魔法少女なぎさ☆マギカ   作:黒炉

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どうも、黒炉です。

10月26日、劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]反逆の物語が公開されました。
なぎさちゃん可愛いのでなぎさちゃんをヒロインにしてみました。

以下注意事項なのです。

・なぎさの契約内容は公式ガイドブックに基づく(ひとつきりのチーズケーキ)
・なぎさの魔法は劇場版パンフレット、ピクシブ百科事典に準じ、作者が考える
・衣装は劇場版パンフレットの設定資料をもとにする
・アニメ版のお菓子の魔女は、映画に登場した百江なぎさが魔女になった姿とする。
・マミる原因ってなぎさちゃんじゃね?
・なぎさちゃんマジ可愛いよなぎさちゃん

ではでは、どーぞ!


prologue
第一話 らっしゃーせ


 沖島町。最近異様な速度で都市開発が進んでいる見滝原からそれほど遠くない街。

 その街のとあるコンビニで、俺は働いていた。

 

「らっしゃーせ」

 

 入店者の存在を告げる音楽が流れ、俺は決まりきった感情の籠っていない挨拶を口にする。クソが付くほど真面目な先輩に知られたら怒鳴られること必至だが、その先輩は今はトイレなので問題ない。

 この俺こと、月島太一は高校生である。

 どうして高校生であるこの俺が、ろくに学業に励みもせずにこんなコンビニで働いているのかと言えば、分かりやすく言うと生活費を稼ぐためだ。

 

 俺には親というものが存在しない。

 

 正確には、かつて存在した、というのが正しいだろう。

 俺の母親と呼ばれるべき人と、俺の父親と呼ばれるべき人は、五年前に帰らぬ人となった。

 有体にいえば、強盗である。

 当時まだ小学生だった俺は、家で俺の帰りを待っている二つの肉塊のことなど全く知らず、日が沈むまで友達と遊んでいた。

 まだ夏至を過ぎてあまり日が経っていなかったので、日が沈んだのは午後の七時を超えた頃。

 遊び疲れてクタクタになった俺を出迎えてくれたのは、真っ赤な液体に染め上げられた二つの肉塊。

 俺の母親と呼ばれるべき人と、俺の父親と呼ばれるべき人は、その日にこの世界から消え去った。

 二人とも両親――――つまり、俺の祖父あるいは祖母に当たる人――――は既に他界しており、また兄弟もいなかった為に、親戚の存在は皆無。俺は施設に入ることになった。

 義務教育の続く中学まではそこで生活していたが、高校生になってからは一人に生活するようにしている。

 両親の死によって俺の物となった二人の保険金はまだある程度の金額が残っているが、高校生というのは何気に金がかかるものである。

 学費のかからない公立高校に入学したはいいが、何らかのアクシデントでお金を使ってしまった場合に備えて、今から稼いでおくのは悪いことじゃない。

 校則でも、バイトは禁止されていないしな。

 

「らっしゃーせー」

 

 また音楽が流れたので、軽く挨拶をしておく。

 今度の客は中年の男だ。

 俺みたいな学生――――というか、あの年代の人間から見れば子供――――がバイトしているのか気に入らないのだろうか。なにやら睨みつけられた。とりあえずぶち殺したい。

 

 人間は嫌いだし、大人はもっと嫌いだ。

 

 「お父さんとお母さん、気の毒にねぇ」「まだ小さいのに大変ねぇ」「身寄りがないの? 辛いことだねぇ」

 掛けられる言葉は同情と憐れみ。常に()の人間を見る時の言葉。

 同情で俺を誤魔化そうとする大人なんて大嫌いだ。もっとも、こんな捻くれたガキは大人の方も嫌いだろうが。

 

「あの」

 

 店内の客は二人だけだし、とりあえず掃除はしたばかりだし、することねーなかったりーなとレジという便利休憩所でぼんやりしていると、商品を持ってきた客が一人。

 小学生くらいの女の子だった。

 

「これ、くださいなのです」

 

 女の子がレジカウンターに置いたのは、スモークチーズだった。

 ……これは酒のつまみにするものじゃないのか?

 時計を確認してみると、差している時刻は午後十時半過ぎ。小学生くらいの、それも女の子が一人で出歩いていい時間じゃない。世の中は小さい女の子が大好きな大きいお友達でいっぱいだ。

 勿論、子供だろうがジジイだろうが客は客なので仕事はまじめにやる。

 バーコードを機械に読み取らせ、表示された金額を告げ、商品を渡しつつ金を受け取るだけの簡単な仕事だ。いや、実際慣れない頃はバーコード読み取れなくて焦ったりしたけど。

 

「198円になります」

 

 ピッ、という音ともに表示された金額を告げる。

 女の子は着ていたワンピースのポケットからガマ口の小銭入れを取り出すと、一枚ずつ小銭を取り出して……ん?

 

「(……どう数えても153円しかないんだが……まさか足りないのか?)」

 

 女の子は、153円まで出したところで、急におろおろし始めた。どうやら所持金が必要な金額に届いていなかったらしい。

 よほどチーズが食べたいのか、他のポケットを探しても金は見つからず、ついに泣きだしそうになってしまった。

 ……本当はこういうのはやらないように言われてるんだがな。

 

「……ほらよ」

 

 俺はスモークチーズを小さめのレジ袋に詰めると、レシートと一緒に女の子に渡した。

 女の子は目をまん丸くして、俺の方を見て、

 

「え……あの、でも、お金……」

 

「いいよ、50円くらいだし、俺が出しとくから。その代わり、他の奴には秘密な」

 

「は……はいなのですっ」

 

 どうやらこの子はチーズが大好きらしい。とても嬉しそうに返事をすると、てこてこと歩きながら店を出て行った。

 本当は特定の客だけを贔屓する行為になってしまうので、やってはいけないのだが、こんな時間に一人でやってくる彼女はきっと普通の小学生じゃない。もしかしたら、俺の同類なのかもしれない。

 もしもそうなら、ちょっとした自己満足感を得るために小銭を使うぐらいは、別にいいのではないのかと、不足金45円をレジにしまいながら俺は思うのであった。

 

 

 

 

 

          ☆

 

 

 

 

 

 バイト終わりの帰り道、俺の右手の袋の中には賞味期限切れの弁当。

 意地汚いと思われるかもしれないが、実は賞味期限なら大丈夫だと言うことを俺は知っている。

 賞味期限とは、食品を美味しく食べることが出来る期限を指す。対して、よく間違われる消費期限は、食品を安全に食べられる期限を指す。

 消費期限をオーバーしてしまったものは流石にどうしようか悩むところだが、それが賞味期限だと言うのなら大した問題ではない。ただちょっと不味くなってるかもしれないだけだ。野菜の摂れないカップラーメンよりよっぽどいい。

 なによりタダで貰えるというのが非常にいい。有事の際の為にバイトして金を稼いでいるのに、食費に金を割いては元も子もないであろう。

 

「つーか、住んでるアパートの家賃と生活費もろもろで、金なんて湯水の如く消えてくっつーの……」

 

 誰に向かって呟いた悪態かと問われれば、それは勿論この世界そのものなのだが、しかし言っても仕方のないことは五年前に経験済みである。

 親も親戚もいなければ、行きつく先など一人暮し一択なのだから。

 しかし、なんか見慣れない風景になってきたな。道を間違えたか?

 

「……いや……これは……?」

 

 ついさっきまでは普通の住宅街だった周りの景色が、めまぐるしく変わっていく。

 色々な標識が流れていき、看板や扉があちこちを飛び交って行く。

 どう見ても、ここは常識の通用しそうな場所じゃない。これじゃまるで―――――

 

「おいやめろよ! 異世界とかそんなのは勘弁なんだよ!」

 

 当たり前だ。こっちはそう言う不思議系は間に合ってるんだ。

 両親が強盗に殺された時点で、俺はもう腹いっぱいなんだ。これ以上厄介なことを俺の周りで起こさないでくれ!

 

 

 ――――ヒヒッ

 

 

「ッ、なんだ……!? 誰かいるのか……!?」

 

 

 ――――ヒヒヒッ

 

 

「ち……ちくしょう、来るなら来い!!」

 

 

 ――――ヒヒヒヒッ

 

 

 俺は、この直後、激しく後悔することになる。

 当たり前なのだ。ここはどう見ても異世界。明らかに常識の通用しなさそうな世界。

 そんな世界の住人が、常識の通用する相手なはずがないのだから。

 

「な……なんだ、これ……!?」

 

 飛びだしてきたのは、いわゆる金塊である。

 おかしい点と言えば、その金塊に、手足と目のようなものが付いていることか。

 金塊のお化けは、俺を見つけるや否や、全速力で手足を振りまわしてこっちに向かって走り出した。

 

「って超こええええええ!! いや怖すぎんだろこれえええええええええええ!!」

 

 全力で追いかけてくる相手には全力で逃げる。

 当たり前だが、とりあえず金塊の手足の動きがカシャカシャしていて気持ち悪かったので逃げた。とりあえず逃げた。

 どうやら金塊は足が遅かったようで、対して時間をかけずに引き離すことが出来た。

 だが、何も考えずに走っていれば、そしてそこが知らない場所ならなおさら

 

「……ここ、どこだ?」

 

 道に迷うのも当然である。

 しかし、あの金塊がいるせいで来た道を引き返すわけにもいかないし、そもそも常識が通じないのなら、来た道を引き返して元の場所に戻れるかも怪しい。

 

「くっそ……なんなんだこれ、どうなってんだ……?」

 

 引き返せるはずもなく、仕方なく俺は道なりに先に進むことにした。弁当はどこかに落としてきたが、無事にここを抜け出せたとしても、今日はもう何も食べる気は起きないだろう。

 しばらく歩いていると、俺の身体より一回り大きい、何か模様の書いてある扉を見つけた。

 ……今まで分かれ道はなかったし、ここを通るしかないのか。

 

「頼むから、さっきのナゾ金塊みたいなのが現れませんように……!」

 

 扉を開いた、その先にいたのは……

 

 

 

 

 手足の生えた歩くコイン。

 手足の生えた踊る金塊。

 そして、口を持っている、歌うお札。

 

 俺の目の前にいたのは、形容の出来ない存在だった。

 

 

【巨富の魔女 アルセトラーテ その性質は強欲】




☆キャラクター紹介☆

月島太一 つきしま たいち

年齢16歳 高校一年生
身長173センチ 体重69キロ

肩にかからない程度の黒髪、すっきりした顔立ち。
小学生の時に両親が強盗に殺されて以来、施設で育ったが、高校入学と同時に一人暮らしを始める。
料理をする際には、野菜の量に気を配るタイプ。

好きな料理はビーフストロガノフ。
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