バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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前回書き忘れましたが、千聖さんのエキスパートは飛行タイプです。


第十七話 リゲル団再び

 チサトの試練を達成し、無事Z技を習得したアヤ。彼女はチサトと別れ、ムラサメシティに戻った。そして次の日の朝、ヒナのラグラージに乗りムラサメ湖を渡り、ムラサメシティ北部にあるムラサメ工業地域に向かったのだが、そこに着いた途端リゲル団の下っ端に手荒い歓迎を受ける羽目になった。

 

「カブト!マッドショット!」

 

「テッカニン!燕返し!」

 

この下っ端自体はアヤとヒナの手によって瞬殺だったが、いざバトルを終え落ち着いてみるとあたりには暗い空気が漂っている。状況からしてリゲル団が関わっていることはほぼ間違いない。

 

「行くよ、アヤちゃん!またリゲル団をやっつけちゃうよ!」

 

そう意気込むとヒナは工業地帯の奥へと進んでいく。こうなったヒナはもう止められない。アヤも今回は引き留めずにヒナの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ムラサメ工業地域はいたるところに工場が立ち並ぶ、シンシュー地方最大の工業地域である。かつてはキャタピーやケムッソ、クルミルから吐き出される糸を利用した製糸業が盛んであったが、製糸業の衰退により、現在では豊富な水資源と良質な空気を利用し精密機械などを主に作っている。ちなみにアヤたちが使っているポケモン図鑑等、キウシティで開発された商品はここで作られ、販売されることが多い。しかし、そんな素晴らしい技術の結晶といっても過言でもないこの地に今、リゲル団という名の魔の手が迫っている。アヤとヒナは協力してその魔の手を蹴散らし続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてアヤとヒナは打ち破った下っ端から聞き出した情報をもとに、一つの工場の入り口にやってきた。工場の窓にはリゲル団と思われる沢山の黒い影がうごめいている姿が映っている。まず戦いは避けられないだろう。ここでアヤとヒナはそれぞれ今まで使ってきて、疲労がたまりつつあるカブトとテッカニンをボールに戻し、新たにハヤシガメとポリゴンZを出した。

 

「よーし!アヤちゃん、ズガガーンっていくよ!」

 

「わ、分かった……!」

 

ヒナを先頭に、アヤ達は工場の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのころ、工場のとある一室では、リゲル団の女幹部と男幹部が、工場長に迫っていた。リゲル団の目的はずばり、この工場をリゲル団に全面的に協力させることである。

 

「——まだ話が分からないの?私達はあんたらの技術を高く買っているのよ。報酬だって言い値で支払うわ。私達リゲル団に言われた通りの兵器を作るだけで、孫の代まで遊んでいけるだけの金が手に入るのよ。決して悪い話ではないと思うんだけど?」

 

「……」

 

女幹部の甘い誘惑に対し、白髪と黒髪が混ざった工場長は何も言わずに彼女を睨む。するとバンっというものすごい音が彼の耳に飛び込んだ。男幹部が近くにあったゴミ箱を蹴っ飛ばした音のである。

 

「おいジジィ!早く答えろよ!俺達は気が短けぇんだよ!」

 

「我々の技術は人々の豊かな生活のためのものだ。悪事のためじゃないぞ!どれだけ金をもってこようが、お前らには協力しない!」

 

ついに工場長が怒りのこもった叫びをあげた。しかし、その直後彼の腹に毒づきがめり込んだ。女幹部の横に控えていたハブネークが放った技である。

 

「リーダーからは、貴方を協力させるためなら手段は択ばなくてもいいと伝えられているの。こうなったら、『うん』というまで徹底的に痛めつけてやるわ」

 

呻きをあげる工場長に女幹部は、実に冷徹な笑みを浮かべながら再び毒づきを指示する。だが毒づきが放たれる寸前、ハブネークは悪の波動を浴び、近くの壁に叩きつけられた。それに驚き、技が飛んできた方を見るとそこには二人の少女がいた。ヒナとアヤだ。

 

「この人たちが幹部か。そこのおじさん、今私たちが助けるからね。ポリゴンZ、もう一回悪の波動!」

 

「ポリリリリリ!」

 

ヒナはポリゴンZに再び悪の波動を撃たせる。しかし、今度はハブネークにかわされてしまった。

 

「リゲル団の邪魔をするとは無礼なガキだ!お前ら人間じゃねぇ!」

 

二人の姿を見た男幹部はこう叫ぶと、ザングースを繰り出した。ザングースはボールから出るや否やポリゴンZにとびかろうとしたが、ハヤシガメの葉っぱカッターがそれを阻んだ。

 

「ザングースの相手は私だよ!ハヤシガメ、噛みつく!」

 

噛みつくはここまでの道中で新たに習得したハヤシガメの新技である。だが噛みつこうとするハヤシガメに、ザングースの鋭い爪が食い込む。ブレイククローだ。

 

「おら、もう一発だ!」

 

「グーッス!」

 

攻撃を受けたハヤシガメにブレイククローが襲い掛かる。だがこれくらいのことでは、アヤもハヤシガメもひるまない。防御の構えをとり攻撃を受け止めると、すかさずザングースの腕に噛みつき反撃。だが、その直後再びザングースの鋭い爪が迫ってきた。今度はシザークロスである。

 

「ヤシッ!」

 

効果抜群の技とあってハヤシガメは攻撃を受けきれず、後方に弾き飛ばされた。アヤの見た感じ、もう一発シザークロスを受けられる体力は残っていない。次の一撃で勝負を決めなければアヤの敗北は確実だ。そう思いなんとか策を模索している時、ふと腕に巻かれたZリングが目に留まった。

 

「そうだ、これを使えば……!」

 

クサZは昨日の晩、Z技に浮かれて早々にハヤシガメに持たせていたので問題ない。アヤは頭の中でポーズを思い出し、大きく深呼吸をし、顔の前で腕を交差。そしてしゃがむと少しずつ立ち上がり、力を解放させるようにYの字に腕を開いた。

 

「これが私たちのゼンリョクの技……!ハヤシガメ、『ブルームシャインエクストラ』!」

 

アヤのZリングが光り、ハヤシガメと心が一つになる。するとハヤシガメを中心に花畑の幻影がひろがった。さらに上空からは緑色の光線が放たれ、男幹部もろともザングースを飲み込んだ。

 

「グース……」

 

「人殺しー」

 

Z技をもろに浴びたザングースと男幹部は仲良く目を回しながら倒れた。一応床に寝そべっているザングースと男幹部の様子を見ればピクピクと動いてはいる。人殺しー、などと大げさなことを叫んではいたがちょっと気を失っているだけのようだ。

 

「チッ、まさかこんな子供に負けるとわね……。仕方ない、撤退よ!」

 

アヤの戦いが終わると、女幹部は男幹部とザングースを引きずりどこかへと去っていった。いらだったその様子からうかがうに、女幹部とヒナのバトルの結果はヒナの圧勝だったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

リゲル団幹部が立ち去った後、二人は工場長のところへ駆け寄った。

 

「うぅ……、キミたち……、ありがとう……、グフッ!」

 

まだ喋れるだけの力は残っているが、かなりの重症のようだ。結局二人ではどうすることもできないため、彼女たちはレスキュー隊を呼び、病院へ運んでもらうことにした。そして彼は、レスキュー隊が到着し彼が病院に運ばれる直前、アヤとヒナの目を見てこう言い放ったのである。

 

「二人とも気をつけろ……。リゲル団を野放しにしてはならない……。あいつらの考えは危険すぎる……」

 

不穏な言葉を言い残し、工場長は病院へ運ばれていった。

 




今回は展開上短めですみません。
ちなみに次回は、今まで音沙汰がなかったAfterglowの中の誰か一人がようやく登場します。暇だったらだれか予想してみてください!
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