あの日の不幸のおかげ   作:だっちゃん

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辛い過去と現実

私は夫と出会い、小さな命を授かり、幸せの日々を手に入れる事ができた。夫はとても優しく、仕事をしながらも子供の面倒を見てくれた。毎週の休日には3人で色々なところにお出かけをした。遊園地に行ったり、公園に行ったり、ご飯を一緒に食べたり、私はこんなに幸せでいいのか?と思ったこともあった。

 

だけど..........

 

私は神様に見捨てられた。

 

正が5歳の時.....私は夫に逃げられた。それで夫は死んだ。

 

夫は会社の人と浮気をしていた。

 

浮気がバレた時点では私は夫のことを許していた。これで幸せを取り戻したと思った。

でもそんなことはなかった。

 

神様は再び私を裏切った。神様は私の心をズタボロにした。

 

私はそのストレスもあり......夫を見つけ......殺した.....殺してから数年経っているが....私が殺ったと言うのはバレていない。

 

私はストレスが溜まり、何回も死のうとした。死にたかった。こんな絶望の世界に生きるなんて.....私にはできない....死にたかった....けど...死ねなかった。

 

だって.....私には....正がいる。

正を置いて先に死ぬ事は出来ない。正はまだ幼い。1人では何も出来ない。

 

だから私は今も生き続ける。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

病室に知らない男二人組が入って来た。

 

「あのーすいません鈴木正さんですか?」

「はい....そうです....」

「警視庁の者何ですけど....」

 

警視庁の人達が僕に尋ねに来た。僕が被害にあった事件のことなのか?でもその件は既に犯人は捕まっている。僕に何を聞こうとしてるのだろうか?

 

「あのー君のお父さんの事件について知らないかな?」

「お父さんの...事件???」

 

お父さんの事件?僕はお父さんの顔を覚えていない。僕が幼い時に離婚したとお母さんは言っていた。お父さんの事件とは一体何のことだろう....

僕はそんなことを考えていた。

 

「僕はお父さんの顔を知らないです」

「そうですか.....お母さんに何も聞いてない?」

「聞いてないです。」

「わかりました!ご協力ありがとうございます!」

 

男二人組は部屋を出ていった。

お父さんの事件というのが気になって仕方がない。気を紛らわそうと僕はお母さんが買ってくれた本を読むことにした。それしかやることがなかった。

 

本を読んでいる間に寝てしまっていた。

 

午後六時を過ぎた頃.....

ノック音が聞こえた。

 

お母さんだった、今日も来てくれた。仕事もしながら毎日お見舞いに来てくれている。嬉しい......けど体が心配とても疲れているはずだ.....

 

「正!今日も来たよー」

「うん!」

 

いつも通り....僕に全く疲れている様子を見せなかった。心配されるのが嫌なんだろう。子供に迷惑掛けるのが嫌なんだろう。お母さんは昔からそういう所がある。

 

「そういえば.....さっき警視庁が来たよ」

 

お母さんは一瞬普段見せないような顔を見せた。それで僕は察した。お母さんは何か僕に隠している。僕はそう確信した。

 

「そ、そうなんだ.....なんて言ってたの?」

「お父さんの事件について知っているか?って...」

 

またお母さんは普段見せないような顔をした。

 

「そうなんだ〜!正は何も知らなくていいよ.....知るな.....」

「えっ?」

「ごめんこれ今日の本、じゃあ.....」

 

お母さんは帰った。決して踏み入ってはいけない領域だ。でも.....真相を突き止めたい。でも僕はこの病院から出ることが出来ない。一体どうすればいいのか?

 

次の日も警視庁の方が来た。

 

「本当に何も知らない?」

「知らないです......」

 

覚えてない事を追求してくる。顔も覚えてないのに........

 

「あの......その事件について詳しく教えて貰えませんか?」

「わかった。教えよう.......まず...君のお父さんは殺された。しかも無残な姿で.....犯人の目処はついている。でも行方不明.....見つからない。で、その人物は....君のお母さんだ!」

 

「えっ........そんな....」

 

お母さんがお父さんを殺した??そんなことある?お母さんが行方不明?そんなことはないでしょ.....毎日お見舞いに来てるんだよ?仕事もしてるんだよ?行方不明なんてことがある訳ない、でもここで言ったらどうなる?病院に見張りがついて、お母さんが捕まってしまう。それはやだ。

 

「なにかの間違えじゃないですか?」

「そんなことは無い....証拠も出てる。」

「嘘だ.........」

「ほんとだ!お母さんの居場所しってるか?」

「知りません」

 

僕は絶対に言わない。お母さんが捕まったら僕はひとりぼっちだ。そんなの絶対嫌だ。

 

「もう帰ってください」

「わかった、また来る」

 

もう来ないで欲しいと思った。これ以上お母さんを追求するな。もし僕が病院から出れたら、お母さんと一緒に逃げるのに......くそ.....僕が事故なんかに巻き込まれなければこんなことにはならなかったのに......

僕はベットの中で泣いていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日

 

「速報です。長年に亘って失踪していた。鈴木朱里が昨日午後九時頃捕まりました。」

 

僕は言葉も出なかった。

 

神様は最低だ。僕を事故に巻き込み、お母さんを僕の前から消す。僕もう死んでもいいんじゃないか?僕はこの世にいらない人間だ。こん檻の中で1人で暮らすぐらいなら、死ぬ。

 

でも......僕が死んだらお母さんはどうなる?長い間看病をしてきてくれたのに....ここで僕が死んだらお母さんの努力が水の泡だ.....それはそれでやだ。やっぱり僕は生きていくしか道がないのでは?お母さんが戻ってきたら笑顔で迎えてあげる。

と思った時

 

僕は思い出した。

 

僕の寿命は1年をきっている事を......

僕はお母さんにはもう会えない。

 

くそ.........

 

その時、病室のドアが開いた。

 

「君が正君だね!」

 

その人は全く身に覚えがない人だった。

 

「そうですけど....」

 

僕は一応返事をした。僕が返事をした時、その男の人は笑った。僕には全く理解できなかった。

 

「数年前君をニュースで見た時可愛そうだと思った。さらに.....お母さんが捕まるというニュースを見て、慌ててここに来た。」

 

意味がわからない。僕が可愛そうだと思ったからわざわざここに来たっていうの?僕なんかの為に?

今までそんな経験はなかった。だから僕はものすごく困惑している。困惑しているが、なぜだか嬉しい気持ちもある、僕はひとりじゃなかったんだ.....

 

「君の看病をしようかと思っているのだが....どうだ?」

 

「僕の看病ですか?」

 

こんな人がこの世にいるなんて.....知らない人が僕の

為に看病をしてくれるなんて......申し訳ない

 

「申し訳ないですよ....僕なんかの為に...」

「申し訳なく無い。俺は君の役に立たないと行けないんだ」

「なんでですか?」

「それはまだ言えない。」

「あのーお言葉に甘えてもいいですか?」

「おう!任せろ!」

 

これで僕はこの男の人と出会った。

 

僕にはまだ生きる意味ができた気がする。物凄く嬉しい、お母さん今までありがとう。

 

僕はまだ生きるよ!

残り短い命だけど.....楽しく過ごすよ!!!

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