デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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松本沙理奈編

 

 前から人からの視線は

 

 気になってた

 

 それが集まっている箇所にも

 

 でも恥ずかしさより

 

 見られている快感の方が強くて

 

 ならそれを活かせる

 

 アイドルになろうと思ったの

 

 そこでアタシはね

 

 そんなアタシをより輝かす

 

 頼もしい魔法使いと出会ったの

 

 ―――――――――

 

「わぁ、かわいい〜♡」

「可愛いですね」

「いやぁ、俺も動物だったら沙理奈ちゃんの胸に抱きつけたのになぁ」

 

 ワハハハハ!

 

 アタシは今、バラエティ番組の収録中。動物番組なんだけど、今回から家で飼える珍しいペット特集をするみたい。それでその一発目に紹介するのがモモンガ。

 今、アタシはそのモモンガの赤ちゃんを手に乗せてるんだけど、胸の谷間に入ってきたの! そこからクリクリお目々で見つめてきてさ、それがとってもかわいい!

 司会をしてる大物芸人さんは下ネタに走ってるけど、まあ男の人ならアタシの胸に注目しちゃうのは仕方ないよね♪

 

 ―――――――――

 

「はぁ、モモンガかわいかった〜♡ アタシもアイドル引退したらペット飼おうかな〜」

「引退するのはだいぶ先になるけどな。犬や猫なら今でも飼えるんじゃないか?」

 

 収録も無事に終わったアタシはアタシをアイドルにしてくれて、今では専属プロデューサーになってくれたプロデューサーの運転で事務所に帰ってるとこ。

 

「飼えるけどさぁ、日頃お世話してあげられないじゃん? 寂しい思いさせるの分かってるのに、飼えないよ。飼うならやっぱり家族として愛してあげたいから」

「沙理奈のそういうとこ、好きだよ」

「うん、知ってる♡ プロデューサーがアタシにメロメロなのもね♡」

「ははは……」

 

 プロデューサーはアタシのことが好きなの。もちろん、それは知ってるしアタシもプロデューサーのこと大好き♡

 ただアイドルとプロデューサーだからさ、事務所には秘密にしてる。プライベートだとこれでもかってくらいイチャイチャしてるんだけどね♡

 

 告白とか別にお互いしてないんだけど、一緒にいるのが当たり前になってる。仕事でもプライベートでも。

 一緒にいて安心するし、たまに意見とか違っても許せちゃう。何よりアタシに夢中になってくれてるのが嬉しい♡

 だからアタシもお返しって訳じゃないけど、プロデューサーに夢中なの。いつもアタシのこと見てくれるし、アタシのこと1番に考えてくれるし……こんなの最高でしょ?♡

 

「プロデューサーはなんかないの? 犬とか猫とか以外に」

「俺? 俺は……うーん」

「そんなに考えること?」

「パッとは思い付かないんだよ、そういうの」

「アタシに似合いそうな衣装はすぐに思い付くのにね」

「それは仕事だし、沙理奈のことは誰よりも知ってるからな」

「へへへ、ありがと♡」

 

 何気なく言われる言葉でも、プロデューサーからだとついつい浮かれちゃう。やっぱりプロデューサーってアタシをダメにする天才なのかも。

 

「うーん……カワウソとか?」

「あ〜、カワウソ! 最近人気だよね!」

「甘えん坊だしな。可愛がりたい」

「え、アタシも甘えん坊だけど?」

「いや、沙理奈は恋人でペットじゃないだろ」

「でも甘えん坊だよ?」

 

 プロデューサーにしかアタシ甘えないよ? なのにプロデューサーはアタシが甘えると照れて逃げるのに、カワウソならいいなんてなんかズルい。

 

「それは知ってるけど、沙理奈の甘え方はちょっとな……」

「何よ〜? アタシの甘え方の何が気に入らないのよ〜?」

「気に入らないっていうか、色々と問題が……」

「え〜、何それ〜?」

 

 アタシは普通に大好きなプロデューサーに甘えてるだけなのに、どうして引かれないといけない訳?

 カワウソならいいってのに! 納得いかないわ! こうなったらあとでとことん追究してやるんだから!

 

 ―――――――――

 

 事務所へ仕事の報告も終わって、今日のアタシの役目は終わり。プロデューサーも特に仕事が残ってる訳じゃなかったから、アタシはプロデューサーにアタシのマンションに送ってもらった。

 もちろん、それでアタシがプロデューサーを帰す訳がなく、プロデューサーに有無を言わさず上がってもらった。

 だってプロデューサーにはアタシの甘え方の何が悪いのか教えてもらわなきゃいけないもの。アタシは気になったらとことんやる派なんだからね!

 

「プロデューサー、どこがダメなの〜? こうして背中にべったりくっついてるのがウザいの〜? それならそうだって言ってよ〜」

 

 アタシはいつものようにプロデューサーの背中に抱きついて甘えてみる。でもプロデューサーは「うーん」って唸るだけ。

 変に遠慮されるより、ズバッと言ってくれた方が助かるんだけどなぁ……。アタシの性格的に、グサッと来ても根には持たないし。

 

「プロデューサー?」

「いや、うん、ホントにこれは俺の問題だから」

「プロデューサーの悩みはアタシの悩みでもあるんだよ? プロデューサーだってアタシが悩んでたら、一緒に悩んでくれるでしょう?」

「それはそうだけど……」

「むぅ……」

 

 プロデューサーって30歳なのに比較的頑固だから、プライドとかそういうので素直になれないんだよね。その点アタシは楽観的だからプロデューサーにはよく注意されてる。

 

「沙理奈は……」

「うん」

「胸が大きいだろ? だから背中に当たってさ、興奮するんだよ」

「へぇ〜……♡」

 

 ちょっと渋々だったけど、ちゃんと言ってくれた。こういうとこ、やっぱり大人だなって思う。まあアタシの性格が言ってくれなきゃ分からないってのを理解してくれてるから、最終的に話してくれるんだろうけどね。

 

「恋人としては嬉しいなぁ♡ 彼氏がアタシの胸で興奮してくれてるんだもん♡」

「俺はちょっと後ろめたいよ」

「それはアタシがアイドルだから?」

「そりゃあね」

「プロデューサーは変なとこ女々しいよね〜」

「責任感があると言ってくれ」

「はいはい……ふふふ」

 

 でもアタシ、ちゃんと知ってるよ? プロデューサーがもしアタシとの関係がバレても、責任取ってくれようとしてること。

 でもでもプロデューサーはちょっと気にし過ぎ。アタシたちの味方ってかなりいるんだよ? もう事務所の大半はアタシたちの味方なんだから。

 

「プロデューサーはアタシのこと好き?」

「そりゃあ、好きだ。好きだから今こうなってる」

「ならさ、気にしないでいなよ。気にしてるからダメなんだよ」

「沙理奈が気にしなさ過ぎてるから、俺は気にしてるくらいでいいんだ」

「またそんな屁理屈こねる〜」

「事実だからな」

 

 でもアタシの胸で興奮してるくせに。

 

「変に気にするのはもう止めようよ。今は二人きりだもん。アタシとイチャイチャしよ?♡」

「現にイチャイチャだろ、この状況」

「もっと〜。もっとイチャイチャしたいの〜。こんなのイチャイチャに入らない〜」

「…………」

「外ではちゃんとアイドルの沙理奈でいるでしょ? でも二人きりの時は恋人として接してよ。気難しいこと考えないで、アタシとイチャイチャしてればいいの」

「分かったよ」

 

 よろしい♡ というか、最初からそうしてればいいの♡ ホント手のかかる彼氏なんだから♡

 

「じゃあ、存分にアタシの胸を堪能してね〜♡ ほらほら〜♡」

 

 グイグイってアタシがプロデューサーの背中に胸を押し当てると、プロデューサーは「うぐっ」なんて変な声をあげる。かわいい♡

 

「アタシ、胸を見られるのって恥ずかしいけど、アタシのは目立つから仕方ないって割り切ってるの。それに見られるのも悪くないし」

「知ってる」

「でもさ、ファンは見るだけしか出来ないけど、プロデューサーはこうしてアタシの胸の感触を味わえるんだよ?」

「実感してる」

「だったらもっと実感して? プロデューサーだけなんだよ? アタシの胸を好きにできるの」

「なら、俺の膝に座って」

「へへへ、は〜い♡」

 

 やっとデレてくれた♡ さっさと素直になっちゃえばいいのに♡

 

 アタシはプロデューサーに言われた通り、プロデューサーの膝の上に座る。するとプロデューサーはアタシを抱き寄せて、言い方は悪いけどそのどさくさに紛れてアタシの胸に顔を埋めるの。ホント、素直じゃない……かわいいけどね♡

 

「どう?♡」

「最高」

「プロデューサーだけのだよ?♡」

「もうここで死んでもいい」

「あはは、プロデューサーっておっぱい星人だもんね♡」

「男なんてみんなそんなもんだろ」

「そうかな? 聖來のプロデューサーはお尻フェチらしいよ?」

「フェティシズムは人それぞれってことで、胸に惹かれる男は多いってことだ」

「はいはい、分かりました♡」

 

 ホントかわいい……そんなにマジレスしなくてもいいのにさ♡

 

「ねぇ、お顔埋めるだけでいいの?♡ アタシ、プロデューサーにもっと色んなことされたいんだけど?♡」

「魔性の女め」

「人聞き悪〜。プロデューサーだからアタシは色んなことされたいだけなのに〜」

「人をおっぱい星人なんて言うからだ」

「むぅ〜♡」

 

 お返ししないと気が済まないとこは子どもっぽい。でもそこは愛嬌かな?

 そんなことより、早く触って欲しい。切ないよ。

 

「アタシが悪かったから、触って♡ アタシ、プロデューサーのせいで感度よくなっちゃったんだから♡」

「人のせいにするなよ。いつも誘ってくるのそっちだろ」

「誘わないとしてくれないじゃん」

「………………」

 

 勝った♡ ふふん、プロデューサーはアタシには弱弱だからね〜♡

 

「ほらほらぁ、早くぅ♡」

「沙理奈には敵わないな」

「今更気が付くとか遅くな〜い?♡」

「煽ってくるな」

「煽るとめちゃくちゃにしてくれるんだもん♡」

「こいつ……」

「へへへ、いっぱいいっぱいめちゃくちゃにしてね?♡」

「後悔させてやる!」

「きゃあ♡」

 

 ―――――――――

 

 あれからどのくらい時間が経ったのか、分からない。

 10回目以降は数えてられなくて、アタシはプロデューサーにだけ夢中になってたから。

 

「はぁはぁ、ん、はぁ……プロデューサー♡」

「な、なんだ……はぁはぁ」

「いっぱいかわいがってくれて、ありがと♡」

「ど、どういたしまして……」

「もう朝だね〜♡ シーツとかベトベト〜♡」

「なんで嬉しそうなんだよ」

「プロデューサーにかわいがってもらった証拠だも〜ん♡」

「そうか……」

「最後にアタシの胸でしてあげようか?♡」

「……頼む」

「はぁい♡」

 

 結局、そのあともレッスンの時間ギリギリまで盛り上がっちゃった♡

 でも流石にダンスレッスンの前は止めようって思ったわ……たはは―――。

 

 松本沙理奈♢完




松本沙理奈編終わりです!

クールの中で1番好きなアイドルなので、妄想をそのまま書きました!

お粗末様でした☆

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