最近、プリコネRのキャラストーリーやイラストを見て元気が湧いてきたので、頑張りたいと思います。
『モン■ター……!み■■、■を付けて!』
『先■■勝!ヒ■リ、仕掛けるよ!』
『わわっ!待っ■よ■イさ~ん!ユ■ちゃん、サ■ートよろ■■っ!』
『ブレイクくん、ど■■よう……!』
『あい■の動き■■めるんだ。大丈■、ユイなら■来るは■■』
『……分■った!任■て、ブ■■クくん!』
『やっぱ■ここ■で来ると■いモン■■ーが増え■きたね……』
『ああ。でも私■だって強■なって■。その証拠に■ーブもか■り■まってきた』
『あたし達■人ならき■とソ■■塔の■上に行けるよ!』
『■の頂上で、願い■叶え■……!』
「……っ」
「主さま?お昼寝はもうよろしいのでしょうか?」
「あ、ああ……悪いな、コッコロ」
お昼寝……ああ、そうだ。ベットの上でコッコロに膝枕をしてもらって……そのまま寝ちゃったのか。
いや、それより今の夢……あれは一体なんだ?おそらく俺が忘れてる記憶の一部なんだろうが……出てきた一人は前に出会ったユイという少女だろう。
しかし……出てきた人物以外にも気になる言葉があった。おそらくはソなんとかの塔……その頂上で願いが叶え……られる?
「……なぁ、コッコロ」
「はい。何でしょうか主さま」
「今更なんだけどさ、この街の中心に浮いてるあのデカイ塔が何なのか分かるか?」
俺は宿屋の窓から見える空────に浮かぶ塔を見ながらコッコロに尋ねた。特に誰もあの塔について何も言わないからスルーしていたが、よく考えればあの建物だけ浮いてるっておかしくないか……?
「あれはソルの塔ですね。確かガイドブックにも載っていましたが、謎の建造物だそうです」
「えっ、マジでか」
俺は非常に役立っている『ランドソル観光ガイドブック』を取り出してページを捲り始める。そしてしばらくすると、ソルの塔について書かれてるページを見つけた。特にこれといった説明はないが、一番下に“おとぎ話“と書かれている部分に注目した。
──────“ソルの塔の頂上へと辿り着いた者は願いを叶えられる“──────
「……これって」
「主さま?どうかされましたか?」
「いや……何でもない」
偶然なのか?俺が今見た夢とこのおとぎ話に出てくる塔の名前や内容が似ているのは。
「なぁ、コッコロ。ちょっとソルの塔を近くで見てきていいか?」
「ならばわたくしも一緒に────」
「悪い、ちょっと考えたい事があってさ。一人で行ってきてみたいんだ」
コッコロが隣にいる中で考え込んでいたら、また心配されるだろうからな。出来ればそれは避けたい。
「そうでございますか……分かりました。ですがどうかお気をつけて、主さま」
「ああ。気を付けるよ、コッコロ」
ランドソルに大分慣れてきた事もあるが、依頼などで剣の腕をちょっとずつ伸ばしているからだろうか。コッコロからすんなりと一人で行く許可を貰えた。
とりあえずソルの塔の近くまで行ってみて、何か思い出さないか考えてみるか────
「────……と思ったんだけどな」
広場のベンチに座ってソルの塔を見上げてるが、何も思い出さない。また夢でも見るかなと思って寝たりしてみたが、周りがうるさくて起きてしまった。
「ん?あれって、もしかして……」
ソルの塔をずっと見上げているのもそろそろ飽きて周りを見渡すと、見知った少女がいる事に気付いた。
「ユイ!」
「ひゃっ!?」
コッコロやペコリーヌ達と出会った頃、同じくモンスターに追われて助けた事をきっかけに知り合ったユイ。ソルの塔を見上げ、ボーッとしている彼女に声を掛けたが、どうやら驚かせてしまったらしい。
「わ、悪い。驚かせちゃったな」
「えっ?あっ……ブレイクくん!久し振りだね、元気だった?」
「ああ、俺は変わらず元気だぞ。どうしたんだ、こんな所で」
「えっと……ちょっとね、ソルの塔が気になって見上げてたらボーッとしちゃってて」
……そういえば、宿屋で見た夢の中にはユイがいたんだよな。他の二人はぼんやりとしか見えなかったが、一緒にいたという事はユイが知っている人達なんだろうか?
「ブレイクくんはどうしたの?」
「実は気になる夢を見てな。その夢にソルの塔が出てきたから見に来たんだ」
「夢?それって……」
ユイが何か気になるのか俺に尋ねようとしてきたが、その瞬間にお互い誰かとぶつかってよろけてしまった。
「きゃっ!」
「っと」
よろけたもののすぐに体勢を立て直した俺は同じくよろけたユイを掴んで支えた。一体誰にぶつかったのかと後ろを見ると、そこにいたのは二人の少女だった。
「す、すまない。大丈夫だったか?」
「ごめんなさい!三人とも大丈夫ですか?」
ぶつかった少女達────一人は黒い角を生やし、紫色の髪を長く伸ばしている魔族の少女。それともう一人はキャルみたいな猫耳を頭に生やし、両手に猫の肉球みたいな物を嵌めてる
「平気です。ちょっとぶつかっただけですから……あ、あの、ブレイクくん。もう離してもらっても大丈夫だよ?」
「ん?ああ、そうだな」
どこか恥ずかしそうに声を掛けてきたユイのおかげで気付き、俺は彼女から手を離した。どうやら気付かずにずっと体に手を添えていたらしい。
「良かった。つい夢中で塔を見上げてしまって……」
「あたしもソルの塔をじーっと見てたら、いつの間にか体が動いちゃってた……」
「私もさっきまで塔を見上げて周りが見えていませんでしたし、気にしないでください」
何だ?ソルの塔には見上げてるとボーッとするような不思議な効果でもあるのか?俺には何もなかったけど。
「じゃああたし達、みんなで塔を見上げてたんだね!えっと、お兄さんも?」
「まぁ、ちょっとさっきまでだけどな」
「珍しい事もあるものだね……おっと、名乗るのを忘れていた。私は────」
そう言い、角を生やした少女が名前を告げようとした瞬間、どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
「だれかぁぁっ!泥棒よぉぉ!!」
「ちっ!デケェ声で叫びやがって!放せこのアマッ!」
「あうっ……誰か、財布を取り返してぇーっ!」
どうやら……あのがらの悪そうな男が今突き飛ばした女性から財布を盗んだらしい。その男は腕を振り回して人々を遠ざけながらこちらへと向かってきてる。
「ど、どうしよう!?あの人、こっちに向かってきてるよ!」
「……ユイ、それと二人は下がってろ。俺があの男を捕まえて止める」
流石に泥棒とはいえ同じ人間相手にそう易々と剣は抜けないし、素手で捕まえる事になるが……見た所、武器らしき物は腰に下げていて手には持っていない。捕まえるなら今がチャンスだろう。
「待って、お兄さん!みんなであの泥棒さんを捕まえようよ!」
「私には関わりのない事だ……でも、向こうがぶつかってくるつもりなら、それなりの対処をさせてもらう」
「わ、私も手伝うよ!ブレイクくん!」
危ないからと後ろに下げようとしたんだが、三人とも何故かやる気になって前へと出てきてしまった。もう目の前まで相手が来てしまってる以上、今更無理に下げるのは逆に危険か。
「……分かった。なら頼りにさせてもらうぞ────おいっ、止まれ!」
「あぁ!?止まれって言われて止まるバカがいるかよっ!」
無駄とは思いつつも泥棒に声を掛けるが、やはり止まる気はないらしい。だったら遠慮なく捕まえてやる。
「なら、相手の動きを止めるんだ!その後は私達が!」
「やってみる……!はぁっ!」
ユイがロッドの先端に力を込め、一気に解き放つと泥棒に魔法が掛かって動きが止まった。
「うおっ……やる気かコラ?いい度胸じゃねぇか!」
「ひうっ!ご、ごめ────」
「大丈夫だ!よくやったな、ユイ」
「ブレイクくん……」
泥棒から睨まれ、低い声で怒鳴られて怯えるユイを安心させる。あの魔法がいつまで続くのか分からないが、効果が切れる前に奴を捕まえねば。
「私からいくよっ────せいっ!」
「ぐはっ!?」
魔族の少女が剣を鞘に納めたまま振って、泥棒に斬撃を叩き込んだ。なるほど。あれなら斬る心配もないし、あの音からしても十分な攻撃になるな。俺も真似てみよう。
「今度はあたしがっ!うにゃにゃにゃーっ!」
「ぅぶっ!?」
続いて
「げふっ……この、ガキ共がぁっ!」
「っ、まずい!」
あれだけの攻撃を受けたにも関わらず泥棒は気を失っておらず、しかもユイの魔法が切れたのか動き出してしまった。そして狙いを付けたのは──────ユイ。
「えっ……?」
「テメェさえいなきゃ逃げられるんだよっ!」
泥棒は腰に下がっている鞘から剣を抜き、ユイに襲い掛かろうとする。それに対してユイは呆然と立ち尽くしてしまっていた。
「っ、しまった!」
「逃げてぇーっ!」
魔族の少女と
「させるかぁっ!」
「っ、このクソガキ……!」
「ブレイクくんっ!?」
俺は泥棒とユイの間に割り込み、鞘から抜いた剣でユイに届くはずだった剣を防いだ。そのまま弾き返したい所だが、簡単にはいかない。だが俺にはそれを出来る方法がある。
「我らに光の加護を与えたまえ────“ホーリー“!」
「何だ、その魔法っ……!?」
“ホーリー“により強化された俺は泥棒の剣を押し返し、そして遠くへと弾き飛ばした。同じ人間である上に武器を無くした相手を斬りたくはない。ならばどうすればいいか?
「くたばれっ!」
「へぶふっ!?」
考えた末に“ホーリー“で強化された体を利用して泥棒の顔を思いっきり殴り飛ばした。空中を一回転して地面へと落ちた泥棒は気を失っており、動く様子はない。……えっ、死んでないよな?
その後、泥棒は駆け付けてきた兵士全身銀色の男に連れていかれた。財布を取り返してもらった女性は何度も俺達に頭を下げて感謝し、ついさっきようやく帰っていった。
「やったね!これにて一件落着ぅ!ぶいぶいっ!」
「ああ。君が泥棒に襲われかけた時はどうなるかと思ったよ」
「ブレイクくん、ありがとうね。また君に助けられちゃった」
「間に合って良かったよ。怪我は……してないみたいだな」
「うん、大丈夫だよ。……凄いなぁ、ブレイクくんは。まるでおとぎ話に出てくる────」
『し■った……モン■■ーが!』
『ユ■ちゃ■、逃げ■っ■』
『させ■か■っ■!』
『っ、ブレ■クく■!?』
「っ!?今の……」
「今のって……私とブレイクくんと……」
「今のは……私と、君達?」
「あ、あれ?今、私達四人がモンスターと戦って……」
「「「「…………えっ?」」」」
「じゃあ、レイさんとユイちゃん、ブレイクくんが夢の中であたしと一緒に冒険してた人なの!?」
「断言は出来ないよ。……でも、四人の見ていた夢が同じ可能性は高い」
「今見たのも全員、同じだったみたいだしな」
「うん。私、夢の中でもブレイクくんに助けられちゃってたね……」
「じゃあじゃあ、それが同じかどうか、確かめようよ!夢と同じで、みんなと一緒に強くなって……」
「ソルの塔の頂上を目指す……!」
「悪くない考えだ。私達が同じ夢を見ていた事には、きっと意味があるはず」
「意味か……」
四人全員が同じ夢を見ていた……しかも出てくる人物はその四人だけ。いくらなんでも偶然とは言えないだろう。アメスならもしかしたら……教えてくれるか分からないが、何か知ってるかもな。
「決まりだね!これからよろしくね!ユイちゃん!レイさん!ブレイクくん!」
「うん!よろしくお願いします。ヒヨリちゃん、レイちゃん、ブレイクくん!」
「こちらこそよろしく。ヒヨリ、ユイ、ブレイク。今日中にギルド結成の申請は済ませてしまおう」
「ああ、俺もよろしく……ギルド?」
ギルドって何だ?初めて聞く言葉……だよな。
「なぁ、ギルドって何だ?」
「えっ?ブレイクくん、ギルドを知らないの?」
「ああ……ユイは知ってるのか?」
「というかブレイクくん以外、みんな知ってると思うよー?」
マジか。まぁ、俺は記憶喪失だから知らなくて当然か。
「ギルドというのは『特定の目的を持って活動する人達の集合体』というものだ。私達の場合、ソルの塔の登頂だね」
「確かランドソルの国民はギルドに所属する事が義務付けられてるんだっけ」
じゃあ、コッコロもギルドに所属しないといけないのか……出来れば一緒のギルドに所属したいし、誘ってみるか?
「なるほどな。とりあえずギルドがどんなものなのかは大体分かった」
「よし、ならギルド名とギルドマスターを決めよう。生憎私は人を導くような柄じゃないんだ。ギルドマスターは君達に譲るよ」
「私もリーダーは……ブレイクくん、どうかな?」
レイ、ユイがギルドマスターを辞退して俺に勧めてくるが、記憶喪失な俺をリーダーにしても分からない事だらけでうまく出来る保証なんてない。
「いや、俺もそういうのは向いてないな。ヒヨリはどうだ?お願いできそうか?」
「いいよー!じゃあ、後はギルド名だね!うーん……何がいいかなぁ……」
ギルドマスターがヒヨリに決まり、次にギルド名を考え始めるがいい名前が出てこないらしい。俺やユイ、レイも考えるが一体どんな名前がいいのやら。
「【
「いいんじゃないか?俺はいいと思うぞ、その名前」
「うん、私もそう思う。ヒヨリはどうかな?」
「すっごくいいと思う!じゃあ、全員一致でギルド名はそれに決定!」
ギルドマスターは決まり、ギルド名も決まった……という事は、これでギルドを作る準備は終わったって事だな。
「えへへっ、これからよろしくね!」
「ああ、よろしく頼むよ」
「うんっ、二人共よろしくね!ブレイクくんも、改めてよろしくねっ」
「ああ、よろしくな」
──────こうして。俺とユイ、ヒヨリ、レイは出会い、ソルの塔の登頂を目指す冒険が始まったのである。