バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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最近どうも投稿頻度が下がっている気がする。なるべく早く投稿できるように頑張ります!


第二十四話 ウェルカム!ハナゾノランド!

ハルサメシティを発ったアヤとヒナは12番道路を伝い、魂が眠る山『ミタマ山』のふもとを通過。そして13番道路と14番道路を通り、二人はアヤにとって6番目のジムがある街『ウノトキシティ』へ到着した。ウノトキシティの最大の特徴は、街の中央部を南北に分断するように流れる川だ。この川はウノトキシティのシンボルといっても過言ではなく、住民の手で長い間大切に守られている。そのため、街中にもかかわらず水辺に生息するポケモンが豊富である街としても有名だ。ちなみに街の東部と西部は昔ながらの木造の端、コンクリートでできた近代的な橋、美しいアーチ橋でそれぞれつながっており、これもウノトキシティの名物である。

 

 

 

 

さて、こうしてウノトキシティに着いたアヤは、次の日ヒナと一緒にウノトキシティジムに入った。しかし、ジムのロビーには言葉に表せないほど奇妙な光景が広がっていたのだ。

 

「何これ……」

 

「なんかよくわからないけど……。凄い……」

 

アヤとヒナの目の前にいるのはニドランやミミロルやホルビーやマリルリ。それも1匹や2匹ではない。全部合わせれば軽く20匹近くはいる。

 

「ようこそ、ハナゾノランドへ!」

 

と、二人があっけにとられていると背後から声がした。

 

「誰!?」

 

アヤが慌てて振り返ると、そこには黒髪ロングの少女が立っていた。

 

「どう、私の家族は?みんなかわいいでしょ。よかったら遊んで行ってあげてよ」

 

彼女は笑顔で近くにいたミミロルを抱えるとアヤに差し出してきた。なんだか断りにくく、何となくミミロルを受け取ってしまったがもう意味が分からない。ジム戦をしに来てなぜミミロルを抱くのだろう。そもそもこの人は誰なのだろうか。アヤの中で情報が交錯し、ついに頭がフリーズする。

 

「ねぇ、ジム戦やらないの?多分、キミがジムリーダーでしょ」

 

ここで見かねたヒナが助け舟を出してくれた。これでアヤはなんとか救われる——と思いきや黒髪の少女の斜め上の暴走はまだ止まらない。

 

「違うよ。ここはジムであってジムじゃない。私はジムリーダーであってジムリーダーではない。ここは理想の王国ハナゾノランド!そして私はハナゾノランドの王様タエ。オタエって呼んでね」

 

「どういうこと……?」

 

ついに頼みの綱のヒナまでフリーズしてしまった。日頃からぶっとんでいるヒナをフリーズさせるとは相当である。

 

 

 

 

 

 

 

 結局、タエのペースに振り回され、ジム戦が始まったのはそれから1時間後のことであった。言うまでもないがハナゾノランド云々というのはあくまで彼女の中で描かれている非公式の設定である。彼女は王様でもなんでもなく、ただのジムリーダーだ。

 

「アヤちゃん、ファイト!」

 

フィールドの端からはヒナがクマシュンを抱えながらエールを送ってくる。だが、今日のギャラリーは彼女だけではない。先ほどまでジムのロビーでたむろしていた大量のポケモンたちが控えているのだ。

 

「な、なんか調子狂うな……」

 

しかし、ここで動揺してしまってはならない。彼女は大きく深呼吸をし、気持ちを落ち着かせ、モンスターボールを投げた。

 

「お願い、ハヤシガメ!」

 

「ヤーシッ」

 

ハヤシガメの叫びがフィールドに響く。

 

「へー、ハヤシガメか。可愛い。それじゃ私はおっちゃんにしよ」

 

タエがボールを投げると、そこからはホルードが姿を現した。それもただのホルードではない。左の目が赤く、右目が緑色、いわゆるオッドアイだ。ちなみにおっちゃんとはホルードにつけられたニックネームである。

 

「さぁいくよ、おっちゃん!電光石火!」

 

「えっ、もう!?ハヤシガメ、ロッククライム!」

 

何の前触れもなくバトルは始まった。フィールド中央部でハヤシガメとおっちゃんがぶつかる。そしてその時、アヤは戦慄した。

 

「うそ……」

 

なんとあれだけ重いハヤシガメが、紙きれのようにいとも容易く吹き飛んだのだ。

 

「どうしたの、かかってこないの?」

 

タエは相変わらずポワポワしているが、今となっては逆に恐怖をそそる。間違いなく彼女は相当な実力者だ。

 

「そっちが来ないなら私から行くよ。ホルードもう一度電光石火!」

 

「葉っぱカッター!」

 

目にもとまらぬ速さで動くおっちゃんに無数の葉っぱが襲い掛かる。しかし、おっちゃんは葉っぱが当たる直前に地面の中に潜り込んだ。

 

「あれ……、ホルードは……?」

 

フィールド上を見渡しても、影も形もない。完全に見失った。すると急にヒナの叫びがアヤの耳を貫いた。

 

「アヤちゃん、あれは穴を掘る攻撃だよ!下に注意して!」

 

「下……?」

 

恐る恐る地面に注意を映す。するとハヤシガメの地面がにわかに盛り上がった。

 

「ルードッ!」

 

そしておっちゃんは勢いよくそこから飛び出し、ハヤシガメを真下から突き上げる。そして無慈悲にも、宙に打ち上げられたハヤシガメに冷凍パンチを振りかざしたのだ。

 

「ヤーッシ!」

 

ハヤシガメはフィールドに墜落し、もうもうと砂埃を巻き上げた。

 

「ハヤシガメ!」

 

アヤが悲痛な叫びをあげる。だがハヤシガメの反応はない。地面に叩きつけられた状態で氷漬けになっている。ハヤシガメは氷状態になってしまったのだ。

 

「あっ、アヤさんのハヤシガメ凍っているね。勝利の女神も私に微笑んでいるみたい。おっちゃん、止めを刺して。アームハンマー!」

 

「ホルッ!」

 

タエの声に合わせて、おっちゃんが耳に力を入れ飛び上がる。ハヤシガメは凍ったまま動かない。この状況なら直撃は免れない。つまり、待っているのは敗北だ。

 

「ハヤシガメ!動いて!お願い、お願い!」

 

しかし、アヤは諦めなかった。最後の最後まで奇跡が起こると信じた。そして、奇跡は起きた。おっちゃんが最高地点に到達したとき、氷の中でハヤシガメの目が動いたのだ。その目は確かにアヤの方を向いている。そしてアームハンマーが当たる直前、ハヤシガメの体はまばゆい光を放った。

 

「ダーッ!」

 

光が消え、聞いたことがない重低音が響き、おっちゃんのアームハンマーが強靭な尾に弾かれる。周囲にはさっきまでハヤシガメを包んでいた氷が円状に散らばっており、その中心には背中に大木を生やした巨大なポケモンがどっしりと構えていた。

 

「ハヤシガメ……?」

 

アヤが図鑑でそのポケモンについて調べると、図鑑の画面には『ドダイトス』の5文字が表示された。ドダイトスはナエトル系の最終進化系。つまりハヤシガメは、この土壇場で見事進化を果たしたのである。勝利の女神はまだアヤを見捨ててはなかったようだ。

 

「よ、よかった……。とりあえず危ない場面は乗り越えられたか……。でも、油断はできないね。さぁハヤ——じゃなくてドダイトス、ここからは私たちの番だよ!ロッククライム!」

 

「ダーッ!」

 

大陸のような巨大な図体がフィールドを蹴り、加速する。その姿はまさに勇ましいというほかない。

 

「進化か……。そういえば久しぶりに見たかも。あっ、おっちゃん!電光石火!」

 

タエのおっちゃんとアヤのドダイトスが再びフィールドでぶつかり合う。だが今度は互角だ。両者ともに歯を食いしばり、一歩も譲らず踏ん張っている。

 

「よし、ドダイトス噛みつく!そして続けて葉っぱカッター!」

 

ドダイトスはホルードの腕に噛みつきその動きを封じる。しかしおっちゃんは、葉っぱカッターが放たれる直前にドダイトスを剛腕で振り切った。そして素早く飛びのき、自慢の耳で葉っぱカッターすべて撃ち落とす。だが、直後に目の前に大木のような尾が姿を現した。

 

「ドダーッ!」

 

それはドダイトスが新たに習得した草タイプ最強クラスの大技『ウッドハンマー』。この技をもろに喰らったのでは、流石のおっちゃんもひとたまりもない。

 

「ホルーッ!」

 

その直後、おっちゃんは最後の抵抗といわんばかりに冷凍パンチを振りかざす。だがあと一歩のところでドダイトスには及ばず、目の前で葉っぱカッターの餌食となり倒れた。

 

「あっ……、おっちゃん……!あれ?ということは、私の負けか……」

 

タエはぽかんと口を開けながら、おっちゃんをボールに戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いの直後、アヤはドダイトスに抱き着いてはしゃいでいた。ジム戦の後はだいたいこんな感じだが、今日は一段とにぎやかだ。もはやヒナの言葉もタエの言葉も耳に入らない。アヤが二人の存在を思い出したのは、数分の後の出来事であった。

 

「二人ともごめん!ちょっと舞い上がりすぎたかも!」

 

アヤは顔を赤らめ、恐る恐る頭を下げる。タエは相変わらずポワポワとしている。だが、その表情は確かに微笑んでいた。

 

「謝らなくていいよ。私は気にしていないから。それよりもこれを受け取ってよ。はい!これがウノトキシティジムリーダーに勝利した証『アースバッジ』だよ」

 

アヤの手に円形のバッジが渡る。するとヒナの歓声は勿論、周囲にいる数多くのタエのポケモンたちの鳴き声がアヤを包んだ。

 

「私のポケモンたちもアヤさんのことを褒めているね。ということでハナゾノランドの王様、そして住人に認められた証として、この技マシンもあげるよ」

 

気が付けばアヤの足元には技マシンを抱えたマリルリがいた。

 

「技マシンの中身は『地震』。大地を揺らして攻撃する、私のとっておきの技なんだ。さ、遠慮せず受け取ってよ」

 

アヤは言われるがままに、マリルリの手から技マシンを受け取る。彼女を再び歓声に包まれた。こうしてアヤのウノトキシティジム攻略戦は無事幕を閉じたのであった。

 




おまけ:たえのパーティー一覧(本気モード)
・多分殿堂入り後に何処かで戦えるであろう本気おたえの手持ちです。名前の横に★が付いているのがエース。本文中で触れる機会が無くて、ものすごーーーーく分かりにくいですが、おたえは『地面タイプの使い手』です。ウサギ統一じゃないのは悪しからず。


★ホルード@気合のたすき
特性:力持ち
性格:意地っ張り
努力値:AS252

・地震
・電光石火
・高速移動
・ストーンエッジ

☆ニドキング@こだわりスカーフ
特性:力ずく
性格:臆病
努力値CS252

・大地の力
・冷凍ビーム
・ヘドロウェーブ
・気合玉

☆ニドクイン@命の玉
特性:力ずく
性格:臆病
努力値CS252

・大地の力
・ヘドロウェーブ
・十万ボルト
・大文字

☆ガブリアス@ガブリアスナイト
特性:鮫肌
性格:意地っ張り
努力値HA252

・逆鱗
・地震
・剣の舞
・炎の牙

☆ヌオー@ゴツゴツメット
特性:天然
性格:図太い
努力値HB252

・熱湯
・あくび
・自己再生
・地震

☆マンムー@ジメンZ
特性:熱い脂肪
性格:意地っ張り
努力値AS252

・地震
・氷のつぶて
・つらら張り
・地割れ
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