問題児たちが異世界から来るそうですよ?~二天龍を従えし者~ 作:眠らずの夜想曲
「我、目覚めるは」
瞬間、俺の周りに紅のオーラが湧き上がる。
「覇の理を神より奪いし二天龍なり」
紅のオーラが俺を中心に渦を巻き始める。
「無限を嗤い、夢幻を憂う」
そして紅のオーラは更に濃度を増していく。
「我、赤き龍の覇王と成りて」
紅のオーラは俺の身体に巻きつき始める。
「我、赤き龍の覇王と成りて」
紅のオーラは鎧のを形成していく。
「汝を紅蓮の煉獄に沈めよう」
紅のオーラは爆散して、辺りに紅の閃光を撒き散らす。
『Juggernaut Drive!!!!!!!!!!』
覇龍が完了する。
俺の身体には、龍といっても過言ではないほど龍に似ている鎧が纏われてる。
「そう言えば名を聞いていなかったな」
覇龍の呪文を唱えている間に復活した三頭龍に名を聞く。
『箱庭三桁・「拝火教」神群が一柱―――魔王アジ=ダカーハ。宗主より旗と第三桁を預かり今生おを魔王として過ごすことを約束された、不倶戴天の化身であるッ!!』
なかなか掛け合いのわかる者らしい。
ノリがいいな。
「俺も名乗らせてもらおうか。二天龍を従えし者にして、創造神、神浄刃。魔王アジ=ダカーハ。お前の命、貰い受けるぜッ!!」
『いざ来たれ、幾百年ぶりの英傑よッ!!!
死力を尽くせッ!!!
知謀を尽くせッ!!!
蛮勇を尽くし―――我が胸を貫く光輝の剣となってっみせよッ!!!』
実際はアジ=ダカーハを相手している余裕がない。
「十六夜!!アジ=ダカーハを頼んだぞ!!」
「任せろ!!」
この場は一先ず十六夜に任せ、俺は行動を開始する。
すぐそばまで近づいていたソレを相手にするため。
始めて『箱庭』で恐怖を感じたソレの下へ俺は駆ける。
☆☆☆
ソレを見つけるのは容易かった。
だが問題はそれではない。
容姿がおかしいのだ。
おかしいという表現は正確ではない。
形が定まっていないというのが正しいだろうか。
黒かったり、白かったり、紅かったり、紫だったり、灰だったり、霧だったり、塵だったり、粉だったり、影だったりと。
次々に容姿を変化させていく。
だが変わらないものが一つだけあった。
鎌だ。
それもよくアニメなどでみる死神が持っているような、身の丈程ある鎌だ。
その鎌からは圧倒的な死を感じさせる。
故に俺は今、死の恐怖を感じていた。
だが俺が何とかしなければいけない。
そんな気がしてしまった。
というよりも、俺以外だったら瞬殺されてしまうだろう。
「おい……お前は何者だ?」
『……………………………』
向こうからの返事はない。
と、突然鎌を振るってきた。
それも首を目がけて。
「チィ!!」
それをギリギリで避け、そしてソレから距離を取る。
『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost』
瞬時に無茶苦茶な程の倍化を済ませ、それを身体強化に全て回す。
「オラァ!!」
魔力で弾幕を張る。
逃げ道がないようにみっちりとだ。
だがソレは簡単に弾幕を鎌で弾いていく。
かなりの濃度の魔力で撃ったんだぞ!?
一体何者なんだアイツ!!
『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost』
さらに倍化させ、そしてそれを―――
「ロンギヌス・スマッシャー!!」
全てをこの一撃に乗せる!!
鎧の胸部がスライドし、そこからドラゴンの顎みたいなものが出現する。
そしてそこからものすごい太さの光線が発射される。
光線は周りの空間を歪めながらソレに向かって発射される。
だが―――
『♪♪♪』
余裕といった感じで鎌を無造作に振るってロンギヌス・スマッシャーを弾いている。
これ、詰んでないか?
ロンギヌス・スマッシャーをあんなに余裕で弾かれるなんてどんだけ強いんだよ。
これは創造神化するしかないか……?
いや、するしかないだろう。
覇龍の鎧を霧散させ、創造神の姿になる。
今までは紅の鎧を纏っていたが、今は白の上下の燕尾服だ。
中には黒シャツを着ていて、白ネクタイを装着している。
背中からは六対十二枚の白銀の翼が出現している。
この姿になっても相手にならなかったら仕方がない。
アレを使って最悪、この街が無くなるのも良しとするしかない。
神力を右手に集め、神力で刀を形成する。
「破ッ!!」
刀をソレに向かって振りぬく。
ソレは鎌でいなしつつ、蹴りを放ってきた。
その蹴りを膝で防ぎながら左手でボディらしき場所に一撃を入れる。
だがそれはソレの鎌の柄で防がれ、そのまま鎌の柄で腹に一撃を入れられる。
一向に向こうの有利さは変わらないか。
それなからもう破壊しつくすしかない。
ソレから距離を取り、破壊神の姿になる。
服装が漆黒の上下の燕尾服になる。
黒シャツに白ネクタイ。
背中からは六対十二枚の漆黒の翼が出現する。
「―――《破壊の刀剣(デストラクション・ブレイド)》」
右手に《破壊の刀剣》を持ち、ソレに向かって突撃する。
ソレは鎌を振るい、竜巻を起こしてくるが、《破壊の刀剣》で竜巻を破壊する。
そしてソレに向かって《破壊の刀剣》を振りぬく。
ソレは回避をするが、かすらせることはできた。
よし、これで俺の勝ち―――え……?
あり得ない……
ソレは全く破壊されていないのだ。
最低でも10%ずつは破壊されるはずだ。
だがどうだ?
『Destroy!』の音声すらならず、破壊された象徴である塵になる現象も全く起きていない。
これは本当に詰んだ。
だがあきらめるわけにはいかな……い。
「いかな……いん……だけ……ど……な……」
ははは……胸からなんか飛び出てやがる。
それを右手で確認する。
それは鎌の刃だった。
まったく気づかったぜ。
神だから死なないはずなんだがな、どんどん力が抜けていく。
浮遊できなくなり、胸に鎌が刺さったまま地面に落ちる。
そして立つことすら困難になり、地面に倒れる。
あーあ……これ、死んだだろう。
ここで俺の意識は途絶えた。
☆☆☆
アジ=ダカーハの野郎はかなり強かった。
それこそ、今まで出会ったどんな敵よりもだ。
よぅ、俺は逆廻十六夜だ。
刃に任されてアジ=ダカーハと殺り合っている。
突然だが、刃の気配が消えた。
アジ=ダカーハと殺り合っていて周りにまで配慮できていなかったが、あれだけデカい力が突然に消えたら誰でもわかる。
現に―――
『一体何だったんだ……先ほどの一桁の魔王にも負けず劣らない力は……』
こんな感じで驚いていやがる。
ちなみに今は戦闘中断中だ。
アジ=ダハーカも気になっているのか、構えを解いている。
警戒はしているようだがな。
だが何があったんだ?
刃ほどの強者の気配が急に消えた……
自ら気配を消した可能性がないわけではないが、それはないだろう。
刃の近くに不気味な―――死を思わせる気配があるからな。
じゃあなんで気配が消えた?
まさか死んだのか……?
いや、それはないだろう。
それだけは信じたくない。
だが消えたのは刃の気配だけじゃねぇ。
レティシア、メル、ペスト、なじみ、御神の気配まで消えやがった。
クソッ!!
一体何が起こっていやがる!!
☆☆☆
「無事仕事をしてくれたようだのぅ」
まったく、刃の奴が破壊神化までするから一事はどうなるかと思ったわい。
じゃが、無事に呼び出せてよかったわい。
呼び出し方が少し乱暴すぎたがまぁ、これしか方法がなかったのじゃ。
今わしの目の前には、気絶―――仮死状態の刃がおる。
そろそろ創造神として確立させなければ世界に影響が出てしまう。
神界にいる他の神もよしと言っておるしな。
さて、そろそろ始めるとするかの。
あぁ、あやつも呼ばねばならんのぅ。
やることが多すぎじゃ。