英雄の力をもって。   作:マーサン

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転生した先は。

新しい世界で初めて目にしたものは、鬱蒼と生い茂る森のなかだった。

 

 

まさかの森スタートである。これは想定してなかった。

 

 

「えぇ…。せめて人がいるような場所がよかった…。」

 

転生早々ぼやいてしまった。

 

ん?聞きなれた自分の声じゃない気が……。それに視界に入ってくる金色の髪…。俺は純日本人なので黒髪だったはず。勿論染めていたということもない。

 

「まずは自分がどうなってるか確認しないと。」

 

どこかで見たような気がする服の中を調べるが、鏡などはないらしい。当たり前か。

 

 

 

「となると、近くに川とかないかな…」

 

ここがどんな世界なのかわからないうちは動きたくないが、どっちみち森のなか。危険なのは変わらない。

少し探索しよう。

 

 

 

 

 

勘を頼りに森のなかを歩く。体感で30分くらいだろうか。ふと耳を澄ませると、なにかが流れるような音が聞こえてきた。

 

 

「この音は……川だ!」時折音を確認しながら足早に進んでいく。

 

程なくしてそれなりに大きい川に出た。

 

 

 

 

「よかった。警戒はしてきたけど、なにもでなかったな。運がいいのか、何もいないだけなのか…。」

 

 

内心かなりビビりながら歩いていたため、ホッと安堵する。

 

「ん。川も綺麗だし、飲み水としてもいけそうだ。ついでに休憩しよう。……まずは確認だな。」

 

 

 

 

そういって川に自分の顔を写してみる。

 

そこに写ったのは、少し長めのツンツンした金髪。中でも前髪の横辺りが長い。眼は碧眼で涼しげな印象。すごいイケメン………って!?

 

 

 

「よ、四代目火影!?」

 

 

本名、波風ミナト。地球では○ャンプの作品に出てくる英雄として生を終えた人。妻子持ち。その人に俺はなっていた。因みに額当てはないようだ。

 

 

「あ、だからこの服装!」

 

今思えば何故気づかなかったのだろうか。少しアレンジした上忍の格好に火影の羽織。これだけでもう解る様なものなのに…。

 

 

 

「ということは、俺に与えられた力って…。」

 

『そう。俺の力だよ。』

 

 

「え?」

 

 

声が聞こえた。あのときみたいに周囲に人はいない。だけど、あのときと違うのは、体の中から響くようなーー

 

 

 

『そう。俺は君のなかにいる』

 

いつの間にか景色が変わっていた。今まで川のそばにいたのに、周囲は真っ白。だけど、暖かい光に満ちている。そしてーーー目の前に四代目、波風ミナトが立っている。

 

 

「え…?な、なんで」

自分でも驚くほど弱々しい声が出た。少し恥ずかしい。

 

『あはは。そんなにビックリしたかい?』

爽やかに笑う英雄。やばい、めっちゃ緊張してる。

 

 

「だ、だって、貴方は」

ーー漫画の中の人。そう口から出ようとして、直前で止める。いくらなんでも、目の前にいる人に言うことではないと思ったから。

 

 

『うん。俺は君の世界でいう漫画の中のーー創作物の存在。実在した人間ではない。』

 

だけど。そう続けるこの人の顔に、悲壮感はなく、むしろ清々しいものだった。

 

『俺には、あの世界の記憶や経験が、今も胸に残ってる。 それだけで十分だよ。』

 

ーー強いと思った。この人はまさしく英雄だと。俺だったら。もし俺が作られたもので、実際に存在していたわけではないとしたら、きっとこんな顔はできない。

 

逆に自分がネガティブになっていると、空気を変えるように手を叩くミナトさん。

 

 

『さぁ、本題に入ろう。君を呼んだのには理由がある。』

 

「理由…ですか?」

 

『あぁ。確かに君は俺の力を持っている。だけど、そのままでは使えない。何故かわかるかい?』

 

「えっと、力を持っていても、それを使う技術がないから…ですか?」

少し詰まりながらも、なんとか答える。

 

『そうだ。持っていても使い方を知らないのでは意味がない。今の君はそんな状態なんだ。』

 

 

なるほど。そういわれれば確かに。いくら漫画で知っているからって、チャクラの出し方や、術の発動はわからない。

 

 

『それが君を呼んだ理由さ。』

「もしかして、ミナトさんが直々に教えてくれるんですか!?」

 

もしそうなら、心が踊る。あの英雄に直接教えてもらえるなんて!

 

『そういうこと。』

 

悪戯っぽく笑うミナトさん。何だか近所のお兄さんみたいで親しみやすい。これが人望が厚い理由のひとつなんだなぁ……。

 

「って、どうやって修行を?外には出れないですよね?」

そうだ。ミナトさんは肉体を持っていない。あくまで俺の中でのみ存在してるんだ。

 

 

『修行はここを使うよ。ここでしか俺は活動できないからね。といっても、このままじゃ内容も限られるし、弄ろうか。』

 

 

ミナトさんがそういって指をならすと、景色がまた一変した。

 

今度は森のなか。近くに湖や的もある。ここで教わるんだな…。

 

 

 

『修行をするにあたって、注意することがある。まず、修行はここでする。そうなると、外の体は無防備になってしまう。』

 

「あ。じゃあ修行をする場合は安全なところを見つけないといけないんですね?」

 

正直忘れてた……。っていか、今も結構危ない状況では?

 

『うん。それと、俺はここから外の様子が見えるんだ。だから、修行中は俺の影分身が様子を見ておくよ。因みに今も見ているが特に危険はないよ。』

 

 

ほっ。一安心一安心。そうか、原作でもそんなようなのを言ってたっけ。

 

 

『修行は毎日行う。朝から夜までね。ここではご飯とかはないから、外で自分で調達しなきゃならない。覚悟はいいかい?』

 

修行のあとは食料調達か……。大変そうだけど、しっかりやっていこう!

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

『ん!それじゃ早速やっていこうか。』

 

 

必ず力を自分のものにして見せる!!

 




はい。というわけで、早速ご都合展開のオンパレードです。俺の創造力はここまでが限界だ………!!

というか、ここまでやって気づいたんだけど、主人公名前が出てない件。うっかりうっかり。


次回で紹介ページ作ります。
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