バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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なんやかんやあってジムリーダーを辞めたおたえ。果たして誰が後を継ぐのでしょうか?


※シンシュー地方のマップで建設中で不明だった部分を更新しました。よかったら見てね☆


第四十八話 ハナゾノランドの後継者

バトルフロンティアは、シンシューの北部に位置する。ということで、アヤとヒナはそこに一番近いウノトキシティにやってきた。そして、彼女たちはそこのポケモンセンターで思いもよらぬ情報を耳にした。なんと、タエの後任のジムリーダーが着任し、来週にはウノトキシティジムを再開するというのだ。こうなったらじっとはしていられない。早速新しいジムリーダーに会うために、ヒナはポケモンセンターを飛び出し、ジムへすっ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、とーちゃーく!」

 

走ること数分、ヒナはジムの前についた。

 

「待ってよ……、ヒナちゃん……」

 

ヒナを追いかけ、必死に食らいついていたアヤも少し遅れて着いた。だが、それと同時に、彼女の目にジムの入り口に貼られた一枚の紙が目に飛び込んだ。見てみれば、そこには大きく『Close』と書かれている。

 

「あー、やっぱり閉まってるね。ジムが再開されるのは来週だしね。よし、ヒナちゃん帰ろう」

 

だが、ヒナはお構いなくジムの入り口に向かっていく。さも当たり前かのような表情だ。

 

「彩ちゃんは気にならないの?新しいジムリーダーが。それに、オタエちゃんがジムリーダー辞めた理由もわかるかもしれないじゃん!」

 

「確かに気にはなるけど……、ジムしまっているし……」

 

「へーきへーき、ジムの扉開いているよ。ほら!」

 

アヤの言葉を無視し、ヒナは中に入った。こうなっては、仕方がない。渋々アヤも、中に入ってみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前、ウノトキシティジムに来た時は、ジムのロビーには大量のウサギポケモンがたむろし、まさに『ハナゾノランド』が建国されていた。だが、今日目にしたロビーは何の変哲もない普通の、むしろ殺風景な空間だ。ポケモンがいないだけでもこんなに雰囲気が違うんだ。と、アヤは思った。

 

「ごめんくださーい!新しいジムリーダーはいますかー?」

 

一方のヒナは、大声で叫んでいた。すると、奥の方から足音が聞こえ、フィールドに続く扉が開いた。出てきたのは黒く長い髪をした、凛々しい雰囲気の少女だ。

 

「あれ、チャレンジャーかな?ごめんなさい。ジムの再会は来週からで、今は調整ちゅ——」

 

「あー、チャレンジにしに来たわけじゃないの。新しいジムリーダーに会いに来たんだ。もしかして、キミが新しいジムリーダー?どのタイプが好きなの?どんなポケモンを手持ちにしているの?あっ、得意な技とかある?」

 

話をぶった切り、ヒナは目を輝かせながら矢継ぎ早にどんどん言葉を放つ。新しいジムリーダーらしき人は怪訝そうな表情で聞いていたが、ヒナの後ろの方で縮こまっていたアヤと目が合うと、ハッと表情が変わった。

 

「あっ、もしかして!そこにいるのはアヤさんですか!?」

 

その途端、アヤの顔がぱぁっと晴れた。

 

「あっ、私のこと知っているんですか!?」

 

「はい。ポケモンリーグを制して、殿堂入りした人ですよね?テレビで見ましたし、雑誌でも見ましたよ。となると……、こっちにいるのはヒナさん?あー、どうりでどこかで見覚えがある顔だと思いましたよ」

 

ジムリーダーらしき少女はほっと一息。そして、顔を整えもう一度2人の方を向いた。

 

「まさか、こんな凄いトレーナーがこのジムに来てくれるなんて驚きです。私の名前はレイヤ。ヒナさんが言う通り、ここの新しいジムリーダーで、ハナちゃんと同じく地面タイプが得意なんです」

 

「「ハナちゃん?」」

 

聞きなれに名前に、ヒナとアヤは同時に首をかしげる。と、レイヤはさらに言葉を足した。

 

「『ハナちゃん』は……、ここの前任のジムリーダー『タエ』のことです。苗字が『ハナゾノ』だから、昔からそう呼んでいたんですよ」

 

「なるほどー。つまり、2人は幼馴染ってことだね?」

 

ヒナがそう言うと、レイヤは頷いた。

 

「ヒナさんが言う通りです。まぁ、11歳の時に親の都合で引っ越さなくちゃいけなくて、最近まで遠くの地方にいたんですけどね。あ、それでハナちゃんがジムリーダーを辞めた理由なんですけど……。正直私もよく分からないです。この街に帰ってきて久々にハナちゃんと会ったら、『私は理想のハナゾノランドを探しに行くから、ジムはよろしくね』って急に言われたんです。ハナちゃんは、その次の日にこの街を出ていきました。それで、ハナちゃんのお願い通り私がジムリーダーを継いだんです」

 

一応タエがジムリーダーを辞めた理由は分かった。想像以上に意味不明な理由である。おかげでアヤの中で謎は深まっていくばかり。彼女は考えることを辞め、話題をそらすことにした。だが、そう思った矢先、図らずしてレイヤの方から話題を変えてきた。

 

「アヤさん、一つお願いがあるんですがいいですか?」

 

「えっ、なに?」

 

「その……、時間があればでいいんですけど、私とバトルしてくれませんか?」

 

思いもよらぬ不意打ちだ。

 

「バトル……?」

 

思わずアヤは言葉を詰まらせる。しかし、対するレイヤは力強く言葉を続けた。

 

「はい。私、ハナちゃんと別れて遠くの地方に行っている間に、多くの苦難を乗り越え、ポケモンと自分自身を鍛えてきました。だから、自分達の実力がどこまで通じるか知りたいんです。だから、お願いします!」

 

言い終わると同時に、レイヤは深々と頭を下げる。並々ならぬ熱意だ。

 

「うん!もちろんいいよ!」

 

アヤは快くバトルの申し入れを受け入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、アヤは久々にジムのフィールドに立った。以前ここに立った時のポワポワした空気はない。あるのはフィールド脇のベンチから届くヒナとクマシュンの声援、ピリピリとした雰囲気、独特の緊張感、そしてアヤとレイの情熱だ。

 

「手加減入りません。どこからでもかかってきてください!」

 

レイヤはフィールドの向こうにいるアヤに向かって叫んだ。

 

「もちろんだよ。レイヤさんとポケモンの本気、楽しみにしているからね」

 

アヤが言葉を言い終わると、レイヤはボールを投げた。レイヤが繰り出したのはガブリアスだ。

 

「このガブリアス、ハナちゃんのガブリアスの兄で、私の手持ちの中でも自慢の一匹なんです」

 

「ガァブ!」

 

ガブリアスは空気が割れるような咆哮を轟かす。そして、アヤの方を睨んだ。

 

「強そうなガブリアスだね。それならば私は……!お願い、ドダイトス!」

 

「ドダァ!」

 

ガブリアスとアヤの間に、大陸のようにどっしり構えたドダイトスが現れた。思い出してみれば、ドダイトスがハヤシガメから進化したのはこのジムである。思い出の地でのバトル、負けられない。アヤは気持ちを引き締めた。そして、叫んだ。

 

「よーし、先手必勝!ドダイトス、ロッククライム!」

 

「ドダァ!」

 

緑の巨体が地を蹴り、ガブリアスに向けて猛進する。岩も鋼もありとあらゆるものをぶち壊さんとする勢い。普通ならこれを回避することが賢明だろう。だが、ガブリアスは毒づきで、真正面から勝負を挑んできた。

 

「ガァブ」

 

「ドダァ」

 

ガブリアスの火力は破壊的だ。並大抵のポケモンなら、この一撃で決着がつくだろう。アヤのドダイトスなら数発は耐えきれるはずだが、油断すればすぐに敗北につながることはまちがない。

 

「ガブリアス、後ろに下がって!」

 

ここで、不意にガブリアスが隙を見せた。すかさずドダイトスは、エナジボールで追い打ちをかける。が、これは罠だ。レイヤはガブリアスにわざと隙を作ることで、アヤの一瞬の油断を誘ったのである。

 

「地震!」

 

「ガブァ!」

 

突如、地面が激しく揺れた。不意の一撃にバランスを崩すドダイトス。突然の事態に対応が遅れるアヤ。直後、灼熱の大文字がエナジボールもろともドダイトスを焼き尽くした。

 

「ドダー!」

 

ドダイトスは即座に態勢を整えた。が、同時にまた大文字の餌食になった。怒涛の連続攻撃だ。そして、レイヤとガブリアスのそれはクライマックスを迎えようとしていた。

 

「ガブリアス、逆鱗!」

 

レイヤの声と同時にガブリアスの頭に急激に血が上り、沸騰する。

 

「ガアアアアアアァブ!」

 

鼓膜を破る勢いの怒鳴りがフィールドに鳴り響く。怒りのパワーをぶつける荒技、逆鱗だ。

 

「ガァブ!ガァブ!ガァアア!」

 

ドダイトスは、その怒りを一身に受け続ける。だが、アヤ的にはこうやって寄ってきて来てくれるのは願ってもない展開だ。

 

「ドダイトス、かみ砕く!」

 

「ダァ!」

 

ドダイトスが、振り上げられるガブリアスの右腕に食らいつく。同時に、僅かだがガブリアスの動きが止まる。だが、これで十分だ。

 

「ドダイトス、連続でエナジーボール!」

 

停止したガブリアスに、無数のエナジーボールが至近距離でさく裂。流石のガブリアスもこれにはひとたまりもなく、ぶっ飛ばされ、地に叩きつけられた。

 

「ガァブ!」

 

即座に起き上がろうとするガブリアス。だが、ドダイトスの両前足がそれを許さなかった。

 

「いっけ~!ドダイトス、地震!」

 

アヤが声をあげると、ドダイトスはガブリアスを踏みつけたまま大地を揺らした。強大な大地の力がダイレクトに全身に伝わってはひとたまりもない。ドダイトスがどいた後も、ガブリアスは立ち上ることができなかった。戦闘不能である。

 

「これが今の私達か……」

 

レイヤは悔しいような、だがどこか清々しいような難しい表情を浮かべながら、ガブリアスをボールに戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 「アヤさん、今日はありがとうございました。」

 

バトルを終えた後、ジムを立ち去ろうとするアヤにレイヤはまた礼儀正しく頭を下げた。

 

「こちらこそありがとう!レイヤさんとガブリアスとのバトル、とても楽しかったよ」

 

アヤは彼女に満面の笑顔を見せた。そして、横にいるヒナも目を輝かせていた。

 

「レイヤちゃんとガブリアスすっごくるんって感じした!レイヤちゃん達なら、絶対いいジムリーダーになれるよ。ね、クマシュン?」

 

「マッシュン!」

 

ヒナに合わせて、クマシュンも頷く。それを見たレイヤは照れ臭そうな笑みを見せた。

 

「ヒナさん……。はい!期待に沿えるように、ハナちゃんが守ってきたウノトキシティジムの看板に泥を塗らないように、これからも精進していきます!」

 

ウノトキシティジムの新しいジムリーダーは、アヤとヒナと握手をした。果たして、彼女はこれからどのようなチャレンジャーと出会うのであろうか。そして、どのようなバトルを繰り広げるのだろうか。

 

 

 




おまけ:レイヤのパーティー一覧(本気モード)

・多分何処かで戦えるであろう本気レイヤのパーティーです。レイヤのキャッチコピーは「ハナゾノランドを継ぐ者」です。

★ガブリアス@気合のたすき
特性:鮫肌
性格:陽気
努力値:AS252

・地震
・ストーンエッジ
・逆鱗
・剣の舞

☆ネンドール@弱点保険
特性:浮遊
性格:控えめ
努力値:HC252

・大地の力
・冷凍ビーム
・トリックルーム
・草結び

☆ナマズン@ジメンZ
特性:危険予知
性格:控えめ
努力値:HC252

・地割れ
・大地の力
・ハイドロポンプ
・冷凍ビーム

☆ミノマダム@突撃チョッキ
特性:防塵
性格:腕白
努力値:HB252

・地震
・地割れ
・岩石封じ
・不意打ち

☆ハガネール@ハガネールナイト
特性:頑丈
性格:勇敢
努力値:HA252

・鈍い
・ジャイロボール
・地震
・ストーンエッジ

☆カバルドン@ゴツゴツメット
特性:砂起こし
性格:腕白
努力値:HB252

・地震
・あくび
・ステルスロック
・氷の牙

再戦するなら誰?(再戦時はダブルバトル)

  • りみ&たえ
  • 麻弥&蘭
  • 花音&薫
  • はぐみ&美咲
  • 宇田川姉妹
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