バンドリの彩ちゃんがポケモンの世界を冒険するようです。   作:なるぞう

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忙しかったのと、それに伴うモチベダウンで投稿が遅れてすみませんでした。それでは記念すべき第五十話です!



※全話で紹介した、フロンティアブレーンが掲げているテーマのうち、応用力を「ひらめき」に変更しました。

※施設の名前をリバースハウスからバトルハウスに変更しました。


第五十話 ひらめけ!さかさバトル!

バトルフロンティア内にいる技教え職人達や技教えマニアから新しい技を教わったり、手持ちのコンディションを整えたり、アヤはヒナのアドバイスを受けながらバトルの準備に取り掛かった。そして、バトル当日。今日のバトルの舞台は、ひらめきをテーマにした施設『バトルハウス』だ。バトルハウスの外観はすこし大きでおしゃれな一軒家のようであり、アットホームな雰囲気が伝わってくる。ここのフロンティアブレーンの『自分の家のようにリラックスしてほしい』という願いを反映した建物らしい。が、アヤにはフロンティアブレーンの願いは全く伝わらず、建物の前であたふたしていた。人前に出る緊張もあるが、最大原因はバトルハウスで行われる「さかさバトル」と呼ばれるバトルの形式だ。ここの施設内には特殊な装置が仕込まれており、この建物内にいる限りポケモンのタイプ相性が逆になるようになっている。例えるなら炎タイプが草タイプに弱くなり、逆に水タイプに強くなるといった具合だ。しかし、そんな特殊なルールのおかげで、アヤはさかさバトル用のタイプ相性を覚えるので必死なのだ。彼女は昨日から必死にさかさバトル用の相性表とにらめっこしているが、全く頭に入らない。むしろ、見れば見るほどこんがらがっていく。

 

「もう無理!どうすればいいの、ヒナちゃ~ん!」

 

ついに音を上げて、アヤはヒナに泣きついた。ところが、彼女を待っていたのはヒナ語のフルコースであった。

 

「うーんと、なんかこー、いつもはヘナ~っていうのがシュッて感じでシュッガキンッっていうのがヘナヘナ~。だから、るんって感じでドーンバーンズガガーン!トゥルルルン♪って感じで戦えば問題ないと思うよ」

 

「ヘナ~?シュッ?ズガガーン?う~、もっと意味が分からないよ~!」

 

「そうかな?私的には完ぺきなアドバイスだと思ったんだけどな~。んー、とりあえず鋼タイプだけは出さないほうがいいと思うよ。鋼タイプっていろんなタイプに強いけど、さかさバトルではそれが裏目に出そうだからさ」

 

「つまり、ハガネールだけは出さないほうがいいってこと?」

 

「うん。それだけ気を付ければアヤちゃんなら何とかなる気がするな。さ、そろそろ時間だし、中に入りなよ!頑張ってね、アヤちゃん。私もギャラリーで応援してるから」

 

「う、うん!」

 

アヤは大きく深呼吸し、バトルハウスの中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒナと別れたアヤは、フィールドに続く通路で待機していた。目の前にある扉が開けばそこはもうフィールドだ。

 

「うーん、どのポケモンで行こうかなー。カブトプス……?でもムクホークやサーナイトもいいよね~」

 

彼女は気持ちを落ち着かせる意味も込めて、簡単な1人作戦会議をひらいていた。が、作戦会議の半ばで目の前の扉が開いた。いよいよ、アヤの晴れ舞台の開幕だ。

 

「よし!今日はサーナイトで行こう!」

 

アヤは作戦会議を終了させると、威勢のよくフィールドに入った。が、彼女の勢いもここまでだった。先日の観客の人数なんて比較にならない人数の観客、嵐のような声援、バトルの中継に来たテレビ局。それらがフィールドの中に入ったアヤに一気に襲い掛かった。

 

「えっ……」

 

静めていた緊張が一気に沸き上がる。立てた作戦なんて空のかなただ。さらに、アヤフィールドの中心までやってくると、今度はさらに大きな歓声が巻き起こった。どうやらフロンティアブレーンが入場してきたようだ。フロンティアブレーンは自分と同じ年くらいの少女。薄茶色の髪を束ねたふわふわなポニーテールが特徴的だ。

 

「バトルハウスにようこそ!私はサアヤ。名前は確か……、アヤさんですよね。今日はよろしくお願いします!」

 

フロンティアブレーンのサアヤはにこやかな表情だ。しかし、アヤは緊張でそれどころではない。

 

「あ……、よ……、よろしく……お願い……します……!」

 

カチコチの笑顔で文字と文字を無理やりつなげたような片言でアヤは答えた。そして、サアヤは笑った。

 

「そんなに緊張しなくてもいいですよ。リラックスしてバトルをしましょうよ」

 

「は……、はいぃ!」

 

アヤはまた変な返事をする。だが、その直後、観客席から熱烈な視線を向けてくるヒナの姿が視界に飛び込んだ。すると、気のせいか少しるんっ♪ってかんじがし、緊張が和らいできた。

 

「あ、緊張が和らいできたみたいですね。それじゃあ、さっそくアヤさんの『ひらめき』を見せてもらいましょうか?」

 

「ひらめき……?」

 

アヤは呟いた。この施設はひらめきを試す場所というのは知っている。が、どうしてさかさバトルを行うのだろうか。どうも、無意識に疑問が口から出たようだ。

 

「アヤさん、さかさバトルとひらめきがどこでつながっているか分かっていないみたいですね~。さかさバトルって、ほとんどの人にとってあまり馴染みがないルールじゃないですか。私は、慣れない状況を打ち破るためには今までの経験から生まれる一瞬の判断、すなわち『ひらめき』が大切だと思うんですよ」

 

サアヤの言葉はアヤのモヤモヤを払いのけた。この説明には納得である。うんうんと、頷くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、こうしてアヤとサアヤはフィールド越しに向かい合った。いよいよ、バトルの始まりだ。ヒナのおかげでアヤの緊張はあまりない。これなら全力をぶつけられそうだ。

 

「よーし、さかさバトル、頑張っちゃうぞ~!」

 

意気込むアヤ。しかし、彼女の中の作戦やヒナのアドバイスは、先ほどの緊張で完全にすっぽ抜けている。そんなアヤが出したのは、弱点まみれの鋼タイプを持つハガネールだ。

 

「えっ……!?本当にそれでいいんですか……?」

 

サアヤはまさかの選出に戸惑った。彼女だけでない、ギャラリーからもどよめく声が上がった。それを聞いたアヤは一瞬戸惑う。

 

(んー、とりあえず鋼タイプだけは出さないほうがいいと思うよ。鋼タイプっていろんなタイプに強いけど、さかさバトルではそれが裏目に出そうだからさ)

 

だが、すぐにヒナのアドバイスが蘇ってきた。そして、自分のミスに気が付きまた戸惑った。しかし、よくよく見れば周囲からは困惑と同時に期待も伝わってくる。こうなったら後には引けない。殿堂入りしたものとしての意地と見栄が、後に退くことを許すわけなかった。

 

「こ、これが私の作戦だよ!」

 

とりあえずアヤは大声でそう言ってみた。もちろん作戦の『さ』の字すら彼女の中にない。勝利は彼女のひらめきに掛かっているといっても過言ではない状態だ。

 

「なるほど~。それならば、私も手加減しないよ!いけ、ジャローダ!」

 

「ロ~ダ」

 

サアヤが繰り出したジャローダは高貴で美しい。思わず惚れてしまいそうだ。しかし、どうやらのんびり見とれている時間はなさそうだ。開幕早々、ジャローダは竜の波動を放ってきた。

 

「ハガネール、アイアンテール!」

 

「ネールッ!」

 

アヤはハガネールに自慢のアイアンテールで迎え撃たせる。だが、ハガネールはあっさり押し負けてしまった。ドラゴンタイプの技が鉄壁の鋼タイプを打ち負かす、さかさバトルならではの光景だ。

 

「ジャローダ、リーフストーム!」

 

「ロ~ダ!」

 

さらに、サアヤとジャローダはハガネールに攻撃を仕掛けた。ハガネールは地面タイプも併せ持っているおかげで致命傷にはならなかったものの、決して軽視できない威力だ。

 

「ガーネッ!」

 

リーフストームを受けた直後、ハガネールは反撃に出た。バトルフロンティアで習得した新技、『氷の牙』のお披露目だ。

 

「ジャロ~!」

 

しかし、新技は大してジャローダに効かなかった。

 

「そうだ、これはさかさバトルだから草タイプに氷は効かないのか……」

 

アヤはさかさバトルだということを忘れ、普通のバトルの感覚で指示を出していたようだ。徐々に気持ちが追いつめられるアヤ。それにつられ、徐々にひらめく余裕がなくなっていく。

 

「ガネ~ッル……!」

 

彼女が混乱し、指示を出しそびれている隙をつかれハガネールは二度目のリーフストームを浴びた。しかも、明らかにさっきより威力が上がっている。

 

「ど、どうして……!?」

 

ますます後がなくなっていくアヤに対し、相対的にサアヤは余裕そうだ。

 

「私のジャローダの特性はあまのじゃく。リーフストームみたいに使った後に威力が下がる技を、二度目以降に逆に威力をあげて使えるんだ」

 

リーフストームにそんなデメリットがあるなんて初耳である。最悪なタイミングで余計な情報が入り、もうアヤの頭は爆発寸前。だが、爆発する寸前、かろうじて冷静さを保っている頭のスペースでふと妙案が浮かんだ。

 

(さかさバトルって、相性が逆になるだけであとは普通のバトルと一緒だよね……)

 

思い立ったが吉日。アヤは再び反撃に打って出た。

 

「ハガネール、連続で氷の牙!」

 

「氷の牙……?アヤさんタイプ相性理解して……。いや、まさか!?」

 

戸惑いを隠せないギャラリーに対照的に、サアヤは唯一アヤの采配の意味を理解。氷の牙を少しでも防ぐため彼女とジャローダはすかさず恩返しや竜の波動で迎撃に打って出た。だが、ハガネールも歴戦の猛者だ。多少弱点となる攻撃を浴びたところで倒れやしない。自慢の耐久力を活かし、強引に攻め立てる。

 

「ガネールッ!」

 

激しい攻防を繰り広げた末、ジャローダが5発目の氷の牙を食らった時だ。ついにその時は来た。攻撃を受けたところを中心に氷が広がり、ジャローダの動きを封じる。ジャローダはアヤのねらい通りこおり状態に陥った。

 

「ハガネール、のろい!」

 

氷漬けのジャローダを前に、ハガネールは己の力を高める。この技を使うと自身の火力と耐久力が上がる代償に素早さが低下するデメリットがあるが、もともと遅いハガネールにとっては微々たる問題。ジャローダの氷に亀裂が生じ、時は慣れようとした瞬間、己の力を爆発させ地震を発生させた。

 

「ジャロロ……」

 

普段地面タイプに強いということは、今は地面タイプに弱いということ。これ以上の反撃も許されずジャローダは倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いや~、まさかタイプ相性を無視して技の追加効果で勝負を決めに来るとはね~」

 

バトルの後、サアヤは少し困ったような嬉しいような表情でアヤところに寄ってきた。

 

「えっ……、なんかダメでしたか?」

 

アヤがそう言うと、サアヤの表情から困った部分が抜けた。

 

「いや、ダメなどころかとてもいい采配でしたよ。アヤさんのひらめき、私も見習いたいです。ということで、アヤさんにはこの『ひらめきのトロフィー』をあげちゃいましょう!」

 

「と、トロフィー?」

 

「はい。バトルフロンティアでは、フロンティアブレーンに勝った証としてトロフィーを渡すことになっているんです。トロフィーはこれも含めて全部で8つ。頑張ってコンプリートしてくださいね!」

 

「うん!絶対に全部コンプリートしてみせるよ!」

 

アヤはトロフィーを受け取るとギャラリーにいるヒナの方を向いた。そして、それを高らかに掲げた。周囲の歓声をかき消すような叫びを、ヒナが挙げたのは言うまでもない。

 

 

 

 




おまけ:沙綾パーティ一覧
※本文では尺や展開の都合上省きましたが、フロンティアブレーンと戦うためにはモブトレーナーとのバトルをある程度勝ち抜かなければいけません。
そのため、手加減パーティと本気パーティをどっちも載せます。また、バトルフロンティアは特殊なルールが多くて、最適な技構成とかがいまいち筆者がわからないことがあるため、全員使用ポケモンのみの紹介です!

・手加減パーティ
☆ジャローダ
☆ケッキング
☆アマルルガ

・本気パーティ
☆ジャローダ
☆カビゴン
☆レジアイス

再戦するなら誰?(再戦時はダブルバトル)

  • りみ&たえ
  • 麻弥&蘭
  • 花音&薫
  • はぐみ&美咲
  • 宇田川姉妹
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