駄作品劇場・残骸   作:夢現図書館

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第13話

 

 

 

《IS》。正式名称、インフィニット・ストラトス。篠ノ之 束が宇宙を夢見て開発したパワードスーツ……しかしながら常人の理解を得られなかったからか或いは発表の仕方が間違って居たのか開発者の思惑とは別の方角へと運用されて居た。開発者は当初はいつの日かは思惑通りに事が運ぶのだろうと期待していたがその様な展開には至らずある時を境に行方を眩ませて姿を隠し去って行った。

 

軍事力の方面へと進出の歯止めは掛かる事は無く、そのISの持つ欠点からか女尊男卑と呼ばれる時代へと突入した……理由は簡単、ISは女性しか起動出来なかったからである。

 

そんな時代、日本の某所にその建物は建って居た。色褪せる古き良き時代の様な西洋造りの巨大な古城の趣きをした建物。人里離れた山岳、森林の奥深くに建っており日本でありながら中世の世界に迷い込んだかの様な錯覚を覚えるだろう。

城の城塞の壁には多数の荊が這い廻り、城塞内には咲いた薔薇と枯れて朽ちゆく薔薇が同居する庭園が存在する。庭園は城塞と城内の間に2箇所、城内にも庭園は1箇所存在すると言う不可思議な構造をして居る。

 

この時代を逆行するかの様に頽廃的な雰囲気を醸し出しており、廃墟好きには堪らない様な空間が其処に存在して居た。

 

周辺は深い深い樹海の如き森林地帯で最寄りの集落や村と言った場所には最低でも10キロメートル以上離れて居る。舗装された道すら存在しない為交通の便はほぼ無い。そして性質の悪い言い伝えが広まって居る為に余計に誰1人寄り付く事が無い。深い森に存在する古城、と言うミステリアスな雰囲気故に邪な話が伝わるのである。

 

古城には夜な夜な人間の悲鳴が轟く。

森林地帯は自殺の名所、時たま幽霊が現れ道連れを欲している。

森林地帯は迷いの森、コンパスも使えず入ったら息絶えるまで彷徨い続ける。

捨てられて野生化した危険生物の温床。

 

などなど荒唐無稽な噂話に尾鰭が付いて誇張されて居た……実際に行方不明者が頻発しているが故に肝試しすら危険と判断され立ち入らない様に行政は呼び掛けて居る。立入禁止にしない理由は古城には一応、住人が居るし森林地帯一体の地主でもあるからだ(然し危険地帯と評されて余り良い場所では無い)。

 

「ねぇ、止めない? 流石に不味いって」

 

「何よ、今更怖気付いた訳? 大丈夫よ。幽霊とか動物とか噂よ噂、誰も見たって話は無いじゃない」

 

「……はい。周辺地域との交流は皆無……古城には誰も居ないと仮定するのが自然かと」

 

某日、その様な事を言い合う一団がいた。と言うよりも集まりと言った方が良いかも知れない。未成年、高校生くらいの年齢の少女達だった。

 

「……ほら、ユリもそう言っているんだし、危なかったら逃げれば良いじゃない」

 

「だ、だけど……不法侵入にならないかな?」

 

「その時は肝試しに来ました〜とかで良いじゃない。第1、そんな感じなんだから大丈夫よ‼︎ ほら、時間も無くなるからさっさと行きましょう」

 

「うう、こんな事なら来るんじゃ無かった……」

 

少女達は森林地帯の奥深くにある古城を目指して森の奥へと脚を踏み込んで行く、そして後日になってもその少女達は元いるべき場所に帰って来る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古城の室内庭園。この古城は城の内部にも温室の様になっている。城のほぼ中心に位置する場所には城内庭園が存在するこの場所から見える頭上、古城の天井にある天窓まで吹き抜けとなっており日光や月光が差し込める様になって居る、周囲の各階には朱色の回廊の廊下が取り囲んでおり最下層にも薔薇が咲き乱れる花園となっている。咲いている花が薔薇と言う事もあり多数の荊が犇いていた。

その花園近くに1人の人間がいた。その手には如雨露を持ち見るからにして薔薇に水を撒いている事が分かる。

 

「……何の音?」

 

その呟きと共に天窓が割れ飛び天井から階下、最下層の花園へと向けて何か落下して来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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