「オールマイトの教師振りについて、何か一言お願いします!!」
今朝の雄英では、マスコミによる大渋滞が起こっていた。
それというのも、
「……はぁ」
そして、それを見た登校中の
しかし、公共の場での無断の個性使用は禁止とされている世の中で、自分から
仕方がないと覚悟を決め、彼女は黒い人だかりに向かうのだった。
◇◇◇
「ねぇねぇ!マスコミすごかったねー!私インタビューなんて初めて受けちゃったよ!」
「だよな!さすがオールマイトって感じだけど、さすがに毎日アレは勘弁だよなぁ」
「ケロっ、でもヒーローになったらああいうインタビューにもしっかり応えられないといけないのよね」
たどり着いた1年A組は、マスコミの話題で盛り上がっていた。インタビューを受けるのは初めての者ばかりであり、将来ヒーローになったときのことを思えば良い練習にもなると、皆しっかり受け答えしてきたようだ。
「あ、おはよー、赤黒さん。赤黒さんもインタビュー受けたの?」
「……はぁ、受けてきたよ。あそこまですし詰め状態の人だかりだと、気づかれずに通ることができなくてね。気配を消す訓練をもっとしておけば良かったと思うよ」
「あはは、赤黒さんはああいうの苦手そうだもんねー」
そうしてクラスメイトと談笑していると、すぐに始業の時間となる。クラス全員担任の方針はわかっていたため、ベルが鳴る少し前に席に着いていた。
「昨日は戦闘訓練おつかれさん。ブイと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみたいなマネすんな、能力あるんだから。んで緑谷、個性の制御ができないから仕方がないってのは通じないぞ。お前は個性の制御ができればやれることは多いんだ、焦れよ」
ベルと同時に教室に入ってきた相澤は、HRで爆豪と緑谷に苦言を呈した。爆豪はうつむきながらも短く返事をし、緑谷も焦りを顔に浮かべながらしっかりと返事した。
「さて、急で悪いが、今日は学級委員長を決めてもらう」
「「「クソ学校っぽいのきたあああ!!」」」
相澤の言葉に思わず叫ぶA組の面々。しかし、相澤のひとにらみですぐ沈静化する。しっかりと調教?されているようだ。
さて、昨今のヒーローとは、とっさに知らない相手とチームを組むことも珍しくなく、常にリーダーシップが必要とされる職業だ。それゆえに、その素地を鍛えられる学級委員長という役職は人気を集め、各々が挙手し、立候補していった。
そんな中にあって、
「静粛に!多を牽引する重大な仕事だぞ!やりたいやりたくないで決められるものではないだろう!」
そして、騒がしいクラスで人一倍大きな声をあげ、飯田天哉が発言した。
「周囲からの信頼があって初めて務まるものだ!ゆえにこれは、投票で決めるべき議案!!」
だが悲しいかな、そんな彼の右手は、
「そびえたってんじゃねえか!!なぜ発案した!?」
そう、人一倍空に向けて伸ばされていた。
突っ込みは入ったものの、意見自体は間違っておらず、また相澤も時間内に決めれば問題ないとしたため、急遽投票が行われた。その結果……
「僕3票!!??」
緑谷出久が委員長に決定した。そして続く副委員長だが、
「あら、私と赤黒さんが同率2票ですか……。どういたしましょうか」
昨日の戦闘訓練で鋭い考察力を見せ、個性も万能性の高い八百万百と、入試から昨日に至るまで実力を示し、容姿に似合わぬ辛口評価を見せた赤黒血尋に票が入っていた。
「……はぁ、それならば私は辞退しよう。推薦してくれた人には申し訳ないが、私はあまりやる気がない。八百万がやりたくないというならやるが、君も挙手していただろう?」
「そうですわね。では、副委員長、拝命いたしますわ」
◇◇◇
そして午前の授業が終わり、高校生の楽しみの1つ、昼食の時間となった。雄英高校の食堂には、『クックヒーロー:ランチラッシュ』がうまい料理を格安で提供していることもあり、連日満員御礼状態だった。
そんな中で、
「あ、赤黒さん!ここ座っていいかな?」
そこには、同じクラスの麗日お茶子がおり、昼食のプレートを持っていた。空席が見つからず困っていたが、クラスメイトを見つけて声をかけてきたのだろう。
「……ごくっ。私は構わない。なぜかこの席に近寄ってくる人がいなくてね、せっかくの空席がもったいないと思っていたんだ」
(……それは、近寄りがたいからじゃないかなぁ)
その言葉に、つい麗日は思ってしまった。その理由は、
「あ、麗日さん!そこの席空いてるかな?」
「む、麗日くんに赤黒くん!相席よろしいだろうか?」
「「それにしても、2人ですごい食べるんだね(な)」」
「違う!!うちやないからね!?」
……テーブルに積み重なった
「麗日さんじゃないって、じゃぁこれって……」
「……全て私が空けた皿だが?ああすまない、座るのに邪魔だったな」
「昼食の時間になって、まだ20分も経ってないような……」
「あー、とりあえず座って2人共。ご飯食べる時間なくなっちゃうよ!」
思わず時計を確認してしまった緑谷だったが、麗日の言葉には同意するしかなく、慌てて席についてカツ丼を食べ始めた。
「それにしても、赤黒さん見た目に寄らずすごい食べるんだね」
「……はぁ、あまり何度も言わないでくれ、食べにくい。普段は家族とばかり食べていたから、自分の食事量が人より多いことを失念していたよ」
「ご、ごめん」
緑谷が失礼な話題を振ったり、
「そうそう、葉隠さんと芦戸さんが教室でご飯食べようとして、赤黒さんを探していたけど……、どれだけ早く食堂に着いたの?」
「……昼食の時間になった瞬間に移動を始めていたから、大体15分ほど前には着いていたな」
「それだけ早かったら2人とも気づかなかっただろうなぁ」
麗日が教室で驚いていた2人のことを話し、
「そういえば赤黒くん。どうして副委員長をやらなかったんだい?」
「……はぁ、理由は2つある。1つはあの時も言ったがやる気がなかったから。もう一つが、あそこからまた投票なり議論なりをすると時間が厳しかったからだ。私が
「なるほど!あの一瞬で自分のことも皆のことも考えていたわけか!」
飯田が学級委員長を決めた時の疑問を投げかけたりして過ごしていた。
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難して下さい』
唐突に警報が鳴った。
周囲は何が起きたかわからずパニック状態となっており、出入口付近は避難しようとする生徒たちで人だかりができていた。
「飯田、空中での姿勢制御はできるか?お前に頼みたいことがある」
「あ、赤黒くん?個性を使えばできると思うが、いったい何を……?」
「麗日、個性発動準備、飯田を浮かせてくれ、頼む」
「え!?えっと、うん。いけるよ、赤黒さん!」
「あ、赤黒くん!?」
「飯田、私達でお前を出入口近くに飛ばすから、大きな声で伝えてくれ。『大丈夫、ただのマスコミだ』と。お前が適役だ、頼む」
「!?……わかった!いつでもきてくれ!」
そして
「大丈ー夫!!ただのマスコミです!ここは雄英!最高峰に相応しい行動をとりましょう!!」
その一際大きな声に注目した生徒たちは段々と冷静さを取り戻し、誰かが大きなケガを負うこともなく騒動は終わったのだった。
◇◇◇
最高のセキュリティを誇る雄英高校の校門。そこは今、ものの見事に崩れていた。
「……これはマスコミじゃない。こんなことができるのは、破壊に特化した個性だろうね」
「つまり、マスコミはただのブラフだと?目的はなんなのでしょうか、校長」
「まぁ、ここまでやったんだ。
「では……」
「うん。警戒レベルを上げるよ。担任の先生方は、生徒達の指導をしっかりと頼むよ!」
大きな悪意が、雄英高校に迫っていた。
繋ぎ回にして、ある意味重要回
次回から、USJに入ります。
ようやく書きたかった場面を書ける。
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