Fate another type 〜a little order 〜   作:メリアメン

1 / 1
これは、歴史に埋もれた小さな物語だ


序章

辺り一面に広がる荒野。荒れ果てた

その地には、見るも無残な肉塊が、

至る所に点在している。

何者かであったことすら、

読み取れないほど、その塊達は異様な

()()()()であった。

そんな地獄を傍観させるような地に、

人が一人倒れこんでいる。

異様なほどの()()()を浴びて。

それはこの人間によって、辺り一面の

景色を作られたことを物語っていた。

 

ふいに、その()()は倒れていた

身体から跳び起きた。

整える暇すらなく、ボサボサに

なっていた前髪を搔きあげ、

その青年は一息をついた。

「粗方、片付いたな」

端的に事実を語るように、それでいて

しっかりと噛み締めるように、

青年は言った。しかし、脅威は未だ

去っていない。いずれまた、現れる

敵に思考を切り替える。

今までの倍は仕向けられて来るだろう。

次に来るのは、いつか?10日後か?

5日後?それとも....

最悪の想像で青年は考えるのをやめた。

逆に今度は自分の家族に思いを馳せた。

母さんは大丈夫だろうか?弟が

寂しい思いをしてないだろうか?

様々な不安が脳裏をよぎるが、

そんな想像振り払う。村の人がいる。

あの人たちは皆、それなりの

強さを持っている。きっと家族を

守ってくれるだろう。まずは、

家族を迎えに行くことだ。

そう思い青年は、少し急いで

道を歩いて行った。

 

 

 

 

 

ふと青年の頭に嫌な予感がよぎった。

アイツらを殺してから、帰路について

帰る途中返り血を浴びたままでは、

家族に心配されてしまうと思い、

道すがら見つけた川で身体を洗っていた。

すると、遠くから何かが

爆発するような音が聞こえてきた。

その音の発生源で、

青年の血の気が引いた。

すぐに服を着て、自分の村に戻った。

 

 

 

 

 

「何だコレは.....?何が起きている?」

 

村が焼けていた。逃げ惑う人々、逃げ遅れ

火に飲まれる人々が村の有り様を

物語っていた。ボヤなんかではない、

他的要因によって引き起こされた

ものだった。先程の青年が起こした

地獄のような景色と同じ、

まさしく地獄絵図であった。

その原因である()()()たちは、

何かに怯えるように、しかして

楽しむように村人たちを見つけ次第、

虐殺を繰り返していた。

青年は化け物の様子がいつもと

違うことに、違和感を感じていたが

村人が襲われそうになっていたので

助けねば、

と化け物のところへ走り始めた。

その時、視界に見知った顔が入り

思わず青年の足が止まり全身から

血の気が引いた。

化け物が首を持っている。

あの顔はよく知っている顔だ。

 

「◻︎◻︎◻︎?」

気付いた時には、声が出ていた。

思考が止まる、嘘だ!うそだ!

何故アイツが弟の顔を?

母はどうした?周りを見ても

見当たらない。ならどこだ?弟の目元

には涙を流した、跡がある。

まさか、そんな.....

ウソだ!ウソダ!

思考がまとまらない、息が出来ない。

視野が狭まる、意識が闇に落ちていく。

 

 

 

 

 

.....う、此処は....?

青年が気付いたところは辺り一面

何もないところだった。確か自分は

化け物を、殺して村に戻って.....

そこまで考え、青年は村で見た光景を

思い出した。弟が死んでいた。首から

上をえぐり取られたような、雑な殺され

方だった。

「痛、かったんだろうなぁ....」

弟は泣き虫だった。虫も殺せない、

というほどではなかったが、それでも

善悪をわきまえている、優しいヤツだ。

母を守ろうとしたんだろう。

怖さに負けず、あんな奴らに

立ち向かって行ったのだろう。

強い意志に満ちている、そんな顔を

していた。

「ごめんな、救えなくて....

ごめんな、こんな兄で....」

水滴ががどこかから溢れている。

それが涙と気付いても、目元を拭う気には

なれなかった。そうしてしまえば、

涙が止まってしまえば、弟は過去の人

となってしまう。弟との繋がりが

なくなってしまうのではないかと、

不安が押し寄せる。

しかし、あらん限りの涙を流しても、

いつかは限界がきてしまう。弟が死んでも

寂しくないようにするためには......

青年はおもむろに腰に提げていた剣を、

両手で持って喉元に持っていった。

 

「今行くからな、◻︎◻︎◻︎.....」

 

喉に刺そうと、勢いよく突いたはずだが.....

 

「「まぁ、待て....」」

 

何かが自分の剣を止めている?

見上げると、()()()()()()()()()()()()

が自分の前にいた。

そしてそれは直接頭に響かせるように言った。

 

 

 

 

 

「「我らは抑止力(アラヤ)なり」」と...

 

 

 

 





応援ください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。