問題児たちが異世界から来るそうですよ?~二天龍を従えし者~   作:眠らずの夜想曲

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今回、対”ペルセウス”です。


〈新約〉第5話~力量~

『契約書類』の文面はこんな感じだった。

 

 

 

『ギフトゲーム名   『FAIRYTALE in PERSEUS』

 

 ・プレイヤー一覧   逆廻 十六夜

            神浄 刃

            久遠 飛鳥

            春日部 耀

 

 ・《ノーネーム》ゲームマスター   ジン=ラッセル

 ・《ペルセウス》ゲームマスター   ルイオス=ペルセウス

 

 ・クリア条件   ホスト側のゲームマスターを打倒

 

 ・敗北条件    プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

          プレイヤー側のゲームマスターの失格。

          プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 ・部隊詳細・ルール

      

      *ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

      *ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

      *プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけな       い。

      *姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦権を失う。

      *失格となったプレイヤーは挑戦権を失うだけでゲームを続行する事はできる。

 

 宣誓   上記を尊重し、誇りと御旗の下、《ノーネーム》はギフトゲームに参加します。

 

 

    

                            《ペルセウス》印』

 

 

 

 

 

『契約書類』を承諾した直後、俺たちの視界は間を置かずに光へ呑まれた。

ものすごくまぶしかった。

目つぶしの次元ではない。

失明したかと思ったぞ。

 

光がやむと俺たちは門前に追いやられた。

ギフトゲームの入口らしい。

そして十六夜が俺達のいる方に振り返ったぞ。

 

 

「姿を見られれば失格ってことは、ペルセウスを暗殺しろってことか?」

「それだと、ルイオスも伝説に倣って睡眠中だという事になりますよ。さすがにそこまで甘くないかと」

「YES。そのルイオスは最奥で待ち構えているはずデス。それに、まずは宮殿の攻略が先でございます。伝説のペルセ「一ついいか?黒ウサギ」…ハイ、なんでしょう?刃さん」

 

 

説明が長引きそうなので、解決策をさっさと出すことにする。

道中、見つからなければいいなら、直接ルイオスの元へ行けばいい。

過程を省略して。

 

 

「見つからずに行きたいのなら、宮殿を通らなければいい」

「何を言っているんですか!!それができないから攻略の方法をかんがえているんデスよ!!」

 

 

黒ウサギは物わかりが悪いのか?

それともこれが素なのか?

 

 

「だから、直接ルイオスの元へ行けばいいのだろう?」

「それができないから困っているのデスよ!!」

「……転移できるが?」

「「「「「はい?」」」」」

 

 

ここでようやく、問題児たちも話に入ってきた。

遅い。

もう少し早く来てくれればもっと話は早く進みそうだったのに。

 

 

「ここにいる全員をルイオスの元まで転移させられると言っているのだ」

「それを早く言ってください!!」

 

 

黒ウサギよ、それをお前が言うのか?

 

 

「黒ウサギ、少し落ち着け。で?それは全員送れるのか?」

 

 

十六夜が黒ウサギをなだめながら俺に言ってくる。

 

 

「あぁ……」

「なら早速頼む」

「了解」

 

 

『ノーネーム』の面々の足元に魔法陣を展開させる。

そして―――

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ついたぞ。ここが、宮殿最奥だ。」

「すごいな……まさか本当に転移できるとは思っていなかったぜ」

 

 

十六夜がやれと言ったのになんだそれは……

信用していなかったのか。

 

 

「だがこれで、ますますお前はバグだな」

 

 

ヤハハ、と笑いながら十六夜がほざく。

 

 

「このくらい魔砲少女でもできるはずだ」

「お前の世界には魔法少女までいたのか?」

「いや……いなかった」

 

 

少し十六夜とイントネーションが違うような気がするが気にしなくていいだろう。

辺りを見回すと、《ノーネーム》の面々が驚いているのが目に入った。

さらにしっかりと見ると、ルイオスが目を見開いているのがわかった。

 

 

「お前らどうやってここまで来た!?」

「「「「「刃(くん)(さん)に転移してもらったぜ(ました)(わ)」」」」」

 

 

全員でそろえて言うか……

もうそこまで息がぴったりなのか。

 

 

「ふざけるな!!そんなでたらめなギフトがあってたまるかよ!?」

「ギフトじゃねぇ。これは技術だ」

 

 

魔力を使うからな。

 

 

「そんな事はどうでもいい!!ッチ、もういい!!」

 

 

そういって、ルイオスは空を飛び炎の弓をギフトカードから取り出した。

短期だな……

いやまぁ、仕方のないことだがな。

 

 

「………炎の弓?ペルセウスの武器で戦うつもりはない、という事でしょうか?」

 

 

黒ウサギが全員―――主にルイオスに問う。

確かに俺も気になる。

手を抜いているかがな。

 

 

「当然。空が飛べるのになんで同じ土「御託はいい。早くしろ」…ッチ!そうか、そんなにくたばりたいか。それなら―――期待に応えよう。目覚めろ―――《アルゴールの魔王》!!」

 

 

俺が言葉の途中で発破をかけると、それがルイオスの気を荒げたのか、いきなり《アルゴールの魔王》を召喚―――顕現か?してみせた。

 

光が褐色に染まり、俺たちの視界を染めてきた。

白亜の宮殿に共鳴するかのような甲高い女の声が響き渡った。

 

 

「ra………Ra、GEEEEEEEEEEEYAAAAAaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

 

人の言語ではない。

そして人が理解できる言語ではない。

最初の方は謳っている感じだったが、それでも狂いそうな不協和音だった。

現れた女は体中に拘束具と捕縛ようのベルトを巻いていた。

Mなのか?と真剣に悩んでしまった。

そんな事を考えているうちに、女は両腕を拘束するベルトを引き千切り更なる絶叫を上げた。

 

 

「ra、GYAAAAaaaaaaaaa!!」

「な、なんて絶叫を!!」

「避けろ、黒ウサギ!!」

 

 

硬直する黒ウサギ。

十六夜は、黒ウサギとジンを抱きかかえて跳躍した。

十六夜のイケメンすぎる行動に感動していると、上からは岩塊が落ちてきていた。

 

 

「いやぁ、飛べない人間は不便だねぇ。落ちてくる雲も避けられないなんて」

「く、雲ですって………!?」

 

 

飛鳥がヒステリック気味に叫ぶ。

となりでは黒ウサギが何かを呟いているのだが耳に入ってこない。

 

どうルイオスを片付けるかを考えているからだ。

 

幻術をかけてもいいが、それだと俺の楽しみが無くなってしまう。

ひたすら肉体言語で攻め立ててもいい。

 

まぁ疲れるがな。

よし。

 

 

「おい、十六夜。お前ルイオスの相手してろ」

「ハァ?なんであんなモヤシ相手を俺がしなくちゃいけねぇんだ」

 

 

少しイラつきながら返答をしてくる十六夜に、イイ顔をして返す。

 

 

「魔王を封印する」

「そんなことできんのか!?それにしたって理由はなんだ?」

「隷属させる」

「なるほどな。じゃぁ仕方ねぇか。そっちは任せるぞ」

「任された」

 

 

俺は身体に魔力を纏いながら黒ウサギに話しかける。

 

 

「―――黒ウサギ」

「は、はい。なんでしょう?」

 

 

黒ウサギはどもりながら返してくれた。

 

 

「今までは、ギフトなどに頼ってきた戦いだが……今回は純粋な俺の力で戦う。まぁ、身体強化ぐらいはするが」

「……そうデスか。刃さんの力を見せてください!!」

「おう。飛鳥と耀も見てろ。しっかりとな……」

「ええ」「うん」

 

 

さて、今回は先ほど黒ウサギに言った通りに、神滅具などを使わずにやろう。

 

魔力の質を上げる。

よし、この程度あれば《アルゴールの魔王》程度なら封印できるだろう。

魔力を使い、封印の術式を組み上げていく。

 

今回の封印は刀を媒介をして使う。

それにより、刀に《アルゴールの魔王》が宿ることになるのだが……

 

まるで神器みたいだ。

 

それはそれで扱いやすやすそうでいいのだが。

 

 

「さぁ《アルゴールの魔王》覚悟はいいか?―――一瞬で終わってしまうがな」

 

 

刀を創造し、それを魔力でコーティングする。

それが終わった瞬間、一瞬で《アルゴールの魔王》に近づき、魔力で包みあげる。

そのまま圧縮して行くのと同時に、刀にコーティングしている魔力と同化させていく。

 

すると、それは一つの刀となった。

なったのだが……

 

 

「形状が変化しただと?」

 

 

確かに、素早くなおかつ大雑把に創造した。

だがそれでも、世の中で騒がれる最低でも名刀程度の強度はある。

しかも俺―――神特性のだ。

 

その形状を変化させるとは……

 

《アルゴールの魔王》は予想より遥かに強靭だったということだろう。

 

封印を完了した刀を手に取ると、何やら声が聞こえて来た。

 

 

(お兄ちゃん、私をルイオスから解放してくれてありがとっ♪)

 

 

何やら、若い―――幼い声が頭に響いてくる。

これはドライグやアルビオンと同じか。

本当に神器となってしまったか。

 

それはそれで良しとするか。

 

 

(あぁ。まぁこちらにも利点はあるからな。でもまた俺に封印されたのだが……)

(いいよ♪ルイオスより全然お兄ちゃんの方がカッコイイし、それにお兄ちゃんと一緒にいた方が楽しそうだし♪)

(そ、そうか。―――それで?お兄ちゃんというのは……?)

(え?嫌だった)

 

 

嫌か嫌じゃないかと聞かれると、答えは嫌ではないだ。

むしろ、いい!!

最高ではないか!!

 

 

(いや、うれしいよ)

(じゃあこれからもお兄ちゃんって呼ぶね♪)

(あぁ、よろしく)

(よろしくね)

 

 

ふむ、まったく想像していた《アルゴールの魔王》とは違かった。

もっと威厳のある者だと思ていたのだが、あんな幼女(ロリ)みたいだったとは……

 

と、こんなことを考えている場合ではないか。

十六夜はどうなったのだろうか?

 

辺りを見回す。

 

そこには、項垂れているルイオスと驚愕に目を見開いているノーネームの面々がいた。

 

どうやら、十六夜がルイオスに勝利したようだ。

そのはずなのだが……

まだゲームが終わっていない。

 

 

「来いよ、ペルセウス。命懸けで―――俺を楽しませろ」

 

 

十六夜がそんなことを言った。

 

 

「負けない……負けられない、負けてたまるか!!奴を倒すぞ、アルゴオォォォル!!」

 

 

ルイオスが叫ぶ。

 

ルイオスよ、その《魔王アルゴール》は俺の腰に携わっている刀―――神器の中だ。

 

まぁこの後どうなったかは言わなくてもわかるはずだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

言い方は悪いが、レティシアの所有権が『ペルセウス』から『ノーネーム』に移った。

 

これが表すのは、我らが『ノーネーム』がギフトゲームで『ペルセウス』に勝利したことだ。

ここまでは本当に良かった。

だが、レティシアを大広間まで誘導し、そこで問題児三人が、

 

 

「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

 

と、言ったのだ。

メイドさん?

メイド……明度、冥途、冥土?

 

 

「「え?」」

「………え?」

「え?じゃないわよ。今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない?貴方は本当にくっついてきたでけじゃない」

「うん」

「つーかお前ら本当はなにもしてないだろ。所有権は、刃と俺で5:5だ!!」

「何言っちゃてんでございますかこの人達!?」

 

 

ふむ、どうやら本当にメイドだったらしい。

つまりこういう事か。

 

レティシアは俺と十六夜のもの。

 

それはいただけない。

それだけはいけない。

俺の、まではいい。

なぜ十六夜まで!?

ここはビシッ、と言ってやる。

 

 

「おい」

「な、なんでございますか?」

 

 

俺が声を発すると、いち早く反応したのは黒ウサギだった。

 

 

「黒ウサギ。これはどういうことだ?」

「これとは?」

「なぜ、俺と十六夜とで分けなければいけない?ここは一番の功労者である俺だけの者だろう?」

「「「「「えー……」」」」」

 

 

問題児三人と、ジン、黒ウサギが声をそろえて言う。

 

当たり前だろう。

《アルゴールの魔王》を封印したんだぞ?

これはものすごく大きな功績だろうに。

 

 

 

「刃、お前もしかしてレティシアに惚れたのか?」

 

 

十六夜の野郎がニヤニヤしながら聞いてきやがった。

 

うむ、否定はできない。

合った瞬間にビビッ、と来たのだ。

もうこの人しかいない。

この人がいればあとはいらない、ってほどに。

 

 

「そうだが?というよりも、実際十六夜も大したことしてないだろ」

「ヤハハ、何言ってやがる。ルイオスを倒したてゲームをクリアさせたのは俺だぜ」

「ハッ、たかが坊ちゃんを倒した程度だろ?何言ってやがる」

「やんのか?」

「やってやろうじゃねぇか!!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

大広間から中庭に移動した俺たちは、ルールの確認をしていた。

 

 

 

『ギフトゲーム名   『勝者にはメイドを』

 

 ・プレイヤー一覧   逆廻 十六夜

 

 ・クリア条件     相手の戦闘不能。

 

 ・敗北条件      相手を殺害する。

            降参する。

            プレイヤーが上記のの勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと尊厳の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

    

                                    《創造神》印』

 

 

 

金色の《契約書類》を十六夜と共に確認する。

 

 

「どうだ?これでいいか?」

「問題ないぜ。さっさと始めようか」

 

 

他の面々は、俺が創造した観客席に待機している。

 

このルールで一番簡単なクリア方法は相手を気絶させることだ。

そうすれば戦闘不能になるからな。

 

まぁ気絶しながら闘える奴は別だが。

 

 

「このコインが地面に落ちたらスタートだ」

「それでいいぜ」

 

 

俺が親指の上にコインを乗せながら言う。

 

そして、コインを親指で弾く。

コインは綺麗に放物線を描き、上へ飛んでいく。

そして、地面に落ちる。

 

キン、と甲高い音が鳴り響く。

 

ゲームスタートの合図だ。

 

 

「行くぜ!!」

 

 

十六夜が叫びながら特攻してくる。

俺はそれを身を少し引きかわす。

その際に一撃入れるのを忘れずに。

 

 

「ぐ……ってなぁ!!」

 

 

そんなことを叫びながら、十六夜は岩を投げて―――

 

 

「どこからそんなもの見つけてきやがったんだ!!」

 

 

なんだあの野郎!!

 

岩を拳で砕きながらぼやく。

しかしこのままではダラダラとゲームが延びるだけだな。

 

よし、使ってみるか。

新しい神器を。

 

 

「―――《蛇髪姫の夜魔刀(メデューサ・オブ・リリアンソード)》」

 

 

《蛇髪姫の夜魔刀》とは、《アルゴールの魔王》を封印した刀のことだ。

 

主な能力は、石化と夜―――魔の制御だ。

刀から石化の光線を出せたりできる。

魔の制御に関しては、魔が活発に行動しやすい夜の状態に空間を変えることができる。

 

どちらも負な能力だな。

 

まだまだこれから能力が増えてくれそうな、発展途上の神器でもある。

だから今回、暴走の危険もあるのだが……

まぁ十六夜が相手だからいいだろう。

 

 

「試験段階だが―――くらってくれ」

「おい!!」

 

 

十六夜が俺に殴るモーションを仕掛けたところで刀から石化の光線を発射する。

もちろん十六夜はそれを避けられない。

光線をくらった十六夜は、

 

 

「これはすごいな……」

 

 

拳を振りかぶったタイミングで、見事な石造となっていた。

 

 

「まぁなにはともあれ、ゲームは俺の勝ちだ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「酷い目にあったぜ……」

「やりすぎデスよ!!まったく……」

 

 

ゲームの勝敗が決まった後、十六夜の石化を解き、再び大広間に戻ってきていた。

黒ウサギは先ほどのことをプリプリ怒っている。

まぁ全然怖くないがな。

 

 

「約束通り、レティシアは俺の者だ」

「あぁ……仕方ないから勘弁してやる」

 

 

十六夜……

石化とかなかったらお前は今頃《ノーネーム》の門の飾りになっていたんだぞ?

 

視線をレティシアに写し、

 

 

「これからよろしく頼むよ」

「う、うむ……一ついいだろうか?」

 

 

レティシアが顔を若干赤く染めながら問いてきた。

 

 

「なんだ?」

「先ほどのことは本当か?」

 

 

先ほど……?

どれほど前なのかがわからないな。

 

 

「と、いいますと?」

「そ、そのだな……お前がわ、私にほ、惚れているって……」

 

 

レティシアがもじもじしながら言ってきた。

 

か、可愛い……

 

 

「あぁ本当だ。俺はレティシアに惚れている」

「そ、そうか……わ、私もだ」

 

 

これは決心するしかないのか……

こういうのは男からのがいいだろうし……

 

 

「―――レティシア」

「は、はい!!」

 

 

レティシアがおどおどしながら返事をする。

 

 

「俺はレティシアに惚れている、好きだ。俺と―――付き合ってくれないか?」

 

 

言った。

言いきった。

声が震えていたかもしれないが、言い切った。

 

レティシアの顔を見ると、顔を真っ赤にしていたが、

 

 

「こちらこそ、よろしく頼む」

 

 

と、しっかりと返してくれた。

 

ここで俺は重大な事実に気づく。

 

 

「「「「おめでとう(ございます)!!!」」」」

 

 

この空間には、俺とレティシア以外にもいたのだった。

まぁ今までのやり取りを聞かれていたわけでして……

 

 

「ヤハハ、男らしすぎだぜ。刃」

 

 

笑いながら十六夜が言う。

でもまぁ、よしとしようか。

 

この日から俺とレティシアは付き合い始めた。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

《ペルセウス》との決闘から三日が経った。

今は日も沈み、空には星が輝いていることからわかるように、夜だ。

 

子供達を含めた《ノーネーム》一同は水樹の貯水池付近に集まってパーティーをしていた。

 

 

「えーそれでは!!新たな同士を迎えた《ノーネーム》に歓迎会を始めます!!」

 

 

ワッと子供達の歓声が上がる。周りには長机の上に豪華な料理が並んでいた。

なぜ豪華かというと、

 

 

「じゃんじゃん食べていいからな!!」

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

俺が食材を創造し、調理しているからだ。

ちなみに、調理に必要な物をすべて創造した。

 

 

「ほら、ローストビーフができたぞ。食いたい奴は持っていけ」

「………」

 

 

そう言うと、耀が無言で近づいてきた。

そしてローストビーフを持てる不だけ持っていった。

そして耀は席に着くと、無言で食べ続けていた。

 

 

「―――刃」

 

 

俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

この声は―――

 

「レティシアか。どうした??

「いや、礼を言おうと思ってな」

 

 

何に対しての礼だろうか?

レティシアを救ったことの礼ならさんざん言われたからな。

 

 

「私を助けてくれただけではなく、こんな豪華な食事までつくってくれたからな」

「あぁ、気にするな」

「………………」

「………………」

 

 

無言が続く。

これは結構キツい。

 

話しかけてみるか。

 

そう決心し、話しかけようとした時だった。

 

 

「なぁ」

 

 

レティシアから話しかけてきた。

 

 

「な、なんだ?」

 

 

少しどもりながら返した。

 

 

「なんでもない」

 

 

そう言って、俺に寄りかかってきた。

俺は黙ってそれを受け入れる。

こういうのっていいよな。

 

 

「あ!!」

 

 

誰かが声を上げた。

多分子供達の誰かだろう。

 

 

「この流星群は、我々の新たな同士、異世界から来た四人がこの流星群のきっかえけを作ったのです」

 

 

そして黒ウサギから説明される。

 

子供達が凄い歓声を上げていた。

問題児三人は、驚いていた。

まだまだ子供だな、と思ってしまった俺は悪くないだろう。

 

俺も子供だって?

 

俺はこれでも神界で百年間修業したんだ。

もう百歳は余裕で越えている。

 

俺は無言で立ち上がる。

 

「よし、黒ウサギ」

「なんでございますか?」

 

 

嬉しそうに訊き返してくる。

 

 

「一曲歌っていいか?」

「ぜひお願いします!!」

「よし、まかせな!!」

 

 

ピアノを創造し、

 

 

「よし、みんな!!」

「なんだ?なんかすんのか」

 

 

一番早く反応したのは十六夜だった。

右手にはジョッキに入ったジュースを、左手には焼き鳥の串を持っていた。

まるでおっさんだ。

 

 

「一曲歌ってやる」

「へぇ?満足させろよ」

「頑張るさ。では、聴いてくれ《君の知らない物語》だ」

 

 

ピアノの鍵盤に指を滑らせ、曲を弾いていく。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

曲を弾き終えた俺は、デッキベットを創造して星空を観察していた。

隣には十六夜と黒ウサギがいる。

二人で俺を挟んでいる状態だ。

黒ウサギが来た理由は俺には分らない。

 

耀と飛鳥は少し離れたところでデザートのケーキを食べている。

デザートは別腹らしい。

 

 

「決めたぜ」

 

 

十六夜が突然言う。

 

 

「「どうした十六夜(さん)?」」

 

 

俺と黒ウサギは同時に訊きかえした。

 

 

「あそこに、俺達の旗を飾る。……どうだ?」

「それはいいな!!」

「それは………とてもロマンがありますね」

「だろ?」

 

 

十六夜は得意げに言った。

確かにロマンがあるな。

 

まぁこんな感じで俺達の歓迎会は終わっていった。

 




これで、1巻が終わりです。短かったですか?
次回から、2巻です。あと、第2弾いわゆる次の世界の小説も投稿しようと思います。

2014/04/26修正&肉付け。
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