ニャンコ先生は昔の話を語りながら
深酒してしまったみたいだ。
どうやら思いが深かったみたいだね。
なにやらムニャムニャ寝言を言っている。
ニャンコ先生の昔話はまだまだ続きそうだ。
「うぉ~い、夏目・・・お茶くれ、お茶。
熱~いお茶。」
「なんだよ、ニャンコ先生、二日酔い?」
「うぷぅ~・・・少し食べすぎたな。腹がもたれておる」
「なんか、さっぱりしたもの持ってくる?
一夜漬けとか」
「う~ん。いらん。和菓子が食べたい」
「え~?おなかもたれてるのに、お菓子食べるの?」
「二日酔いには和菓子がきくんじゃ。あんこものな。
たっぷり買ってきておくれ」
「もう・・・タイ焼きとかでいい?」
「それもよいが、生クリームとか挟まってるやつがいい」
「なに贅沢言ってんの?そんな高級和菓子だったら
塔子さんにまず食べてもらうよ」
「ふん・・・じゃあ大判焼きとかでもいいわい」
「わかったよ。なんかテキトーに買ってくるよ。
お茶はすぐに持ってきてあげる」
「なんだかんだ言っても、やさしいやつよのお」
青年夏目は、階下の茶の間にあった急須とポットを持ってきて
渋めの緑茶を、ブーニャンコに差し出した。
「ほら、ブタネコ。これでも飲んで僕の帰りを待ってなよ」
「ブタネコとはなんじゃーーー!!!おぅぇっ・・・・」
「きたないなー。とにかく、静かにしてろよ。すぐに
戻ってくるから」
「うぃっ・・・・・」
数十分して、夏目が紙の袋を抱えて戻ってきた。
「ほら。あんこたっぷりタイ焼きと、大判焼き」
「(目がはぁと)うぉいっ!!!!でかしたぞ!夏目!」
「大げさだな。とにかくゆっくり食べながら、続き話してよ」
「さっきの緑茶でしっかり目が覚めた。話を続けよう。
わしが身受けした3匹は青と金色の目を持ち、のこりの2匹は
青と銀の眼球を持っていたと話したが、全部雄じゃった。
一番目の青金目は頭脳明晰であらゆる知識と知恵で様々な難関を切り抜けることができる知の能力を持っておった。この猫はかつて人間で、人時代は偉大な哲学者だったのた。
その男は、ドクラテスといい死後、妖となった。
じつは、わしのいとこだったのだ。」
「ニャンコ先生、ギリシャ人のいとこがいるの?」
てか、人間がいとこなの?」
「・・・・・・・・・まあいい。」
「よくないよ!まだ酒が抜けてないの?」
「とりあえず話を聞け。」
「はいはい。続きをどうぞ」
「でな、そいつはこうのたまった。
生きる上で必要なものとは、力である。
ヒトが生存するには、生きるためのパワーが要る。
生とはまさに力がみなぎる魂そのものなのだと。
では、生きる上で大切なものは?
それは愛だ。
愛がなければヒトは鳴るだけのただの銅鑼だと。
つまり愛と力があってこそ、この世の悪と戦うことができ
己の人生を生きがいを持って楽しく全うできるのだと
人間時代の知恵をもった魂がそのまま妖となったこの長猫は
弟たちのすべての力をつかさどり、各々の
力が十分発揮できるよう指揮をとっておったのだ」
「へえ・・・じゃあ、残りの猫たちの力って?」
「夏目、タイ焼きと大判焼きのおかわり」
「はあああ?あんなに買ってきたのに
足りないの?てか、二日酔いでしょ?また
具合悪くなっちゃうだろ?」
「私は、しゃべると腹が減るのだ。あと4匹分
しゃべらなくちゃいけないだろ。足りないよ。」
「たいした文字数じゃないだろ!もー。
うちわサイズのどら焼きでも食べてろよ」
「そんなもんがあるのか!」
「ああ。なんかの記念でもらったよ。そいつ
あげるから。特別だよ。それ食べてて。
今日は天気がいいから、車洗いたいんだよ」
「おまえ、車なんか持ってたのか?」
「My bikeだよ。」
「そんなもんほっとけ」
「そろそろ冬仕様にしないと・・・」
「ここいらは雪深くないじゃろ」
「急な妖襲来の逃走用に、備えておかないと」
「ふん・・・・ま、それもそうじゃな。いちいち
わたしがお前を載せていくのも難儀だ。じゃあ、行ってこい。
そのどでかいどら焼きとやらを、いただいておく」
「下の冷蔵庫に入っているから、勝手にとって」
「ふん・・・・セルフサービスか。まあいい。」
どうも歯切れの悪いニャンコ先生だ。
話したいけど話したくない。
そんな微妙なニャンコ先生自身の物語。
妖時間でゆっくりきいていきましょうかね・・・