台本形式のがいい!と言われた場合、またうんうん唸って考えます
今回はややほんわかと。提督に酷い目に遭う前に提督が逮捕され、無事(?)にあまり事情がよくわからないまま玲司が提督になった艦娘もいる名目です
重巡を誰を出そうかで未だに決まりません…
2018/11/16 後の話で扶桑に関して矛盾が生じてしまったので修正を加えました。申し訳ございません。
泣き続けること一時間。ようやく北上が泣き疲れて眠ったので、最後に頭を撫でて部屋を出る。撫でたと同時にまた一筋の涙が流れたので、思わず焦ったがよく眠っているようだ。静かに、大井達に手を合わせ、心の中で呟いた。
(北上も、この鎮守府のみんなも俺が幸せにする。だから見守っていてほしい)
ふわり、と頬を撫でる風が通ったような気がした。ニッと笑って部屋を後にした。
廊下を音も立てず慎重に歩き、自分がよじ登ってきた排水のパイプから一階へ降りようと窓に手をかけた時だった
「動かないでください。少しでもおかしな行動に及んだ場合、こちらも容赦はできません。おとなしく手を上にあげ、降伏してください」
凛と澄んだ声が玲司の背中に刺さる。気配は断っていたはずだが、この声の主はその上を行く者だったらしい。ここで大声をあげられるのはもちろんまずいが、それ以上に攻撃をされた場合こちらの命が危ない。ここはおとなしく従うしかあるまい。
「わかった。大声をあげるのは勘弁な。何もしない。この寮の者か?」
「貴方に質問する権限はありません。質問は私が致します。貴方は何者ですか?」
「自分は昨日ここの鎮守府を任されることになった三条玲司であります。階級は大尉ですが、正式に着任命令が出ております」
「えっ、て、提督?ど、どうして巡洋艦寮に…?」
「あ、そっか。顔を合わせたことはないし、俺制服着てないしな。そりゃあ不審者だわ。いい仕事するな、神通」
「なっ、確かに私は神通ですが…なぜ背を向けているのに私を…」
「さて、何ででしょう?」
くるりと向きを変え神通と呼んだ艦娘に向き直す。玲司を呼び止めたのは川内型軽巡洋艦神通だった。驚き、目が泳いではいるが凛とした佇まい。
(ああ、久しぶりに見たな。また…会えたな。今度は、ちゃんと守り抜いて見せる)
「も、申し訳ありません…提督とは知らずとんだ無礼を…」
「いや、寮の者を不審者から守る。神通はちゃんと仕事をしただけさ」
「ですが私の認識不足でした。罰でしたらいかようにもお受けいたします」
「職務を全うした奴にか?だとしたらとんだ最低な野郎だな、そいつは」
それはもういないヒキガエルへの皮肉だった。神通は顔にいくつもハテナマークを浮かべているようでわかってもらえなかったのがちょっと残念だった。
「ま、お前は何も悪くないよ。むしろ褒めるべきだな。お疲れさん」
「そ、そのように褒めていただいても…私には何も…」
「いいんだって。ところで、お前は俺が怖くないのか?」
「……?なぜでしょう?提督と分かれば怖くなどありませんが」
「え?お前も前の提督に何かされたりとかはなかったのか?」
「はい。私はつい最近建造されたばかりで、名取さんから部屋から絶対に出ないようにと言われ、待機していたら数日後にはもう大丈夫と言われ、その時にはもう前の提督はおらず…」
玲司は考えた。勝つためには建造を惜しまず、毎日毎日捨て艦にしようと大量の艦娘を資材も考えずに行っていたんだろう。言い方は悪いがこの神通は運がいい。
大量に建造された艦娘の一人や二人、匿ったところでバレないだろう。捨て艦の犠牲者をわずかでも減らすために、完成報告をごまかしてここに匿った。
と言うことは名取はヒキガエルが逮捕されることを知っていた…?新たな疑問が浮かんだが今解決はできない。
「そっか。なるほど。何となくわかったよ。そういや、晩飯に出たハンバーグは食ったか?」
「え…はい。とてもおいしかったです。初めて、頂きました」
「そっかそっか。お前が大丈夫なら食堂で食べたらどうだ?大淀や名取、時雨夕立村雨に北上なんかと一緒に食ってる。みんなで食べるのも悪かないぜ」
提督からの食事の誘い。自分なんかが一緒になどと…とも思うが、提督はその気だ。
「わかりました。明日から私もご一緒させていただきます」
「おーけー。腕によりをかけて作るから、楽しみにしててくれな」
寛大なお方だ。聞いていた提督と言う人間は、気に入らないことがあればすぐに怒鳴り散らし、暴力をふるう恐ろしい人間だ、と摩耶さんから聞かされていたが。そして食事はここで携帯食料を食べるしかないと五十鈴さんが言っていたが…。どういうことだろうか?
名取さんはお風呂にも入れるからと言っていた。あの臭くてとてもではないが入ろうとは思えなかったお風呂。今日は名取さんに誘われて行ったが見違えるようだった。温かい。そして汚れも疲れもさっぱり落ちた
「提督さんのおかげだね。気持ちいいね~」
そういえば提督をよく言ってた。一体、名取さんと摩耶さん、五十鈴さん。一体どちらが正しいのだろう?自分の目で確かめてみるしかない。ただ、今の状況を見るに今の提督は信頼に値する方だろうとは思う。とりあえずは信じてみよう。百聞は一見に如かず。
「おい、そこに誰かいるのか?」
階段の下から呼びかける声がした。玲司にとっては非常にまずい状態だ。人差し指を口元にあて、静かにと言うジェスチャーをしたかと思うと窓を開け外に飛び出した。慌てて神通が外を覗き込むと、排水のパイプを使って器用にスルスルと降りてそのまま走ってどこかへ行ってしまった。
「おい、誰だ?って神通か。脅かすなよな。こんなとこで何やってんだ?」
「申し訳ありません。廊下を…コウモリが飛んでいたので、窓を開けて逃がしていたのです」
「コウモリだあ?まーたどっかから入ってきたのか。ったくよ。でも神通、誰かと話してなかったか?」
「いいえ?早くお逃げなさいとは言った気もしますが」
「なんだよ。じゃ、戻るから神通も早く部屋戻れよ」
「はい。ご心配をおかけしました」
手を振って階段を下りていく摩耶を見送りながら、ごめんなさい…と心の中で詫びた。
神通はとても律儀と言うか頑固な性格であり、一度相手に借りがあったり恩を受けると、どんなことでもそれを返そうとする。
今回は玲司。提督に恥をかかせ、非礼なことをしてしまったわけだが玲司自身はまったく気にもしていないことであった。
だが神通はそれを何と寛大にも自分を許してくれたのだろう。礼には礼を以って返さねばならない。と言う考えに至ってしまった。礼を返すためにはたとえ摩耶や五十鈴が提督に近づいてはならない、と言う忠告も聞きやしない。
こうして後に最強の軽巡と呼ばれ、大本営をも戦慄させる「茨の女王」の呼び名を持つ神通が玲司の下につくのであった。
……
朝になり、神通が食堂に現れると名取や大淀が歓喜の声をあげた。
「皆でこうして食事をする…とても楽しいです」
その言葉に玲司はうれしそうに笑っていた。ところが北上が妙に玲司にべたべたとし、「はい玲司。卵焼きあーん」なんてやるものだから大淀に夕立、時雨まで加わってやや修羅場になってしまったことも忘れてはいけない…のだろうか。
……
昼時、昼食を作っているとひょこっと小さな影が3つ、食堂から玲司を覗き込んでいた。
「ん?どうした?そんなとこで見てないで、こっちに来て食べな」
その言葉におそるおそる姿を見せたのは三人の小さな艦娘。一人は煙突を模した帽子をかぶったちょっとおとなしめの女の子。一人は金髪に黄色の目。ちょっと快活そうな女の子。最後は茶色の髪をポニーテールにしたほんわかした女の子。
「わあ、見つかっちゃった。へへっ、いい匂いがしたから気になっちゃって」
「皐月ちゃん、あれだけお顔を出してたら見つかっちゃうよぉ」
「…こんにちは」
「ん、皐月に文月に霰か。ちょっと待ってな。ご飯、すぐできるから」
「いらっしゃい。今ハンバーグを焼いているからちょっと待っててね」
「やったー!これ!昨日持ってきたもらったやつだよね!」
「はんばーぐ…おいしかった…です」
「わぁ~。今日もおいしそうだよぉ♪」
また賑やかになる食堂。後ほどやってきた夕立たちともすぐに打ち解けて団らんが始まった。
「ねえねえ司令官!さっきボク達の名前を呼んでくれたよね?どうしてボクたちの名前がわかったんだい?」
「あー、そういえばみんなにも言ってなかったな。俺はコックをやる前に提督をやってたんだよ。ショートランドでな。その時にたくさんの艦娘と接してたし大本営の食堂にゃ艦娘も集まるから名前が言えないと失礼だろ?」
「え、ええ!?提督は元コックさんで元提督で今もまた提督に?」
「な、何だかすごい経歴だね」
大淀と時雨が仰天と言う感じの感想を言う。言っていなかったためもあるが、玲司が提督であると言う事実は知らなかった。そして、彼女たちはほとんどがショートランド海戦のことは知らない。
前提督から彼女たちには外部の戦果や戦闘状況などは一切聞かされていない。そんなことを知る暇があるなら勝つための情報や知識を詰めろと言われるのが関の山でもあった。
「ひょえー、そうなんだ。ボクたちもつい2ヶ月前にここで建造されたからなぁ」
「名取さんにぃ、お部屋に連れていかれて出てきちゃだめだよって言われてたからなんにもわかんないよ~」
おそらく神通と同じだろう。大量建造されたうち、名取が何とか連れ出して匿った。だからこそ、前の提督に何かされたわけでもなく恐怖心がない。玲司にとってはそれがとても助かる話であった。
「ほい、お待ちどう。ゆっくり食べな」
「……いただき、ます」
霰が目を輝かせてハンバーグを食べている。皐月も文月も夕立や時雨、村雨とお互いに自己紹介をしつつ、他愛もない話で楽しそうにハンバーグにありついていた。
「名取。ほかに皐月たちみたいな艦娘はいるか?」
食後に一息お茶を飲みながら、名取に問う。神通に皐月文月霰。ほかにもいるのではないかと見た玲司が核心に迫る。
「あ、あはは…さすがにわかっちゃいますよね…。はい、戦艦扶桑さんがいらっしゃいます。私が建造を行った際に来てくれたのが扶桑さんだったんです…」
「扶桑を?よくヒキガエルが使い潰さなかったな。戦艦なんて聞いたらすぐに起用しそうなのに」
「は、はい。ですから、そのぉ…。あの人に見つからないように…匿っていたんです。人目のつきにくい戦艦寮の奥のお部屋に…」
戦艦は扶桑が顕現した当時は長門も沈んでしまっていたので誰にも使われていない。すなわち、誰もほとんど人が来ないだろうと思い、さらにより人気のない奥まった隠し部屋のような部屋など誰も覗きはしない。そして、このことは名取と北上以外は誰も知らなかったと言う。
「名取が話を振ってきたからね。扶桑さんが出た。どうしようって感じでさー。そりゃあもうびっくりよー」
結果として安久野を追い出そうと言う気持ちがより北上も名取も強まったと言う。一人の戦艦が横須賀を大きく動かしたのだ。
「なるほどなぁ」と玲司と何かに納得していると、ガタガタ!と時雨が勢いよく立ち上がった。
「ふ、扶桑だって!?名取さん、僕も会いたい!扶桑に会わせてほしい!」
時雨が名取に迫る。船だったころ、西村艦隊と呼ばれた艦隊で海を駆け。そして、地獄のスリガオ海峡で非業の別れとなってしまった仲間。その扶桑がこの鎮守府にいる。それは時雨にとっては衝撃的だった。
「わかりました。戦艦寮の広間でお話できるようにしますから、10分経ったら戦艦寮に来てくださいね」
「わかったよ!必ず行く!提督、行こう!扶桑がこの鎮守府にいたなんて…僕…僕」
「落ち着け落ち着け。準備がいるだろうからな」
急かす時雨を落ち着かせる。皐月達も食べ終わり、目をキラキラさせて玲司に問いかける。
「司令官!ボクたち鎮守府の探検してもいい?ずっと部屋にいたから何があるかわかんないんだよ。あ、お風呂の場所はわかるけどね!」
「なら夕立が案内するっぽい!夕立と探検しましょ!」
「私も付き合うわ。夕立だけだと心配だもん!時雨、司令官といけないことしちゃだめよ?」
「何を言ってるんだい…」
「うふふ、冗談!じゃ、いってくるねー」
「司令官…ごちそうさま、でした」
「おいしかったよ~。ごちそうさま~」
「提督。私は書類の整理をしてまいります」
「おう、悪いな大淀。あとで俺も行く」
時雨を除いて全員が食堂を出ていった。間宮は後片付けを鼻唄を歌いつつしていた。そわそわと落ち着かない時雨を宥めながら、戦艦寮へと向かった。
/戦艦寮
戦艦寮はしーんと静まり返っている。戦艦は聞いた限りでは長門はいなくなってしまい、名取の話を聞くに扶桑一人しかいないと言うことになる。大きな寮ではあるが、それは寂しいものだ。
時雨ははやる気持ちを抑えながら戦艦寮のラウンジを目指す。そのときバキャッと大きな音とキャッと言う悲鳴が聞こえた。
「ふう…また床が抜けてしまったわ…もう、これで4回目…ああ、何がいけないのかしら…」
真っ黒な長い髪。艦橋を模した髪飾り。和服をまとった女性。彼女こそが戦艦扶桑。が、右足が腐った床をぶち抜いて挟まったのだろう。身動きが取れなくなっていた。
「ふ、扶桑?大丈夫?」
「あら…あなたは…?」
「僕は時雨だよ!扶桑?扶桑だよね!?」
「時雨?…そう…時雨。艦娘となってからあなたに会えるなんて…ああ、私、少し幸せだわ…」
「扶桑…。ああよかった。また会えてうれしいよ」
「私もよ。ふふ、不思議な気持ちね。ところであちらの方は提督でしょうか?」
「そうだよ。俺がここの提督だ。とりあえず、その扶桑の足を抜かねえか?」
「あら、いけない。私ったら時雨に会えて舞い上がっちゃったわ。その…助けていただけると嬉しいのですが…」
玲司はこりゃまたおもしろくなってきたな、と一人心の中で思った。
何とか抱え上げて足を抜いたが「殿方に抱擁されるなんて…」と斜め上の大淀や北上たちに聞かれたら大変よろしくないことを言いながら引っ張り上げられた。
「改めて…扶桑型戦艦一番艦、扶桑と申します。提督。助けていただいてありがとうございました。このご恩は一生忘れませんので…」
「いや、大したことじゃねえだろ」
「いいえ…この扶桑。助けていただいたご恩は必ずお返し致します。とりあえず…抱きしめればよろしいでしょうか?」
「な、何を言い出すんだよ!」
…何だろう。自分の知っている扶桑と何か違う。何というか…ぽけーっとしていると言うか…ここまで天然ボケが炸裂している様はなかった。
「とりあえず、だ。名取から聞いたかもしれんがこれからは部屋に閉じこもってなくてもいい。床は何とかする。ご飯は食べれて風呂も好きな時に入っていい」
「わかりました。重ねてお礼申し上げます…時雨、お風呂に案内してくれると嬉しいのだけれど…」
「うん、わかったよ。って扶桑、そっちは出入口じゃないよ…」
「あら?いけない、私ったら…うふふ」
時雨が手をつないで危なっかしい扶桑をドックへと連れて行った。ドックと言えど今は修理になる艦娘もおらず、もっぱら大浴場のようなものだ。息抜きはあったほうがいい。あっちへフラフラ。こっちへフラフラ。つまずいて転びそうになっていたり、かなり時雨が大変そうだ。
これでも後に、「鬼神」と呼ばれる横須賀鎮守府を代表する戦艦になるのだが。
/空母寮 翔鶴と瑞鶴の部屋
横須賀鎮守府の空母は現状翔鶴と瑞鶴のみだ。あちこちでは犬猿の仲と言われていた加賀とも、横須賀鎮守府の二人は絶望的な毎日を生き残るためにいがみ合うこともなく、どうすれば生きれるかと言うことをまじめに話し合う戦友だった。
しかし、その戦友はもうおらず。残されたのは瑞鶴と、慰み者にされたことで心を病んだ翔鶴だけとなった。頼りになる者がもういない。翔鶴は瑞鶴を呼び続け。時に犯されたことがフラッシュバックし、叫びながら何かに怯えているだけである。
じわりじわりと、瑞鶴の心にも亀裂が入っていく。前の提督が姿を消し、安堵はすれど姉の心は一向に良くはならない。瑞鶴に男が手を出そうとすれば、翔鶴が先手を打って自分が犯され、瑞鶴はきれいじゃなきゃと言って笑う。
「翔鶴姉ぇ、ご飯だよ。昨日と同じハンバーグだよ!おいしいから食べなよ」
「ありがとう…瑞鶴…うん、おいしい…すごくおいしいわ…間宮さん、料理が作れるようになったのね」
「違うよ。それを作ったのは提督さん。新しい提督さんが来たんだー。最初はなんか絶対怪しい、と思ったけどー。うん、いい人だよ。今回の提督さんは。ひどいことしないし、ご飯も作ってくれるし。それがおいしいし!」
「…そう」
瑞鶴は笑って玲司の出会った時の話や、料理の話を楽しそうに話していたが…翔鶴の目は、瑞鶴が提督の話をするたびに虚ろになっていった。
(瑞鶴が…汚されちゃう…わたしがなんとかしなきゃ。なんとかしなきゃ。ずいかくがひどいめに…またわたしがおかされればいいのよね…)
翔鶴は笑った。その笑顔はひどく歪であったが瑞鶴は気づかなかった。その、うつろな狂気をはらんだ笑顔に
/北上の部屋
することもなく、気が楽になって食後の微睡にうつらうつらとしていた時、ドアがノックされた。
「開いてるよー」と間延びした声で返事を返すと小さな来客があった。
「…あんたか。また嫌な夢でも見たの?ほらおいで」
机にノートを放り出し、ベッドに飛び乗って北上に飛びつく小さな少女。
「ほら。ここならあたしもいるし、怖い夢は見ないだろうから寝な。雪風」
北上の服をしっかりと握りしめ、しばらく震えていたがやがてスースーと寝息を立てて眠りについた。眠ったのを確認したのち、北上は雪風が放り出したノートを手に取り、ページを開く。
〇月×日
今日はあたらしいしれいが着にんしました!仲よくできると雪風もうれしいです!
おいしいごはんが食べられました!おむらいすと言うらしいです!雪風は幸せだなぁと思いました!
北上は小さくため息をついた。ここだけを見れば、この子は普通なのに…と
知っているのだ。これより前のページが。赤いクレヨンでただひたすらに
しね
読んでいるこちらの気が狂いそうになるほどびっしりと。一ページに何十回と。そう書かれているのだから。
(玲司…雪風は助けてあげられるかな…)
オムライスを食べたと書いた日記の次の日は。
たすけて つれ
て い か
れる
たすけて たすけて たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて
と書いてあった。
セリフはわかりやすいでしょうか?できる限り読みやすいよう努力をしてまいります。
ご意見があればよろしくお願いいたします