ゴブリンスレイヤー・白金の英雄   作:残夏

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6話

「最近の駆け出しの冒険者は店に来るなり魔剣だの扱えない武器だの買おうとするから困ったもんだ」

「仕方ないさ、現実を知らないで童話の英雄を夢見て冒険者になったんだろうよ」

女武闘家の装備を買うため、立ち寄った武具屋の店主と世間話をしながらいつの間にか多少酒が入り、さらに話に花を咲かせていた。

「その点アンタは相当な数の修羅場を潜り抜けて来たな?魔剣や魔装を使ってるだけの事あるな、弟子の方も死にかけたんじゃないか?」

「そんな事まで判っちまうのかい?」

「当たり前だ!こちとら何千何万の冒険者を見てきたと思ってる?見ただけで判る!…だからこそ自分に合った武器や鎧を買って少しでも長く生きて欲しいんだ…若い冒険者が笑顔で装備を買ってって二度と店にこねぇ事が多くてよ…」

「おやっさん…しょうがねぇよ…どんなにいい武器や鎧を使ってても死んじまう事だってある…だが逆にそれで助かった奴だって沢山いるさ」

涙を流す店主のグラスに酒を注ぎ慰める。

「すまねぇな…情が移っちまった…年寄りは涙脆くていけねぇ…」

涙を拭い酒を一気に飲み干し、無理やり微笑む。

「ワシら武具屋は武具屋らしくいい装備を造って若い冒険者を少しでも長く生き延びさせねぇとな!」

「あぁ!その意気だぜおやっさん!!」

「し…師匠ぉぉ!!助けてぇ!!」

「ん?…なっ!?」

互いに酒を飲み干した瞬間。

店の奥から戦闘には相応しくない露出度が多く、ヒラヒラした飾りに薄い生地で出来た踊り子の衣装を纏った女武闘家が何かに怯えた様子で店内に走って来ると、そのままジークの後ろに隠れる。

「お…おいおい…何て格好してんだい?…」

「そりゃ奉納祭の時に使う踊り衣装だぞ?」

「わ…私は無理矢理…」

「ちょっとぉ〜お客さ〜ん!逃げないでくださいよ〜」

「ヒッ!?」

『なっ!?…何だありゃ!?』

店の奥からゆっくりと現れた店主の孫娘を見て女武闘家は怯えた声をだし、ジークと店主は孫娘が両手に持った先程の踊り衣装以上に露出度が高い衣装に唖然とした。

「な…なぁ…ワシら武具屋や武具屋らしく…何だったかな?」

「さぁ…何だっけ?…」

「あ!お客さん発見!次はこれを着てみましょうよ!」

「わ…私そんな露出度が高いのは恥ずかしくて無理ですよ!!」

「大丈夫ですよぉ!お客さん肌は色白で綺麗だし、美脚だし、美人でスタイルいいんできっと似合いますよ!!何ならそちらの黒い鎧の冒険者さんもお揃いでどうですか?」

「お…俺も!?」

「そう言う問題じゃありません!!露出度が高すぎます!!」

「着てるうちになれますよぉ〜、私の自信作なんですから着てみてくださいよぉ」

「いい加減にせい!!」

「いったぁい!?」

ただならぬオーラを纏い、近づいてくる店主の孫娘の頭を店主が小突く。

「もぉ何するのお爺ちゃん!あ!お酒飲んでるし!!」

「この程度で酔わん!!装備を買いに来た客にそんな布キレを買わせる気か!!普通の装備にせんか!」

「ブー分かったわよ…お客さんこちらへ」

「は…はい…」

半ば不安な表情のまま再び店主の孫娘に着いていく女武闘家を見送り、更に自分が変な装備にならなかった事にホット胸を下ろす。

「ホント済まなかったな…」

「いや…気にしなくて大丈夫だ」

 

 

 

「どうだ気になる所はあるか?」

「いえ特に!」

ちゃんとした防具を着け確認の為軽く動いて見るが、特に問題はなく満足そうな笑顔を浮かべる。

「頑丈で上質の革鎧を下地に胸部や肩部には真金の鎧を付け腕部には楔帷子、動きやすいショートパンツと膝と爪先、踵に仕込み刃があるロングレッグアーマ!武闘家のお客さんにぴったりな防具です!」

「まともな防具を選べたんだな…後はガントレットだな」

「武闘家用の武器はそっちだ」

店主に案内され様々な種類のガントレットを選び始める。

「あ!これいいかもしれない…」

女武闘家が選んだガントレットは漆黒で龍の彫り物が刻まれ、拳にスパイクが付いたものだった。

「ほぅ嬢ちゃんお目が高いな、そいつは希少金属で造ってあるんだ!軽さと強度を兼ね備えた一品さね」

「き…希少金属…」

「希少金属製かぁ、よし!それにしよう!」

「し…師匠!?」

「大丈夫だ、おやっさんもう一つ頼んでもいいか?」

「おう!言ってみな」

背負っていたバックから折れた杖を取り出し、カウンターの上に置く。

「コレって…」

「あぁ女魔術師の杖だ、コイツをなおして欲しいんだ」

「あぁいいだろ」

「助かる、金はこれでいいか?」

女武闘家の装備一式や投げナイフと杖の修理代の金貨が入った大袋を出し、店主に渡す。

「まいど」

「ありがとうございます師匠!」

「師匠として当然だ、それで今後の事だが依頼を受けるのはその怪我治って万全の状態になったらだ」

「はい!師匠!!」

 

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