A組の面々と
一般授業すらプロヒーローが行うという雄英特有の時間割が進み、ヒーロー科に進んだ者が最も楽しみにしている授業『ヒーロー基礎学』の時間となった。
「わーたーしーがー! 普通にドアからきた!!」
「すげー、本当にオールマイトが先生なんだ!」
「あの衣装、
一気に興奮する生徒の視線を浴びながら堂々と教壇に立ったオールマイトは、今日の課題を書いたプレートを突き出した。
BATTLE!!
「早速だが、今日はこれ!戦闘訓練!そしてそいつに伴って……こちら!入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿って
その宣言と同時に教室の壁が動き、
「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」
「「「はーい!!」」」
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女子更衣室では、A組の女性陣が戦闘服に着替えながら会話に華を咲かせていた。
「うわー。確かに要望は出したけど、なんかパツパツスーツになってる」
「作った奴絶対エロおやじだよねー。って!? ヤオモモはそれ本当に要望通り!? すごいことになってるけど!?」
「いえ、少し要望とは違いましたわ……」
「ホント!? 抗議しにいかないとマズイよそれは!」
「えぇ、要望より肌を隠しているようですので」
「「そっち!!??」」
麗日、芦戸、八百万の3人が戦闘服について語り合っている。八百万の個性『創造』は、肌から物体を出すため、服を破かなくて済むように露出面積が多い方が良いのだとか。
そんな中、麗日は昨日の個性把握テストで2位となった赤黒血尋の戦闘服にも注目した。
「えっと、赤黒さんの戦闘服は、スーツにコートに、テンガロンハットっていうんだっけ? なんかオシャレさんな感じやね」
「……はぁ、これで注文通りだよ。むしろフィットしすぎて気持ち悪いくらいだ。私は近接戦闘タイプだし、色々道具を入れるためのポケットも欲しかったからね。他にも要望通りの機能があるかは、実際に動いてからだね」
(戦闘に支障がないように、かつどこで着ていても不自然でないスーツ型にしたが。さすが雄英、動きにまるで支障がない。この調子なら、他の機能も不足なくついているだろう。うん、これは楽しみだ)
そして全員がグラウンドβに集まった。それぞれの戦闘服を見ると、嫌でも気が引き締まり、同時に高揚を感じた。
「何事も恰好から入るってのは大切なことだぜ、少年少女! 自覚するのだ!! 今日から自分は……ヒーローなのだと!!」
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さて、初めてのオールマイトの授業『ヒーロー基礎学』だが、屋内戦闘訓練を行うらしい。生徒は『ヒーロー組』と『ヴィラン組』に分かれ、二人ずつペアを組む。今回の状況設定は『ヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとする。それぞれの勝利条件は、ヒーロー側が制限時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を確保すること。ヴィラン側が制限時間内まで核兵器を守り切るか、ヒーローを捕まえること』である。核兵器の回収は触ることが条件。捕まえるには、今回使用する捕縛テープを相手に巻き付けることが条件である。
それぞれのペアや対戦相手はクジで決めることとなり、結果はこうなった。
Aチーム 緑谷、麗日
Bチーム 轟、障子
Cチーム 八百万、峰田
Dチーム 爆豪、飯田
Eチーム 芦戸、青山
Fチーム 佐藤、尾白
Gチーム 耳郎、上鳴
Hチーム 常闇、蛙吹
Iチーム 赤黒、葉隠
Jチーム 瀬呂、切島
そして、戦闘訓練が始まる。
第1戦 『ヒーロー』緑谷・麗日 対 『ヴィラン』爆豪・飯田
これはかなり激しい戦闘となった。爆豪が緑谷を完全に狙っており、この2人の戦闘は思わずオールマイトが中止しそうになったほどだ。最終的には、緑谷が個性を使用することで相手の虚を突き、麗日が半ば強引に核兵器を確保し、『ヒーロー』の勝利となった。ただ、個性の反動で大怪我を負った緑谷はすぐに保健室へと搬送された。
第2戦 『ヒーロー』轟・障子 対 『ヴィラン』赤黒・葉隠
推薦組にして、No.2ヒーロー『エンデヴァー』の息子である轟焦凍と、入試主席の赤黒血尋の対決となった。
『ヴィラン』は先に建物に入り作戦を練ることになる。お互いに簡単な自己紹介はしたが、まだまだ知らないことが多い間柄だ。そこで、彼女たちはしっかりと作戦を練るための情報交換から始めた。
「よろしくね、赤黒さん!……あだ名で赤ちゃんとか呼ばれてたことある?」
「……はぁ、次それで呼んだら葉隠のことを痴女と呼ぶことにするよ。さて、時間もあまりない、作戦会議といこう」
「トーンがガチにしか聞こえないよ!? っと、ふざけすぎたね、ごめん。じゃ、頑張ってこうか!私の個性は見たまんまの『透明化』! 身に着けている物までは消えないから、本気出す時は全部外すよ。不意打ちとかは任せてね!赤黒さんの個性は、身体能力の上昇とかそんな感じかな? 昨日のテスト、見ててびっくりしちゃったもん」
「……私の個性は『吸血鬼』。吸血鬼のようなことがいくつかできて、主な特徴は3つだ。
1つ目は『五感の強化』
2つ目は『身体能力の強化』
3つ目は『回復能力の強化』
細かいものは他にもあるが、基本的にはこれだな」
「うわー、すごい強個性だね! 戦闘では最強じゃない!?」
「……それは断言できないな。それに、今回の対戦相手の轟、あいつは強敵だろう。個性は氷を出すことのようだが、素の身体能力もかなり高い。氷の出力もどの程度かわからない現状、決して油断できないな。もしも氷の出力がこのビル程度なら一瞬で氷漬けにできるなら、その中にいる私達も一瞬で戦闘不能になるぞ」
「私、氷漬けになったらそのまま凍死しそうなんだけど……」
「……まぁ、本当にそのレベルだとしても、私に考えがある。対応策もないのに不安を煽ったりなどしないさ。大丈夫だ、葉隠。私に任せろ」
「……ぐっはぁ!!」
「!? ど、どうした? 大丈夫か?」
「ちょ、ちょっと待って。すぅーはぁー。よ、よし、なんとか大丈夫!」
「いや、本当に大丈「大丈夫だから!!」……はぁ、わかった。さて、ではどう動くか決めていこうか」
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アジトを模したビルが一気に凍り付いた。轟の個性は、『ヴィラン』が想定する中でも最高の出力を有していたのだ。
「もう動けねぇだろうし、確保に行くぞ、障子」
「……凄まじい威力だな」
そうして2人がビルに入り次々と部屋を調べていくが、中は不気味なほど静かだった。これだけの氷結を行えば、仮に対応できていたとしても、何らかの反応や音があると思っていたので、すでに氷漬けになっているだろうと轟は考えていた。そのまま2人は核と『ヴィラン』を探し、階段を上がり2階に辿り着いたが、
「……はぁ、いくらなんでも不用心、いや、私達をなめすぎではないか?」
すぐさま戦闘態勢に入った2人だったが、すぐ目の前に
「っく!?」
葉隠がいる可能性を考えた轟は、瞬時に目の前に氷の壁を生成し、捕縛テープを止めることに成功した。障子もまた、とっさの対応だったために捕縛テープと轟の氷に目が向いてしまっていた。
そう、2人は最も注意すべき人物から意識を逸らしてしまった。
気づけば目の前に
「……はぁ、それがなめていると言ったんだ」
そんな、どこか失望したような声を聴きながら……。
はい、あっさりで申し訳ない。講評は次回で。
コスチューム出たので、主人公のイメージをなんとなく。
容姿はありふれのユエに身長をもう少し追加した感じ。
コスはヘルシングのアーカードみたいなやつ。テンガロンハットは別ですが。
ここで轟と戦っておかないと、彼のライバル心をうまく刺激できないので、一戦してもらいました。この時期の轟は、まだ精神的に未熟な部分ありますからね。
戦闘の最初の山場はUSJで。
最近書くのが楽しくなってきたので、連休は引きこもって書きます。
では、ありがとうございました。