が、それとは別の方向で注意してください。
「あーん」
口の中にフォークに巻き付けたパスタを口に運んで咀嚼し、嚥下する。
その懐かしい風味に思わず涙が出てきそうになる。
ああ、何て懐かしいんだろうか。口移し以外で食べ物を食べるって言う事が!
「店の雰囲気も良いし、あいつ等に見付かる事も無いだろうし最高の場所だよ」
今度からここを隠れ家にしよう。
たとえ見付かったとしても、民間人の前で暴れたりはしないだろう。
『それはフラグだな』
「おい馬鹿止めろ。いくら色々と鈍感な僕といえどそれくらいは理解しているんだよ」
シュテルなら燃やして滅尽滅相、レヴィなら電撃で滅尽滅相、ディアーチェなら粉砕して滅尽滅相、ユーリなら世界ごと滅尽滅相。
何この絶望?誰か僕を助けて!
『そう言っても誰も助けてはくれんがな』
「そうなんだよね~」
泣きながらハンバーグを一口で食べきる。とても美味しく、食欲をさらにかきたてる。
お金については心配していないからこそできる芸当だ。幼い頃の貧乏暮らしが嘘みたいだよ。
昔の事を思い出しながら次々と食べ物を咀嚼していく。
すると―――、
「テメェ!!オレの邪魔ばっかりすんじゃねぇよ!!」
「別に邪魔なんかしていないだろ。そっちもいい加減『ハーレム』って言うのを止めろ」
そんな感じで二人の男の子の言い争いが始まった。
そしてその周囲に居る女の子三人、一人だけシュテルに似ている、が二人を止めようと何か言っている。
「んもう、うるさいなぁ………高々ハーレムぐらいでぐちぐちと」
『それが世間一般の反応だぞ。まぁあいつ等の本心は本当に面白いと思うがな』
クラマがにたりと笑い、そう呟く。
疑問に思ったのでクラマの魔力を借りてあの二人の思考を読み取る。
(ったく…………こうして踏み台になってるんだからとっととオレの代わりにオリ主になりやがれよ)
(原作介入したくないっていうのになんでこんな事やってんだよ)
ああ、確かにこれは面白い。
どちらもあの可愛い女の子達に興味が無いだなんて…………口説くか?
『よせ。殺されるぞ』
だよねー。
まぁ、そんな事はドウでも良いんだけど。
「それじゃぁ、そろそろ帰るとしますかね?」
テーブルの上に散乱する惨状から目を逸らしながら会計を済ませて外に出て、首から出た魔力の鎖に引っ張られてあっと言う間に宙吊りにされてしまう。
「な、何事―――」
「ようやく見つけましたよ。霊夢」
禍々しいと言わんばかりの声音が響き渡る。
そしてその声はどこぞの邪神ヴォイスに似ていた。
「全く、発信機の反応が家から無くなっていたのをすぐに気付いてよかったですよ」
「あ、アハハハハハ…………見逃してくれるかな?」
「ノー、絶対にノゥです!」
「うぎゅっ!?」
鎖を引っ張り強引に首を絞められる。
一瞬で意識が持ってかれそうになるがなんとか心を持ち直し、逃げ出そうとするが何故か逃げ出せない。
能力を使っても逃げ出すことができない。
「逃げられませんよこれは。そう言う封印ですからね」
「紫天の書に刻まれてある封印?」
「はい、英語で言うとYES!!と、いうわけなので貴方が本気を出さない限りこの鎖は解けませんからね」
そう言ってずるずると引きずりながら家にへと向かうユーリ。
何とか逃れようともがくがどうやらこの鎖はもがけばもがくほど絞まっていくようらしい。
おかげで苦しくてたまらない。
「今日は楽しみにしてくださいね。勝手に外に出た罰、きちんと受けてもらいますから」
「あー、罰って一体?」
「本当ならもうちょっと成長してからにしたかったんですけど、仕方がありませんよね」
質問する僕に対しユーリは返事はしなかったが懐から取り出したブツにスイッチを入れる。
ブブブブと音を立てながら揺れるそれは俗に言う大人の玩具―――、
「イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?それだけは絶対にイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「暴れないで下さいよみっともないじゃないですか」
畜生!!何でだ!?何故僕だけがこんな目にあうんだ!?
そういうのを受けるのは敵じゃないの!?どこかにいる明星の称号を持つ人は他者に被害を与えるのに何で僕だけは自分にしか被害が来ないの!?
「だ、誰か助けてください!!このままだと僕のお尻が―――」
「当身!」
「ウルグアイ!?」
首に走った衝撃のせいで僕は意識を手放してしまった。
「フッフッフ、これで霊夢の処女はワタシノモノ………」
ユーリの邪悪な言葉を遠のく意識で聞きながら―――。
~じかいよこく~
魔神ユーリに捕らえられてしまった霊夢姫(♂)。
それを救うべく立ち上がった三人の勇者、シュテル、レヴィ、ディアーチェ!
果たして三人は霊夢姫(♂)をすくえるのだろうか!?
え、霊夢姫(♂)の処女?
詳しくは言えないですが、ご愁傷様とだけは言っておきます。