ーーーーーーーーー人の子よ。
………あれ。ここはいったい…。
ーーーーーーここは世界から切り離された場所。本来なれば、何者も立ち入ることができぬ。ましてや、人の子よ。貴方なら尚の事な。
人の子って………。それにこの声はどこから?
ーーーー私に形はない。神という概念そのものである故な。今私は、あなたが親しんだ言語を、記憶の中から借りている。
…………………は、はぁ…?
ーー混乱するのも無理はないが、話を進めよう。ここは世界の外側。先もいった通り、本来何者も入ってはいけない場所。長く留まることはできない。
……その、そもそもどうしてそんなところに俺がいるんです…?
ーー纏めて話そう。これから話すことは全て真実だ。心してほしい。
まず、君は死んだ。今は実感がないだろうが、その内思い出すだろう。
本来なれば、死んだものの魂は輪廻の輪を巡り、新たな入れ物に入る。これが輪廻転生というもの。
しかし、君はその輪から外れてしまった。行き場のない魂は二度と輪廻には戻れない。そのまま消えてしまうはずだったが、どういうわけか今君はここにいる。
であれば、人の子よ。君には二つ選択肢がある。
このまま消滅するか。 世界を渡るか。
さぁ。どうする。
……………………………まだ、頭が追い付いてないです。けど、思い出しました。確かに俺は死んだみたいです。それもあっけなく。
なんか、妙に冷静で恐いくらいだけど、今はそんな場合じゃないんですね。
ーーーそう。君はもうじき消滅する。その前に選択をしなければならない。無か、生か。
……聞いて良いですか?転生を選んだ場合、俺はどうなるんですか?
ーーーー通常魂は入れ物にはいった瞬間から、以前の情報は失われる。
しかし、君は例外。本来消滅する筈だった魂は、魂としての形を保てない。つまり、入れ物にはいっても消滅は免れない。
……なら、結局消滅するんじゃ?
ーーーそのままいけば。だからこそ、私が転生させると言った。形が不安定な魂に、保てるほどの力を注ぎ、整形する。そうして、転生は成る。
……よくわからないけど、転生できるんですね?なら、転生します。
ーーーふむ。了解した。であれば力を与える。
………力って具体的になんですか?
ーーー君の記憶を見たが、漫画か。人と言うのはなかなか面白いものを作る。
これからいく世界は、所謂パラレルワールド。それは無数に存在している。当然創作物の世界もな。どれにいくかは君の運命が導くだろう。
力も君の記憶の中からランダムに選ばれる。
…………創作物ってことは、漫画の世界ってことだよな。中には命が消えるものも多くある。怖いなぁ
ーーーそろそろ時間だ。これ以上は君の魂が持たない。
………あ、はい。お願いします。
ーーーでは、さらばだ。人の子よ。