「……はぁ、受験の時も思ったが、何もかもが大きいな。慣れるまではしばらく大変そうだ」
雄英高校入学式の日、先日合格通知が届いた
しばらく歩いた彼女は、自身が3人ほど積み重なっても通れそうな扉の前で立ち止まった。教室の扉がこのような大きさなのも、異形型個性の持ち主に配慮した結果なのだろう。そのような巨大な扉を前にして彼女は中に入ろうとしない。
「……はぁ、なぜ入学初日から馬鹿馬鹿しい言い争いをしているのやら。仮にもヒーローを志す人間が集まる場所ではなかったのか」
彼女は教室内から聞こえてくる不良と優等生らしく思えるやり取りに辟易していた。しかし、ここで立ち止まっていても仕方がないと判断したのか、おもむろに扉を開け放った。
「……そこで騒いでいる2人。入学初日からみっともない、喧嘩するなら教室の外でやってくれないか。
……ある意味余計な言葉とともに。
「む、確かにその通りだ。すまない、ぼ、俺は飯田天哉。これからよろしく頼む」
「ハッ、モブはモブ同士やってろ」
「……
「ハァッ!? ブッ殺すぞこの金髪!?」
「……君も金髪じゃないか。それに……、ん、すまない。話はここまでにしよう。そろそろ始業の時間だ」
そう言った彼女が教室の扉の方に振り向くと、
「その通り。お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここは……ヒーロー科だぞ」
ミノムシのような物体が
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、一部は違うようだが君達は合理性に欠くね」
(先生!!??)クラスの心が初めて1つになった瞬間だった。
「担任の相澤消太だ、よろしくね」
(担任!!??)すぐに2回目となった。……クラスの団結力が強いのだろう。
「早速だが、
……………………………………………………………………………………………………………………
「「「個性把握……テストォ!!??」」」
「入学式は!? ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ」
「・・・・・・!?」
「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り。
ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ? "個性"禁止の体力テスト」
「……はぁ、あの無意味なテストですね。個性発現以前ならまだしも、発現後にあのような画一的なテストをやる意味がわかりませんでした」
「そ、合理的じゃない。文部科学省の怠慢が現れてる。だから、これから行うテストではそんな無意味なことはしない。爆豪、中学の時、ソフトボール投げ何mだった」
「あ? 67m」
「じゃあ"個性"を使ってやってみろ。円から出なければ何してもいい。早よ」
「んじゃまぁ、……死ねぇ!!!」
(……その掛け声はどうなんだろう)
記録は『705.2m』個性なしではありえない数字となった。
「まず自身の最大限を知る。それがヒーローの素地を形作る合理的手段」
その記録と言葉に、周囲が
「なんだこれ!! すげー
「705mって、まじかよ」
「"個性"思いっきり使えるんだ!! さすがヒーロー科!!」
そしてそれは、ある意味地雷だった。
「
「「「はぁぁぁ!!??」」」
「生徒の如何も、
ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ」
(……初日から監督者のいるところで全力を出せるなんて、思った通りの素晴らしい環境だな。反対を押し切って入学して良かった)
入学後最初の受難(一部を除いて)が始まる。
ただの繋ぎ回になってしまった。
一期山場のUSJまではなるべく駆け足で行きたいと思います。