駄作品劇場・残骸   作:夢現図書館

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第12話

 

《IS》。正式名称、インフィニット・ストラトス。篠ノ之 束が宇宙を夢見て開発したパワードスーツ……しかしながら常人の理解を得られなかったからか或いは発表の仕方が間違って居たのか開発者の思惑とは別の方角へと運用されて居た。開発者は当初はいつの日かは思惑通りに事が運ぶのだろうと期待していたがその様な展開には至らずある時を境に行方を眩ませて姿を隠し去って行った。

 

軍事力の方面へと進出の歯止めは掛かる事は無く、そのISの持つ欠点からか女尊男卑と呼ばれる時代へと突入した……理由は簡単、ISは女性しか起動出来なかったからである。

 

そんな情勢の中、一部の人間達……即ち従来から宇宙ステーション開発や惑星観測など宇宙関連の人間はISの登場により、渡りに船と言わんばかりに数機のISを確保に成功。開発者が望んだ本来の使い方としての『宇宙航空』と言う運用の視野に入れた実験開発を開始。賛同した技術者、科学者もプロジェクトに参加し成層圏をも超えて宇宙空間に独自のスペースコロニー『ARK』を建造中心とし活動を開始した。勿論、男性でも使えないか研究を続けて居た。

 

ISが登場してから一年後、『宇宙』を起点とした研究施設であるスペースコロニー『アーク』は宇宙の活動圏内で野菜、穀物等の生産に成功。自給自足可能となった為に研究施設は領土(宇宙なので土地もクソも無いが)無き研究国家として独立した。元々、スペースコロニーであり先進国の庇護を受け難い為になるべくしてなったとも言え、スペースコロニーで独自に宇宙開拓や調査を独自で行い、未知のエネルギーや物質を確保、開発、研究の視野を広めていく。

 

一方、日本を始めとした先進国はスペースコロニーの研究国の行動を抑制したい思惑が存在した。完全なる何処の国からも援助は提携もせずに独立組織として確立した『ARK』の存在を危険視したのだ。ISと言う技術をいの一番に宇宙への視野に向け未知の技術をも始めている為にその技術を欲していた。のだが活動拠点が宇宙空間に存在するスペースコロニーなので、手出しのしようが無い。

 

理由は簡単で宇宙に出る為の手段が殆ど無いと言う事。ISの台頭によりシャトル等の宇宙関連に一機も使って居われていない。宇宙関連の明るい人間は殆どがスペースコロニーへと行ってしまい、その道に携わる人間が極端に少ない、否、ほぼ居ないと言う事。女尊男卑により遠い利益の上空よりも目先の利益のある地上の方に視野をに向けている為に利益の少ない方には関心が薄いと言う事。重複するがISの台頭により宇宙関連の開発が廃れその技術力がほぼ喪われてしまっている事。

などが理由に挙げられた。

 

シャトル一機飛ばすのにも莫大な金がかかる(離陸に必ずしも成功するとは言い切れず命懸けとも言える)。先進国としてはスペースコロニーの技術に興味はあるが前述の通り地上からは手出しが出来なかった。遠距離通信連絡等で交渉を試みる政府も存在したがスペースコロニーに向かっている連中は研究の虫軍団。ホームシック等もあるが考え方が異なっていた為に半ば無視されてしまっていた、虫だけに。

 

そして時が流れISが登場してから十年後……女尊男卑は加速し宇宙コロニーの研究国以外は未だにISは蒼穹の下に燻って居た。

 

そんなある日、世界が震撼した。この星で初めて男性がISを動かしたと言う事に……他にも動かせる者が居ないが全国で一斉検査が行われた……しかし、二人目の男性操縦者が世界で発見される事は無かった。

 

かく言う宇宙コロニーの研究国はそんな故郷の地球の地上の騒動も他所に今日も研究、開発の毎日を送って居る。

 

 

 

 

 

 

 

「あいえすがくえん?」

 

「そうだ。そろそろARK以外、正確には窓から見えるあの青い惑星。地球と言うセカイを見て見聞を広める頃合かと思ってね。本当ならもっと早くするべきだったのだが、色々と情勢や状況のマッチングが上手く行かず後手後手になってしまった……遅れながらもしようと思ってね」

 

『ARK』の一室。其処に白衣の男性と1人の中性的な少年が机を挟んで対話をしていた壁一面に存在する三重の強化ガラスからは青い惑星、『地球』が見える。

 

「……地球、ですか」

 

「『ARK』は出来得る限り地球の環境に合わせる様に調整はしている。だが……如何しても完全に合わせる事は出来ない」

 

「……」

 

「学校、と言う教育機関が最もたる例だ。私達は独学で君達、ARK内にいる子供達に勉学を教えてもいるしISの技術の手解きをも行ってもいる。だが、それだけで本当に良いのだろうか? と言う疑問もあるのだ……多感な時期に研究施設のカキュラムによる缶詰状態と言うのも宜しく無いと断言出来る。だからこそ、だ」

 

「……僕は別にARKでの生活に不満は……」

 

「君には多大なる感謝をしている、君が居たからこそ研究は飛躍的に進歩した。だからと言ってそれを絶対的な是と見做すのはどうかと思っている……君は命令を受けて動くだけの人形じゃない、1人の生命だ。だから、聞き届けて欲しい」

 

「…………」

 

 

研究主任の男性は少年に『学園生活』と言うモノを体験して欲しい、と語った。だが色々な事情が重なった為に『IS学園』一択となってしまった。それは宇宙育ちで『IS』に関わりのある環境、普通の学校では受け入れられない可能性があったからである。そして私立、公立問わず政府や国家の干渉もあり得る。

 

研究主任としても此の儘、研究施設での生活だけでは精神的に好ましくない。ISの操縦能力は問題ない……故に年相応の学業や青春と言うモノを謳歌させる。事情が重なった理由、それは男性操縦者が地球上で発見されてしまったから。ARKの実情は知られている、故にARK出身の男子ともなれば確実に何かしら干渉を受ける、後手に回っては厄介な事になりかねない。故に先手と言う形で敢えて2人目の男性操縦者と公表しIS学園に入学させる事にしたのだった。本当ならば他の子供達にもさせてあげたいのだが、現状難しく1人が限界だった。

 

そして学園生活を送らせる傍、確実に問題が起こり得る為に『調査目的』と言う課題を提示した。本当ならARKにとって至極どうでも良い内容ではあるのだがこの様な形にしておかないと納得してくれないだろうからだ(現に破棄したら納得しなくなった)。

 

故にこの様な奇妙な形での入学となった。

 

 

 

 

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