微妙な男と女神達   作:kumaりゅう

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第三音

掃除とは何だろうか?俺は大切な事だと思う。必要な事とはまた別の意味で大切だ。掃除しなければ汚くなってしまい、その場の雰囲気や居場所が悪くなってしまうだろう。だから掃除は必要だ。では、大切なのは何なのか。それは、自分の心の持ちようだと思う。掃除は掃けば綺麗にできるし、捨てれば終わりだ。それが必要な事だからだ。でも、それでいいのであろうか?たしかに、黙々と掃除をするのは必要だし、早く終わるかもしれない。だけど、自分の気持ちが込もってなかったらそれは掃除をしたとは言えないのではないか?そもそも、何故掃除をするのか。それは、場所を綺麗にするのはもちろんだが、その前に自分の心を綺麗にするという意味で掃除はするものだ。だから、掃除は大切なのだ。これは、掃除について必要≠大切という事を示しているだろう。だから、敢えて俺は掃除は必要とは言わず大切な事と言う。

 

 

 

 

現在、俺はトイレだ。学校も放課後になり各々帰宅していく中で俺は居残り掃除をする予定になっている。何故かって?前の話を見てくれればわかる事だ。おっと、メタな発言はやめておこうか。

 

「ん?」

俺は人が居なくなったと教室を掃除しようと思い、教室に入るとそこには南が残っていた。

 

「なにしてるんだ?」

俺は1人で残っている南が気になって話しかけてみた。

 

「ピィッ!?あ、なんだ神代くんかぁ。もう、驚かさないでよ〜。」

ん?なんだ今のは。鳴き声か?

 

「いや、悪い。驚かすつもりは無かったんだが。いかんせん、俺の影は薄いからな。」

 

「あはは…。そんな自慢気に話す事じゃないと思うよ?あ、私はこれから海未ちゃんの所に行くつもりだったんだ。神代くんは何してるの?」

南は俺の表情を読み取るのが上手いな。いや、俺が下手なだけか。

まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。多分、南はいつもの3人で帰るために園田を探しているのか?

 

「ん?俺は1時間目の罰で掃除だ。」

面倒くさいが、自業自得だからしょうがない。

 

「あ、そう言えば山田先生に呼び出されてたもんね。じゃあ手伝おうか?」

 

「いや、大丈夫だ。俺は恩を売るのは好きだが売られるのは好きじゃないんだ。」

これは俺の志の1つである。絶対に曲げられない事だからな。

 

「ふ〜ん。じゃあ、私が帰るための手伝いしてくれる?」

南はいい事が思いついたと言わんばかりの顔をして俺に提案してくる

 

「要するに、南が俺の掃除を手伝うから俺が南の帰る手伝いすればいいって事だな?」

恐らく、いつもの3人で帰るために園田と高坂を探すの手伝って欲しいという訳か。

 

「うん、そういう事だよ。嫌かな?」

ふむ、なるほど。そうすれば効率よく掃除ができるし、俺の帰宅ボッチ卒業ができるな。ふふふ…悪いな南、これは俺に有利な交渉にだったな!

 

「よし、その提案ノッた。じゃあ黒板掃除から始めるか。」

俺が言い出して、2人で教室の掃除を始めた。

 

 

 

 

 

「ふ〜、こんなもんかな?ありがとな、南。助かった。」

ふぅ、30分もかからないで終わったな。1人居るだけで効率っていうのは大きく変わるんだな。

 

「どういたしまして。じゃあ次は私の手伝いだね?」

そう言った南の顔は中々良い顔をしていた気がする。

 

「で?園田を探すんだろ?目星はついてんのか?」

 

「うん。海未ちゃんは弓道部なんだ。だから多分弓道場にいると思うんだ。」

ほぉ、なるほど。園田=大和撫子だから弓道はぴったりだな。

 

「よし、そうと決まればさっさと行くか。早く帰りたいしな。」

俺がそう言うと南は微笑みながら俺の隣に立ち、2人で歩き始めた。

ん?南って高坂と園田と比べたら少し足がふt…「神代くん?何かなぁ?」

 

「いや、何でもないです。」

やべぇ笑顔だよあれ。ひ○ら○の鳴く○にのヒロインぐらい怖いよ。

 

 

 

 

 

あれから数分

「ここが弓道場か?」

思った以上にデカいな。もっと小さいと思っていたんだが…

 

「そうだよ。おーい!海未ちゃーん!」

南が弓道場の外から大きな声で呼ぶ。なんか道場破りみたいだな。

 

「ことり?それと、神代さん?」

園田は何故か地面に横たわっていた。なんだ?弓を射る型ってそんなのもあるのか?

 

「ちょっと来てもらってもいいかな?」

南はそう言って園田を連れ出す。

 

「もう、穂乃果のせいで練習に身が入りません。」

なるほど、アイドルの話のせいで練習が出来ないってことか。ということは、園田は少しやりたいと思ってるって事か?

 

「てことはちょっとアイドルに興味があるってこと?」

どうやら南も俺と一緒の考えらしい。

 

「い、いえそれは…。でも、うまく行くとは思えません。」

うまく行くか分からないから、アイドルになるのは反対派だった訳か。

 

「でも、いつもこういう時って穂乃果ちゃんが言い出してたよね。私達が尻込みしちゃう事もね。」

 

「そのせいで散々な目に遭ったじゃないですか…。それに、穂乃果は強引すぎです。」

 

「でも海未ちゃん。後悔した事ある?」

なるほど、高坂のあの性格や言動はもはや才能の域なんだな。それに、高坂の目は強い意志が感じられる。あれはできる人間の目だ。

 

「え?」

 

「見て。」

南が見据える先には高坂が居た。あれはダンスの練習か?

 

「とうっ!あぁ!?イテテテ。よし!もう一回最初から!」

ぎこちないステップを踏んで転んでいるが、諦めないらしい。

 

「私やってみようかな。海未ちゃんはどうする?」

 

「私は…」

きっとこの3人なら何とか乗り越えられる気がするんだよな。まだ昨日会ったばかりなのに、こいつらを見てると俺まで感化されるな。

 

「やってみてもいいんじゃないか?」

久しぶりに口を開いたな。少し口が乾いてるが気にすることはない。

園田と南がこっちを見て呆けた顔してるな。

 

「別にお前ら3人の幼馴染でもないし、ましてや昨日知り合ったばかりのクラスメイトだが俺は言えることがある。お前らは3人で居て初めて輝けるんじゃないか?互いにいい意味で依存して、退屈じゃない安らぎの空間がそこにあるだろ?なら、今回も今までやってきたように3人でやって見せてくれよ。俺は応援するからさ。」

俺はそう言うと微笑みながら高坂を見る。それにつられて園田と南も見る。

 

「くぅぅ〜!いったぁーい!」

高坂がまた転んで痛がっている時、園田から手が差し伸べられた。

 

「1人でやっても意味ないですよ。やるなら3人でやらなきゃ。」

これで、一歩前進ってところか。よし、俺は帰るk…「まって?」

 

「なんだよ。」

南に止められて、俺は不機嫌そうに振り返る。

 

「ありがとう。手伝ってくれて。」

ッ!?たく、ホントにこの学校に来てから笑顔には惚れてばっかだな。でも、それほど良い顔する連中なんだろうな。

 

「はっ、掃除を手伝ってくれたからこれでチャラだからな。」

そう言って、俺が照れ隠しでクールに去ろうとした時

 

「神代くーん!!」

 

「ぶへっ!?」

俺は地面に顔面アタックした。どうやら、高坂が俺に突撃してきたらしい。お前、後ろからタックルとか某大学かよ。やらなきゃ意味ないよじゃねぇよ。それに、俺がクールに去ろうとしてたのに恥ずかしいじゃないか。南も笑ってやがるし。

 

「いってぇな!?何すんだよ!?」

 

「えへへ〜。ごめーん。ついはしゃいじゃって…。」

 

「たく、3人揃ったからって浮かれんなよ。しっかり活動すんだぞ。」

これで帰ろうとするの3回目なんだが?

 

「何言ってるの?神代くんも付いてくるんだよ!」

は?何言ってるのはこっちのセリフなんだけど?

 

「え?いやだ。何で俺がわざわざ付いて行かなk…「神代くん…。」」

ん?何だ?すごく嫌な予感だけはビンビンなんだけど。

 

「おねがぁい!」

南の瞳が潤って何を言ったかと思ったら、俺は時間をスローモーションに感じた。

 

「よし、やるか。まずは部活動の申請からだな?。」ん?俺いまなんか取り返しのつかないミスをした気がするんだが…。

 

「ありがとう!神代くん!じゃあ生徒会室にしゅっぱーつ!!」

あ、俺が了承しちゃったんですね。はいはい、分かりましたよ。行けばいいんだろ?行けば。

 

 

 

 

 

「これは?」

今現在、生徒会室なんだが空気がヤバい。

 

「部活動の申請書です!」

 

「見ればわかるわ。でも、部活動の設立には最低5人は必要なのよ。あと何故今頃アイドル部なんか始めようと思ったのかしら?」

 

「今、スクールアイドルはすごい人気なんですよね!それで、廃校を阻止できればと思っているからです!」

 

「なら、尚更認められないわね。部活動はその為にするものじゃないの。あと2年間どう有意義に過ごすかを考えなさい。」

お、おぉ。なんか最初の頃の絢瀬会長と雰囲気違くない?だけど、それが普通で絢瀬会長の言い分も一理どころか三理ぐらいあるな。いや、万里か…。いや、それどこの長城だよ。はい、すいません。つまらなかったですね。

 

「でも、結局のところ行動しなきゃ廃校は阻止できないんじゃないですか?」

だから、俺は疑問に思った事を言う。ダメと言うなら他の策があってのことだろうと思うから聞いてみた。

 

「それは…。この問題は貴方達には関係ないからよ。」

絢瀬会長は少し苦し紛れに答える。なるほどな、なんか事情があるんだろ。突っ込み所満載な返答だがまぁ怒られたくないし別にいっか。

とりあえず、早く帰るようにすることを考えよう。

 

「そうですか。今日は一旦帰りますから、また出直して来ますね?」

こういうのはさっさと帰るのが吉。高坂達も何か言いたそうにしてるが、俺はそれを目で制する。

 

「え、えぇ。」

どうやら絢瀬会長は俺がすぐ引き下がると思っていなかったっていう顔だな。東條さんは一応笑顔のままだけど、少しびっくりしてる感じかな?俺は2人の表情を見つつ生徒会屋を後にした。

 

 

 

 

 

今の状況は俺にとって中々おいしいんだけど、雰囲気が悪いから台無しだな…。結構な美少女3人と帰ってる図なのに、せっかくの華が勿体無いじゃないか。

 

「あんな事言ってたけど、やるなとは言われてないだろ?俺はお前らが本気だから応援するんだよ。もし、あんな言葉だけでくじけてるならこれから先も失敗ばかりするぞ?やりたいようにやってみろよ。いくら生徒会長でも生徒を縛る権限なんて持ってないんだから。じゃあな、俺はこんな御通夜みたいな空気なんかで一緒になんか帰りたくないから先帰るわ。」

俺はそう言って後ろ3人に手を振って歩き出した。その時の高坂達の表情は見てないからわからない。でも、一歩踏み出してほしいと俺は思っているのかもしれない。

 

 

 

ー穂乃果視点ー

 

「不思議な人ですね。」

暗い空気の中、神代くんが話して去っていった後に海未ちゃんが最初に口を開いた。

 

「あの人は、私達と知り合いになってから日が浅いのに私は少しあの人に頼ってる部分があります。」

微笑みながらそう言う海未ちゃんに私は驚きを隠せなかった。海未ちゃんは昔から仲の良い男の子なんて居なかったから…

 

「でも、私もわかるな。面倒くさがり屋さんであまり物事に積極的じゃないけど、言いたい事言って私達の背中を押してくれる感じがするんだ。」

ことりちゃんも海未ちゃんに続いて言う。そういえば、私がスクールアイドルしたいって言った時すぐ賛成してくれたのは神代くんだったな…。

 

「じゃあ、これからも神代くんと一緒に居ようね!」

私も含めて背中を押してくれる神代くんが居るから頑張れる気がする。なら、今は私達のやりたいようにやれって言った神代くんの言葉を信じよう!

 

「よーし!明日からまた頑張るぞー!!」




更新がかなり遅れてしまってすいませんm(._.)m
これからもこんな感じで不定期なのでご理解のほどよろしくお願いします。
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