櫻田家の長男はウルトラマン   作:アルティメットルパン三世

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怪獣プロフィール

三面怪人ダダ

初登場作品『ウルトラマン』第28話『人間標本5.6』

3種類の顔を持ち、それぞれを使い分けることが可能。壁を通り抜ける、人間に乗り移る、テレポートするなどのさまざまな超能力を持つ。
初登場した時は『271号』が地球に襲来し奥多摩の山中にある宇宙線研究所を占拠し研究員4人を標本として採取した。

戦闘力は低いがウルトラマンのスペシウム光線を一度くらっても倒れなかった。


第1話 運命の出逢い (Bパート)

ゼロSide

 

ネロンガを倒し今現在、俺の目の前で小さな生命が消えかかろうとしている。このまま見過ごす訳にはいかねぇな…

 

「シェア!」

 

俺は一度空を飛び嘗てウルトラマンが赤い球体を作ったのを思い出し俺も赤い球体を作った。そして青年の上に止まって光を放ちながら青年をコチラへと引き寄せた。

 

さーてココからが本番だ!

 

 

 

茜Side

 

私達が籃兄の死に悲しんでいた時、先程怪獣を倒した巨人さんが赤い球体に変わるのを見た。

赤い球体はコチラへとやって来たと思ったら眩しい光を放った。

 

「「きゃあ!?」」

 

「眩しい!?」

 

光が収まり目を開けると赤い球体は消えていた。

私には何が起こったのかさっぱり解らずお姉ちゃんも私と同じ様子だった。

 

「おーい!茜ー!葵ー!無事かー!?」

 

後ろを振り向くとお父さんがコチラへと走ってきた。

 

「2人とも無事の様だな、それにしても籃は何処…ッ!ら、籃?どうしたんだ籃!?しっかりしろ!」

 

籃兄の事を思い出してしまい私はまた泣きそうになる。

お姉ちゃんも私と一緒で泣きかけている。

 

「籃兄は……この子達を助けて瓦礫の下敷きに…」

 

「そうか………」

 

お父さんはそれ以上何も言わなかった。これ以上聞いたらまた私達が悲しむと解っていたのだろう。

 

 

その後、籃兄は病院に運ばれ霊安室へと連れていかれた。

 

 

籃Side

 

 

 

(おい……おいっ!起きろ!)

 

「はっ!?あれ?俺は確か死んだはずじゃあ…え?俺の胸って瓦礫が刺さってたんじゃあ…」

 

服を捲ると胸の真ん中に刺さっていた筈の傷が無かった。

一体、何が起きているのか全く理解出来てない状況だった。

 

(やっと起きたか、中々目を覚まさないから駄目だったと思ったぜ。)

 

突如謎の声が聞こえた。俺は声の主を探そうと周りを見ると後ろに見覚えのある巨人が立っていた。

 

「あ、貴方は怪獣を倒した巨人…」

 

(俺はゼロ、ウルトラマンゼロだ。)

 

そう言うと巨人…ウルトラマンゼロは自分の名を言った。

ゼロが俺に名を名乗ったで俺も名乗る事にした。

 

「俺は籃、櫻田籃だ。」

 

(おう、ならお前の事はランって呼ばせてもらうぜ。早速だがまずはお前に謝らないといけねぇ…悪かった。俺が早く駆けつけていればお前は死ななかっただろう…)

 

「否、ゼロは怪獣を倒して俺の妹2人と2人の子供を助けてくれたんだ。気にしないでくれ。」

 

(そうか…それなんだが一つだけお前が助かる方法がある。俺達ウルトラマンは地球上では長く居られない。俺がお前と一体化する事で俺は戦わない時でも地球上でも居られるしお前の傷も治る…まぁ簡単に言うと『win-win』の関係だな?)

 

「成程な…いいぜ、俺もまだ死ぬ訳にはいかないし家族が心配するしな。」

 

(解った、これから俺達は一心同体だ!)

 

ゼロはそう言うと小さな光となって俺の中に入っていった。それから俺の意識は暗闇の中へと吸い込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!此処は病院?って此処霊安室じゃん!?」

 

俺が目を覚ますと病院の霊安室で寝ていた。つまり俺は死亡扱いと言うことになる。驚いていると左腕に見たことの無い腕輪が付けられていた。

 

(その様子だと無事成功した感じだな?)

 

「えっ?どっかからゼロの声がするぞ?」

 

(そりゃあ俺がテレパシーでお前に話し掛けているからな。)

 

「耳塞いでも聞こえるぅ!?」

 

(そうだよぉ?)

 

俺とゼロが下らない茶番をしているとドアが開いた。

俺がドアの方に首を傾けると看護婦さんが綺麗な花が入っている花瓶を持っていたが俺を見ると落としてしまい花瓶は見事に割れてしまう。

 

 

「せ、せせせせ…せんせえええええええい!!!?」

 

「(うわぁっ!?)」

 

看護婦の叫びに俺とゼロは少しビビってしまった。

そして叫びながら看護婦さんは出ていってしまった。

 

「よし、さっさとトンズラしますか。」

 

(いいのか?勝手に逃げ出しても。後で騒ぎが大きくなる可能性が高いぞ。)

 

「良いんだよ別に、それじゃあ行くぞ。」

 

俺は能力を使い液状化してドアの隙間から窓の外へ移動し人気の無い茂みに隠れると能力を解除して元の姿に戻る。

 

「よし、脱出成功。」

 

その後俺は落ちていた帽子の汚れを払って被る。顔を隠して町中を歩いていた時にゼロが問いかけてきた。

 

(お、おいラン…今やったのは何なんだ?)

「そういや話してなかったな。実は俺、王様の息子なんだ。」

 

(成程な…ハアッ!?お前が王様の息子ぉ!?)

 

「あぁ、俺の家族は王様である父さんに王女の母さん、それに3人の弟と6人の妹が居る大家族だ。皆も俺と同じような能力を持っているんだ。」

 

(うそーん…)

 

「次はこっちが質問するけどゼロはどうしてこの星に?」

 

(………俺はある宇宙人の野望を阻止する為に別の宇宙からやって来たんだ。そいつは俺達ウルトラマンがいない宇宙を侵略しようとしている、さっきの怪獣ネロンガも奴が召喚したのかもしれない。)

 

「そうか…ん?」

 

俺達が話している時…

 

(ッ!右に避けろラン!)

 

ビィーーーッ!!!

 

「うわっ!」

 

ゼロが言った通り右に避ける。謎の光線が俺の隣を通り野良犬に当たると野良犬は小さくなった。

 

「チッ…避けられましたか。」

 

前を向くと目の前にシルクハットを被った紳士風の男が両手持ちの光線銃を持っていた舌打ちをした。

 

(気をつけろラン…コイツは宇宙人だ!)

 

「えぇ!?いきなりゼロが言っていた奴が目の前に!?」

 

「はぁ…貴方は何か勘違いをしています。私の名はダダ、正式名は『ダダ168号』と申します。以後お見知りおきを。」

 

そう言い紳士風の男は宇宙人の姿に戻った。

 

(このままじゃあ不味い…ラン!ちょっと体借りるぞ!)

 

「解った。(ギュイン!)……言え、お前の目的は何だ?』

 

「ふっ、私の目的はウルトラマンゼロ…貴方をシーカーに献上して我が星を繁栄させる為、生け捕りさせて戴きます。」

 

『そうか…やれるもんならやってみな!』

 

そう言い籃の体を借りているゼロはダダと戦闘を開始する。ダダはミクロ化器銃からビームを撃つが避けられその隙にゼロはミクロ化器銃を奪おうとする。

 

「コラ!離しなさい!」

 

『ほらよ?』

 

「うおっ!?」

 

ダダが奪われまいとミクロ化器銃を離そうとしなかったがゼロが急に離したので反動で倒れミクロ化器銃を離してしまう。

 

「返してやるぜ!オラァ!」

 

ミクロ化機を蹴りあげそのままダダにシュートした。

 

「グフォア!?」

 

ミクロ化器銃にぶつかったダダは勢いよく吹っ飛ばされる。

そしてゼロはミクロ化器銃を持つと叩き壊した。

『これで俺を生け捕りにする事は出来なくなったな?』

 

「おのれぇ…!こうなればあなたの首をシーカーに捧げてやる!」

 

ミクロ化器銃を破壊されたダダはどこからか出した人形と赤が主で剣先が白の短剣のような物を出した。

 

(何んだアレ?人形?)

 

『何!スパークドールズだと!?』

 

籃はなぜ人形を出したのか解らなかったが人形の事を知っているゼロはスパークドールズである事に気づいた。

 

《モンスライブ!!アーストロン!!》

 

ダダはスパークドールズをの左足を剣先に当てると短剣から音声が出てきてダダの姿が凶暴怪獣『アーストロン』となった!

 

ー ギャオオオオン!!

 

『さぁ来なさいウルトラマンゼロ!来なければこの町を破壊してやる!』

 

「うわあああ!!」

 

「助けてくれぇー!!?」

 

アーストロンになったダダがそう言うと町を破壊し始める。町の人達は走ってアーストロンから逃げ始める。

 

「このままじゃあ町が!」

 

(ラン!お前の左腕を前に出せ!)

 

「左腕を?こうか…?」

 

籃が左腕を前に出すと腕に着けているブレスレットからメガネのようなの物が現れた。

 

(それはウルトラゼロアイ!それを目に装着して右側にあるスイッチを押せ!そうすれば俺になってアイツと戦える!)

 

「解った!力を貸してくれゼロ!」

 

(ああ!いくぜラン!)

 

「(ジュワ!!)」

 

籃はウルトラゼロアイを手にし目に装着、二人の掛け声でスイッチを押す。

すると籃がウルトラマンゼロに変わっていき変身が終わると巨大化した!

 

「シェアアアッ!」

 

推薦BGM:ウルトラマンゼロのテーマ

 

巨大化したゼロは着地しアーストロンに向かって決めポーズをする。

 

 

「俺はゼロ…ウルトラマンゼロだ!!」

 

 

先に攻撃をしたのはアーストロンだった。

アーストロンは口から『マグマ光線』をゼロに向かって放つがゼロは真正面からマグマ光線をくらった。

 

『バカめ!避けもせずにくらうとは!』

 

ダダは光線をくらったゼロを馬鹿にしていると…

 

「ハアアアアッ!」

 

『何ぃ!グホォ!?』

 

ゼロが炎の中から飛び出しそのままアーストロンの顔面に拳の一撃を与える!殴られたアーストロンは後ろに数歩下がった。

 

「まだまだいくぜ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!オラァ!」

 

ー ギャオオオン!!?

 

ゼロはアーストロンに怒涛のラッシュを叩き込む。

頑丈な皮膚を持つアーストロンでもゼロのラッシュに耐えきれず更にはアッパーをくらい後ろに倒れ込む。

 

『おのれ!コレならばどうだ!』

 

アーストロンは頭部の角『スラッシュホーン』を振ってゼロを切り裂こうとするも軽々と避けられる。

 

「ハッ!ゼェアアア!!」

 

ゼロはアーストロンの頭を抑えて炎を纏った右手のチョップ『ビッグバンゼロ』でスラッシュホーンを破壊した。

 

『ギャアアアアアッ!!?頭がああああああ!』

 

アーストロンの弱点である角を折られたダダは激痛に苦しむ。

 

「コレでトドメだ!ハアッ!」

 

ゼロはゼロスラッガーを手にしカラータイマーの両サイドに装着しエネルギーを貯めて『ゼロツインシュート』をアーストロンにくらわせた!

 

「うおおおおおお!!!」

 

『お、おのれウルトラマンゼロォ!私を倒した所で我々の計画は止まらない!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?』

 

ー ギャオオオン……

 

ドカアアアアアン!!!

ダダの断末魔と共にアーストロンは倒れて爆発した。

 

「シェアッ!」

 

倒した事を確認したゼロはそのまま何処かへ飛び去ったのだった。

 

 

籃Side

 

宇宙人と怪獣を倒してそれからの事だった。

俺はゼロに頼まれてさっきの怪獣…アーストロンのスパークドールズ(?)を見つけたが手にした瞬間黒い煙をあげて消えた。更にあの宇宙人が持っていた短剣もぶっ壊れていた。

 

そして現在、俺は実家の前に立っていた。

 

(どうしたんだよ、自分の家なんだから早く入ったらどうだ?)

 

「馬鹿言うな。さっきも言ったけど俺は家族から死亡扱いされてんだぞ?そんな事があったのに堂々と帰ってきてみろ…余計パニックが起きるに決まってんだろ!」

 

俺とゼロがそうこう言い争っていると…

 

ドサッ!

 

「ん?…ッ!」

 

後ろで何かを落とした音がしたので振り返ると其処には母さん、葵、奏、修、茜、岬、遥、光、輝、栞が俺を見て驚いていた。

 

「ら、籃?」

 

「本当にお兄様なの?」

 

「よ、よぉ…」

 

俺はどうすればいいか解らず苦笑いしながら手を振った。

そしたら妹達の目から涙が溢れ出すと葵、奏、茜、岬、光、栞が俺に向かって抱きついてきた。

 

 

『籃兄ぃいいいいいい!(お兄様ああああああ)(籃兄いいいいいい)(兄さあああああん)(籃ちゃああああん)(お兄様あああああ!!)』

 

「ちょっ!うわあああッ!?」

 

 

いきなり姉妹全員に抱きつかれた俺は受け止めきれず倒れ込む。そして皆から色々言われた。

 

「今までどこにいたの籃兄ぃ!さっき病院から電話が来て『籃様が生き返った』って聞いて急いで行ったのにどっかに行くなんて!」

 

「グスッ…もう無茶しないでよお兄様!」

 

「でも…良かったよおおおお…!」

 

「私達…兄さんが死んで本当にかなしんでたんだからぁ!」

 

「うええええん!らんちゃあああん!」

 

「おにいさまぁ…もうどこにもいかないで…」

 

皆が泣きながら俺にそう言う。全く…妹を泣かすなんて長男失格だな俺…それよりもそろそろ限界なんだけど…てか奏の大きな胸が当たってるんですけどぉ!?

 

「修…頼む、助けてくれ…」

 

「自業自得だ兄貴、暫くそのままでいな。」

 

「毎度の事だけど本当に心配させるね兄さんは…」

 

「うぅ…無事で良かったです兄上!」

 

弟達に助けを求めたが修と遥は助ける気なしで輝は涙を流しながら喜んでいた。あ、ダメだこりゃ助けてくれない。

 

(なぁ?だから言ったろ、心配させるって?)

 

「(うっせ。)ゴメンな皆、それと…」

 

『???』

 

 

 

「ただいま。」

 

『っ!おかえりなさい!!!』

 

 

こうして俺は家族の元へと帰ってきた。

 

その後、帰ってきた親父にもみくちゃにされまくってついカッとなって能力を使って液状化し他あとコブラツイストをかましてしまった…だが私は謝らない。

その日の晩飯は俺の好きなハンバーグで何故かその日に食ったハンバーグは格別に美味かった。

 

(ラン…やっぱり家族って良いものだな。)

 

「……あたりまえだ。」

 

「何か言った籃兄ぃ?」

 

「嫌!何でもない!タダの独り言だから!」

 

 

 

 

 

地球から大分離れた場所に巨大な円盤が奇妙な音を出して飛んでいた。そして円盤の内部にある部屋、バルタン星人シーカーが地球を見ていた。

 

「ダダが殺られましたか…まぁいいでしょう。次の計画は決まっていますからね?」

 

そう言いシーカーは部屋から出ていった。

 

 

 

……To be continued




次回予告

突如親父からテレビ出演が決まったと言われた俺達。
番組の内容はデパートにある制限時間内に多くの人形を集めるというものだった。
そこでゼロは俺の兄弟∥姉妹の能力を知る!

次回『ダンディー君を救え!櫻田家の能力!!』

「俺達のビッグバンは止まらないぜ!」

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