デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


新田美波編

 

 何かに挑戦するのが好き

 

 自分にない知識を習い

 

 それを身につけるのが楽しくて

 

 自分はまだまだ出来ると思えた

 

 だからかな

 

 アイドルにも

 

 可能性を感じたのは

 

 でも本心は

 

 私をスカウトした

 

 一見アヤしそうな

 

 魔法使いさんのお陰です

 

 ―――――――――

 

「プロデューサーさん! 頑張ってくださーい! 腰ですよ、腰ー!」

 

 ワー、ワー!

 

 私、新田美波は今、ライブの時みたいにお腹から声を出して私専属のプロデューサーさんに声援を送ってます。

 今日は私もプロデューサーさんもお休みなんですが、事務所全体で社員さんたちだけのソフトボールの試合をしてるんです。プロデューサーさんはアイドル部門の一員として参加してて、今は9回の裏ツーアウトで1点差でアイドル部門が負けてます。ランナーはプロデューサーさんの前に1人が出塁してるので、プロデューサーさんが打てば帰ってこれます。

 

 ただプロデューサーさんはスポーツが大の苦手。この試合でも周りにフォローされながらなんとかやってきましたが、バッターボックス内では本当に個人の技術力が物を言います。

 

「重力と空気抵抗と浮力……あとはスイングの速さを調節して……」

 

「プロデューサーさん、今は何も考えちゃダメですよー!」

 

「うん、考えない。僕は何も考えない、うん」

 

 そうしている間にプロデューサーさんはツーストライクになってしまいました。相手の方も甘く見て前傾守備です。

 プロデューサーさん……頑張って!

 

「これで試合終了……だっ!」

 

「っ!!」

 

 カーン!

 

「マジかよ……」

 

「やった! プロデューサーさん、走って!」

 

 わー、わー!!

 

 ―――――――――

 

「ゔぁ〜……体中が死ぬほど痛い……」

「これも勲章ですよ……あ、今からしみますけど、我慢してくださいね」

「くぉっ!?」

「我慢我慢。プロデューサーさんは強い男の子〜」

「ぐにににに〜っ」

 

 ソフトボールの試合はプロデューサーさんのサヨナラツーランホームランで幕を閉じました。でもプロデューサーさんってば初めてなのにヘッドスライディングまでしちゃって……そのせいで両肘とか傷だらけになっちゃったんです。

 こんなこともあろうかと私は救急箱を持参してきたので、プロデューサーさんを観戦席に連れてきて手当てしてます。

 他の皆さんは打ち上げということでもう移動しちゃってるので、今は広いこのグランドに二人きり。

 

 そもそもどうして私がプロデューサーさんの応援に来たのか……それは私がプロデューサーさんの彼女さんだからです♡

 お付き合いを始めたのは二ヶ月ほど前で、プロデューサーさんから告白してもらいました♡

 

 ただアイドルとそのプロデューサーということで公表出来ません。ですので事務所には私たちの関係は秘密にしてあります。でもアーニャちゃんや蘭子ちゃんとか、仲のいいアイドル仲間の子たちには教えていて、何かとフォローしてもらってます。

 あ、当然私のパパやママには了承を得てます。パパは最初は泣いてましたが、私が選んだ人ならいいと言ってくれました。

 

「はい、終わりましたよ」

「……ありがとう、美波さん……いててて……」

「ふふっ、今日のプロデューサーさん、とってもかっこよかったですよ♡ 惚れ直しちゃいました♡」

「あ、うん……ありがとう」

 

 プロデューサーさんは珍しく顔を赤くして照れてます。普段は自信に溢れてるのに、失礼ですけど今のプロデューサーさんはかわいい♡

 

「あ、まだ横になってた方がいいですよ」

「でも美波さん辛いでしょう?」

「膝枕ですか? これくらい平気ですよ、プロデューサーさん男の人の中でも軽い方ですし」

「でも誰かに見られたら……」

「怪我したプロデューサーさんを介抱してるだけです。何もやましいことなんてありませんよ」

「な、なら……お言葉に甘えて……」

「はい♡」

 

 普段は私の方がプロデューサーさんに甘えてばっかりですから、こういう時くらいその日頃の恩をお返ししたい。プロデューサーさんのお陰で私はアイドルとして有名になれましたし、アイドルをしながらでも興味があった資格も色々と取れましたから。

 

「でも、よくソフトボールの試合に出ようと思いましたね。プロデューサーさんならあの手この手を理由に参加拒否するはずなのに」

「どうしてだろうね……僕にもよく分からない。強いて言えば、美波さんに触発されたのかも」

「私に?」

「うん。美波さんって意外と行動派でしょ? 気になったら即行動みたいな」

「まあ確かにそうですね……」

「僕は美波さんのそういうアクティブな所が好きなんだよ。自分とはかけ離れた憧れの存在と言ってもいいかもしれない」

「そんな……」

 

 私なんてただ好奇心旺盛なだけです。逆に私はプロデューサーさんみたいな物事をしっかりと見て、確実なゴールを導き出してからスタートする人に憧れてるんですよ? だから私……プロデューサーさんのことが好きになっちゃったんですから♡

 

「自分には無い、でも心のどこかで憧れてたそんな自分……それを見せてくれる美波さんがすぐ側にいたから、今回のソフトボールの試合も参加してみようと思ったのかも」

「そうですか……」

「うん」

「……だったらこの怪我は私のせいってことですね」

「え、いや、そんなことないよ」

「でも私がいなかったら参加してませんし、仮に無理矢理参加させられたとしてもヘッドスライディングなんて無茶なことしませんでしたよね?」

「……可能性としては否定出来ないね、うん」

 

 ふふふっ、引っかかった♡

 

「だから私が責任をとってプロデューサーさんを介抱しますね♡」

「え」

「だぁい好きなプロデューサーさんにこんな怪我をさせてしまったんですから、いいですよね〜?♡」

「…………もう好きにして」

「は〜い、好きにしま〜す♡」

 

 こうなったプロデューサーさんは私に弱いんです。私はそれをいいことにプロデューサーさんに色々とお節介を焼く口実にしちゃうんです。悪い彼女でごめんなさい♡

 

 ―――――――――

 

 それから少しして、私はプロデューサーさんの車で彼のマンションの部屋に来ました。打ち上げの方には念の為に怪我を医師に診てもらうということで欠席することにして、あとのプロデューサーさんの時間は私が全部面倒を見ることにしたんです♡

 

「はい、〇〇さん♡ ぎゅ〜っ♡」

「み、美波さん、これは一体……?」

「私のだぁい好きなだぁい好きな〇〇さんを褒めてあげようと思って♡」

「そんなことしなくても……」

「私にぎゅ〜ってされるのはイヤですか?」

「そ、そんなことは!」

「じゃあいいですよね♡」

 

 むぎゅ〜♡

 

 プロデューサーさんは性格的に積極的に甘えて来てはくれません。なので私はプロデューサーさんが拒否出来ないのをいいことに、自分から勝手にプロデューサーさんを甘やかすことにしてるんです。

 私だって普通の女の子ですから、好きな人とは恋人らしくラブラブしたいんです♡

 

「〇〇さんのニオイ……好きです♡」

「今の僕は汗臭いから……年齢的にもミドル脂臭もすごいし……」

「そんなことないですよ♡ 寧ろ普段より強く感じられていいです♡」

「でもね……ほら、僕たち15も歳が離れてるし……」

「今は年齢の話なんてしてませんよね?♡ それにお互い好きだから今の関係なんですよね?♡」

「うぐ……」

 

 普段のプロデューサーさんになら私は絶対に口では勝てません。でもこうなれば私の方に軍配が上がります。弱味につけ込んでるみたいで申し訳なくもなりますが、こうでもしないと本当にプロデューサーさんって素直になりませんから。

 

「確かに恋愛感情は一時の錯覚とか言われてます。でも私、これを錯覚なんて言葉で終わりにしたくないんです」

「…………」

「そもそも〇〇さんなんですよ? 私を本気にさせたのは? 分かってますか?」

「はい……」

「ならもうつべこべ言わずに、私ともっともっとラブラブな関係になりましょうよ♡」

「そう、だね……うん」

 

 ギュッ♡

 

 プロデューサーさんの方から力強く抱きしめ返してくれました……ただそれだけなのに私の胸は嬉しさでトクントクンと跳ね上がります♡

 

「〇〇さん……好きぃ♡ 好きなんて言葉では足りないくらい……大好きです♡」

「ありがとう。僕も美波さんが大好きだ」

「今はさん付け禁止、です♡」

「……美波……」

「はい♡」

 

 もっと私のことを呼び捨てにしてください♡ 私はあなたの彼女です♡ あなたを世界中の誰よりも愛しているんです♡

 

「〇〇さん……ちゅう、したいです♡」

「え、でも……」

「そこは黙って私の顎を自分の方に持ってくとこです」

「あ、あぁ、ごめん」

 

 クイッ

 

「んふふ、その調子です♡」

「じゃ、じゃあ、させてもらうね?」

「はい、どうぞ♡」

「……………………」

「いつするんですか?」

「いや、美波さんが目を閉じてくれないから……」

「目を閉じないと出来ないんですか? あとさん付けが戻ってます」

「み、美波……き、キスってお互いに目を閉じてするものでしょ?」

「どうしてですか?」

「それは分からないけど……目を閉じてした方が視覚的感覚を遮断して他の感覚が研ぎ澄まされるからとか、かな?」

「……そうかもしれませんけど……理由が長いし、ロマンチックじゃないので却下します♡」

 

 だって今の私、プロデューサーさんのどれも見逃したくないんですから。なので諦めてください♡

 

「み、美波……」

「他の理由見つけました?♡」

「無理……見つかる訳がない」

「降参ってことですね♡ ではこのままどうぞ♡」

「う、うん……」

 

 ちゅっ♡

 

 ちゅうする前の緊張した表情、ちゅうした瞬間のちょっと安心した表情……そして終わってからのホッとした優しい表情♡

 どのプロデューサーさんも恋人である私だけしか見るのことの出来ない表情です。それが私は堪らなく嬉しくて、幸せで……目なんて閉じてはもったいないと再確認します♡

 

「ちゅうだけで終わりにしませんよね?♡」

「え」

「ちゅうだけで、終わりに、しませんよね?♡」

「い、いや、繰り返さなくても、言葉の意味や美波の意図も理解してるよ」

「でも手が止まってますよ?♡ あ、両肘を擦りむいちゃってるから、私が自分で脱いだ方がいいですか?♡」

「ちょちょちょ、たんまたんま!」

「じゃあ、脱がせてください♡ 一応〇〇さんから前に褒めてもらった下着着けて来てるんですよ?♡」

「そういう問題じゃなくて……」

「私、もう真面目な彼女じゃありませんから♡」

「美波……」

 

 でも、そんな私のことも〇〇さんは好きですよね?♡ 私ちゃんと分かってますよ♡

 

「時間切れです♡ じゃあ、私から襲っちゃいますね♡」

「は、え、へ?」

「〇〇さん、だぁい好きっ♡」

「あぁぁぁぁっ!」

 

 このあとのことは私とプロデューサーさんだけの秘密です。でもちょっとだけ教えるとすると……プロデューサーさんはやっぱり私のこと大好きでした♡―――

 

 新田美波♢完




新田美波編終わりです!

魔性の女っぽい感じになりましたが、ギャップっていいかと思って!←

お粗末様でした☆
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