また、タグに『吸血鬼』『ステイン』を追加しました。
合格通知を聞いた日の翌日の夜、僕はオールマイトに呼び出され、いつもの海浜公園に来ていた。
「さて、いろいろ話すことはあるが、まずは合格おめでとう! あの0P敵を倒した時は教師陣全員が喝采を上げていたぜ。もちろん、私もだ」
「あ、ありがとうございます! でも、『
「オイオイ、ナンセンス! それを含めて学ぶために雄英に通うんだろう? まだ器ができたばかりなのは当たり前。自分の体を鍛えること、個性の制御を習得すること、これはヒーローを目指す者なら誰でも経験することだぜ。そして、その話がしたかったら今日は呼んだんだ」
自分でもわかっていたことだけど、それがヒーローへの道だと言われたことで、少しだけ前向きになれた気がした。そう、本当は4歳までに発現して、少しずつその制御を覚えていくもの。僕が一番スタートが遅れているってことは、肝に銘じておかないといけないことだった。
「まぁ、いったん全開で個性を使ったんだ、あとは自分のイメージを固めて慣れていくだけさ。ぶっちゃけ私は最初から100%を使えていたし、個性については感覚でやっていたところが多いから、具体的なアドバイスは難しいんだ」
「イメージ……自分が体を壊さないイメージか」
「そういうこと。まだ、そのあたりは雄英で授業を受けつつ、怪我をしたらリカバリーガールに治してもらいつつやっていくしかないかな。
「雄英で出会う人物? ……何かある人なんですか?」
「あー、本当はこういうのしちゃいけないってのはあるんだけど、……ぶっちゃけ君がすごい落ち込みそうだからね。先に話して少しでも緩和しようかと」
「先生や今在学している生徒は、雄英体育祭とかで情報出ているし……、っ!? まさか今年入学する生徒のことですか、オールマイト!? それはさすがにまずいんじゃっ」
「うん! まずいね! だから、あくまで注意と、君は君だってことを言っておきたくてね。……良いかい? あの0P敵は最大の脅威として雄英が用意したもので、試験としても逃げることが推奨されているような存在だ。だからこそいざって時のヒーローとしての矜持が見られる相手だったんだけどね。そして、今回あの0P敵を倒したのは、君を含めて
「!? あの仮想敵を。さすが雄英。すごい強さの人がいるんですね」
それに僕の場合、手足を壊して着地できる自信もなかった。ただただOFAが強かっただけだ。
「……そしてその子は合格した。君の幼馴染の彼と圧倒的な差をつけた主席でね」
「え……」
でも、それを聞いたときは信じられなかった。僕の幼馴染──
「そしてその子の強さというか戦い方は、今の君の完全上位互換に見える。強く、速く、そのうえ近接戦闘技術もある。シンプルだけど強いってのを体現してるんだよ」
「!? じゃぁ、すごい力は出るけど、体は壊すし技術もない僕は……」
「うん、比較された上で完全に負ける。特に、君はネガティブなところがあるからね」
「……」
「えーっと、緑谷少年?」
「すごい」
あの仮想敵を倒しちゃうような人で、かっちゃんを抑えての1位で、そして、
「目標として申し分ない人ってことですよね!?」
「ぁー、そっちにいくのか。そういや君、ヒーローオタクだったね」
◇◇◇
あの話を聞いていたから、どんな人なんだろうとかいろいろ考えていたし、誰かまでは聞いてなかったから、とても楽しみにしていたんだ。
……まぁ、同じクラスの綺麗な子がそうだと知った時はすごいびっくりしたんだけど。あのかっちゃんに堂々と注意できることもそうだし、個性把握テストの結果もすごかった。空中を蹴った時は、本当にオールマイトみたいで呆気にとられた。
でも、そうやって最初から見ていたから、なんとなく違和感はあったんだ。
それがはっきりしたのはマスコミが侵入したせいで食堂がパニックになったとき。
誰もが警報に反応する中、彼女だけは目をつぶっていた。そして、
そう、彼女だけはあの時、警報を聞いてどうすれば良いのかじゃなくて、
すぐに普段通りに戻っていたけど、僕はこのはっきりしない違和感がなんなのか、ずっとわからなかったんだ。それがわかったのは、
「……私は、こいつの足止めが精いっぱいだ。頼む、お前に任せる」
USJでのこの言葉だった。
彼女はいつも、ヒーローとしての目線で僕達のことを守るべき人として見ていたんだ。
それに気づいたから、頼られた時は嬉しかったし、相澤先生を救助しながらも彼女の戦闘はずっと見ていたんだ。
速すぎて何が起きてるかはなんとなくでしかわからなかったけど、すごいことをしているってことだけはわかったから。
だから、相澤先生を運び終えた後に見た時、彼女の元々白かった顔が真っ青になっていることに気づけた。
そう、普通に立って話していたから思いつかなかったけど、彼女はあの時、致命傷を負った直後だったんだ。仮に個性で回復していたとしても、本当に平気だという保証はなかったんだ。
気づけば、走り出していた。
あの瞬間が、彼女が僕達を庇った瞬間が思い浮かんでいてもたってもいられなくなった。
今考えればあの脳無という敵をどうにかする手段は何もなかったから、彼女にとっては足手まといが増えただけだったんじゃないかと反省もあるけど、あの時はそこまで考える余裕もなかったんだ。
オールマイトが来てくれて、目の前で本気で戦ってるのを見ても、今にも死にそうな顔をしている彼女がちらついて仕方なかったんだ。
……直後に、彼女の食事を見ていたらそういった不安みたいなものも吹き飛んでいたし、どういった個性なのかも説明を受けたから納得はできたんだけど。でも、腑に落ちない点はやっぱりあるんだ。吸血鬼だからで済ませてしまうからわからないけど、血はまだしも、
んー、説明っぽくて気持ち悪い。
ですがまぁ、今まで描写できなかった緑谷視点で、血尋をどう見ていたかっていうのを振り返っておきたかった。
そして、毎日更新が途切れてしまいました。
毎日は無理かもしれませんが、ぼちぼち書きながらやっていくのでよろしくお願いします。
あ、ここがわかりにくいっていう指摘含めて受け付けますので、そのあたりもぜひ。