駄作品劇場・残骸   作:夢現図書館

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第21話

 

 

 

 

「…………?」

 

 

 辺り一面、真っ白な空間に居た。理由は分からない、いいや理解不能だ。

 

——……。コレは如何言う事だ? 成程、コレが死後の世界と言うモノか……陸な死様では無い事は覚悟はしていたし、死後も陸なモノでは無いであろう事も予想はして居たがコレは少々、拍子抜けだな。

 

 真っ白な空間に取り残されたかの様に佇む1人の少年。

 軽く説明すれば短い一生ではあったが幾分か満足して死を迎えた。本当ならばもう少しだけ生きたかったが死ねばそれまでとして納得はしていた自分がいる。死後の世界など誰彼問わず未知の世界。死した後、如何なるかさえも分からないのは自明の理。

 

「……って、おい、此処は何処なんだよ⁉︎」

 

——何かアホが来た。

 

 死後の世界。真っ白な空間であり白い濃霧で視野がアテにならない空間にて変化が現れた。眼前に自分と同じ位の同年代と思わしき人間が突如として現れた。服装からしても現代社会に生きるであろう学生だと言う事は間違いないだろう。でなければ唯の莫迦だ。身嗜みも然程、宜しいとは言えない。コレが巷で言う浪人生か……。

 

「…………」

 

——そんな事を考えても仕方ないな。他人の人生に首を突っ込む程、高尚な精神を持ち合わせて居る訳じゃない。

 

 如何やら相手は此方の存在に気付いては居ない様だ。試しに動揺して居る彼の眼前に回ってみるも節穴の様に認知出来て居ない。そして目潰しをしてみたが透けてしまって通過してしまった。

 

——……成程、幽霊とはこう言う気分なのか。認知されないから知って欲しいと言う執着が生まれる……道理だな。退屈凌ぎにイタズラしたくなるのも頷ける。

 

 心霊写真の類もそう言う念が生まれるのかと死んでから初めて知った事実。しかし、この記憶が何処まで持っていけるのかは分からないが。

 

 

「……ほほう、今回は2人、か。異な事もあろうな。コレは面白い」

「……面白い事が起きてる〜、うふふ」

 

 

「な、だ、誰なんだよ⁉︎ アンタら⁉︎」

 

——……ふむ、何でもありの理屈無視。嫌いでは無いな。

 

 その時、眼前に光が収束されたかと思うと2人組の少女が現れた。体躯的には歳下そうに見えるが何処となく人外と思われそうな雰囲気を感じる……例えるなら……邪な認知、か。

 

「そう、慌てるでない。儂らは主らの敵では無い。寧ろ救いに来たと言って良い」

 

「君達はとても運が良いんだよ〜、良いんだよ〜。千偶一隅何だよ〜」

 

「……妹よ。それを言うならば千載一遇、じゃ」

 

「……救いに来た?」

 

——この2人は何を言って居るんだ?

 

 目の前の胡散臭い少女2人の言葉に自分は愚かもう1人の少年も訝しむ表情浮かべる。

 

「おおっとその前に、お互い見えないのじゃな? こう言うケースは稀も稀でな」

 

「……え? な、今度はお前は誰なんだよ⁉︎」

 

 姉らしき少女は指を鳴らした。その時、もう1人の少年は此方の存在に気付いたらしい。それよりも目の前の2人の少女、2人の方が危険な香りがする……。

 

「さて、役者が揃ったの。さて、先ずは手始めにお主ら2人は死んだ」

 

「死んじゃった〜、死んじゃった〜♪ 死ねば口無し、何にも残らない死体の山ぁ〜」

 

——その自覚はある。寧ろアレで生き残っていたら、誰もが素直に賞賛していただろう。いいや、逆かも知れないが。

 

 チラリと隣の人間に意識を向けるが如何やら動揺して居る様にも見える。死んだ自覚と言うよりも死んだ事実を受け止めきれないのかも知れない。

 

「……死因、聞きたいかの?」

 

「……ふ、普通に寝て居ただけなのに起きたら死んだってそりゃねぇよ⁉︎」

 

「そうじゃな。主は運命通りに就眠していた。しかし、地震が起きて倒れた家財に押し潰されての圧死、じゃ」

 

「うふふ、ぺっちゃんこ〜、ぺっしゃんこ〜♪」

 

——畳の上で死ねただけでも僥倖だろうな。

 

「主は〜」

 

——こっちに振られたか、言われる理由は無い。

 

「要らん。あの状況で生還出来る可能性の方が低いと言わざるを得ないからな」

 

「ふむ、つれないのぅ。何事も拒否しがちじゃと人生はつまらんぞ? 貰えるモノを貰っておくのが吉だぞ? その後は好きにするが良い」

 

「……………」

 

「話を戻すとぉ〜、君達が死んだ事って〜実は運命から外れた、バグみたいなモノなんだよ〜?」

 

「つまり、だ。お主らが『死んだ事実』は想定外の事態だったのじゃ。本来ならばお主らが死ぬ運命はもっと先の未来だったと言う事じゃ。何処ぞのうだつの上がらぬゴミ神の悪戯の所為でな」

 

——神と来たか……存在するかどうかさえ曖昧なモンを持ち出して来るとはな……まぁ、信じる奴は救われるとは言うし……神と言うのは知覚出来ぬ上にその先は未知の世界……こんな世界があるのならば不可能の既存認識は崩れたから、文句を言っても仕方あるまいな。

 

「それでねそれでね〜。そんな悲しい運命は余りにも不憫って事でね〜、特例として転生の機会が設けられているんだよ〜。その機会が君達に設けられたんだ〜、ぱんぱかぱーん」

 

「人間達の顕界の時間認知では毎年、こう言うケースが起こる。コレばかりは文句を言われても仕方ないからの。

 

——成程、分からん。

 

「……つまり、アンタらは神様であり『神様転生』の機会をくれるって事なんだよな?」

 

 もう1人の少年は理解したのか疑問符から表情が明るくなった。

 

「……主は理解が早いのう。儂らは御使である事を訂正すればその通りの認識で間違い無いぞ? 俗に言う特典なるモノも付けてやる事も造作も無い。何故ならば……」

 

「世界とは唯一無二。無限の選択によって〜、色んな可能性が生まれるんだよね〜」

 

「世界とは常に不完全のまま、完全なる存在は何処にもありはしないからの。少しの違いで全く異なる展開へと発展しよう。先の予期せぬ運命もその査証と言えるな。バタフライエフェクトとも聞くぞい」

 

「それにぃ〜『観測者』によっても在り方が変わってくるんだよね〜。パラレルトラベル〜う」

 

「特異点は何処からでも現れる。その光景は正しく台風の目じゃな」

 

「時代が動く転換点〜。その時歴史は動いた〜」

 

「それはそれは可能性と言う言葉をグロテスク規模に混ぜた混沌なパーティな畢竟光景じゃのう」

 

「無限の可能性は即ち非現実の証明。そんな君達にクエスチョンだよー⁉︎」

 

「お主らの望みは何じゃ?」

「君達は世界に何を望むの?」

 

——コイツら……何を言って居るんだ?

 

 目の前の2人の少女の言葉の羅列。奇天烈並の早口のマシンガントーク。半分以上、意味不明を通り越したナニカであった。

 

「あ、紙とペンを貸してくれないか? 口で出すと伝え忘れが出そうだから」

 

「構わぬぞ。好きに書くが良い」

 

 動いたのはもう1人の少年だった。紙とペンを要求したら、何処からともなくその2種が目の前に現れた。そして、少し離れた位置にてその紙に希望事項を記入していく。

 

「して、お主は何か無いのかの? ほれほれ、主にも願望の1つや2つ位あろうて」

 

「……事故だか手違いだか運命だか知らんが……主観的に言っちまえば、悔いは無い。果てに死ぬならばそれも畢竟。死したのならばそれまでの命だった事に過ぎない。既に降りた奴がありもしない機会に未練垂らしく愚痴愚痴、騒ぐのは醜いだけだ」

 

「……うわぁ、高潔〜。ムカつく位の面倒臭い〜」

 

「……コレまでは其処のアホと同じ様な連中ばかりだったから少し面食らったぞい。成程、お主の様なケースもあり得るか、学習したぞ。しかしの、コレもルールなのだ。儂ら御使にとって神が定めたルールには絶対での。固辞されては困る。そんな特例(・・・・・)を作ってしまっては後々、面倒なのでな。済まぬが折れてくれまいか」

 

「……其処まで困る事なのかよ?」

 

「うん〜、困る困る〜。君はぁ、どうして〜其処まで意固地なの〜? 人ってのは1人じゃ生きていけないのに〜、どうして一匹狼を気取ってるの〜?」

 

「知らん奴から施しを受けるなって言うのが遺言だったからな。疑って掛かるのは当然だろ」

 

——全部、自分でやれ。それが養父の教えだった。

 

「うわぁ……究極の意固地だぁ〜」

 

「ふむ。お主は自己完結型の人間、か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 書いては消して、消して、消して、失せる。
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