バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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言い忘れましたが、この小説では世界観に合わせて一部のキャラの性格も若干変更してます。(某アイドルバンドのドラマーが、機材オタ→岩ポケオタとか)

キャラの本質的には変わってませんが、苦手な方はすみません!
どれでもよろしい方は、第四話をどうぞ!


第四話 ハナノシティ ~盆地に栄える谷の街~

 結論から言うとマックラトンネルでは特に大きな出来事はなかった。もちろん野生のポケモンと遭遇したり、他のトレーナーに勝負を挑まれたりしたが、特に問題なく切り抜けることができた。こうしてアヤたちはマックラトンネルを抜け、ハナノシティ側の2番道路を進む。そして、ついに彼女たちはアヤにとって最初のジムがあるハナノシティへとたどり着いた。だが、道中で食べ物を食べつくしてしまったせいで昨日の夜は何も食べていない。もはや空腹は限界まで来ている。二人は最後の力を振り絞り、多数の飲食店や屋台が立ち並ぶ商店街へ駆け込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 商店街に飛び込むとヒナは、広場にあるパラソル付きの丸机をアヤに確保させ、自身は屋台のほうへすっ飛んでいった。

 

「あ~、やっとご飯にありつけそうだよ……」

 

アヤはぐったりと机に突っ伏した。だがそのままの姿勢で首だけを動かし、あたりを見渡すと、雄大な山々に囲まれた盆地に様々な建物が並び中規模な街を構築しているのが見える。また、人々はその中で生き生きと生活していた。さすが『シティ』と呼ばれていることはある。シグレタウンやシノツクタウンとは大違いだ。

 

「お待たせ!アヤちゃん!」

 

そうこうしているとヒナがおいしそうな香りを運んできた。体を上げて目をやると、彼女は両手にお盆に乗せられた、焼きそばとラーメンを足して2で割ったような麺類を持っていた。彼女が言うには右手が自分たちが食べる用で、左手がポケモンにあげる用らしい。アヤとヒナは互いのポケモンをすべてボールから出してあげると、およそ一日ぶりのご飯に手を出だした。

 

「あっ、これおいしい!ヒナちゃん、これなんて言う食べ物?」

 

「ごめん、忘れちゃった。でもこの辺の名物らしいよ」

 

不思議な麺類に舌鼓を打っている最中にアヤはポケモンたちのほうに目をやった。どうやらアヤのポケモンであるナエトルとラルトス、そしてヒナのポケモンであるラグラージ、テッカニン、ポリゴンZは5匹で何か話しているらしい。

 

「ナーエー」

 

「ラグ?」

 

「ラルル?」

 

「テッカー!」

 

「ポリリリリリ」

 

何をしゃべっているかはよくわからないが、楽しそうで何よりである。旅の途中でアヤとヒナが親睦を深めている間に、彼女のポケモンたち同士も仲良くなったようだ。

 

「アヤちゃん、アヤちゃん!」

 

そんな風景にアヤがなごんでいると、ふいにヒナの言葉が飛び込んできた。

 

「な、なに?」

 

「ねぇ、ご飯も食べ終わったことだしどっかに遊びに行こうよ!」

 

「遊びに行くって……。私たち、ポケモンジムに挑みに来たんだけど……」

 

「いいじゃんいいじゃん!そんなまじめなことばっかり考えていたら折角の旅もるるんってしなくなっちゃうよ!」

 

「言われてみればそれもそうだね。それで、どこに行くの?」

 

「私、ここに行きたい!」

 

ヒナが目を輝かせながらガイドブックに指をさす。その先には『ハナノ地質博物館』と書かれていた。

 

「地質博物館か……。珍しい石や化石がたくさんあるのかな?面白そう!わかった、そこへ行こうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナノ地質博物館は歩いて十分ほどの場所にあった。二人はそこへ入り、券売機で入場券を買うと入場口へ向おうとした。しかし、その時ヒナが何かを見つけたようだ。

 

「アヤちゃん待って!」

 

「どうしたの?」

 

引き返すと、ヒナの目の前には『入場料に金額を上乗せすると、学芸員の人がマンツーマンで展示物の解説をしてくれる』という旨が書かれたポスターが貼ってあった。学芸員の解説もつけるとそれなりに痛い出費になってしまう。

 

「うーん……。面白そうだけど、今日は止め——」

 

「なんだかきゅるるるるるるるんってしてきた!決めた!学芸員の人をお願いしようよ!」

 

しかし、ヒナはアヤが止めようとする前に受付のほうへ、学芸員をお願いしに走って行ってしまった。こうなったらもう仕方がない。アヤが諦めていると、間もなくヒナは眼鏡をかけた自分と同い年くらいの少女を連れてきた。あの人が学芸員のようだ。

 

「初めまして。ジブン、ここの博物館で学芸員をさせてもらっているマヤっていいます。よろしくお願いします」

 

マヤと名乗る学芸員は礼儀正しくお辞儀をした。もっと厳格なオーラを放つおじさんとかが出てくると予想していたアヤは、親しみやすそうな人で胸をなでおろした。

 

「私、ヒナっていうんだ~。それで隣にいるがアヤちゃん!」

 

「あ、よろしくお願いします!」

 

「アヤさんとヒナさんですね。よろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして二人は、マヤに案内されながら展示室へ入っていった。展示室の中には予想どおり——いや、予想をはるかに上回る量の珍しい石や化石が展示されている。

 

「なんか……、すごい……」

 

思わずアヤは息をのんだ。気が付けば彼女はとある化石の前に吸い寄せられていた。

 

「これって……、本当に化石なの……?」

 

彼女が見とれているのは渦巻きを撒いた貝の化石だ。しかし、それはまるで宝石のように光り輝いているのである。

 

「あのすみません。これってどうしてこんなに光っているのですか?」

 

アヤは思い切ってマヤに尋ねてみた。しかしこの時彼女は知る由もなかった。これが、惨劇の始まりになるとは……。

 

「フヘヘ……、知りたいですか?この化石のヒミツを……」

 

「はい……」

 

アヤが恐る恐る返事をする。それに応じ、マヤの目の色もにわかに変化した。そして次の瞬間、マヤの口から恐ろしい量の情報がアヤに襲い掛かってきたのだ。

 

「フヘヘ、では簡潔に解説を……。この化石はオムライトと呼ばれる化石で、オムナイトの化石が様々な地質条件によって宝石に変化した貴重な代物でありまして——。あっ、そういえばそもそもオムナイトっていうポケモンご存じで?オムナイトとは主に中生代、あっ、中生代って言うのは約2億5217万年前から約6600万年前のことをさす言葉で、地質区分的には三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の三区分に分かれているっす!この時代にはガチゴラスやプテラ、トリデプスのような様々な有名な化石が見つかっているんです。あっ、すみません!話が反れてしまいましたね。いや、鉱物や化石の話になるとついつい話に熱が入ってしまって……。それでは再びオムスターの話をしましょう。オムナイトっていうポケモンは……」

 

もはや情報の嵐といっても過言ではない。しかし運が悪いことに、目を回すアヤを傍らでヒナがさらに燃料を注ぎ込んでしまったのだ。

 

「はい!質問があります!オムナイトは何を食べていたんですか?」

 

「フへへ!いい質問ですね~!オムナイトは肉食で、現在化石から復元した際にはポケモンフーズの他に魚介系の食べ物を与えることがほとんどなんですけど、彼らが生息していた当時に餌としていたものには諸説あるんですよ!例えば……」

 

マヤの顔は非常に活き活きしている。口が裂けても『止めて!』なんて言えるはずもない。しかし、話が止まる気配も一向に見られない。結局アヤは、抜き足差し足忍び足で音もたてずにこっそりとその場から離れたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あー!博物館面白かった~!また行こうね、アヤちゃん!」

 

「う、うん……」

 

その日の夕方、アヤは苦笑いを浮かべながらヒナとポケモンセンターの中に入った。内部は街の人や自分と同じような旅人でにぎわっている。だがヒナはそんなのお構いなしに人の波をかいくぐり、アヤをある機械の前に連れて行った。

 

「これは……?」

 

「じゃじゃーん!これがポケモンジムを予約する機械だよ!」

 

ヒナによると、ジムに挑むためには前日の20時までにこの機械で予約を入れるないといけないらしい。ジムリーダーに直接予約しに行くという手段もなくはないが、機械で行える手軽さからポケモンセンターで予約を入れる人がほとんどのようだ。

 

「これをこうして……、ここにこれを入力して……、え~っと……」

 

アヤは不慣れな機会を精一杯操作する。そして戸惑うこと5分後、自身のトレーナカードをスキャンすると一枚の予約券が発行された。明日は予約が入れられなかったので予約を入れられたのは明後日となってしまったが予約は無事完了である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、アヤは少し街を散策した後初めてのジム戦に向けた特訓を重ねた。そしてその日の夜、くたくたになった彼女はポケモンセンターの宿泊部屋のベッドに倒れるようにダイブした。

 

「これだけやれば、大丈夫だよね……」

 

しかしまだ不安だったアヤはポケットから一枚の紙を取り出した。これは、昨日の夜にポケモンセンターで貰ったタイプごとの相性が網羅された紙だ。

 

「えっと……草タイプは水タイプに強くて……。悪タイプは格闘タイプにつよ……、あれ?逆?」

 

昨日から暇があれば眺めているが、全く頭に入ってこない。たまらずアヤはヒナに助けを求めたが、ヒナは助言どころか衝撃的な言葉を発したのだ。

 

「ごめんねアヤちゃん。私もタイプ相性ほとんど覚えてないんだよね。いっつもビビッてきた技を当てれば、効果抜群なことが多いからさ」

 

「つまり、勘ってこと?」

 

「そうだよ」

 

「いいなー!私も勘で勝てるようになりたーい!」

 

アヤはそう嘆きながら、その日は眠りについたのであった。

 

 

 

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