バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

43 / 66
ということでチャンピオン戦です。BGMのイメージはバトルの前もバトル中もシロナ戦です。ちなみにチャンピオン戦は6VS6の総力戦です。


第四十二話 静かなる霊使い

 「まさか……、リンコさんがチャンピオンだったなんて……」

 

「なーんか初めて会った時からズドドーンって感じの雰囲気は感じていたけど、まさかこういう展開になるとは予想外だな~」

 

アヤとヒナは顔を見合わせた。目の前の光景が二人ともいまいち呑み込めないのだ。しかし、そんな二人を前に、リンコは穏やかな表情を見せていた。

 

「そんなに……驚くことでしょうか……?私は……、2人がここにいることは……当然だと思いますけど……。ほら、前にリュウコの石塔で言ったじゃないですか……。『私たちならそう遠くない未来に、きっとまた会える』って……」

 

なるほど、あの時のリンコの言葉はそういう意味だったのか。アヤとヒナは納得した。

 

「さて……、前置きはこのくらいにしておきましょうか……。えっ……、何ですかアヤさん……。『チャンピオン戦の前にしてはあっさりとしすぎている?』ですか……?フフフ、確かにそうかもしれませんね。でも、私はこれでいいと思います……。だって……、私とアヤさんならきっとポケモンバトルで分かり合えるから……。ポケモンと人間の繋がり……、旅で見たものや学んだこと……、何もかもすべて……。だから、私はこのバトルに全力で挑む……。シンシューポケモンリーグチャンピオンリンコ、いきます……!」

 

この時、リンコの目が臨戦態勢に入ったのをアヤとヒナは見た。ついに、最後の決戦が始まるのだ。

 

 

 

 

 

 

間もなく、アヤとリンコはフィールドを挟んで向かい合った。フィールド脇のベンチからは、いつも通りヒナの熱烈な声援が飛んでくる。ここまで来たら、もう前に進むだけだ。

 

「よし……」

 

アヤは先鋒のポケモンが入ったボールをいつも以上に固く握りしめた。

 

「いけ!カブトプス!」

 

「トープスッ!」

 

アヤがボールを投げるとカブトプスが勢いよく飛び出す。そして、カブトプスは案の定アヤに抱き着いてきた。

 

「痛い痛い痛い!カブトプス!離れて!相手はあっち!」

 

もうアヤは何度もカブトプスに抱き着かれているが、刺々した体で抱き着かれる痛みには全くなれない。この叫びも最初にカブトプスに出会った時から全く変わらないものである。まぁ、それはさておきカブトプスはこの恒例行事を済ませると、フィールドに立った。

 

「アヤさんと戦うこと……私、ずっと楽しみにしていました……。戦う前なのに……、不思議とこれが楽しいバトルになる未来しか見えない……」

 

そういいながらリンコはボールを投げた。彼女の先鋒は鋼鉄の体を持つメタグロスだ。リュウコの石塔で一度だけ見たことあるが、今日のメタグロスは一段と狂暴そうなオーラをまとっている。見ただけで強いポケモンだとわかるいい例だ。

 

「……でも、私のカブトプスだって負けてないはず!カブトプス、アクアジェット!」

 

とりあえず、アヤは様子を見ることにした。が、その直後、彼女はその判断が大きな過ちであることに気が付くことになった。

 

「メタグロス……コメットパンチ……です……」

 

「メターッ!」

 

カブトプスに威嚇するかのように、リンコはメタグロスに指示を送った。カブトプスはとっさに飛びのいたため無傷であったが、その床には無数の亀裂が生じている。凄まじい破壊力を誇るポケモンをアヤは何度も見てきたが、これは規格外だ。通常の建物よりも頑丈に作られているフィールドの床に、亀裂が生じるなんて聞いたことがない。

 

「え……」

 

余りの衝撃にアヤが凍り付く。メタグロスはこの隙にカブトプスを思念の頭突きで弾き飛ばした。

 

「ハッ……!いけない!」

 

同時にアヤも我を取り戻したが、その時、メタグロスはバレットパンチが何発もカブトプスに叩きこんでいた。アヤは慌てて熱湯を指示するも、もはや手遅れ。熱湯をものともせず放たれたコメットパンチの前に、カブトプスは倒れたのであった。

 

「戻って、カブトプス」

 

アヤはカブトプスをすぐさまボールに引っ込める。が、この時彼女は気が付いた。メタグロスの体の一部分が赤くただれていることに。そう、先ほど熱湯を無視して攻撃したことが仇となり、メタグロスは熱湯の追加効果で火傷を負ってしまったのだ。火傷には攻撃力を下げる効果がある。るまり、あの規格外の破壊力は、規格内の範囲までとどまったことになる。アヤとしては願ってもないチャンスだ。

 

「いけ!ハガネール!」

 

この機を逃すわけにはいかない。だからこそアヤはハガネールの基本的な戦い方を遵守した。

 

(ハガネールみたいな重量級は……。『バシッてして、ズガガーン!』。だから攻撃が飛んでくるタイミングを見計らって……、今だ!)

 

アヤはメタグロスのアームハンマーが迫った瞬間、ハガネールに『かみ砕く』を指示。同時にハガネールは、渾身の力でアームハンマーを放つメタグロスの腕に食らいつき、それを受け止める。そして、メタグロスを地面に叩きつけるとともに地震を放った。

 

「メタァ!」

 

轟轟と音を立てて揺れる床。そんな状況でロクに受け身をとれるわけもなく、メタグロスは地震を全身に浴びる。そして、そのまま目を回し動かなくなった。それを見るとリンコはすぐにポケモンを交換してきた。次に出てきたのは、怪しく揺れる炎を灯すポケモン、シャンデラ。それもただのシャンデラではない。普通のシャンデラが不気味な紫色の炎を灯しているのに対し、リンコのシャンデラの炎は綺麗なオレンジ色。そう、彼女のシャンデラは色違いのシャンデラなのだ。

 

「さて……、アヤさんは……、この不利な状況をどうやって切り抜けるんでしょうか……。シャンデラ……、煉獄……!」

 

リンコが言うように、鋼タイプを持つハガネールは炎タイプを持つシャンデラに圧倒的に不利だ。そして、彼女はハガネールが苦手とする炎タイプの技を容赦なく指示してきた。

 

「ネールッ!」

 

ハガネールの胴体を激しい炎が包む。アヤはとっさにストーンエッジでそれを払いのけさせるも、被害は大きかった。今度は逆に、ハガネールが火傷を負ってしまったのだ。しかし、これを好機と見たか、リンコは攻撃の手をさらに強めてきた。

 

「シャンデラ……、祟り目です……!」

 

「シャ~ン」

 

綺麗な鳴き声とともに、今度は何とも言えない不気味な存在が——強いて言葉にするならなら霊のオーラのようなものがハガネールの体を包み、襲った。

 

「ネール……!」

 

立て続けの猛攻に、ハガネールの鋼鉄の鎧も悲鳴を上げている。しかし、リンコは鬼だった。

 

「これだけ攻撃を浴びせても倒れないなんて……、しぶとい——いや、よく鍛えられたハガネールです……。それならば……Zワザであの世に送ってあげましょう……。シャンデラ……、『無限暗夜への誘い』!」

 

「シャ~ン」

 

ハガネールの周囲に、闇の世界から現れた手が現れる。

 

「闇の狭間に消えなさい……!」

 

リンコがそう言うと、爆発が起きた。が、爆発の硝煙が晴れたとき彼女の前に現れたのは衝撃の光景であった。リンコの目論見通り、確かにハガネールは気絶している。が、彼女のシャンデラまでも気絶していた。実は、リンコがZワザを発動した瞬間にアヤも地面タイプのZワザ『ライジングランドオーバー』を発動させていたのだ。そしてそれがシャンデラの急所に直撃したのである。

 

「戻ってください……シャンデラ……」

 

「お疲れ、ハガネール」

 

両者はポケモンを引っ込めた。そして、アヤもリンコもほぼ同時に次のポケモンを繰り出した。

 

「いけ!レジギガス!」

 

「サザンドラ……、お願いします……」

 

ハガネールとシャンデラが相打ちになったおかげで、バトルは一回仕切り直しだ。ここからどういうバトルが展開されるのかは、アヤにもヒナにもリンコにも話辛いのであった。

 

 




ということで次に続きます。高評価やお気に入り登録、感想をくれると泣いて喜びます。

彩ちゃん以外を主人公にしたスピンオフ回見たい?(スピオンオフ回書いていると、本編の終わりがいつになるか分かりません)

  • 本編の進みが遅くてもいいから見たい!
  • スピンオフはいいから本編進めて……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。