小人族が一族の再興を望むのは間違っているだろうか 作:ホロホロ242
ある村にひとりの少女がいた。
その少女はとても小さく、けれど誰よりも明るく、勇敢な娘であった。
その村では多くの種族が混在しており、その中で他種族よりも力が劣り、弱者であった
その少女は
自分達は弱者だと諦めていた同胞たちは、バカにされても何も言い返さず、嘲られ、時には奪われたりもしたが、抵抗することはなかった。
しかし、その少女だけは違った。
罵られたら言い返し、他種族の大人にも屈することなく抵抗し続けた。
また、種族に関係なくいじめられている子がいれば助け、不正があれば指摘し、誰に対しても平等に接していた。
少女はいつか
月日は流れ、少女が11歳の時。村がモンスターに襲われた。
そのモンスターはゴブリンのような弱いモンスターではなく、恩恵を授かったものでも訓練しないと倒せないような凶悪なモンスターであった。
その村には恩恵を授かったものはいたが、一人しかおらず、さらにその人は武器職人であったため、モンスターを止められる者はいなかった。
村の大人達が我先にと逃げ出す中、少女は村の人達に必死に避難するよう呼び掛けた。
その時、いつも村で威張っていた
少女の両親だった。
モンスターの一撃で両親は吹き飛び、少女は飛んできた瓦礫に頭をぶつけ気を失った。気を失う直前、少女が最後に見たのは、命の恩人である少女の両親を罵倒する狼人の青年と、愛する娘の名前を弱々しく呟く両親の姿だった。
目が覚めると、村は壊滅していた。
村の住人は見当たらず、見つけたのは瓦礫と村人の死体、そして両親の亡骸だけであった。
(…久々にみましたね、この夢)
朝、いつも通りの時間に起きると、自分が泣いていることに気づいた。この夢をみると決まって私は泣いてしまうらしい。
(最近はあまりみなくなったはずなんですけどね)
心優しい主神と同じファミリアの少年に見られたら心配させてしまうと思い目元を拭うと、ベッドから身を起こし辺りを見渡す。そこは見慣れた地下の一室で、いつもならまだ隣で寝ているはずのヘスティアがいないことに気づく。
(アルバイト…ではないですよね。明日は昼からだと昨日言ってましたし)
ヘスティアを探しつつ、準備を行っていると隣の部屋から「ヒョッ!?」という謎の声が聞こえそちらを見に行く。するとそこには、ベルに抱きつきその大きな胸の形を変え幸せそうに眠っているヘスティアの姿があった。謎の声の正体はベルから発せられたものらしい。
いまだに自分の上の
「何をしているんですか?」
「レ、レイナさん!?これは、その、起きたらこうなってて!?」
「朝から女性と寝床でイチャイチャするのはどうかと思いますよ?」
「イチャイチャだなんてそんな!?」
朝から面白い反応が見られましたし、これくらいにしておきましょうか。
「ふふっ、冗談ですよ♪早く準備してダンジョンに行きましょう」
ほっ、と胸を撫で下ろすベルをみて、苦笑しながら私も準備を続ける。
白いインナーの上に
腰にポーチを付けバックパックを背負い、自身の武器である長さ160
「準備できましたか?」
「はい!」
「では、行きましょうか」
「「行ってきます」」
小声でそう言うと、私たちは教会を後にした。
「う~ん、ベル君のアホ~むにゃむにゃ」
「神様、寝ぼけてたんですかね?」
「さぁどうでしょう?わざとかもしれませんよ?」
「そんなことあるわけないですよ、神様がわざわざ僕の所に来るなんて」
「本当に気づいてないんですね…」
(さすがにヘスティア様に同情しますよ…)
ダンジョンへ向かう途中、ベルの鈍感さに呆れていると、突然ベルが後ろを振り返った。
「?どうしたんですか」
「いえ、何も…?」
何かあったのだろうかとベルの視線の先を見ていると、後ろから声をかけられた。
「あの」
突然話しかけられ驚いたのか、ベルはその人物とぶつかりそうになっていた。薄鈍色の髪をしたウエイトレスだ。
「すみません。あの、何か?」
「これ、落としましたよ」
そう言って渡してきたのは、モンスターの魔石だった。
(昨日きちんと換金しましたよね?どうして…)
ベルも少し疑問に思ったようだが、あまり気にせずお礼を言ってた。
「冒険者さん、ですよね?こんなに早くから行かれるんですか?」
「はい」
「零細ファミリアですからね。少しでも多く稼がないと」
そう言うと、ベルのお腹から情けない音が鳴る。そういえば今朝は何も食べていませんねと考えていると、ベルの顔がみるみる赤くなっていき、それをみたウエイトレスの少女は微笑みながら「ちょっと待っててください」と言い店の中へ入って行った。
しばらくすると、弁当らしきものを2つ持って戻ってきた。
「これよかったらどうぞ」
「そんな悪いですよ!初対面の人にこんな!」
「それにこれ、あなたの分ですよね?食べるものなくなっちゃうんじゃ…」
「私はまかないがでるので大丈夫です」
その代わり、と言い少女はベルに顔を近づけ上目遣いをした。
「今晩は是非、当店で食べていってください」
ダメ、ですか?
「…わ、わかりました///」
「ふふ、ありがとうございます♪」
(あ、あざとい…)
照れながら了承しているベルの横でレイナは、そのウエイトレスの少女に軽く畏怖を感じていた。
まさか魔石もこのために持っていたんじゃ、と考えていると少女はこちらをみてレイナの思考を遮るように、
「パルゥムの冒険者さんも来ていただけますか?」
「…はい。弁当の恩もありますし、今夜はここで食べますね」
嵌められた気がするが悪い気はしなかったので了承し、2人はその場を後にした。
「ふッ!」
『ギィ!?』
棍棒を振り下ろし、ゴブリンの頭蓋を砕く。
その光景をみて他のゴブリンが私に近づくことを躊躇った瞬間、背後に回っていたベルがナイフをゴブリンの首に突き刺す。
「せやッ!」
『ガッ!?』
(あと三匹…!)
「ベル、下がって!」
ベルがゴブリンから離れると、私は全力で棍棒を横に薙いだ。
「はあッ!」
その一撃で三匹のゴブリンは吹き飛び壁に衝突する。
(一匹は致命傷、残り二匹…!)
「一匹お願いします!」
「はい!」
すかさず指示を出し残りの二匹も仕留める。すると、奥の通路からコボルドが三匹やってくるのが見えた。
「ッ!レイナさん!」
「わかってます!」
コボルドの群れに突っ込み一閃、相手の注意を引く。私が引き付けているその隙にベルが相手の背後に回る。これが私たちの戦闘スタイルだ。
初めの頃はタイミングが合わなかったり、仕留め損ねたりしていたが、今ではだいぶタイミングが合うようになり昔よりも戦闘が楽になっていた。
「これで、最後!」
ベルが最後の一匹を仕留め、戦闘が終了する。彼は最初ゴブリン一匹ですら慌てていたが、今ではコボルドが三匹同時に来ても慌てることはなくなり、一人でもモンスターと戦えるようになっていた。
「ふぅ、それじゃあ魔石を集めましょうか」
「はい!」
私が倒したモンスターの魔石の回収に取りかかろうとすると、ベルが話しかけてきた。
「前から思っていたんですけど、レイナさんの武器って木製の棍棒なのに全然折れる気配がしないですよね」
「この棍棒には【
「ええ!?そうなんですか!?」
「ええ、私の故郷に『武器の属性を付け替える』というスキルを持ったドワーフの武器職人がいて、その方に村を出る前に頂いたんです」
レイナの故郷で唯一の恩恵持ちだったそのドワーフは、両親が亡くなり、一人で村を出ようとするレイナに、せめて自分を守るものを持っていけと言い、この武器を渡したのである。愛想はよくなかったが、パルゥムが相手でも差別したりしない優しいドワーフだった。
「いいなぁ、僕も早く自分だけの武器が欲しいです」
「焦らなくてもその内手に入りますよ」
「そうかもしれないですけど…」
「どうしたんですか?」
「…僕、どうしても追い付きたい人がいて、早くしないとどんどん差が開いちゃうというか、その、」
(追い付きたい人はアイズ・ヴァレンシュタインさんのことでしょうね。ベルは自分のスキルのことを知らないですからわからないでしょうけど、その気になればかなりステイタスの成長は早くなるはずですが…)
とそこで、レイナはベルのスキルを試すべく、彼のアイズへの思いを強く意識させることにしてみた。
「強くなりたいのなら武器よりもまず己を強くしないとダメですよ。武器だけ強くてもその武器に振り回されているようじゃ強くなったとは言えないですからね。ベルの追い付きたい人はそんな人ではないのでしょう?」
「は、はい」
「ならまずは一匹でも多くのモンスターを狩るのみです!経験を積まなければ何も始まらないですからね。きっとベルの追い付きたい人も最初は、今のベルみたいにひたすらモンスターと戦っていたはずですよ」
「…そうですよね!レイナさん、僕頑張ります!少しでも早くあの人に追い付くために!」
「その意気ですよ、ベル!」
気合いを入れ直したベルは、せっせと魔石を広い集める。
(うまくいきましたかね)
自分の思った通りに事が運び満足していると、2人の近くにモンスターが現れる。
数が多かったが今のベルなら問題ないと判断し、
ボツシーン 1
「朝から女性と寝床でイチャイチャするのはどうかと思いますよ」
「イチャイチャだなんてそんな!?」
「ヘスティア様の大きな胸をみて鼻の下を伸ばしていたのでしょう」
「そんなことは…」
「結局男の人はみんな巨乳が好きなんですよそうですよ私みたいな小さいのはおよびじゃないんですよそもそも胸なんてものは脂肪の塊であって…」
「レ、レイナさん?」