死んだクソガキTS転生して死神になる   作:小豆団子

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十話 十一番隊、理想と現実

 

 

その後は特筆すべき事も無く卒業を迎えた俺は、入隊試験も恙無く終わり希望通りの十一番隊に配属される事となった。

 

 

…………だけどなぁ……なんというか……思ってたのと、違う……。

 

 

希望が通ると思っていはしたが、十一番隊に配属されると聞いたときはそれなりに嬉しかったのだ。

十一番隊は最強の死神である剣八が率いる最強の死神部隊であると聞いていた。

実際は総隊長が剣八名乗って無いのはおかしいし、そもそも一番隊の存在もあるのでその名の本当のところは怪しいものである。

だがそれでもそう名乗って許されるだけの力はあるはずなのだ。

俺はそんな強者が集う部隊で好き勝手喧嘩して強くなり、最後には天辺取るつもりだったのだ。

 

それなのに、何か違う……。

 

最初に聞いていた十一番隊のイメージはどこもかしこも殺伐としていて基本は弱肉強食、席官すらもコロコロと入れ替わる魔境。

毎日喧嘩は当たり前、殺し合いすら珍しく無い――というものだった。

 

実際に十一番隊の構成員は殆どが在野から強さを理由にスカウトされた者ばかりで霊術院出身の者は極僅かだ。

 

あの治安の悪い流魂街を生き延び、強さという一点のみで入隊しているのだ。全員が自らの強さに対する矜持を持っているだろう。

そして持っているからこそ、隊の中でもぶつかり合う。それでも生き残ってきている奴等なのだ。相手にとって不足はない。

それに在野の出身という事は霊術院の画一的な武術だけではなく、様々な技を見る事ができるだろう。それだけでも入隊する価値がある。

 

そう、思っていたんだけどなぁ……。

 

確かに入隊して直ぐの俺でも簡単に喧嘩売り買いできるし、勝てば上に行ける実力主義で、ある意味風通しの良い職場だった。入隊した価値もあったと思う。

だけど俺は、もっとこう……殺伐としている感じだと思っていたのだ。

確かに喧嘩はそこらじゅうで起こっているが、無法地帯みたいな感じではないし、普通に組織としての体を成している。書類仕事なんかも全くするつもり無かったのに普通にまわってきやがるのだ。

 

計画していた俺の自由気ままな喧嘩ライフが滅茶苦茶だよ……。

 

 

原因なのだが、どうやら最近になって隊長が替わったらしく、それに伴ったものの様だ。

現十一番隊隊長である刳屋敷剣八が少し前に先代の十一番隊隊長であった剣八に一騎討ちで勝利し、そのまま隊長に就任していたらしい。

それに伴い隊風も変わって現在の十一番隊になったみたいだ。

 

因みに浮竹や京楽と同期らしい。

意味わからん、卒業して高々数年のはずなのに隊長格クラスを三人も輩出するとか……あの世代には化け物しかいないのだろうか?

 

まあ、あの世代までは総隊長が教鞭を取ることもあった様なので、そのせいも多分にあるのだろう。

全くもって羨ましい限りだ。

俺も一揉してもらおうと総隊長を襲撃した事があったのだが、気付けば次の日だった。

 

 

その時は刳屋敷隊長にこってり絞られてしまった。

肉体言語であったならまた懲りずにやるだろうが、普通に板の間で正座してお説教だった。

 

……もう二度とやらん。

 

それに喧嘩するにしても実力が全く足りていない事は理解したので、やり合うのはもっと力を付けてからだ……次は試合形式で。

 

 

 

 

 

後日、久しぶりに会った夜一にその事を愚痴ったら大笑いされた。

 

――ぶっ飛ばす……!

 

 

 

着任後はそんなこんなで処刑されない程度に隊規を破りつつも、俺の死神生活は過ぎていくのだった……。

 

 

 

 




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