デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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静岡から東京の事務所に通ってる設定です。
いつもよりちょっと話の内容が重いかもしれません。ご了承ください。


二宮飛鳥編

 

 日常とは誰が決めたのだろう

 

 どうしてそれが日常だと

 

 言えるのだろう

 

 人はそんなにも

 

 皆が同じ行動をするのだろうか

 

 答えはノーと言いたい

 

 が

 

 実際はイエスだ

 

 それがつまらない

 

 だから

 

 痛いヤツでいい

 

 なのに

 

 そんな自分も日常になった

 

 悪い魔法使いのせいでね

 

 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 

 ボクとボクを担当してる専属プロデューサーは事務所には内緒で恋人関係を築いている。ただ、蘭子やのあさんといったアイドル仲間には色々とフォローしてもらってるんだ。

 

 認めたくないが、ボクの心がプロデューサーを求めてしまっていてね。悔しいがボクからプロデューサーに、このボクを恋人にしないかと提案したんだ。

 

 最初はプロデューサーも素直に首を縦には振ってくれなかった。

 その理由はボクがアイドルだからというのもあるけれど、プロデューサー自身に問題があったから。

 

 プロデューサーにとっての問題。

 1つはボクがアイドルだということだ。

 そして2つ……それはプロデューサーが生まれつき身体が丈夫ではないこと。

 

 ドラマや映画みたいな話だけど、プロデューサーは病弱で小さな頃から入退院を繰り返していたそうだ。

 何度も昏睡状態に陥ったこともあり、健常者と比べたらかなりのハンディキャップを背負ってる。今は傍から見れば色白ってくらいで、普通に見えるんだけどね。

 

 そんなプロデューサーだが、高校3年の時にやっと自分の身体と上手く付き合えるようになって、無理をしなければ普通の人と変わらない生活が送れるようになった。

 

 そして若きプロデューサーはアイドルのプロデューサーになろうと決めた。

 プロデューサーになろうと思った理由は、自分が闘病中にテレビに映るアイドルの笑顔に元気を貰ったから。

 自分の身体的にアイドルになるのは絶望的……ならそんなアイドルを生み出すプロデューサーならなれるかもしれない。そう考えてプロデューサーは本当にアイドルプロデューサーになった。

 

 そこでボクと出会い、ボクをプロデュースしたいと思い、ボクをアイドルとしてそこそこ有名にしてくれた。

 

 ボクのつまらない日常と彼が送ってきた日常……2つが合わさったことで今の非日常がある。

 

 だからボクは諦めなかった。

 諦めたくなかったんだ。

 

 楽しいと確かに感じられるこの非日常を本当のボクの日常に変えてくれたのが、プロデューサーだから。

 

 ―――――――――

 

 ある日、何度目なのか分からないボクの告白をプロデューサーはまた断った。でもその日のプロデューサーは少し違った。何故ならとても辛そうな顔をしてから。

 ボクはどうしてか訊ねた。もしそれがボクのせいなら、ボクも考えを改めなくてはいけないからね。

 そしてプロデューサーは―――

 

『本当にもう止めてくれ。飛鳥の未来は明るいんだ。それを俺が不幸にしていくところを見たくない』

 

 ―――と、冷ややかな目をして言った。

 

 ボクにはその言葉の意味が理解不能だった。

 何故、ボクがプロデューサーのせいで不幸になると誰が決めた?

 そんなの押し付け以外の何でもないじゃないか。

 

『俺はね、今でも病院通いなんだよ』

 

 そんなの知ってる。診察のあとにすぐ仕事があったりしたらボクも一緒に行くからね。

 

『いつ寝たきりになるか分からないんだよ』

 

 そんなこと前に言ってたね。でも大丈夫。ボクが介護するから。

 

『介護の経験はないが、支える側のその辛さは色々と小さな頃から身に沁みてる。飛鳥にその辛さを経験させてしまうのが目に見えてるのにさせられるわけない』

 

 そんなこと大きなお世話だよ。介護するのが嫌になることもあるだろうけど、キミだから……大切に想うキミだからボクは覚悟出来てるんだ。

 

『…………辛い思いを沢山させる』

 

 それ以上に素晴らしい思いをさせてくれればいいだけの話だよ。

 

『…………風邪引いただけで入院する人間だぞ』

 

 非日常的でまさにボクとキミらしい日常イベントじゃないか。

 

『…………もう、勝手にしろ』

 

 ? それはつまり、ボクの提案を受けると解釈していいのかい?

 

『…………知らん。勝手にしろ』

 

 フッ……フフフッ……アハハハッ……あぁ、勝手にするよ。させてもらうさ。勿論、ボクはキミとそういう関係になっても全く後悔しないからな♡

 

 ―――

 ――――――

 ―――――――――

 

 これがボクとプロデューサーが恋人関係になったザックリとした経緯だ。

 まだまだ補足し足りないところはあるだろうけど、ここまでにさせてほしい。

 何故なら―――

 

「飛鳥……近い」

「近くにいるからね♡」

 

 ―――今はプロデューサーとの時間だから♡

 

 今日はお互いにオフでね。ボク一人なら風の向くまま気の向くまま……黄昏を探しに行くところだけど、プロデューサーもオフならすることは1つ。

 それはプロデューサーと過ごすこと。

 

 だからボクは昨日の夜からプロデューサーが契約しているマンションの部屋にいる。親には寮に泊めてもらうと言って話を通してある。

 

「二人きりだからって、常に引っ付いてなくていいと思うんだが?」

「勝手にしろと言ったのはプロデューサーなのに?」

「またそんな屁理屈を……」

「事実だ。それにキミだからボクはこうして引っ付いてるんだ」

「あぁ、そう……」

 

 プロデューサーは常に体温が低いからね。ボクとこうしてソファーの上で抱き合っていれば、少しは温かくなるだろう? 冬になると死人のように冷たくなるんだからな、キミは。因みに今のプロデューサーはボクを自分の膝の上に乗せている……俗に言うお姫様抱っこだね。されてみると案外気分がいいものだよ♡

 

「飛鳥ってまだ14だよな?」

「あぁ、まだ14だね」

「14なのに意外とセクシーな下着着けてるんだな」

「キミに見せるために用意したんだ……♡」

 

 気にしてはいないが、ボクは周りからすると胸が大きくはない。気にしてはいないがね。

 でも小さ……大きくはないというのは利点が多いんだ。それは彼が好きそうな下着を見つけやすいということ。これは大きな利点だ。だからボクは満足してる。今もプロデューサーはボクの下着を見て……結果ボクを見ていることに繋がっている。最高じゃないか♡

 

「でも14でシースルーをチョイスするのは早い気がする」

「早いも遅いもないだろう? 見せる相手は大人であるキミだし、流石に学校にもこんな下着は着けていかない」

「エクステ付けてるのに、更に風紀を乱す下着着けて行ったんじゃ余計に怒られそうだもんな」

「学校は生徒の自主性を尊重すると言いながら、その自主性を注意する不思議なところだ」

「教育の基本は強制からだ。自主性はそれからで、基本の範囲内の行動を取るのが理想とする」

「いやはや難しいね」

 

 集団行動を取る以上、規律良くあらねばいけない。それくらいはボクも理解してる。と言うか、下着の話から真面目な話にしたな。ボクとしてはもっと褒めてほしいところなんだが……。

 

「……ボクにはこんな下着は似合わないかい?」

「普段から肩丸出しだったり、太もも丸出しだったりしててセクシーさは見てるからな。俺の前だけ可愛い下着とかだったらギャップでグッとくるかも」

「そうか……次の参考にさせてもらうよ」

「いや、自分でこれだっての着ければいいんじゃないか?」

「それだとボクの気が済まない。ボクとの時間は常に特別だと感じてもらわないと……」

 

 後悔させないとボクはキミに誓った。だからボクはキミと二人きりの時はなんだってするよ。それがボクの望みであり、キミといたいと願った代償だ。

 

「そんなこと思わなくても、特別だと思ってる。俺は幸せだよ」

「っ…………バカ……♡」

 

 悔しい……これではボクばかりが喜ばされているじゃないか!

 

「バカとは酷い言い様だな」

「事実だ……バカ♡」

「そんな嬉しそうな顔でバカって言われてもなぁ」

「う、うるしゃい♡」

 

 くぅ……悔しいのに嬉しさが溢れてくる。キミに向けられた言葉も軽くボクの頬を突いてくる人差し指も……キミの全部に優しさがある。だからボクはどうしようもなく喜んでしまうんだ♡

 

「プロデューサー……♡」

「そろそろキスのお時間ですかな?」

「……黙ってしてくれ♡」

「それは無理な相談だ。キスする前に愛を囁かないと」

「…………それには同意する♡」

 

 全く……キミだからボクは許してるんだからな?

 全てキミだから、ボクは怖かった自分の知らない領域に踏み込んだんだからな?

 

 そう、全てキミのせいだ。

 

「大好きだよ、飛鳥」

「ボクもだ……大好きなんかじゃ足りない。ボクはキミを愛してる♡」

 

 そしてキミがしてくれるキスも……♡

 

「んむぅっ♡ ん、ちゅる……ぷろりゅうさぁ、これ……むふぅっ、ちゅっ、ぢゅるる……、しゅごい……あたま、とろけそぅ……んんっ♡」

 

 いつもと違う……こんな、めちゃくちゃにされるキスをボクは知らないっ……知らないのに……堪らなく嬉しいっ♡

 

「だめぇ、あっ、ふぁあっ、ほんとに、これ以上は……あっ、やぁあああんっ♡」

 

 息継ぎするのを許してくれても、このキスからは解放されない。

 

 普段のキスがどれだけお子様のキスだったのか……

 どうして今日はこんなキスをしてくれたのか……

 

 嬉しくて、嬉しくて……心臓が爆発しそう。

 

「んんっ……ちゅっ、ちゅぷ……んんぅ、ぢゅるっ……ちゅぷ……ふはぁっ……んふぅ、ちゅ〜……はぁはぁ♡」

「ふぅ……もうそろそろ次のステップに進もうと思ってね。今日は俺たちが付き合って三ヶ月の記念日だから」

「お、覚えてて、くれたのか……♡」

 

 全身に電気が走るようにゾクゾクする。心から愛する人に二人の記念日を覚えてもらえる……たったそれだけなのに。

 

「俺も色々と吹っ切れたからな。うんと俺を好きになったことを後悔させようと思ってね」

「ボクは後悔なんてしないぞ♡」

「どうかな?」

「やれるものならやってみろ……絶対に後悔してやるもんか♡」

「させるさ。なんたって俺は飛鳥のプロデューサーだぞ?」

「くぅ……♡」

 

 だが、絶対に負けない♡ ボクの方がずっと前からキミのことを愛してたんだ……こんなに幸せなのに後悔なんてどこにもない♡

 

 ―――――――――

 

「はぁ〜、はぁ〜、はぁ〜……っ♡」

「顔がとろとろに蕩けてるぞ?」

「う、うるしゃい……♡」

 

 さっきまで朝だったのにプロデューサーがボクをキスから解放してくれたのは、昼間だ。

 知らない……あんなキス、ボクは知らない♡

 

「さて、昼食作る前にひとっ風呂浴びるか。俺のズボンが飛鳥のせいでびしょ濡れだからな」

「あぅ……ごめんにゃしゃい……♡」

「風呂場なら濡れても平気だからね」

「ふぇ?♡」

「続き、教えようかと思ってる」

「ふぇぇっ♡」

 

 もうこんなの知ったら、やめられない。早く続きを教えて……今日と言う日はまだ長いよ?♡

 

「後悔した?」

「してにゃい……きみともっろ、しあわしぇににゃるぅ♡」

「そっか、飛鳥愛してるよ」

「ぼくもぉ♡」

 

 後悔をするしないはこの先のボクが判断することだ。

 でもこの恋に後悔するとしたら、プロデューサーの愛の大きさに負けたことだけだろう―――。

 

 二宮飛鳥♢完




二宮飛鳥編終わりです!

中二病ではあるものの、心底惚れたプロデューサーの前では常にゴロにゃんな飛鳥ちゃんにしました!

お粗末様でした☆
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