鵜養貴也は勇者にあらず   作:多聞町

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いつの間にか、お気に入りが200件を突破していました。
評価バーも真っ赤なままで3つ目に突入していましたし。
本当にありがとうございます。
完結へ向けてのモチベーションが上がります。

ということで、本編をどうぞ。




第五十一話 大赦本庁

幸い、まだ辛うじて十八時台であったため正面玄関は閉まっていなかった。そのため、二人は堂々と自動ドアを(くぐ)って建物内へと入っていく。

 

『大丈夫。たぁくんが側に付いててくれるんだ。ちゃんと渡り合えるはずだよ』

 

流石に園子も不安がない訳ではない。なにせ相手は大赦の上層部の人間になるのだ。人生経験も仕事の経験も豊富な海千山千の大人達。対する園子は、超人じみた能力を持っているとはいえ、まだ未熟な中学生に過ぎないのだから。

だが、後ろに貴也が付いてきてくれている、それを意識するだけで力が湧いてくるようだった。

 

 

 

 

流石に『乃木園子』の名と顔だけでフリーパスとは行かなかった。無理もない。いきなり大赦上層部の人間に会わせろというのだ。

守衛をも交えた受付での押し問答の末、十名ほどの大赦仮面に取り囲まれる結果となった。

 

「会わせてくれない、って言うんだったら実力行使させてもらうよ」

 

園子のその言葉に大赦側の人間たちは怯んだ。勇者装束をその身に纏った貴也がいたからだ。その内の何名かが、彼の周りに浮く精霊の姿を捉えていたのも影響していた。

そして、受付の一角を雪女郎の力で氷漬けにする。その一手だけで決着はついた。

バーテックスとも戦える勇者を前に、抵抗しようという者は誰もいなかった。

 

だが、大赦仮面の一人に書史部部長室への案内をさせようとしたところで、新たに貴也たちの行く手を遮る者が現れた。

 

「乃木園子様、鵜養貴也様。あなた方は東郷美森様の決意を台無しになさるおつもりですか……?」

 

神官服に身を包み仮面を着けた女性。園子は、その声に聞き覚えがあった。

 

「私たちはわっしーが、東郷美森が何を為そうとしているのかを確かめに来ただけだよ。でも、納得がいかなければ、彼女を力尽くででも連れて帰るつもりだけどね」

 

「帰りなさい。美森様がどうしてあなた達から記憶を奪うよう神樹様に願ったのか、想像もできないような貴女ではないでしょう……? このまま、何も知らないままで帰りなさい」

 

その女性神官の頑なな態度に、園子は、だがしかし諭すように語りかける。

 

「貴女は大赦の部品になろうとしてるんだね。――――――ピーマンが苦手だったよね。あの頃、優しさと厳しさを同居させつつ毅然とした態度で私たちを導いてくれていたけど、ふとした時に見せるそういったところがチャーミングだと思っていたんだよ。私たちを勇者としてだけじゃなくて、一人の人間として、子どもとしても対してくれていた貴女を思い出して……」

 

「もう、あの頃の私たちには戻れないわ。そう、貴女も私も、美森様も。状況がそれを許さないのよ」

 

「そんなことないよ……。戻れないって、思い込もうとしてるだけだよ」

 

そう言って、園子は優しい笑顔を浮かべる。女性神官は、その表情に一瞬たじろいだような態度を見せた。

貴也も、そのやり取りに彼女が誰なのかに思い至る。

 

「僕にだって、何も情報をしゃべれない中で、銀との接触が可能になるように助言をくれたじゃないですか。東郷さんの真意を確かめるだけでも、僕たちにさせて下さい」

 

「貴女はわっしーが何をしてるのか知ってるんだよね。教えてくれませんか、安芸先生……?」

 

だが、彼女は首を横に振る。

三人は暫くの間、何も言わずに視線を交錯させた。

一分ほどそうした後、女性神官は項垂れると通路の脇へ身を寄せて道を開ける。そして、もう何も語らなかった。

園子と貴也は目配せをすると案内役の大赦仮面を促し、目的地へと向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

書史部部長室の応接セットで園子は部長の烏丸と対峙していた。貴也は不測の事態に備え、やや離れた場所に立ったままだ。人払いしているので、部屋にいるのは三人だけだった。

 

「お久しぶりです。烏丸のおじ様」

 

「本当に……、何年ぶりだろうかね。で、今回は何用かね、園子様……」

 

「東郷美森が行方不明になっている件です。おじ様なら、裏の経緯までご存じでしょう……?」

 

探るような物言いで尋ねる園子。相手の表情の僅かな変化さえ見逃さないよう、じっと見つめる。

 

「? ……何のことかね? それは、初耳だよ。そもそも東郷美森とは誰だね?」

 

「とぼけないで下さい。書史部だけじゃなく、祭祀院の呪術部まで牛耳っているおじ様が知らないはずはないでしょう?」

 

「いや、何のことだか分からん。本当に知らないんだ……!」

 

園子には信じられない事態だった。烏丸と言えば、大赦本庁事務総局の書史部部長に収まり、あらゆる情報の検閲の権限を手中にしているだけでなく、祭祀院の呪術部さえも息の掛かった者達で押さえ、いわゆる過激派二大派閥の一方の長にさえ居座っている人物の筈だからだ。

 

貴也の精霊による示威行動まで見せたが、何も知らないと言い張る烏丸。納得するしかなかった。

 

「おじ様がご存じじゃないとしたら、あとは桐生のおじ様に当たるしかないか……」

 

「私が知らないということは、確かに桐生、いや、もしかすると司波の奴の仕業かもしれん。一体、何が起こっているんだ……?」

 

園子の呟きに烏丸が反応する。本当に何も知らないようだ。今回の事態に戸惑いを隠し切れていなかった。

 

「園子。その桐生とか、司波って人はどういった人達なんだ?」

 

「桐生のおじ様は祭祀院の副総裁だよ。でも実質、祭祀院のナンバーワンの実力者なんだ。司波って人は、私もよく知らない。桐生のおじ様の右腕だって事ぐらいしか……」

 

その時、部屋に入ってくる者があった。

大赦の仮面を着け、神官服を身に纏った二人の人物。そのうちの小柄な方が声を掛けてくる。

 

「ほっほっほっほ……。久し振りだのう、鵜養の坊主」

 

「貴方は……?」

 

「上里様! 一体、何用でこちらへ……!?」

 

それは二年前、園子を祀り上げられた病室から救い出す際、貴也に取引を持ちかけた老神官だった。

烏丸も俄に姿勢を正す。

 

「烏丸よ……。園子様と鵜養の坊主、借り受けるぞ」

 

「そ、それは構いませんが……」

 

「詳しい経緯は後で話してやる。私に任せい」

 

「はっ……」

 

そして貴也と園子は、老神官に別室へと連れて行かれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

祭祀院総裁室。そこに通された。

 

「こんな短期間で、またお会いすることになるとは夢にも思ってませんでした。上里のお婆ちゃん……」

 

「えっ……!?」

 

園子のその言葉に驚く貴也。

仮面を外す老神官。仮面の下から現れたのは、老境にありはすれども確かに女性であった。どことはなく、恐い表情の時のひなたを想起させた。

そして、もう一人の神官も仮面を外す。

 

「やあ、久し振りだね。二人とも」

 

「三好さん!?」

 

春信だった。にこやかに挨拶をしてくる。

 

「こちらは坊主のことはよく知っていれども、坊主の方は知らぬわな。改めて自己紹介をしよう。上里咲夜(さくや)だ。大赦の祭祀院総裁を拝命しとる。とはいえ、実質はお飾りだがな。烏丸も殊勝な態度をとっておったが、今頃私たちのことを小馬鹿にしておろうて」

 

老神官、咲夜は相好を崩すとまるで孫にでも対するような優しげな態度で話しかけてきた。

 

「今回の件、お婆ちゃんはご存じなんですか? お父さんと同じように大赦内では飾り物にされているものだとばっかり……」

 

「えっ!? 乃木家って、上里家と同様、大赦のツートップだって……」

 

「乃木家も上里家も広告塔に過ぎないんよ。お父さんも事務総長ってことになってるけど、大赦内の権力バランスから言えば実質的な権限は限られているそうだからね……」

 

「まあ、そういうことだのう……。但し、今回の件はギリギリ間に合ったよ。国土亜耶が受けた神託を見せてもらったからのう」

 

その言葉に貴也は園子を見つめる。どうやら園子が真仮名の神託を預けた相手は、この咲夜なのだろう。

 

「あの神託に、そんな効力があったんですか?」

 

「なあに、大赦中枢お抱えの巫女の経験があれば分かるものだったわ。ちょっとした祝詞が紛れ込んでおったわい。その効力で三好の坊主の報告を忘れんかっただけのことよ」

 

そして、咲夜は今回の美森が失踪した件について説明してくれた。

美森が結界の壁に穴を開けたことが、四国から一歩も出ないという天の神との約定を破ったものと見做されたらしいのだ。そのため、壁の外の炎がその勢いを増し、結界への負担が増大したのだという。これらについては、神樹様からの神託により分かった事らしい。

これを鎮める為、大赦は三百年前に行った奉火祭を再び行おうとしていたのだ。三百年前は神託に従い、四人の巫女を生け贄として捧げていた。だが今回は対応策についての神託が無かったため過去の実績を基に大赦の判断で、さらに万全を期するために生け贄を六人に増やして行おうとしたのだ。結局、主導していた桐生派の中で発言権が増大していた司波派の言い分が通り、結界に穴を開けた張本人である美森を生け贄とすることになったのだが。

 

「じゃあ、もしわっしーを助け出したりしようものなら、さらに天の神の怒りを買うことに……?」

 

常識的に考えれば、園子のその懸念は正しいのだろう。だが、咲夜は首を横に振る。

 

「分からん。そもそも今回の件、神樹様の御意志を確認できぬままに進められておるからのう。だが、東郷美森は流石に鷲尾の血を引く者よのう。勇者と巫女、双方の資質を極めて良質に備えておる。奉火祭の生け贄としてこれ以上の逸材はおるまいて」

 

「そんな言い方って……!」

 

「ふざけないで。子どもを生け贄にするのが正しいことだとでも思っているの!?」

 

咲夜のその言いぶりに、貴也も園子も抗議の声を上げる。だが……

 

「確かに(いびつ)だわな。だが、人類の存続のためであれば、私は小の虫を殺すことに躊躇いはせんよ。所詮、大人も男も神樹様は受け入れてはくれんからの。ま、鵜養の坊主だけは例外かの……?」

 

咲夜は真剣極まりない表情で、そう言い放つ。それは、どのような説得も受け付けないという強い意志が籠もった言だった。

 

「お婆ちゃんの考えは分かりました。でも、私たちはわっしーを助けに行きますよ。今の説明を聞く限り、わっしーは壁の外にいるんですよね? 勇者システムを返してもらいます」

 

「好きにするがいい。国土亜耶が受けた神託を見る限り、神樹様の御意志は別の所にあると私は思うでな」

 

「そういえば、その漢字だらけの神託の中に『阿游婆良(あおばら)』と『佐久良(さくら)』の文字がありましたよね。それって、私とゆーゆ、結城友奈のことですよね……?」

 

その、園子の咲夜への問い掛けに貴也はドキッとした。なんとも言いようのない不安が押し寄せる。

 

「どういうことだよ、そのちゃん……?」

 

「うん。前に神託を見せてもらった時、その文字が目に付いたっていうか、引き寄せられたっていうか、そんな感じ……?」

 

園子にも説明はし難いようだった。

 

「まだ読み込みが甘くての。如何様(いかよう)にも解釈の効く文章ゆえ、もう少し全体をはっきりさせねば、なんとも言えんのう……。だが、恐らくその解釈は当たっているような気がするのう……」

 

「神樹様はわっしーじゃなくて、私とゆーゆに何かをさせたがっているということですか? ただ、今の私は青薔薇じゃなくて蓮の花の勇者ですけど……?」

 

「モチーフとなっている花の違いなど、些細なことよ。ただ、神樹様が何かをさせようとしている、それについてはそうかもしれんの……」

 

そう言いつつ、咲夜は貴也をじっと見つめる。

 

「鵜養の坊主よ。園子様のこと、頼むぞ。もちろん他の勇者たちの事もだ。――――――お主がもう少し協力的であれば良かったのだがな……」

 

そして、春信の方を向き直ると指示を出す。

 

「三好よ。この二人を技術部に連れて行ってやれ。勇者システムを全員分、渡してやれと伝えるのだぞ」

 

「分かりました。御前様」

 

こうして上里咲夜との会談は終了し、二人は勇者システムの端末が入ったアタッシュケースを手に大赦から帰還することになったのだった。

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、讃州中学の勇者部部室には貴也を含む七名が集まっていた。

学校側には三好春信が話を通しておいてくれたらしい。そのため彼ら七名は、美森救出のために授業を免除扱いになっているのだ。

 

「ということは、東郷は天の神の怒りを静めるために壁の外で生け贄にされてるってことね……?」

 

「そう。だから、見て。――――――わっしーの端末だけが無い」

 

昨夜の大赦本部でのやり取りに関する報告が一段落した後、夏凛が纏めると、園子はアタッシュケースの中味を見せてくる。確かに端末が一つだけ欠けていた。

 

「東郷先輩を救出するためには壁の外へ行かないとならない。でも、そのためにはまた勇者に変身しないといけない……」

 

「勇者部部長として、それは認められないわ。また、みんなをあんな目には遭わせたくない。それは乃木、あんたもそうよ」

 

樹の呟きに、風が断固とした態度を取ってくる。それに対し、園子は現状の勇者システムについて説明した。

 

一つ、バージョンアップにより散華の機能が無くなったこと。

一つ、最初からゲージは満タンであり、精霊バリアが使われる毎に一つゲージを消費すること。

一つ、満開をする、あるいは精霊バリアを五回使用することでゲージはゼロになり、以降精霊バリアは張られなくなること。

一つ、ゲージの回復は無いこと。これは、どれだけ時間が経とうともである。

 

「じゃあ、ゲージ五つ分、一回こっきりってこと!?」

 

「そう……。それだけ、神樹様の力が逼迫しているってことなんだそうだよ、ゆーゆ……」

 

「そんな……」

 

「本当にその情報、信じられるの……?」

 

友奈と園子の問答に、風が根本的な問いを投げかける。それに対し、園子は困ったような表情で答えた。

 

「そうだよね。みんな、酷い目にあったもんね。――――――でも、今回は私は信じるよ。技術部の人達みんな、今回の勇者システムについて隠し事はもう無い、って言ってくれたし。信じなきゃ、始まらないってこともあるしね……」

 

その言葉に、だが皆、逡巡を見せる。と、友奈が自ら両頬を叩いて活を入れる。

 

「私は園ちゃんを信じるよ! 大赦の人の事は分からないけど、園ちゃんのことは信じれるもんね。風先輩。私、とーごーさんを助けに行きます。考え無しじゃないですよ」

 

「友奈……」

 

風の困惑した表情に、銀が恐る恐る口を挟む。

 

「もう勇者に変身できないあたしが言うのもなんだけどさ……。あたしも園子を信じるよ。あたしは園子の判断なら、信じられる」

 

結局、それが結論だった。皆、口々に園子を信じると言いつつ、端末をその手に取っていく。

 

 

 

 

「たぁくんは壁の所で待機しててね。結局、たぁくんのシステムじゃ、ご先祖様達の憑依が無い限り、私たちと同等の性能は発揮できないようだからね」

 

「でも……」

 

「鵜養。今度はアタシたちに任せて」

 

「そうです。ちゃんと東郷先輩は助け出して見せますから」

 

結局、貴也は壁の外へ行くことは叶わなかった。貴也の変身では、神世紀勇者のスペックに付いていけないことは明白だったからだ。

 

 

 

 

勇者部部室の窓から飛び出していく貴也を含む友奈達六名の勇者。

それを、見送る銀は歯噛みしていた。

 

「あたしだって、勇者の資格さえ剥奪されてなきゃ……」

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 

美森の救出は困難を極めつつも、結果的にはスムーズに進んだ。

 

結界の壁の外の上空、そこに浮かぶブラックホール状の球体。その中に美森は囚われていた。

園子の逸早い満開により、バーテックスの追撃を躱しつつ球体に肉薄する勇者たち。最後は友奈が単独で球体に突入したのだ。

 

巨大な重力に依る阻害に精霊バリアのゲージを四つまで使いきり、中心部に突入した友奈。かつて三週間意識を失っていた間、囚われていた場所。そこに幽体だけの状態で到達していた。そこで、巨大な鏡に拘束されている美森の幽体を発見したのだ。そして彼女を、天の神からの攻撃に耐えながらも、ほぼ無理矢理、力尽くで救出したのだった。

 

 

 

 

救出からほぼ一週間後の週末。ついに美森が意識を取り戻した。

 

「やった! 目が覚めた! とーごーさん!!」

 

友奈の喜びの声が響く。病室のベッドの周りを皆が囲んでいた。

 

「みんな……? 助けてくれたの……?」

 

「そうだよ、わっしー」

 

「でも、このままじゃ壁の外の炎が……」

 

「大赦から事情は聞いているわ。炎の勢いは安定したから、もう大丈夫だって。生け贄はもう必要ないってさ」

 

助かったものの自分が為そうとしたことを思い出し、懸念を示す美森。それを風が打ち消す。だが、美森は顔色を変えた。

 

「まさか代わりの人が……」

 

しかし、夏凛が美森の助かった経緯を説明する。

 

「違うわよ、東郷。アンタ、死んでてもおかしくないくらい生命力を取られてたんだって。でも、タフだからまだ生きてた。そこに、私たちが間に合った。そういうことみたい。天の神も満足するぐらいには生命力を捧げたって事なんじゃない……?」

 

「さっすが勇者と巫女のハイブリッドだよな。よっ、スーパーガール!」

 

「体の方も、どこも異常なしだそうですよ」

 

「本当に私……助かったんだ……」

 

囃し立てる銀に、検査結果を冷静に伝える樹。美森もやっと助かったのだという実感が湧く。

そこに、少し沈んだ声で友奈が声を掛けてきた。

 

「ゴメンね、とーごーさん。私、とーごーさんのこと絶対忘れないって約束したのに、何日か忘れてた。本当にごめんなさい」

 

「謝るのは私の方よ、友奈ちゃん。ごめんなさい。みんなの記憶を消すように神樹様にお願いしたりして。悪いのは私の方だわ……」

 

「ううん。私だって、きっと同じようにしてたから……」

 

友奈と美森のやり取りに、風が今後の指針を改めて示す。

 

「例の国防仮面の時にも言ったでしょ。これからは悩んだら勇者部全員に相談。大赦絡みだろうと、例外は無しだからね」

 

「はい……。でもみんな、それでも私のこと、思い出してくれたんだ……。ありがとう……」

 

そう言って涙を零す美森の頭を優しく撫でる園子。

貴也はそんな皆を、少し離れた場所から温かく見守っていた。自分には声を掛ける余地が無いな、と内心苦笑しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、浴室でシャワーを浴びる友奈。

浮かない表情で鏡を見つめる。

その左胸には、太陽に酷似した形状の烙印が焼き付いていた。

 

 

 




美森救出劇はアニメ原作と全く変わりませんので大胆にカット。
詳細はアニメでチェックしましょう。

おやぁ? ピーマンの話がこんなに早く出てしまいました。

上里のお婆ちゃん。貴也たちにとって敵か味方か? とりあえず大赦的考え方であるのは間違いなしということで。

今回の真仮名の神託。どうやら園子と友奈が名指しされているようです。

色々と仕掛けをしつつ、原作通り友奈が天の神のたたりを受けたところで次回へ。

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