ゴブリンスレイヤー・白金の英雄   作:残夏

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オリ主設定
白金の冒険者 (ジーク)
史上数人しかいない伝説の白金級冒険者。
漆黒の鎧に魔剣とジャマダハル二振りを使用する
過去にたった一人で魔神王を討伐に成功した。
主に龍の討伐依頼を多く受け、周りからはジーク(龍殺し)と呼ばれている。



1話

焼けた村をもう何度も訪れた事だろうか。

熱気を放ち燃え続ける家や草木、家畜。そしてさっきまで生きていた人間が一面に転がっている。

本来であれば一人ずつ弔ってやりたいが流石に人手や時間が足りなく諦め、ここに来た目的の為村の奥を目指し進んでいく。

「見つけた…」

死んだ村の一番奥。一際熱を放ち大きな火柱を上げる場所にそいつが羽を休めていた。

巨大な羽に硬い鱗で身を包み鋭い牙や爪を持ち、口からは火球(ブレス)を撃つドラゴン。それが村を焼いた正体で隣の王国から討伐依頼を受けたターゲットだ。

「さて…さっさと終わらせて引越しの支度をしないとな」

黒い鎧の後ろに背負うようにして付けられた二つの鞘から魔剣を抜き構えると、ドラゴンもそれに合わせ起き上がり威嚇の咆哮を響かせる。「お前…今俺を恐れたな?」

自然界では自分よりも小さなモノに怯える事はないが、今ドラゴンは確実に自分より遥かに小さい人間一人に怯え、恐れていた。

「この村の人達全員の無念を晴らさせて貰うぞ!」

一気にドラゴンとの間合いを詰める。

ドラゴンは火球を連続で撃ち迎撃するが、避けることなく手にした魔剣で切り裂いていく。

火球では埒が明かないと判断したドラゴンは自慢の鱗で覆われた長い尻尾をムチの様にして自分目掛け振るうが、魔剣の腹でガードをする。

「どうしたその程度か?」

数メートル程押し返されるがやがて勢いが弱まり足を踏ん張って止める。

「先ずは尻尾を頂くぞ!!」

魔剣をドラゴンの尻尾目掛け力いっぱい振り下ろす。

通常の刃物ではドラゴンの鱗に傷すら付ける事は不可能だが魔剣に関しては別の話しであり、実際振り下ろした魔剣は何の抵抗もなくバターを切るようにドラゴンの尻尾を両断する。

「痛かったか?」

痛みに悶えているかの様な咆哮を響かせ、二本足で立ち上がり数歩後ろに下がる。

「おいおい…まだ序の口だぞ…お前にはこの村の人間全員分の苦しみや痛みを味わって貰うんだからな?」

切った尻尾を足でどかし再びドラゴンとの間合いを詰めるが、突然巨大な羽を広げ羽ばたきはじめる。

「恐怖で戦う気がなくなったか…だが逃がしはしない!!」

魔剣を握る手に力を込めると、それに合わせ刀身が細かく震えだす。

「さぁ地を這いつくばっりやがれ!!」

力任せに二振りの魔剣を振るうと黒い斬撃がとびドラゴンの両翼を切断し、翼を失ったドラゴンが地に落ちた。

「じゃあな、トカゲ野郎」

ドラゴンの頭を足で抑え、首目掛け魔剣を振り下ろした。

「さぁてこの位い成長してればいいモンが採れるだろ…お雨かこれで火が消えるな」

魔剣で硬い鱗を剥がし、剥ぎ取り用のナイフを取り出し使える素材の採取を始める。

「お!?龍の宝玉!!希少アイテムだから高値で売れる…ん?」

剥ぎ取りの最中に背後に気配を感じ振り向くと、少し離れた崩れた家に小さな白い影が複数集まり手招きしていた。

「この村の子供達の…そこに何かあるのか?」

害のある感じはしない為近寄ってみる。

「これは!?」

瓦礫の下敷きになった少女を見つけ急いで瓦礫をどかし、息があるか確認をとる。

「弱ってるが息はある、ほら水だ飲めるか?」

水筒の水を少しづつ飲ませていると、先程の白い影が少女を心配しているかの様に俺達を囲んだ。

「この子が居ることを教えてくれたんだなありがとう、大丈夫だこの子は俺が責任をもって王国に連れていくだからお前達も安心してくれ」

そう告げると白い影達は表情こそ見えないが、安心して微笑んでいるきがした。

「お、雨止み始めた…火も消えたか」

雨が止みドス黒い雨雲の切れ間から日差しが降り注ぎ、俺達を焼け落ちた村を照らす。

「ん…逝くのか?…」

白い影達はコクっと頷く。そして霧が霧散する様に少しづつ消えていく。

「向こうではちゃんと幸せに暮らせよ」

彼等が消えゆく瞬間、生前の子供達の姿に戻りちゃんと表情が解った。

「ありがとう…」

そう言い残し彼等は消えていった。

「さぁて報告して次の街に行くか」

小さな命を抱き、村を後にした。

 

 

「国王様!ジーク様がお戻りになられました!!」

急いで馬を走らせ王国に着き、兵隊が王宮の間まで案内する。

「おぉ!!…ん!?」

「子供!?…誰か水と食べ物を持ってきて!?」

王宮の間の扉が開かれ中に入って行くと俺を見たあと抱き抱えた小さな少女に目を向け、王女が駆け寄りその子を優しく抱えた。

「ジークさん…その子は一体?」

「隣り村の唯一の生き残りだ…」

「唯一…と言う事は…村は壊滅した…と言う事ですね…」

王女の問いに無言で頷き返す。

「で…ですがジークさんが戻られたと言う事はドラゴンの討伐は…」

「あぁ村人の仇はとった」

「そうですか…でも仇をとっていただいたなら村人達も報われるでしょう、ですよね?あなた」

「だな、ではジークさん、依頼の報酬を…」

「いや、いい…その代わり一つ頼みがある」

「頼み?」

困惑した表情の王女が抱く少女にドラゴンから剥ぎ取った赤い宝玉を渡す。

「俺の代わりにこの子を育てて欲しいんだ…」

 

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