駄作品劇場・残骸   作:夢現図書館

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第11話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本某所。駒王町と呼ばれる日本では珍しく西洋造りの家屋が建ち並ぶ町の片隅にその建物。

 

『ワンダー・テイル』

 

ちょっとオシャレな雰囲気を醸し出しているこの地へ移転して来た新装開店前の喫茶店のその2階、とある一室。彼方此方に色々なモノが散乱しているその部屋のベッド……そのベッドに小さな膨らみへと向けて小さな影がぴょんぴょんと跳んで来る。左右の耳が不釣り合いの長さの珍妙な形の白い兎の頭の様な姿をしている人形だった。

 

「うみぃ〜……」

 

布団の中に包まっている存在の寝言と布団からはみ出した白銀の髪。そのウサギの人形はその耳で白い髪を小突く。

 

「……ん、ん……」

 

しかし目覚めない。多少、小突いただけでは呻くだけで目覚める事が無い様だ。ウサギの人形は今度は連続で頭を小突いた。然も鈍い音を響かせながら。

 

「うみゃあ⁉︎」

 

連続で小突かれた際の衝撃により布団の中に包まって寝ていた人物がベッドから鈍い音を立てて転げ落ちた。

 

「う〜……‼︎」

 

長く真っ白とも呼べる白銀の髪を垂らしてあひる座りで呻く小柄な体躯の少女。体躯に見合わず髪の毛は相応に多かった。その寝惚け眼は虹彩が言われ無ければ異色とは思われない双眸をしていた。

 

「……うう、まだねむい……(´-`).。oO」

 

その眼を擦りながら欠伸を噛み締めながら船を漕いでいた。その少女を文字通り叩き起こしたウサギの人形はあひる座りで座るその少女の膝の上でぴょんぴょんと跳ねている。そんな様子を知ってか知らずか少女は再びベッドの布団の中へと戻ろうとする。就眠に対する意欲は健在な様である。

 

「あたっ⁉︎」

 

そんな少女に対してウサギの人形はその耳で今度はペチンッと叩いた。

 

「うー……朝は弱いのにぃ……」

 

その軽いのか重いのか分からない加減の一撃で一応は目を覚ましたらしく、ベッドに入るのを諦めた。そのウサギの人形はその少女の頭の上に跳び乗った。そこまで重くは無いし少女は何時もの事なので気にしていない。

 

「ウィキッド〜? 騒がしいけど起きたのかしら〜? そろそろ急がないと不味いわよ」

 

その時、部屋の外からその様な声が聞こえて来る。どうやら同居人が起こしに来たらしい。部屋を開けてその人物が入ってきた。

 

「また、ベッドから落ちたのね……って、さっき起きたばかりなの⁉︎」

 

黒髪の短髪の少女だ。珍しい金眼の双眸を持ち駒王学園の女子生徒の制服を身に纏っていた。彼女は皓い少女の事をウィキッドと呼んでいた。

 

「うみぃ〜 (*´ω`*)」

 

「ああもう、ほら転入初日から遅刻と言うのは割と笑えないから急いで着替えないとダメよ‼︎」

 

マイペース気味なウィキッドを見かねた黒髪の少女、シノア・オーンブレは彼女の部屋に置かれていた新品のまま袋に納められていた駒王学園の女子生徒用の制服に着替えさせていく。ウィキッドはシノアにされるがままの状態で着替えさせられた。その様子から見た目より結構、幼く見える。

 

駒王学園の制服に着替えさせたシノアは彼女を伴い1階のリビングへと降りて来る。

 

「やっと、起きて来たね。弁当は出来ているよ」

 

「ええ、ありがとう。リィティア」

 

リビングでは大テーブルの上に3人分の弁当と朝食が置かれその奥の厨房で水色髪の少年が弁当等を作った際に使用した調理道具等を洗っていた。自宅兼喫茶店である『ワンダー・テイル』の少年マスター、リィティア・ティターリァが2人+αが降りて来た事に気付く。

 

この住宅は家と喫茶店『ワンダー・テイル』と同一となっており1階の半分が喫茶店の内装となっている。因みに縦割り型と上下分断型が混在している構造となっている(方針としては趣味範囲内の経営)。基本的に自己の都合上、土日しか開いていない。

 

「うみぃ〜……おはよ……リィティア……スー」

 

「相変わらず朝には弱いね。ウィキッドは」

 

「違うわ。アトリエに朝4時まで篭っていて5時位に自室に戻って寝たのよ」

 

「……そ、そうなんだ……あはは」

 

朝食を食べながらのシノアの補足にリィティアは失笑しか出ない。この建物にはウィキッドのアトリエが存在する。それは彼女たる所以である理由でもある。

 

朝食を済ませた後、3人揃って家を出て転入先である駒王学園へと向かって足を運んだ。

 

 

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