異世界来てまで戦いたかねぇですよ....   作:魔法少女フィジカルボーイ

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気まま投稿ですので毎日投稿するとは限りません

毎日投稿は無理でしたw


ギルドカードと錬金開始

錬金術師ギルドでギルドカードを作ってもらった僕は、急ぎの用事があると言っていた隼人少年が馬車を走らせていくのを見送っていた。

 

 

____________________

 

 

『あの! ソラノさん! よかったらコレ、使ってください!』

 

 

 そう言って渡されたるはポーチのような肩掛けの小さな袋。

 お出かけ用のカバン程度のサイズしかなく、とても日常的に使えるようなシロモノにはみえなかった。

 

 これが噂に聞く転移転生者御用達の初期装備、『魔法の袋』!」

 

 

「えあ、っはい! それが魔法の袋(小)です。サイズは小さめですが、保存機能もついていて便利だと思いますよ?それと中に錬金術に使えそうな鉱石や薬草なんかも入ってますんで、好きに使っちゃってください」

 

「こんなに貰いっぱなしで悪いですよ。しかしわかりました、生産系スキルのレベルを上げて少しでも恩を返せるように頑張りますよ」

 

 

 出会ったばかりでさらに同郷というだけでここまで親切にされると普通は疑ってしまうだろうが、僕的にはこうもはっきりしていると逆に好印象である。素直に損得勘定で動ける奴はそこそこ信用できるし、扱いやすいからだ。

 

 

「あはは....、さすがにばれましたか。ソラノさんはスローライフを満喫したいみたいですが、あなたにはスキルのレベルを上げて頼みたいことがあるんです。それに魔法の袋が余ってたっていうのもあるんです。」

 

「恩人からの厚意です。大切に使わせていただきますよ」

 

「つきましてはお礼としては物足りないかもしれないが受け取ってください。万が一ですが仲間が再起不能になったり死んでしまった時に状態異常弱体化無効を1回または死亡からの復活HPMP50%回復が1回可能な『フェニックスの尾』です。無くしやすいので、ストラップ状にしておきました。ヒモ部分には世界樹のツタを使いましたので首でも手首でも足首にでも、自動調節機能が付いていますので無くしにくいと思います。使い方は特にありません。肌身離さず持っておけば、万一病気になっても呪いにかかってもだいたい防いでくれます。」

 

「ッ!? こんな貴重なもの一体どこで! というか受け取れませんよ!?」

 

「お礼ですから」

 

「ですが.....!」

 

「オレイデスカラ」

 

「アッハイ。 で、では、僕たちそろそろ行きますので.......」

 

「ああ、少年は無理せず自分の体調管理くらいはきちんとしてくださいね、少年を無茶を隣で心配する仲間がいるのですから」

 

「ではソラノさん! また是非! というか近いうちに一度様子を見に来ますから!」

 

「はい。お嬢さん方もお気をつけて!」

 

「「「「はい」」」なのです!」「ふん。誰に言ってるのよ....」

 

 フレイムハート嬢よ、私にまでツンデレしなくて良いのですが。

 貴重なツン、ごちそうさまです。

 

 

 さて、とりあえずスキル『時空間制御Lv1(指定物単体の時間を止める or 指定空間の拡張・縮小)』を使って隼人少年からもらった『魔法の袋(小)』の許容量、広げておくか。

 

 

 ぴろりんっ♪

 

 スキル『時空間制御』の効果を受けて『魔法の袋(小)』が『魔法の袋(中)』にアップグレードしました。

 

 

「ではギルドマスター。早速で悪いのですが、錬金の方法をご教授いただけませんか?」

 

「麗しのレインリヒと呼びな!」

 

「麗しのレインリヒ様。錬金の仕方を教えてください」

 

「素直だね......ノータイムで言い返すなんて」

 

「相手がそのように呼べと言っているのだから、素直に呼びますよ。第一この世界の情報が圧倒的に足りてない状況で敵を増やしたくない故、特に隼人少年の知り合いとは友好的な関係を築きたいですからね」

 

 この状況で敵なんてつくったら情報が偏りそうで怖い。

 

「具体的にいうと金がないので、換金率が高めなものからお願いします」

 

「慎重なやつかと思ったら、色々残念な奴じゃないか.......ほらさっさと坊主に貰った材料をだしな!」

 

 

言われるがままに袋に手を突っ込むとなにやら頭の中に文字が現れる。

 

 

『薬体草 

 薬魔草 

 毒体草 

 月光草 

 鉄鉱石

 赤銅石

 青鋼石

 銀鉱石

 魔鉱石

 鉄の剣

 鋼の剣

 翡翠 』

 

 

 便利だが個数は確認できないのか。少し残念だ、あとで改造するか。

 

 にしても多いな、この草と石ころみたいなの。机が一つ占領されたじゃねぇか。

 

 

「とりあえず薬体草と鉄鉱石でいいね。他は邪魔だからさっさとしまっちまいな」

 

「流石は麗しのレインリヒですね。この全部一緒に見える石ころと葉っぱを一瞬で判別できるとは」

 

「婆さんって言わなかったのはほめてやるよ。 というかあんたも情報系スキルあっただろうが」

 

 

 おっと、そう言えばギルドカードに表示されない情報系スキルがあったな。こんな感じで________

 

 

『薬体草:HPポーションを作る為の薬草。 出来はスキルレベルと腕前による』

 

『薬魔草:MPポーションを作る為の薬草。 出来はスキルレベルと腕前による』

 

『毒体草:解毒ポーションを作る為の薬草。 出来はスキルレベルと腕前による』

 

『月光草:月の光を多く浴びた草』

 

『鉄鉱石:錬金すると鉄が出来る』

 

『赤銅石:錬金すると赤銅が出来る』

 

『青鋼石:錬金すると鋼が出来る』

 

『銀鉱石:微量に銀を含んだ鉄鉱石。 錬金しても銀だけ取り出すことは容易ではない』

 

『魔鉱石:錬金すると魔力を含んだ石を生み出す』

 

『翡翠:幸運を司る宝石、魔力を微量に秘めている。 とても綺麗』

 

 

 とても綺麗って誰の主観なんだよ。

 

 錬金について書かれてるのは職業が錬金術師だからなのか、それともそれ以外に用途がないからなのだろうか。どちらにせよ、非常に興味深い。

 

 

「大したもんは入ってなかったね」

 

「そうみたいですね。が、初心者には無難でいいんじゃんいでしょうか」

 

「ん? 残念なあんたが妙なこと言うね。あんただったら金目の物が入ってたほうがよかったんじゃないのかい?」

 

「そうでもないですよ? 私はぐぅたら過ごしたいので、身にあまるのもは必要ないのですよ。贅沢なら別にでできるがする必要がない。金にはいろんなしがらみが絡んできますから。むしろ僕にとってこの状況は、非常に贅沢でありがたい状況とも言えます」

 

「謙遜しているはずなのに残念とは......若いんだからもっと冒険しなよ」

 

 

 そういいながらレインリヒ嬢が乳鉢を取り出すとそこに薬体草を落としゴリゴリと削りだした。

 薬体草がすりつぶされるとそこに液体を加えさらにゴリゴリとエキスを搾り出すように混ぜる。

 すると液体が光り、薄い緑色の液体が完成した。

 それを試験管につめると蓋をして完成らしい。

 

 

「どうだい。これが錬金の基礎『調薬』だよ」

 

「原始的ですがやりがいがありそうですね。あと、聞きたいのですがどうしてスキルがあるのに手間をかけて作るのか聞きたいのですが」

 

「できるんだがMPを消費するのと、調薬方法を理解していないと性能が落ちるか失敗するから初心者は地道に作るのがおすすめだよ」

 

 

 なるほど。そういえば生産系スキルはアクティブスキルだったもんな。

 

 

「回数をこなせばスキルでも同じ効能を持った物ができるはずだよ」

 

 

 そういって手渡されたのは『回復ポーション(小)』だった。

 

 

「麗しのレインリヒ様でも(小)なのですか?」

 

「......言いづらかったら婆さんでもいいよ、やりにくいねえ。それは自分で試してみたらわかるだろう」

 

 

 次に取り出したのは鉄鉱石。

 

 こちらは机の上に置くと手をかざした。

 

 

「錬金」

 

 

 とレインリヒが唱えると鉄鉱石はあっという間に鉄の塊と石の残骸へと姿を変える。

 

 

「錬金の基本は『分解』『合成』『再構成』の3つだよ。後は応用だね」

 

「なるほど、こちらはあっという間なんですね」

 

「そうだね。まあ分解に関しては精度は関係なく出来ると思うよ。ただレベルが低いと銀鉱石なんかはまだできないね。一先ず鉄鉱石を分解して鉄と石に分けるところから始めな」

 

 ふぅむ。

 銀鉱石が分解できるようになれば銀を入手できるのか。

 あちらの世界ではそれほど珍しくはなかったが、それでも純銀製のアクセサリーは高かったような気もする。

 こちらの世界では、エンチャントすれば相当高く売れそうだな。

 

 

「これが初歩だけど『調薬』も『錬金』もここから自分なりに手を加えていくことをオススメするよ。『細工』を施せば自分でアクセサリーなんかも作れるしね」

 

「おー。なんかやりこみ要素が多いな」

 

「そうだね。私なんかこの年になってもまだまだ試行錯誤の毎日だよ」

 

「コツとかあれば聞きたいのですが、まぁその辺はこちらも試行錯誤しますよ」

 

「なんだい、大抵の奴は私からやり方を聞こうとするんがだが、」

 

「僕らがいた世界には『知識は一生役に立つ財産になる』という言葉がありまして、無理に聞こうとするのはよくないと思いまして。それに、こういうのは自分で悩みに悩んで創意工夫した方が他人から聞くよりよっぽど楽しいじゃあないですか」

 

「......いいこと言うじゃないか。ともかく、あんたはまず教えた方法で『調薬』と『錬金』をこなしてレベルを上げな。レベルが上がれば青鋼石や銀鉱石も『分解』できるようになるだろう」

 

「了解しました。とりあえず1日使って色々試してみます」

 

 

 手探りながらやりこみ要素が多いのはいいことだ。

 いつか家を買ったら専用の工房を作って日がな一日没頭するのもいいかもしれない。

 MMORPGにどっぷりはまって、休暇を使って三大欲求を最低限まで削ってやり込んでいた頃のハイな心理状態に陥っていた頃を思い出す。

 

 

「ああ、あと錬金をするなら受付で錬金室の予約を行いなよ。一般の家屋で行うことは許可されてないからね。ちなみに一回5000ノールだよ。出てくるまでは何時間いてもかまわないからね。それとすり鉢は貸し出しもしてるが、ポーションの瓶なんかは有料だからね。あんたはまだ新人だから後払いでもいいよ」

 

 

 あれもこれも有料ですか。払ったら所持金が消えるな。

 隼人少年に材料を貰っておいて良かったヨ.....。

 これでなんとか、お金を稼ぐ事は出来る。

 

 それとポーションの瓶代もそりゃかかるよね〜。

 でも後払いにしてくれるのは、本当にありがたい。カネがねぇですから!

 

 

「ちなみにこのレインリヒ嬢が作った回復ポーション(小)でいくらくらいなのですか?」

 

「(小)なら1000ノールだね。ちなみに(劣)とか(微)だと300~500ノールくらいだよ」

 

 

 クハハハ......多分いきなり(小)は無理だろうから最低でも10個以上作ってからの黒字か。

 

 朝まで頑張ってみるか.....。とりあえずゲルタイプのカロリーメ◯トがあったはずだから、それでも胃に収めておいてからだな......。

 

 

 





ストックがなくなったので投稿スピード減です。

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