣言」

 

宝具【陰陽鬼神玉】

 

 それと同時に背後に特大の陰陽玉が出現する。

 

「夢は潰えなさい」

 

 蹴った勢いに乗り、回転。そして落ちてきたそれにあわせ、ちょうど頭があった位置から蹴り落とす。

 

 水の要塞なんて、砲撃さえなけりゃなんのその。

 巨大質量が夢の砦を潰していく様に背を向け、私は魔理沙のところまで降りていった。

 

「おい、霊夢」

「何かしら?」

「何かしら、じゃない! 私の手柄を総取りしやがって!」

「私はただ早く異変を解決したかっただけよ」

「いーや、違うね。新作のデザートおごらせようとしてるだろ!」

「なんのことかしら」

「とぼけたな」

「なに、あんたも手柄ほしいの? 異変解決してみんなにちやほやされたいの?そうだったのねー」

「いや、それは、その…………うん」

「あ、うん……なんかごめんなさい」

「そうだぜ、反省しろよこの強欲巫女」

「なぁ!?言うじゃない、上等よこのエセ魔法使い!」

「「上等よ(だぜ)!!」」

 

 にとりが起きてくるまで、私たちは誰もいない空でギャーギャーと騒ぎ続けるのだった。……時間もきにせずに。

 

 

―――^\少女祈祷中/^―――

 

二分前

 

 「あれ、あんなところで弾幕ごっこ?確か、あのあたりは河童の里に近かったはず……。とりあえず見に行ってみますか」

 

 

―――^\少女祈祷中/^―――

 

「何でもやれそうな気になっていたからさ」

 

 にとりに話を聞いてみると、そんな言葉が返ってきた。

 

 そもそも、幻想郷の河童は進んで人間を襲ったりしない。それは、幾度となくこのカッパたちと遊んであげた私だって例外じゃない。まぁ、遊んだって言うのは比喩で、変なことをしそうなときに叩きのめしたってだけなんだけど。でも、そんなことをしていてもこいつらは私から仕掛ける前に襲ってきたりしなかった。

 でも、なぜか今日は違った。いくら研究のためとはいえ、人間を排除しようとするなんてコイツららしくない。

 

 そう思って、何があったのか聞いてみたらさっきの言葉に繋がったのだ。

 さっきまでの調子はなくどことなくシュンとしてるツーテールに、続けて話しかけてみる。

 

「何でそうなってたのよ?」

「分かんないけど……昨日、人里いったときに盟友たちがピリピリしていたからその煽りを受けたのかも」

「ああ、そう言えば……」

 

 確かに、人里にいた人間と同じような状態かもしれないわね。うーん、やっぱり異変の首謀者に直接聞くしかないわね。このままじゃ全部わからずじまいだし。ただ、これにかかるのが人間だけじゃないって分かっただけよしとしましょうか。

 一区切りつけ、魔理沙にアイコンタクトを送る。魔理沙は頷き、にとりの頭を撫でてにっかりと笑ってこういった。

 

「ありがとな、にとり!

お前のお陰で少しは謎に近づけたよ。

今度もまた弾幕ごっこしようぜ」

「いやいや、盟友の役に立てたのなら何よりだよ。

あ、でも弾幕ごっこは絶対しようね、約束だよ盟友!」

 

 もうそろそろいくよ、って伝えただけなんだけど。何でそんないい雰囲気出してるのこいつら。

 んーでも、ストレスとか溜まってさっきと同じ状態にならないならいいか。

 

「さ、霊夢、いこうぜ」

「霊夢も気を付けなよ!」

「はいはい、ありがとう」

「それじゃ、首謀者のとこまで一直線にいくぜ!

……そう言えば、私たちってどれくらいここにいたんだっけ」

「あ」 

 

 冷や汗が止まらない。主に面倒そうなイベントの開始を予感して。

 面倒な事態を避けるためにと時間と戦いながらいこうと思ったのに、もうすでに終わりな気がしてきたわ。

 

 目を見合わせた私たちが、持てる全力でソコから飛び去ろうとした瞬間。

 すべてが遅かったことに気づいた。

 

 目の前に飛んできたそいつは緑の髪をしていた。

 そいつは蛙と蛇の髪飾りを付けていた。

 そいつは巫女装束をきた女子高生のようなやつだった。

 

 つまること、そいつとは。

 

 

 

 

 

「あー、霊夢さん魔理沙さん!

こんなところでいったい何を……あ、神様たちの邪魔ですね!

そんなことは、この太陽と愛と悲しみの巫女『東風谷早苗』RXがゆ"る"さ"ん"……って、何でそんな面倒そうな顔してるんですか!?」

 

 

 

 

「「……一番面倒なのが来た」」

 

 

 

「口に出して言わないでくださいよっ!」

 

 

 

 

 

 天を仰げば私の悩みなど小さく……ならないかなぁ……?

 叫ぶ現人神を前にそっと呟くのだった。

 

 

 やっぱり、人外の知り合いの方が多いのはダメじゃない? 巫女として。

 

          ―――――――――――――――――――――――

 

 

 明日の自分の背中を追い続けていた。でも、それは本当に正しいの?

 気持ちは追い付かず、焦るような感情と裏腹になる。

 

 それでも、私は前に進んだ。いや、進んでいると信じ続けた。

 だって、今なら昔と違って、願ったら奇跡ですら叶えられるんだから。

 昔よりも、多くのことができるはず。昔のような失敗はしないはず。

 

 捨てたものを取り戻すことも、私にはできやしないのにそんなことを考えていた。

 それだけを信じて、その時は――今はただ前だけを向いて。

 一歩でもいい。私に、自分が捨てたものに執着しないような、前だけを向いて歩けるような強さを。

 

 




はい、今回も読んでいただきありがとうございました。
それと、ひとつ謝らなきゃいけないことが。
前回、戦う相手は~見たいなのりでやっていたのに見事に出来ませんでした!
ごめんなさいっ

いや、これでも頑張ったんですよ?
ほら、いつもより文字数が少ないですよね?
頑張って少なくしてみました。これは努力の成果と見れるのでは?
見れないですか、そうですか。

本当にごめんなさい!

と、ほとんど謝辞になったところでまた次回です。
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