猫、拾いました   作:秋の月

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ガルフレのイベントを走っているわけですが、元気炭酸が底つきた代わりに、推しの東雲レイちゃんを4枚とマカロン1つ確保しました。いやぁ、万年金欠の私には辛いです。でも推しを手にするのも...プレイヤーの使命だと思います。


余談ですが、デレステのガチャ、ふみふみと言う嫁がありながら限定飛鳥とフレちゃん狙いで10連3回回しました。Sレアマキノ(限定でしたっけ)とよしのんSS(ダブり)が出ました。神は私を捨てたのでしょうか。


4話 猫と学校

人間は理解出来ないものが必ず一つや二つ存在する。友達の定義だったり、数学公式の立て方だったり様々だ。もちろん、俺も理解出来ないものがある。

 

〈聡くん、これ訳して〉

 

全て英語で行われているALTの授業だ。週一の授業ではあるものの、全て英語で行われると海外に来たのではという錯覚をしてしまう。

 

「えっと...彼は...トムが遅刻?している事を怒っていない...?何故なら、彼は遅刻の......なんだこれ...」

 

(常習犯だよ、長門クン)

 

「え?そ、そうなの?...常習犯だから...です」

 

〈ありがとう、もっとすらすら読めたら良かったよ〉

 

最初の「ありがとう」しか理解出来なかったぞ...。しかし遅刻し過ぎてこいつ呆れられてるんだな...。

 

 

俺は英語が苦手だ。更に言うなら化学も物理も苦手だ。彼らが何を言っているのかが理解できない。molってなんだ?なんで指数乗数が出てくるんだ?マイナスのエネルギーって何だ?マイナスって力がねぇじゃんか。何故動くんだ。動摩擦係数って何だよ、関係代名詞ってなんだよ...。

 

結論を言うと、俺の思考回路は滅茶苦茶だ。

 

「長門クン...ちゃんと勉強しよっか」

 

「...はい」

 

無慈悲だが正論が飛んできて、思わず机に伏せてしまった。中学の頃の俺を憎みながら、俺は課された課題にのしかかり、睨みつけた。別に答えが出てくる訳では無いが。

 

「重症だね...普段はどう乗り切ってるの?」

 

「教科書丸暗記してる」

 

「えぇ...」

 

「因みに前回は40点」

 

「赤点ラインすれすれだよ...」

 

あれは危なかったと同時に、回避した喜びが強かった。本当に神に救われたと思ってしまうくらいには強かった。今回も救われるとは限らないが、俺は信じたくなる。だから取り敢えず課された課題をやって丸暗記に...

 

「みくがちゃんと教えてあげるから、真面目にやろうね」

 

「...はい」

 

難しいものだ、英語は。

 

―――

 

昼休み、俺は教室の騒がしい空間が苦手でいつも一人屋上の階段に座り食っている。幸いな事に俺たちの校舎の屋上は立ち入り禁止になっていて、人が来る事は無いのだ。今の所一度も他の生徒の姿を見た事が無い、完全に俺一人の空間を作る事が出来る場所なのだ。誰かと居るのが嫌いな訳ではない。それなら朝だって喋らない。ただ昼はゆっくりと食べたいんだ。ゆっくりし過ぎて何回か居眠りこいて放課後になったとかあるけど、それは仕方ない事だ。人間なのだから、間違いはある。俺はそれを訂正するつもりは毛ほども無いけどな。威張って言う事では無いが、基本一人だし良いだろう。俺は朝前川が作っていた弁当を取り出し蓋を開ける。俺が作る一色の弁当と違い、それは鮮やかなものだった。茶色い弁当とは違い、少し野菜が多めで、朝食卓には並んでいなかった卵焼きも入っている。思わず「美味そうだ」とこぼしてしまったが、前川の料理の腕からして安心だ。同じ一人暮らしでここまで差が開くとは、彼女は一人暮らしをする為に並大抵じゃ済まない努力を重ねたのだろうか。俺も重ねれば出来るのだろうか...今度の休日にでもやってみようか。

 

卵焼きは甘かった。下手したら戦争ものだが、不覚にも美味しいと感じてしまった...。

 

―――

なんで女の子の手料理は自分で作るより美味しく感じられるのだろうか、なんてことを考えながら少しぬるくなったお茶を飲んでいると、昼休みの終わりを告げる予鈴がなった。腰を上げそのままゆっくり階段を下ると、外でサッカーでもしてきたであろうサッカー部のクラスメイトが走り、騒ぎながら過ぎていった。少しは静かに出来ないものかと心の中で愚痴をこぼして教室に入る。席に着くと前川が「どこに行ってたの?」と聞いてくるので、俺は「ベストプレイス」とだけ答えておいた。あそこは一人でいたいから居るのだ。ぼっちだと馬鹿にされるが、冬場は陽射しが入り、結構暖かくてお気に入りなのだ。夏頃は嫌なほど暑いけど。

 

「弁当美味かったぞ」

 

作って貰っている立場なのだからこの言葉は欠かしては駄目だろう。恩は返すのが美学なのだ。着せた恩は返す必要は無いけどな。まあ、考え方だろう。恩を返せなんて言葉俺は言いたくないからな。

 

「ありがとう、でも直接言って欲しかったなぁ」

 

「夕飯の時にでも言うよ」

 

「美味しいの前提なのね...それはミスできないよ」

 

不味いものは不味いと言わないと成長しないからな。でも前川の料理は基本美味しいのだと思い込んでいる俺からすると、多分不味い時は来ないよなと思う。

 

「食べてるもの飲んでるものはさっさと飲み込めい!揃ってるな...全員起立!」

 

チャイムが鳴っていたらしく、古典の先生が来ていた。

 

「そんじゃあ素読からやってくからな、頑張れよ」

 

会話は切り上げ、教科書の中身を読み上げる。本文を読みながら隣の前川の声に耳を傾けると、流石アイドルと言うべきか中々良い声で読み上げる。アイドルは歌って踊る以外にも仕事はあるし、そう言う所を活かせば良いのではと思うけどなぁ...。選ばれない。それが彼女を蝕んで居るのだろう。それは恐怖心。トップアイドルを目指す事に置いて選ばれないと言うのは、自分が宝石に紛れ込んだただの石ころと思われるし、何より才能が無いと言う理由で切り捨てられると思わせるものだ。前川は新人なのでまだ切り捨てられるには早いが、少なくともそんな恐怖心はあるのだ。

 

「ゆっくりでも良いからしっかり読めよー」

 

考え事はこれ位にしないとだな...と無意識的に本文の七割を読み終えた俺は、残りの内容を頭に入れるように読むのだった。しかし本文読むのは重要なんだな...。内容が理解しやすくなる。ただ昼飯食った後の午後というのもあり、本文読んだ後の語句の解説は舟を漕ぎかけている。古典は分からないでもないが、それでも語句が一つ一つ難しい。理解するのに時間がかかり、結果とても眠くなる。俺だけではない。俺の前の奴は眠たそうに頭を抱えている。少し前の奴は完全に落ちている。あれはスリープモードを超えて最早シャットダウンだ。減点街道まっしぐら、テストの成績が最悪な事に。雑談混じりではあるものの、やはり眠くはなるのだ。古典の先生は最初の授業で「眠いなら寝てくれても構わない。生徒が寝る要因の一つは授業がつまらないだからな」と言っていた。寝る事は問題は無いのだ。(実際は授業態度とか関わるから問題しか無いのだが)しかしなんか裏切れない。先生の期待答えたいと言う気持ちが強い。

 

「それじゃあ解説も終了したし、少し早いけどこれで終わりだからな。お疲れ」

 

あっという間に授業が終わるなんて、ご都合過ぎる気がするが、そんな授業聞いていても滅入ってしまう。

 

―――

 

放課後を迎えた。俺も前川も部活には所属しておらず、俺らはそのまま帰路に着いた。

 

「ってやっぱり喋らないんだ...」

 

「...まあ、これが基本だしな」

 

改めるつもりは無いが、今日は少し用事がある。

 

「スーパー行くぞ、肉とか買わんと冷蔵庫空だろ?」

 

「今行く?帰ってからでもいいと思うけどなぁ...お金あるの?」

 

「寧ろ無かったらそんな事言わねぇよ...と言いたいが先に銀行で降ろさないとなんだ。まあどちらにしろ避けて通れん」

 

「それじゃあ着いていくよ。美味しいものを食べて欲しいから、自分で良い物を選びたいんだ」

 

前川...なんていい奴なんだ...。ぼっちの俺にも優しいし、頑張り屋だし...しかし、そんないい奴でもアイドル業界では埋もれてしまうのか...。

 

「それで、長門クンは何食べたいの?」

 

「焼き魚と言ったら?」

 

「引っ掻くにゃ」

 

猫キャラなら猫キャラらしく魚を克服するべきなのでは...でも猫って生魚だか駄目だった気がするな...。

 

「まあ、前川に任せるよ。前川の作る飯は美味いからな」

 

「な、なんでもってのは困るにゃ...そう言ってくれるのは嬉しいけど...」

 

...乙女の心は複雑なんだな。




中学時代、英語の点数は30点付近をさ迷ってました。
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