聖者ホトケと神の孫ベル   作:カイバーマン。

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二十三説 攻略、蝋人形の館

遂に仏達の前に姿を現した悪魔神官・ハーゴン

 

しかしその時既に、彼はたった一人の少女にボコボコにされ敗北を喫していた。

 

「あー……とりあえず無事で良かったねベル君」

 

「え? あ、はい、それよりどうしたんですか仏様、リューさんまでいるし何かあったんですか?」

 

「うんまあ、何かあったからここに来ている訳なんだけど……その何かが来る前に終わってました……」

 

久しぶりに仏はベルと出会う事が出来たのだが、ベルの方は至って無傷の様子で何故仏達がいるのか自体よくわかっていない様子。

 

これには仏も苦笑しか出来ないでいると、彼の代わりにリューがヌッと前に現れてベルに話しかける。

 

「お久しぶりですクラネルさん、どうやら死んではいなかったみたいですね」

 

「あ、どうもこんにちわリューさん、死んではいないですけど……どうしたんですか皆さん揃って」

 

「あなたが数日の間オラリオに戻ってこないからシルが心配していた、だから私が彼女の代わりにあなたを探しにやって来たんです」

 

「えーそうだったんですか! ご、ごめんなさい! 早く帰ろうとは思ってたんですけど!」

 

リューから話を聞いてすぐにあたふたとしながら謝るベル、どうやら彼自身は長居せずにさっさとオラリオの街に戻ろうと思っていたらしいのだが……

 

「アイズさんがどうしても銀色ヌメヌメモンスターを倒すって聞かなくてですね、それでも仏様のお告げ通りに一緒について行ってたら、いつの間にか一人じゃ帰れない中層地点にまで来ちゃって……」

 

「銀色ヌメヌメ? よくわかりませんが彼女の後を仏のお告げ通りに追いかけたら、いつの間にかこんな所にまで来ちゃって帰れなくなった訳ですね」

 

後頭部を掻きながら申し訳なさそうにこんな所にまで来てしまった経緯を話すベルに頷きつつ、彼がふと漏らした言葉にリューの耳がピクリと反応し

 

「ん? 仏のお告げ?」

 

すぐに横に振り向いた。

 

「ひゅ、ひゅひゅ~、ひゅ~ひゅ~ひゅ~……」

 

「……口笛出来てませんよ」

 

こちらに泳いだ目を逸らし、口を尖らせて必死に口笛を吹いて誤魔化そうとしている仏にリューは冷ややかな視線を向けながらそっと歩み寄る。

 

「あなたがクラネルさんに余計な事を言ってこんな所にまで行かせた元凶だったんですか、なるほど、通りで今回の件を早急に解決しようとしていた訳だ」

 

「あの、むっつりさん、スネの部分に軽い蹴りを連発するの止めて下さい、ホント、ホント地味に痛いから」

 

「大方あの金髪の方もあなたが変な事吹き込んだのでしょう、銀色のヌメヌメモンスターとか言いましたっけ? なんですかそれ? あなたが面白半分にふざけてでっち上げたんじゃないでしょうね?」

 

「いやそれを吹き込んだのは私じゃなくて金髪キノコヘッド……あ! 徐々に! 徐々にスネへのつま先キックの威力が上がってる!」

 

顔は相も変わらず真顔ではあるが、リューの蹴りは段々と速くなっていき仏のスネにみるみるダメージが蓄積されていくのであった。

 

その一方で仏とリューと共にここへ来ていたベートはというと

 

「おいアイズ! テメェ何一人で勝手に行動してんだコラ!」

 

「ごめんなさい、どうしても銀色のヌメヌメのモンスターを見つけたかったから」

 

「ぎ、銀色のヌメヌメ……? なんだそりゃ?」

 

密かに想っている相手ではあるがここはビシッと言っておかねばとベートが厳しく問い詰めようとすると、アイズは無表情で単独行動した経緯を話し始める。

 

「そのモンスターを倒せば、一気にレベルが10以上上がるらしい」

 

「はぁなんじゃそりゃ!? 聞いた事ねぇぞそんな話!」

 

「前に勇者の仲間らしき変な髪型とホクロを付けた男から聞いた」

 

「変な髪型はわかるけど変なホクロってなんだよ……そんな胡散臭ぇ野郎の話なんか真に受けてんじゃねぇよバカ」

 

倒すだけでレベルが10以上上がる魔物……それが本当なら今頃冒険者達は血眼になってその魔物を探そうとするであろう。

 

しかし冒険者として長いベートであってもそんな魔物の話は聞いたこと無いし、何よりその情報元が勇者の仲間とかあまりにも馬鹿馬鹿しくて信じられない。

 

「騙されたんだよお前、ったく戦姫と呼ばれるぐれぇ腕はあるクセにそういう所はまだまだガキだなお前、やっぱこの俺が傍にいてやらねぇと、危なっかしくて仕方ねぇぜ」

 

「この男からも聞いた、銀色のヌメヌメモンスターは確かに実在するって」

 

「え、今、自然な流れでサラッと遠回しなアプローチかけたのに普通に無視された俺?」

 

忠告と共にさり気なくちょっとした誘い文句を言ってみたのだがあっさりスルーされ、ベートは少しショックを受けるものの

 

「この男って……この見た目だけは強そうに見えて、結局はお前一人で楽に倒せた拍子抜け悪魔か」

 

「ちょっと捻ったらすぐ泣いちゃった」

 

「うーまさかこの世界にこんな恐ろしい小娘がおったとは~……」

 

アイズが指さした方向にいる、既にボロボロにされながらも顔のメイクは完璧なハーゴンの方へ振り返る。

 

既にアイズ達に歯向かう気力も戦意も失せているのか、館の壁に背を預けたままグッタリしながら落ち込んでいた。

 

「せっかく我輩が元々いた世界から連れて来た魔物達を容易く倒してしまうし……なんなのよもう、強過ぎではないか、普通あそこは素直に捕まって吾輩の人質にされるのがセオリーじゃないの?」

 

「あ? 元々いた世界から連れて来た魔物? テメェそれひょっとして……」

 

ブツブツと不満げな声を漏らしているハーゴンにベートはピクリと方眉を上げた。

 

「俺達がここに来るまでに出くわした奴等の事か? 見覚えのねぇ奴等ばかりだったがテメェが用意してやがったのか」 

 

「フハハハハッ! その通りよ! どうだった吾輩が破壊神様復活の為に用意した魔物達は! 貴様の仲間は一体どれほど死んでしまったのであろうな!」

 

「あ? ちとヤバい目には遭ったが別に誰も死んでねぇよ、ほとんど倒したしな」

 

「うそ~ん……こっち結構集めるの苦労したのに~……」

 

やはりあのダンジョン内に現れた未確認の魔物達の正体は、ハーゴンが連れて来た魔物達であったらしい。

 

それに気づいてくれた事にちょっと元気を取り戻したのか、嬉しそうに高笑いを上げるハーゴン

 

だがベートの口から結局誰も倒せずにほとんどやられてしまったと聞いて、再び元気を失いしょんぼりするハーゴン。

 

そんな彼を見下ろしながらアイズが隣にいるベートに説明を続ける。

 

「この男が私達に襲い掛かった時に操っていたモンスターの中には、私が探し求めている銀色のヌメヌメモンスターと似通ったモノもいた、形がちょっと違ってたり色が違ってたりと惜しいのはいたのだけど、私が探している奴だけは全く見つからない」

 

「マジでいんのかよ銀色のヌメヌメ……そういや緑色のヌメヌメなら戦ったな、毒にされてヤバかった記憶しかねぇけど」

 

「だからこうしてこの男を殺さずに、銀色ヌメヌメがどこにいるのか居場所を吐かせようとしている」

 

「強くなる為ならお前ホント容赦ねぇな……」

 

元々アイズが強さに固執しているのは知っていたがまさかこれ程とは……

 

いるかどうかもわからない魔物を探し続け、そしてその魔物を知る者をとっつ捕まえると、無理矢理吐かせる為にボコボコにする、これには流石にベートもちょっと引いた。

 

「んで? その銀色ヌメヌメの情報はまだゲロらねぇのかコイツ」

 

「存在する事までは聞けたんだけど、肝心の居場所の事についてはまだ白状しない」

 

「だから何度も言っているであろう! 吾輩は確かにあの魔物の事は知っているが! ホント何処にいるのかまでは皆目付かないんだって!」

 

未だアイズに執拗に尋問され続けていたハーゴンは、本当に知らなそうに慌てて叫ぶ。

 

「その魔物の正体はまさしく『はぐれメタル』! とんでもない防御力を持っていながら逃げ足も速く! 強力な呪文を扱える一方で相手の呪文は一切受け付けない! そして極めつけは、そ奴を倒せば膨大な経験値が貰えるという事だ!」

 

「それはもう聞いた、だからそいつがどこにいるのか教えて」

 

「いやだから! 知らないって吾輩でも! 確かに1体だけこの世界に連れてきたよ! けどアイツってば滅多に人前に出ない超レアな魔物なの! いくら吾輩でも何処にいるかまでは知りません! ハイこの話は終わり! 相撲の話しよう! 吾輩は相撲の話ならいくらでもするぞ!」

 

「わかった、それならもうあなたに用は無い、ここで始末する」

 

「ひえぇなんなのこの娘……可愛い顔して容赦ないなホント……もう吾輩ホントこの子やだ……」

 

こちらを冷たく見下ろしながら躊躇なく始末する気満々のアイズに、ハーゴンはすっかり心身共に疲れ切った様子で彼女の事を怖がっていた。

 

すると彼等の所へ他のメンバーも集まって寄って来た。

 

「クラネルさん、このハーゴンという変な悪魔に何かされませんでしたか?」

 

「いやぁ、魂を寄越せとは言われましたけど……空気も読まずにアイズさんが速攻で倒しちゃったんで結局何も無かったです、やっぱりアイズさんは凄いです、色んな意味で……」

 

「ハッハッハ! 何はともあれみんな無事で何よりだよね! 物語的にはアレだけどみんな幸せならそれでいい! うん!」

 

リューとベルが会話する中、自分達が来る前に倒されてしまったハーゴンを見ながら

 

すっかりこの事件を解決した感じで朗らかに笑って締めにかかる仏であった。

 

 

 

 

 

「だからむっつりさん! もう私のスネはボロボロだから蹴るの止めて!」

 

そしてそんな勝手な事を今までしておいて勝手に幕を下ろそうとする仏を

 

未だにリューは許さず容赦なく彼のスネを蹴り続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

そして一件落着と言ったムードが漂う中で

 

 

 

「マズイ、このままでは破壊神様がご復活出来ない……何処か……何処からか吾輩に幸運が巡って来れば……」

 

アイズに打ちのめされすっかり諦めているのかと思いきや

 

未だハーゴンの目はまだ死んではいなかった。

 

「破壊神様を再びこの地に蘇らせ……! こ奴等だけでなく世界の人間共を支配できる……!」

 

狙いは破壊神の復活、それで全てが引っくり返せると確信しながら一人静かにほくそ笑むのであった

 

 

 

 

 

 

一方その頃、仏達とはぐれていたヘスティア一行はというと

 

彼等から少し遅れて、蝋人形の館の近くへと来ていた。

 

「うわ見て下さい! いかにもな怪しい建造物がありますよ!」

 

「あからさま過ぎて逆に不安になるな、警戒しつつ中に入るとしよう」

 

「間違いない……! ボクのベル君はここにいる! もう女神レーダーがビンビンだよ!」

 

目の前に現れた館を前にしてリリが指さして叫んでいるとオッタルとヘスティアも乗り込む気満々の様子。

 

仏達とはぐれてからも、彼等との合流を優先的に考えていたヘスティア一行であったが

 

敵の本拠地と思われるモノが目の前に現れれば、それはもう行くしか選択が無かったのである。

 

しかしそこで、背後から思わぬハプニングが……

 

 

 

 

 

「……どうも、木吉さん♂」

 

「む、背後からボクと同じ神の気配……! は! 君は!」

 

「はい? また一人で騒いでどうしたんですかヘスティ……うわうわうわ!!」

 

ふと後ろから男らしい声がボソッと呟くと同時に、自分や仏と同じく神の気配を持った者が後ろにいるとヘスティアが後ろに振り返るとそこにいた人物に素っ頓狂な声を上げ

 

その声にリリも怪訝な様子で振り返ってみて思わず変な声を上げてしまう。

 

なんと等館に突入しようとしている三人の背後に突然現れたのは……

 

 

 

 

 

 

「巻いて食えやプーさん?」

 

「ななな! なんですかこのパンツ一丁のムキムキ男は~~~!」

 

「何言ってるのさ、どう見ても兄貴に決まっているじゃないか」

 

「兄貴!? ヘスティア様にこんな凄いお兄さんがいたんですか!?」

 

「ボクだけの兄貴じゃないよ、兄貴はみんなの兄貴さ」

 

「言ってる事がよくわかりませんが!?」

 

屈強な肉体を惜しげも無く曝け出し、身に着けるモノは下着のみという男らしいスタイル。

 

そして更に男らしさの磨きをかける角刈りをバッチリ決めて

 

兄貴♂ファミリアの主神であり、良い男を見つけるとついイタズラしちゃう兄貴が

 

まさかのダンジョン内に降臨なされたのだ。

 

「しかしどうして兄貴がこんな所にいるんだい? ボクや仏と違ってダンジョンに来る理由なんて無いだろうに」

 

急に現れ歩み寄って来た兄貴にヘスティアは怖がりもせずに気軽に話しかけると、兄貴は気さくな態度で彼女にペラペラとここに来た経緯を話し始めた。

 

「風神卍雷神、最強トンガリコーン、鎌田さんは専門だ、専門だけん、結構すぐ脱げるんだね♂」

 

「はは~なるほどねぇ~」

 

「ぐるぐるぐるぐるポン! 東国原夢見るな、カモン!カオスボーイ! ナウい♂ベーコン」

 

「ほうほう」

 

するとヘスティアはうんうんと頷いて

 

「そんな理由で来るなんていかにも兄貴らしいや、ホントに変わりモンだよ君は」

 

「えぇー! 今のわかったんですかヘスティア様!? 兄貴がなんて言ったか通じたんですか!?」

 

「うん、以前ロキの所の子と遊んだんだけど、どうしてももう一度会いたいと思ってホイホイボク等の後をコッソリついて来ちゃってたんだってさ」

 

「本当に理解してる!」

 

「神々の間では兄貴語を覚えるなんて基本中の基本だよ、兄貴の言語を理解出来なかったら神失格とまで言われてるぐらいだしね」

 

「兄貴語!? 神様というのはそんなモノを覚える必要があったんですか!?」

 

「ガネーシャなんて自分で普通に喋れるぐらいだしね、ボクは理解は出来るけど兄貴語での対話はまだ出来ないんだ」

 

「えぇ~……」

 

どうやら神々の間では兄貴が使う言葉を理解する事は必須だったらしい、彼の言葉を理解出来ぬ者はまだまだ神として半端モンという烙印を押されるぐらい、兄貴語はとても大事なのだ・

 

「そんなモンを覚えるぐらいならもっと世の中をより良い方向に導いて下さいよ……」

 

「寒イボが出てるけど寒いん? 蟹になりたい?」

 

「え……今私になんて言ったんですかこの人?」

 

「ハッハッハ! 兄貴! 今のジョーク最高!」

 

「なんで爆笑してるんですか!? 怖いんですけど!」

 

こんな時でもユーモアを欠かさない兄貴のウィットに飛んだ小粋なジョークにヘスティアは腹を抱えて大爆笑。

 

リリはますますこの兄貴という未だかつてない神の存在に困惑していると

 

「全く、既に神を2柱も連れているというのに、また新たな神がお出ましになるとはな」

 

「どうしましょうかオッタルさん……」

 

「どうするも何も、お帰り願うしかないだろ」

 

先程まで無言で兄貴をジロジロと見ていたオッタルがようやく口を開いたのだ。

 

彼にどうするべきかリリが尋ねると、ため息交じりにすぐに決断を下す。

 

「確かにこうして間近でみるとそのはち切れんばかりの素晴らしい肉体に思わず魅了されてしまうし、何時までもじっと見ていたいという欲求もあるが、未だ未知なる現象が起き続けるこのダンジョンに居ては危険だろう、彼の美しい肉体を魔物に傷付けさせたくはない、即刻この場を立ち去ってもらおう」

 

「言ってる事が凄く怪しいし気持ち悪いんですけど……あなた本当にフレイヤ・ファミリアなんですか?」

 

「当たり前だ、俺にとってフレイヤ様こそ全てだ、ううむそれにしても実に惚れ惚れする肉体だ、一体どうやってあんなに鍛え上げたんだ……改めてお会いした時にゆっくりとお聞きしたい……」

 

「いやなんかもう、完全に兄貴の体に魅了されちゃってますよねあなた?」

 

純粋に兄貴の肉体美に憧れているのか、それとも別の意味で兄貴とお近づきになりたいのか怪しい言動を取るオッタルに、軽く恐怖を覚えてリリがドン引きしていると

 

そんなオッタルの存在に気付いて兄貴はニヤリと笑いながら彼を見つめる

 

「イケメ~ン? イケメ~~ン?」

 

「あれ? 兄貴がオッタルさんに対して急になんか言い出したんですけど、兄貴はなんて言ってるんですかヘスティア様?」

 

「あ、ヤバい、どうやら兄貴はロキファミリアの子と遊ぶ前に君と遊ぼうとしているみたいだ」

 

「へ~なるほど~……うええぇぇぇぇ~~~!?」

 

「ほう……」

 

ボソッとヘスティアが呟くとリリは素っ頓狂な声を上げて慌てるも、オッタルはひどく冷静な態度で静かに頷いた。

 

「残念ながら俺はもう既にフレイヤ様に虜にされた身、いかにその肉体美をもってしても俺はそんなモノに全く興味は無い、俺にとって寵愛を承る相手はフレイヤ様唯一人、お引き取り願おうか」

 

「ああん? 脇目のプーさん?」

 

「マズイ! 兄貴はもう完全に君をターゲットとして認識したみたいだ! 逃げないと大変な目に遭わされるよ!」

 

「フ、俺はこれでも冒険者として中々の腕を持っていると自負している」

 

ジリジリと彼の方へニヤニヤしながら歩み寄る兄貴に、慌ててヘスティアがオッタルに逃げろと警告するも

 

彼は鼻で笑って一蹴する。

 

「神であろうとこの地で力を使えないのであれば、後れを取る事などあり得ない」

 

「歪み♂モンスター♂」

 

「いいだろう、その筋肉を傷付けたくないが、この俺と本気で戯れると思っているなら、覚悟しておいた方が良いぞ」

 

「仕方ないね♂」

 

嬉しそうに近づいて来る兄貴にオッタルは挑発的な物言いをしながら、相手が神であろうと負ける気はしないと強い自身に満ち溢れていた。

 

例え兄貴であろうと、フレイヤに忠誠を誓う自分が屈する事などあり得ないと確信した笑みを浮かべて

 

 

 

 

 

 

5分後

 

「ナイスでーす♂」

 

「アァーーーーーーーーーーーッ!!」

 

「……今、兄貴に物陰に連れ去られたオッタルさんの悲鳴が聞こえた様な……い、一体何があったんでしょう……」

 

「考えない方が良いよ、彼はきっと、兄貴に新たな可能性を教えてもらったんだよ」

 

「うわぁ……」

 

瞬く間にこちらから見えない場所に兄貴によって連れ去られたオッタルの悲鳴を聞き

 

リリは静かに両手を当てて合掌するのであった。

 

次回、解決? 蝋人形の館。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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