艦隊これくしょんーTotal flagship of fogー 作:如月 霊
「超戦艦、ヤマト…ぽい?」
天龍の後ろからポイ犬…じゃなかった。夕立がそう聞いてきた。
「そ、本艦は霧の艦隊総旗艦の超戦艦だよ」
「訳がわからないっぽい!」
夕立が頭を悩ませる。
「うーん…言うなればこの艦は君達で言うところの艤装だよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
天龍が待ったを掛けた。
「どうかしたか?天龍」
「この大きさで艤装なのか?船体のままじゃないか!?」
「それはそうさ、だってこの艦の化身だしね」
ヤマトはそう言いきる。艦娘もかつての艦の化身だがヤマトの場合は今、沈んでも解体もされていない艦の化身なのだ、驚かない方がおかしい。
「で、天龍、君らの所属は何処なんだ?」
ヤマトは天龍達の所属を聞いた。
「お、おう。俺らは呉鎮守府所属の第三艦隊だぜ」
「ふ~ん。まぁ、天龍を旗艦に睦月、白雪、綾波、皐月の軽巡一、駆逐四の艦隊は遠征の途中かなんかだったんだろ?」
そう言うと睦月が圧巻と言いってくる。
「すごい!そんなにすぐわかる物なの?」
「まあね、それより君達を呉に送ろう」
「いいんですか?」
こんどは綾波が聞いてきた。
「ああ、元々呉か横須賀に行くつもりだったから…予定が決まっただけだ」
「そうか、じゃ!よろしく頼むぜ!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
送って行くと言うと天龍達が頭を下げてきた。
「まかせてよ」
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~航行中~
そういえばなんか史実ヤマトよりデカイよな…
「そういえばさ、ヤマトさん。サイズが色々とおかしくない?」
皐月がそう質問してきた。
「あー…確かにな。うーん…展開!」
流石に気になったヤマトは周りを囲んでいる光の輪に自身のデータを示す。するとそこには驚くデータが乗っていた。
「超…ヤマト型超戦艦…一番艦…紀伊?」
「紀伊?ヤマトさんって紀伊って名前だったの?」
「ら、らしいな。で、性能は…へ?」
ヤマト─改め、超ヤマト型超戦艦一番艦 紀伊は武装等の艦詳細に目をやり、言葉を無くした。
「…全長360m、全幅42.5m、排水量90,000t!?」
「きゅ、90,000t!?」
皐月が驚きの声を上げた。
「ヤm…紀伊さん!他の武装は!?」
今度は睦月が質問してきた。
「…48口径51cm三連装衝撃砲三基九門、67口径20cm三連装衝撃砲二基六門、48口径12.7cm連装高角砲24基48門、25mm3連装機銃60基180門、25mm単装機銃6基、13mm連装機銃2基、12.7cm噴進砲240基に艦首、艦尾魚雷発射菅20基だって」
「48口径…?51cm砲…?」
「戦艦なのに魚雷…魚雷?」
「噴進砲…?ミサイル?」
周りが段々困惑している。
「しかもだ、俺の竣工と就役聞いたらぶったまげるな」
「え?何時なんですか?」
「1956年進水、1957年竣工、1958年就役らしい。しかも沈没は1990年、ソ連の西ドイツ進行に基づいて参戦した米ソ第三次世界大戦で北方領土付近での海戦でソ連参加艦58隻のうち56隻撃沈させてその時に受けた被害せいで自沈処分だったみたいだ」
「で、2003年に引き揚げられて今度は今で言うところの深海凄艦の霧の艦隊で旗艦になって人類潰しまくってた」
そう言ったら天龍達が身構える。
「ま、それを指示してたのはヤマトだから俺は置物状態だったがな!」ハッハッハ!
ハッハッハと笑う紀伊に天龍達が肩を落とした。
「今は人類の味方だよ、俺は…ね」