問題児たちが異世界から来るそうですよ?~二天龍を従えし者~   作:眠らずの夜想曲

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今回、レティシアが出てきます。まだ少しだけですけどね。


〈新約〉第4話~初見~

「あ゛~……」

 

 

俺は目を覚ました後、軽く伸びていた。

しかし、面倒くさいな。

無傷ではないものの、絶対に勝てるゲームを見に行かねばならないのだ。

 

そうか、ゲームが終わるまで時間を進めればいいのか。

だが、俺が変な場所にいたらいおかしいな。

 

そうだ、黒ウサギに出かけるって手紙かいて置いておけばいいではないか。

 

でも隠れないと時間進めているときに万が一、万が一見つかったらまずいからベットの下にもぐっておくか。

 

《時間を操る程度の能力》で時間をゲーム終了後まで時間を進める。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「早く!!こちらです!!」

 

 

部屋の扉の向こうから黒ウサギの切羽詰まった声が聞こえた。

誰かが怪我を負ったのだろうか

 

部屋の扉を開けて黒ウサギを視認し、声をかける。

 

 

「黒ウサギ、何かあったのか?」

「か、神浄さん!!どこへ行ってたのですか!?そんなことより耀さんが大怪我してしまったんです!!」

 

 

耀が怪我……?

飛鳥をかばいでもしたのか?

そうでもしない限り、耀の身体能力があれば大怪我をしないと思うのだが。

 

 

「そうか、治すから案内しろ」

「治せるんですか!?」

「あぁ、早くしろ」

「こちらです!!」

 

 

俺は黒ウサギに案内されるがままに歩みを進め、耀の元へ着いた。。

すごい出血の量だ。

このままでは少々―――大分まずいか。

 

 

「始めようか」

 

 

怪我をなくせばいいのだ。

なら、治癒をさせなくてもいいわけだ。

《時間を操る程度の能力》で耀の身体の状態を巻き戻す。

ゲームの前まで巻き戻せばいいだろ。

もちろん、記憶は引き継がれたままだ。

 

 

「す、すごいです。神浄さん!!」

「ただ時間を巻き戻しただけだ」

 

 

ただ時間を巻き戻しただけなのに、ここまで驚かれても困る。

本拠の時間も巻き戻したのだからな。

 

 

 

「よう刃。春日部の怪我はお前が?」

 

 

部屋の扉を開けて、俺に話しかけてきた。

 

 

「そうだ。だが大したことはしていない。時間を巻き戻しただけだ」

「……大したことだよ。まぁいいか。刃がバグなのは今に始まったことじゃないからな」

 

 

ヤハハ、と笑いながら十六夜が言った。

この野郎……

 

 

「黒ウサギ、それで例のゲームはどうなった?」

 

 

十六夜が俺から黒ウサギへ視線を移した。

 

例のゲームとは《ペルセウス》とやるやつか?

黒ウサギが泣きそうな顔になった。

まさか、断られたのか?

 

 

「ゲームが延期?」

「はい………このまま中止になる可能性もあるそうです」

 

 

黒ウサギがウサ耳をしおらせている。

すごく可愛い。

 

 

「なんてつまらないことしてくれんだよ。白夜叉に言ってどうにかならないのか?」

「どうにもならなそうです。どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」

 

 

買い手……?

なんだそれは。

 

 

「ちょっとまて黒ウサギ」

「はい、なんでございますか神浄さん?」

「その売りに出されるのはなんだ?あと、いい加減に刃って呼んでくれ」

 

 

神浄と呼ばれるのはむず痒い。

 

 

「実は……売りに出されるのは《ノーネーム》の仲間なんです」

 

 

綺麗にスル―された。

黒ウサギは人の話を聞かないらしい。

 

 

「どんな容姿だ?」

「一言でいいますと、スーパープラチナブロンドの超美人さんです」

 

 

スーパープラチナブロンドの超美人だと?

《ペルセウス》の奴らめ……

 

 

「そうか……ちょっと《ペルセウス》潰してくる」

「ま、待ってください。なにさらっと凄いこと言っているんですか、このおバカさま!!」

 

 

だってねぇ?

完全にレティシアだろ、売られるの。

 

 

「そんな俺の好みドストライクな子を売らせるわけが何だろう」

「おや、嬉しい事を言ってくれるじゃないか」

 

 

声のする方を向く。

窓の外を見るとそこにはレティシアがいた。

 

 

「レ、レティシア様!?」

「様はよせ。今の私は他人に所有されている。」

 

 

感動の再開だ。

じゃまになりそうだから少し離れていますか。

黒ウサギとレティシアは何かを話している。

そこに十六夜が乱入した。

え……?

 

 

「その不安、払う方法があるぜ」

「何?」

「実に簡単な話だ。俺たちの実力が心配なら試せばいい―――どうだい、元・魔王様?」

 

 

俺を置いてどんどん話が進んで行ってしまっているようだ。

いい加減話に参加しないと話が分からなくなってしまう。

 

 

「実に分かりやすい。最初からそうするべきだったかなぁ」

「ゲームのルールはどうする?」

「双方が一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う」

「地に足をつけていた方が勝ち。いいねぇ、シンプルイズベストだな」

 

 

盛り上がっているようで何よりだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「へぇ?箱庭の吸血鬼は翼が生えるのか?」

「あぁ。翼で飛んでいる訳ではないがな。………制空権を支配されるのは不満か?」

「いんや。べつに」

 

 

 

話がまとまったので、外で力比べをすることになった。

 

レティシアがギフトカード出し、ランスを取り出した。

 

 

「互いにランスを一打投擲すつ。受けては止められなければ敗北。先手はいただくぞ」

「好きにしな」

「ふっ―――!!」

 

 

レティシアがランスを投げる。

 

 

「カッ―――しゃらくせぇ!!」

 

 

十六夜がそれを拳りつける。

 

 

「「―――は……!?」」

 

 

黒ウサギとレティシアが素っ頓狂な声を上げた。

 

ランスがひしゃげ鉄塊となってレティシアへ飛んでいく。

能力を使うまでもないので、神速で飛び、レティシアを抱いて離脱する。

その時、レティシアの顔が赤かったのは見逃さなかった。

 

 

「す、すまない……」

「いや、べつに」

 

 

レティシアが頬を少し赤く染めながら礼を言ってきた。

 

 

「レティシア様!!」

「く、黒ウサギ!!何を!!」

 

 

地面に降りるとすぐに黒ウサギが近づいてきた。

そしてそのままレティシアの手から、ギフトカードひったくっていった。

何事?

 

 

「ギフトネーム・《純潔の吸血姫(ロード・オブ・ヴァンパイア)》………鬼種は残っているものの、神格が残っていない」

「っ………!!」

 

 

さっと目を背けるレティシア。

十六夜はレティシアに歩み寄り、

 

 

「なんだよ。もしかして吸血のギフトしか残ってねぇのか?」

「………はい。自身に宿る恩恵は………」

 

 

と、呆れた表情で肩竦ませた。

 

ようは弱り切った状態ってことだ。

そんな状態で十六夜と戦ったのか。

なら結果は分りきっていたな。

 

話がひと段落し、館に戻ろうとしたその時異変が起きた。

遠方から褐色の光が俺たちに射し込んだ。

なんんだか神性を感じる。

その時だった、レティシアが叫んだ。

 

 

「あの光は、ゴーゴンの威光!?まずい、見つかった!!」

 

 

レティシアが俺たちを庇うように俺たちの前にふさがった。

黒ウサギが何か叫んでる。

だが、確認する暇はなかった。

 

即座に《重力を操る程度の能力》でブラックホールを作る。

 

ブラックホール (black hole) とは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない天体のことだ。

 

ならゴーゴンの威《光》も同じだろう。

 

俺が創ったブラックホールに、褐色の光が吸い込まれていく。

そしてそのまま光は吸引されていく。

決して逃れられないのだ。

どんなものでも。

 

 

「「「「「!?!?」」」」」

 

 

ノーネームのみんなは驚いている。

当たり前といえば当たり前だ。

急に黒いものだ出現したと思ったら、光を吸引し始めたのだから。

 

 

「無事か?」

「「「「「はい(おう)」」」」」

「よし」

 

 

もう一度、光が向かってきた方を見る。

すると、翼を生やした《ペルセウス》の人間であろう者が飛んできた。

 

 

「いたぞ!!」

「なぜ石化していない!?」

「仕方ないそのまま回収しろ。邪魔するようなら斬り捨てろ!!」

 

 

完全にナメてるな。

ムカつくな。

見ろよ、十六夜がご立腹だぜ。

 

 

「まいったな、生まれて初めておまけに扱われたぜ。どうすればいいと思う?黒ウサギ?」

「と、とりあえず本拠に逃げましょう。レティシア様もご一緒に!」

「いや、私のことは放っておけ」

「なぜですか!?レティ「ふざけるな!!」…刃さん?」

 

 

レティシアを置いてなど行けるものか。

絶対に連れて行く。

こんな可愛い子を置いて行くのは、男としてありえない!!

 

 

「お前も連れて行く!!だが、まぁ。そこの奴らには少し痛い目見てもらうか」

 

 

侵入者たちの方に向き直る。

今度はブラックホールを吸引ではなく、排出にする。

今まで吸引していたものが、排出される。

もちろん、ゴーゴンの威光もだ。

 

 

「「「「「ぐあぁぁぁぁぁぁ!?!?」」」」」

「「「「「!?!?!?」」」」」

 

 

侵入者は全員石化した。

 

 

「何したんだ?刃」

 

 

一番初めに反応したのは十六夜だった。

 

 

「ただ今までブラックホールにため込んでいたのを吐き出しただけだ」

「そ、そうか。相変わらずのバグっぷりだ」

「「「「「…………………」」」」」

 

 

十六夜はしっかりリアクションができているが、その他の奴らは固まってしまっている。

 

 

「まぁ、いい。それより《サウザントアイズ》に行くぞ。白夜叉に襲われたことを話す」

「「「「「はい(ああ)(ええ)」」」」」

 

 

俺たちは《サウザントアイズ》二一〇五三八〇外門支店を目指して歩き出した。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

《サウザントアイズ》二一〇五三八〇外門支店につくと女性定員が迎えに来ていた。

 

 

「お待ちしてお「いいから、早く案内をしろ」…こちらです」

 

 

お待ちしていたのは分りきっているからな。

 

建物の中にいくとルイオスがいた。

黒ウサギを見て、盛大に歓声を上げた。

問題児たちが黒ウサギをネタにして、漫才みたいなことをしている。

 

もういい加減にしてほしいので、威圧しながら、

 

 

「いい加減、話始めようか。ん?」

 

 

みんな表情が固まった。

白夜叉は余裕そうだった。

後は十六夜もだ。

静まると、仕切り直しに《サウザントアイズ》の客室に向かった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「――――――《ペルセウス》が私たちに対する無礼を振るったのは以上の内容です。ご理解いただけたでしょうか?」

「う、うむ。《ペルセルス》の所有物・ヴァンパイアが身勝手に暴れたこと。そして捕獲に来た《ペルセウス》の数々の暴挙と暴言。確かに受け取った。謝罪を望むのであれば後日「結構です」…」

「あれだけの暴挙と無礼の数々、我々の怒りはそれだけでは済みません。《ペルセウス》に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと」

 

 

両コミュニティの直接対決が目的か。

それには俺も賛成だ。

あんなことをされておいて許せるわけがない。

 

 

「《サウザントアイズ》にはその仲介をお願いしたくて参りました。もし《ペルセウス》が拒むようなことがあれば《主催者権限》の名の下に―――」

「いやだ」

 

 

ルイオスのクズは今なんと言葉を発した?

 

いやだ。

 

俺にはこう聞こえたのだが。

俺の耳はイカれてしまったのか?

 

 

「………はい?」

「いやだ。決闘なんて冗談じゃない。それにあの吸血鬼が暴れまわったって証拠があるの?」

「それなら、彼女に聞けば分かることです」

 

 

いやだ。

 

二度こう言った。

いやだ、とルイオスは言ったのか。

そうか……

 

 

「お前はゲームを拒否するということだな?」

「それがどうした?」

 

 

そうか。

ならば、しょうがないな。

 

 

「なら俺がゲームを開催しよう」

「「「「「!?!?」」」」」

 

 

部屋にいる俺以外の人間が驚く。

だが、すぐに白夜叉は何かを考え付いたように声を上げた。

 

 

「お主……まさか!?」

「そうだよ」

 

 

そういって金色の《契約書類》をみんなに見せた。

 

 

「それは……!?《契約書類》……?でもそんな色のものは今まで見たことは……」

「それはそうだ。この《契約書類》は俺専用のもの。相手の了承を得なくても、勝手にゲームの参加者にしたり、開催できたりする。もちろん、ルールはすべて終えが決める」

「そんな……それではまるで《魔王》ではありませんか!!」

 

 

黒ウサギの言っていることは案外当たっている。

この力を使えば簡単に《魔王》になれる。

まぁなろうとは思わな―――くもないな。

 

 

「なぜ創造神である俺が人間ごときのルールとやらに縛られねばならんのだ」

「あ―――」

 

 

黒ウサギはここでようやく俺が創造神であることを思い出したらしい。

遅すぎるし、大事なことなんだから覚えていろよ。

 

 

「ルイオス。この通り俺は《魔王》のように理不尽なゲームをいつでも、どんな相手にも無条件で参加させられる。この意味がわかるか?」

「な、なんだよ」

 

 

どうやらルイオスは馬鹿らしい。

それとも思考を放棄したのか?

どちらにせよ、馬鹿だ。

 

 

「俺がその気になれば―――《ペルセウス》ごとき簡単につぶせるんだよ」

「な―――」

 

 

ルイオスが固まる。

気づけよ。

 

 

「まぁ俺もそこまで鬼畜ではない。だから選択権をやろう」

「選択……権?」

 

 

ルイオスは絶望の表情から、希望が見えた、といった表情になった。

 

 

「このまま俺と理不尽なゲームをして、《ペルセウス》を潰すか、それとも《サウザントアイズ》仲介の公平なゲームをするか。この二択だ。どうする?」

 

 

これでは選択肢があるようでないものだ。

もちろんルイオスの答えは決まっているだろう。

 

 

「………そんなの決まっているだろ。受けるよ。《サウザントアイズ》仲介のゲームの方をね」

「賢い選択だな」

 

 

この一言で、一週間後にゲームが開催されることに決まった。

そして会合をは終わりを告げた。

 




次回、”ペルセウス”とのゲームです。

2014/04/04現在、肉付け&改変。
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