バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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どうでもいいけどキウシティのBGMのイメージはカイナシティ。ジムリーダー戦のBGMはシンオウか、ハートゴールド版のカントー。


第十一話 チョココロネマスター・フェアリーマスター

シラカバ博士の研究所があった翌日、ポケモンセンターの宿泊部屋でゴロゴロしていたアヤとヒナのもとにジムリーダーが帰ってきたとの一報が飛び込んできた。早速アヤはポケモンセンターにある機械でジム戦を3日後に予約。それからは外で練習を重ね、来るべきジム戦に備えたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして3日後の昼すぎ、アヤはヒナとともにキウシティジムの前に来ていた。あと数分後には2つ目のジムバッジをかけた戦いが始まる。ジム戦はすでに経験済みであるのにも関わらず、胸のドキドキが止まらない。

 

「今度はあれだけ練習をがんばったんだから、大丈夫だよね……」

 

アヤの脳裏に、予約してから今日までの出来事がよみがえる。前回のジム戦の二の舞にならないように、ここ三日間は朝起きてから寝るまで彼女と彼女のポケモンはポケモンバトル漬けだ。さらになけなしのお小遣いで、新しい技マシンもいくつかフレンドリィショップで買いそろえた。自分にできることはすべてやった。あとはそれをジムリーダーにぶつけるだけだ。

 

「行こう!」

 

意を決し、アヤはキウシティジムの入り口をくぐる。

 

「さーて、今日はどんなるんってくるバトルが見られるかな~。楽しみ~!」

 

さらにアヤに続いてヒナも、鼻歌を歌いながらジムの中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、チャレンジャーの人かな……?」

 

中に入ると、アヤの耳にとろけそうな甘い声が入ってきた。見るとバトルフィールドに通じる扉の前から小柄な少女が歩いてくる。彼女こそがここのジムリーダーのようだ。

 

「はい、私がチャレンジャーのアヤです!」

 

アヤは元気のよい声をあげた。その顔には緊張が見られるものの、やる気に満ち溢れている。

 

「アヤさん……、素敵な名前ですね。私の名前はリミ、フェアリータイプが得意なんだ。あっ、アヤさん達の活躍のことはいろんな人から聞いているよ。ごめんね、本当はリゲル団を追い出すような危ない仕事はジムリーダーである私がやんなきゃいけなかったんだけど、ジョウトのコガネシティにいるお母さんが体調崩しちゃったみたいで、看病のために急に帰らなきゃいけなかったんだ……」

 

「いや、そんな申し訳なさそうな顔しないでくださいよ!私達が好きでやったみたいなものですから」

 

「でも、一言だけお礼を言わせて。二人とも、ありがとう」

 

リミはアヤとヒナの手をかわるがわる、笑顔で握りしめた。ここまでお礼を言われると照れてしまい、バトル前にもかかわらず気持ちが緩んでしまいそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、二人はリミに連れられてフィールドに向かった。キウシティジムのフィールドは、壁面は鮮やかなピンクで塗装されており、リミの趣味なのかところどころにチョココロネを模したレリーフが施されている。岩が点在し、全体的にゴツゴツしていたハナノシティジムとはことなり、ふわふわとした可愛らしい印象を受けるジムだ。

 

「大丈夫、大丈夫……」

 

アヤは胸に手を当て、フィールドの端のベンチに座るヒナ、そしてフィールドの向こうで立つリミを眺めた。

 

「アヤさんは確かバッジを一つ持っていたんだよね。だったら私は……、このポケモンで勝負しようかな」

 

リミはポケットから一つのモンスターボールを取り出した。アヤもそれに合わせ、ボールを構える。

 

「リミさん、お願いします!」

 

「わかった。それじゃあ始めようか。私とポケモンに見とれて負けても文句はなしだよ。頼むで、ミミッキュ!」

 

朗らかなコガネ弁とともにピカチュウ——ではなく、ピカチュウのような布を被ったポケモンが飛び出した。対するアヤが繰り出したのはミミッキュと同じフェアリータイプのラルトスだ。

 

(リミちゃんのポケモンはミミッキュか……。ミミッキュの特性は厄介だからなー)

 

ヒナはそのことを伝えようと声を出そうとする。だが、時すでに遅し。アヤはもうすでに攻撃の指示を出していたのだ。

 

「ラルトス、念り——」

 

「ダメ、アヤちゃん!」

 

アヤの指示とヒナの叫びが重なり、指示がかき消される。ところがラルトスは機転をきかし念力を放ってしまったのだ。念力は見事ミミッキュに命中。しかし、ミミッキュはこてっと首が折れただけで平然としている。

 

「あれ、効いていない?どうして……!?」

 

予想外の事実に戸惑うアヤ。リミの計画通りだ。

 

「うふふふ、どうして攻撃が効かなかったんだろうね?さ、ミミッキュ反撃しよ。ウッドハンマー」

 

「ミミ!」

 

リミの声とともにミミッキュが飛び上がった。ミミッキュの背後には緑に輝く不気味な尾のようなものが見える。

 

「ラルトス、リフレクター!」

 

新しく技マシンで習得させた技だ。ラルトスは上を向き、両手で薄い壁なようなものを発生させる。ミミッキュのウッドハンマーが襲い掛かってきたのはその直後だ。

 

「ラル……」

 

リフレクターで威力を半分にしたのにもかかわらず、ラルトスの足はおぼつかない。しかし、ふと見ればラルトスに黒い影が迫っているではないか。

 

「テレポートでよけて!」

 

黒い影がラルトスを突き上げる直前、ラルトスはすぐ近くにテレポートした。だが、テレポート先でも黒い影、すなわちミミッキュの影打ちが襲い掛かる。

 

「もう一回テレポート!」

 

ラルトスは再びテレポートでよけた。だが、黒い影はどこに逃げてもラルトスを追いかけてくる。

 

(ミミッキュの特性は攻撃を一度だけ無効にする『化けの皮』。その間に変化技を使うトレーナが多いから挑発すればミミッキュの出鼻をくじけた。きっとあの火力から推測するに、リミちゃんは剣の舞を使って攻撃力を上げたんだろうな……。せっかくラルトスも技マシンで挑発を覚えたんだから使えばよかったのに。これはまた、アヤちゃんの負けかな~)

 

ヒナはベンチにいながら苦虫をかみつぶした。もはやラルトスは、火力が上がったミミッキュからテレポートで逃げることしかできていない。そしてついに、疲労からかテレポート先で体がぐらついた。その直後、影打ちの餌食になったのは言うまでもない。

 

「ラ……ル……」

 

影打ちを受けたラルトスは倒れた。かろうじて気絶ではないものの、もはや戦えるだけの力は残されていない

 

「ごめんねアヤさん。どうやら私の勝ちみたいだね。ミミッキュ、ウッドハンマー!」

 

ミミッキュが再び飛び上がった。フィールドに伏すラルトスに、木の鉄槌が迫る。

 

「ラルトス!起きてよ、ラルトス!」

 

だがアヤはまだ諦めていない。ありたっけの想いを乗せ、ラルトスの名を喉が枯れるほど叫んだ。

 

「ラル……!?」

 

するとアヤの必死な想いが届いたのであろうか。ラルトスは起き上がり、間一髪でウッドハンマーを回避した。

 

「あの状況で避けられた!?」

 

リミは目を疑った。しかし、これはまだ序の口に過ぎなかった。突如、ラルトスの体が光り輝いたのだ。

 

「キル!」

 

光の中から出てきたのはラルトスではない。ラルトスに似た別のポケモンだ。

 

「えっ……、ラルトスは……?」

 

横目でヒナに助けを求めた。と、ヒナが急に立ち上がった。

 

「やったねアヤちゃん!ラルトスが進化してキルリアになったんだよ!」

 

「えっ、進化……?キルリア……?あっ、そういえば前にマリナ博士が言ってたっけ。『ポケモンは成長すると進化してさらに強くなることがある』って……』

 

その時、キルリアとアヤの目が合った。キルリアの体はボロボロだが、その目は闘志に満ちている。まだまだ勝機はある。アヤはそう確信した。

 

「よし、行こう!キルリア、念力!」

 

「キル!」

 

キルリアの目が青く発光し、念力がミミッキュをとらえた。ミミッキュはラルトスの進化に動揺し、動きが遅れたのである。

 

「キルキルキルキル!」

 

キルリアはそのままミミッキュを振り回し、フィールドに叩きつけた。より強力となった超能力も相成り威力は絶大だ。

 

「そんな……、進化なんてありえへんわ!ミミッキュ、影打ち!」

 

動揺し、思わずいつも封印しているコガネ弁が漏れたが、リミも諦めずに反撃に移ろうとする。しかし、ミミッキュはリミの言うことを聞かずに床に頭を打ち付けてばかりだ。先ほど受けた念力の追加効果で混乱してしまったのである。残り体力少ないキルリアが攻め立てるには絶好の機会だ。

 

「キルリア、シャドーボール!」

 

「キル!」

 

キルリアはアヤの指示で飛び上がり、新たに技マシンで覚えていたシャドーボールを発射。

 

「避けて!」

 

ミミッキュはリミの声で回避。しかし視界にはすでにキルリアはいない。と、思った瞬間背後に強烈な力を感じた。キルリアがテレポートしてきたのだ。

 

「もう一度シャドーボール!」

 

「キールッ!」

 

ほぼゼロ距離で、ミミッキュの背中にシャドーボールが叩きつけられる。流石のミミッキュもひとたまりもない。

 

「ミミ……」

 

そのままミミッキュは前のめりに倒れた。戦闘不能である。

 

「どうやら私の方が、相手のポケモンに見とれちゃったみたいだね……」

 

リミは笑顔でボールにミミッキュを戻した。その笑顔は悔しさがにじみ出ているが、どこか清々しいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくたつとリミは奥の部屋から黒くて小さな箱をアヤのところへ持ってきた。

 

「アヤさん、とても素晴らしいバトルをありがとう」

 

リミが持ってきたのはジムバッジだ。しかし、アヤは受け取ろうとしない。

 

「そんな……、あそこでラルトスが進化してなかったら私は負けていたわけですし……。そんなまぐれで得た勝利でバッジなんか受け取れないです」

 

アヤは差し出される黒い箱を手でそっと押し戻した。だが、それにも関わらずリミは再びバッジが入っている箱をさし伸ばしてきたのだ

 

「アヤさん、私はあの進化はまぐれじゃないと思う。あれはきっと、アヤさんが日ごろからポケモンを想っているからこそ、あの場面で進化したんだと思うな」

 

「そうだよアヤちゃん!バッジを受け取りなよ!」

 

リミに続きヒナもアヤにバッジを進てくる。アヤはまだボールに戻していないキルリアを見た。キルリアはアヤのことを真剣なまなざしでじっと見てくる。キルリアも他二人と同意見のようだ。

 

「そっか……、そういうこともあるんだ……」

 

「うん、勝敗は決して単純なポケモンの強さだけでは決まらない。だからポケモンバトルは奥深いんだよね。だからジムバッジを受け取って、アヤさん。これが私に勝った証『キュートバッジ』だよ」

 

ハートの形をした小さなバッジがアヤの手に渡る。するとリミはさらに技マシンもアヤに渡してきた。

 

「これは『マジカルシャイン』。強力な光を放って全体にダメージを与える技なんだ」

 

アヤの手にマジカルシャインの技マシンも手渡される。この瞬間、アヤの喜びが爆発した。

 

「やった、キュートバッジゲットだよ!」

 

アヤはきらりと輝くバッジを空高く掲げた。

 




おまけ:りみパーティー一覧(本気モード)

殿堂入り後に何処かで戦えるであろう本気りみりんの手持ちです。名前の横に★はついているのがエース。
りみりんに勝つコツはどんなに理不尽なことが起きても諦めないこと。どんなに理不尽なことが起きてもりみりんを嫌いにならないこと。




★ミミッキュ@ミミッキュZ
特性:化けの皮
特性:意地っ張り
努力値AS252

・じゃれつく
・影打ち
・トリックルーム
・剣の舞

☆クチート@クチートナイト
特性:威嚇
性格:意地っ張り
努力値:HA252

・じゃれつく
・不意打ち
・剣の舞
・アイアンヘッド

☆エルフーン@食べ残し
特性:いたずら心
性格:臆病
努力値:BS252

・守る
・身代わり
・宿木の種
・ムーンフォース

☆ピクシー@アッキの実
特性:天然
性格:図太い
努力値:HB252

・小さくなる
・月の光
・瞑想
・ムーンフォース

☆クレッフィ@光の粘土
特性:いたずら心
性格:図太い
努力値:HB252

・リフレクター
・電磁波
・光の壁
・イカサマ

☆トゲキッス@こだわりスカーフ
特性:天の恵み
性格:臆病
努力値:CS252

・エアスラッシュ
・大文字
・マジカルシャイン
・波動弾
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