プリンセスコネクト ~ロストメモリー~   作:白琳

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仕事が忙しく、色々と手がつかず、前回からかなり時間が空いてしまいました……すみません!


第13話 トーゴクに憧れる少女(ニノン編)

ランドソルの周囲に広がる草原にて、俺は魔物退治の依頼を達成する為に魔物共と戦っているんだが──────

 

「くそっ、あちこちから湧き出てきやがって……!」

 

依頼文を読んでみた限りは簡単なものだった為、コッコロには同行してもらわずに1人で挑んだものはいいものの……実際に魔物と対峙していると、仲間が色々な場所から出てきて囲まれてしまったのだ。

 

「グオオオオッ!!」

「っと……我らに光の加護を与えたまえ、"ホーリー"!」

 

魔物の攻撃をかわし、唯一の"ユニオンバースト"を唱える。全身に力がみなぎり、これで魔物共と戦いやすくなっただろうが……この数を全部相手するのは骨が折れるだろうな。

 

「だからって逃げ出すつもりはないけどな……全部倒してやる!」

 

剣を握り締め、矛先を魔物共に向けて構える。数は多いが、確実に一体ずつ倒していけば、どうにかなるはず。

 

「いくぞっ────ん?」

 

いざ戦おうとすると視界にある木々の1本、その枝の上に誰かが立っているのが見えた。

何故あんな場所に人が?と俺が不思議に思っていると────

 

「デケデケデンッ!ヒト~ツ、ヒラメの踊り食い……フタ~ツ、ふしだらセクハラおじさん……ミッツ~、浮き輪の穴を!やっつけてあげますデス!」

「……は?」

 

何やら決め台詞っぽいのを言い始めているが……意味が分からない。見ろ、魔物も突然の事に戸惑ってあいつの事を凝視してるぞ……。

 

「デデデンッ!トゥッ!」

 

枝の上から飛び出し、俺の目の前に降り立ったのは金色の髪、赤色の服が特徴的な少女だった。背後には先端に平っべたい物が付いてる棒が見えるが、あれは何だろうか?武器……かは分からないが、扇げば強風を起こせそうだな。

 

「そこの旅のお方……助太刀いたソウロウデス!」

「ソウロウ……?よく分からないが、手伝ってくれるなら助かる!」

「任せるデース!忍法・分身の術!シュバババッ!」

 

…………と言いつつ、横に素早く動いているだけなんだが。分身どころか目で簡単に追いかけられるぞ。

 

「ムムム、効かないデス!」

「いや、当たり前だろ……」

「ならば、秘剣・チュバメ斬り!」

 

そう言って少女は武器(?)を振り回して魔物共を吹き飛ばした。『斬り』と言いつつも、実際は殴っているだけだが……あの大きさだと威力は高いようで、一撃で魔物を倒している。

 

「ギャオオオッ!?」

「安心しろ、ミネウチでござる……このまま魔物をいっそうデス!」

「……凄いな。あんなにいた魔物を一瞬で倒すなんて」

 

ただふざけているようにしか見えなかったが、それだけではないようだ。あの強さからして相当な実力者だろう。……何故あのような言動やおかしな動きをしているのかは分からないが。

 

「ありがとな、おかげで助かった」

「ふふふ……礼はケッコウ。拙者、名乗る程の者でもないでゴザルデス!」

「……なぁ、その喋り方って──────っ!」

 

戦闘を終え、少女と話していると背後から生き残っていた魔物が迫っているのが見えた。その魔物は鋭利な爪で少女を狙っている。いくらこの少女が強いとはいえ、不意打ちであの爪を受ければただでは済まないだろう。

 

「おい、後ろ!」

「ウシロガミを引かれる思いなのは分かるデス。でも、ひき止めてくれるなデス。忍者は背中で語るものデス!」

「そういう事じゃ……ねぇっ!」

 

少女を横へと押し退け、振り降ろされる爪を剣で受け止める。勢いよくかかってくる重さに潰されそうになるが、"ホーリー"で強化した今ならば押し返す事も出来るはずだ。

 

「っ……うらぁっ!」

 

爪を横へと弾き、危機を脱する。油断し、がら空きとなっている魔物の腹へ蹴りを入れ、距離が開いた瞬間を狙って剣を勢いよく凪ぎ払った。

 

「グギャアアッ!?」

 

剣は魔物の顔を直撃し、傷口から血を撒き散らしながら魔物は後ずさっていった。

 

「これで────終わりだっ!」

 

剣を引き、全速力で走り出して矛先を魔物の胸へと突き刺す。魔物が痛みに耐えながら反撃しようと爪を俺に向けるが、両手に力を込めて足を踏み込むと、剣は魔物の体を貫き、背後から矛先が現れた。

 

「グッ……ガ、ア……」

 

震える腕は俺に爪が届く前に力なく下に落ち、剣を引き抜くと魔物の体は地面へと倒れた。

どうやら絶命したらしく、目からは光が失われて体も動く気配がない。

 

「ふぅ……やったか」

 

しかし……最初、一人で全部倒そうとしていたが実際はたった一匹でこれか。正直、あの少女が助けに入ってくれなかったら苦戦は免れなかっただろうな。いや、それどころか殺されていた可能性も……。

 

「俺ってまだまだ弱いなぁ……」

「すごいデス……!さすが()()()()()デース!」

「……は?ショ、ショーグン?」

 

自分の弱さに落胆していると、少女が何故か目をキラキラさせながら俺を『ショーグン』などと呼んできた。

 

「そうデス!ショーグンは、仲間を守ってくれる強い人のことデース!」

「……なら残念だな、俺はショーグンなんかじゃない。強くないしな」

「そんなことないデス!ワタシを助け、見事魔物を倒したあなたこそ、ショーグンで間違いないデス!」

 

これは……俺が何言ってもダメみたいだな。俺がショーグンであると完全に思い込んでる。できればその呼び方は諦めてもらいたいが、これじゃ話が進まないしな……。

 

「分かったよ。ショーグンだ、俺は」

「やっぱりデス!……そうだ、このままワタシをショーグンの臣下に加えてクダサイ!」

「えっ」

 

ショーグンである事を認めたと思ったら、今度は別の事を言われた。臣下……たぶん、『ショーグンの』って言ってるから、部下とかそんな感じか?

 

「申し遅れたデス、ワタシはニノンデス!」

「いや、あのな」

「これからよろしくデス!ショーグン、ワタシと一緒に天下統一するデース!」

 

天下統一って何だ!?というか、勢いに押されて断れなかったが……大丈夫なんだろうか……?




この時のニノンがギルド加入前なのか、加入後なのかはゲームでは分かりませんが、一応ここでは加入前です!
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