デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


相葉夕美編

 

 私はお花が好き

 

 ボランティア活動をするくらい

 

 そんな私に

 

 アイドルとお花は似てる

 

 そう話してくれた人がいた

 

 最初はなんなんだろうって思った

 

 でもその人もお花が好きで

 

 初対面なのに色んなお花のお話しが出来た

 

 そしてその人と出逢った時

 

 私が丁度お世話をしていたのは

 

 ハーデンベルギアだった

 

 ―――――――――

 

「はーい、リスナーのみんな元気にしてるかー? DJカッキーが送る『あの人にこれ訊いてくれ!』の時間が今夜もやってきたぜー!」

 

 今日のお仕事はローカルなラジオライブでのゲスト出演。

 これまでも何度かお世話になってるお仕事だから結構リラックスして出演出来る。

 でも生放送だから、やっぱり少しは緊張しちゃう。

 

「そ・れ・でだ! 今夜のゲストはリスナーからのリクエストがこれでもかって届いたあのアイドルだぜ! 相葉夕美ちゃんだぜ、ヨロシクゥー!」

「ラジオの前の皆さん、こんばんは♪ アイドルの相葉夕美です、よろしくお願いしまーす♪」

「いらっしゃい夕美ちゃん! いやぁ、もう4度目の出演になるともう挨拶から何から慣れたもんだね! 最初の時と比べると笑顔がよりキュートでパッションだぜ!」

「あはは、ありがとうございます♪ でもでも、これでも緊張はしてるんですよ〜?」

「オレより仕事たくさんしてるくせによく言うぜ! なら早速際どい質問からイッちゃうYO!」

「お手柔らかにお願いしますね〜♪」

 

 こうして私のお仕事は順調に進み、大きな失敗もなく終えることが出来た。

 殆どはリードしてくれるカッキーさんのお陰なんだけど、私も前回の時と比べたら少しは自分から話せたと思う……多分。

 

 ―――――――――

 

「今回は本当にありがとうございました! また是非呼んでください!」

 

「相葉さん、お疲れ様でーす」

「こちらこそまたよろしくお願いします」

「夕美ちゃん、また来てくれよー!」

 

 スタッフさんたちやカッキーさんと挨拶をして、スタジオをあとにする私。

 ここは小さなスタジオで楽屋とかもないから、衣装は普段着(一応プロデューサーさんから指定された服)のままで、スタジオの外で立ったまま軽くメイク落としをメイクさんにしてもらったら終わり。

 

 ―――

 

 エレベーターでラジオ局の1階ロビーに着くと、

 

「おう、終わったか?」

 

 私専属のプロデューサーさんが待っててくれた。

 いつもなら現場に立ち会ってくれるんだけど、今回はプロデューサーさんが企画した旅番組の会議でそれどころじゃなかったの。

 でもでもこうしてちゃんと来てくれるのは本当に嬉しい♡

 

「何も失敗しないで終わったよ! 褒めて褒めて♡」

「おう、お疲れ……よしよし」

「えへへ……♡」

 

 私はアイドルでこの人はプロデューサーだけど、私とプロデューサーさんは恋人同士でもある。

 実は私の初恋はプロデューサーさんなんだよね。

 初恋は実らないってよく聞くけど、私はそんなことないって信じてる。

 

 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 

 私がプロデューサーさんを男の人として意識したのは、私がお仕事で失敗しちゃって偉い人にプロデューサーさんがとても怒られちゃった時。

 

『君はプロデューサーだろ!? いつまで駆出し気分なんだ!? ちゃんとアイドルってのものを自分とこのアイドルに教えとけよ!』

『申し訳ありませんでした……番組のためを思って差し出がましいことをしてしまって』

 

 それは私が植物園でレポーターを務めたテレビ番組の収録でのこと。

 私はせっかくのテレビだから普段はあまり人に知られていないお花を紹介したくてプロデューサーさんとも打ち合わせしてたんだけど、番組の方針はメジャーなお花をメインにしたかったみたい。

 そこで私とプロデューサーさんはメジャーなお花、マイナーなお花、メジャーなお花……って順にしちゃおうって話して私がその通りに実行した結果、怒られちゃった。

 

 でも私の表情がとても良かったってスタッフさんたちも言ってくれたお陰でそこまで大事にはならかったんだけど、私はプロデューサーさんに迷惑をかけてしまったことを気にしてた。

 

 ―――

 

 収録が終わったあとで私とプロデューサーさんは、プロデューサーさんの運転で事務所に帰る時に車内で反省会をした。

 

『プロデューサーさん、また私のせいでごめんなさい』

 

 そう、私の失敗はこれが初めてじゃない。

 アイドルになって初めてのお仕事……バラ園のレポーターをさせてもらった時も今回と同じように怒られた。

 その時は今回みたいにすごく怒られた訳じゃないんだけど、それはたまたまその偉い人が優しかっただけ。

 しかも今回は私は殆ど怒られてなくて、プロデューサーさんばっかり怒られてたの。

 私はそれが申し訳なくて……胸が張り裂けそうだった。

 

 でも謝る私にプロデューサーさんは―――

 

『謝んなくていいよ。夕美の良さは絶対にお茶の間に届くはずだし、夕美が楽しく仕事出来たならそれで』

 

 ―――笑顔で優しい言葉をかけてくれた。

 

 プロデューサーさんは私と違って芸能界のお仕事に慣れてる。

 私の前には他のアイドルのプロデュースもしてたし、プロデューサーさんの判断力は素人の私から見てもすごいって思う。

 だからGOサインをくれたんだけど、やっぱりあれだけ私のせいで怒られちゃったんだから気にしちゃうよ。

 

『ほらほら、そんな悲しそうに眉尻を下げるなよ。アイドルは常に笑顔。花と一緒で一生懸命な笑顔で人に笑顔を与えるんだ』

『プロデューサーさん……』

『俺は夕美の笑顔好きだぞ? だからスカウトしたんだ……だから夕美は笑顔を絶やさないでくれ』

『うん……』

『まぁ、今日みたいな日は笑顔が曇っても仕方ないけどな。でも最後は必ず笑うように! 何度も言うけど、夕美の笑顔は最高だからな!』

『ふふっ、もう、プロデューサーさんったら……』

 

 ―――

 ――――――

 ―――――――――

 

 あの時から私はプロデューサーさんのために笑顔を忘れないようにして、頑張ってプロデューサーさんに"振り向いて振り向いて♡"ってアピールして数カ月前からプロデューサーさんに告白されてお付き合いしてる。

 私たちの関係を知ってるのは事務所では凛ちゃんと琴歌ちゃんと藍子ちゃんで、この3人には何度も何度も相談したんだ。

 今ではすっかりプロデューサーさんとの進展具合を訊かれてイジられちゃってるけど……。

 

「へぇ、やっぱり"どんな男性が好みですか?"なんて質問はどこでもされるんだなぁ」

 

 そして今私はお仕事の報告をしてるところ。

 車内での報告会はいつものことだけど、彼氏彼女の関係になってからはちょっと遠回りして事務所に行くんだ。

 それはプロデューサーさんが私との時間を自然に作ってくれてるみたいで、こういうさり気ない気遣いが私はとても嬉しくて……プロデューサーさんの彼女になれて幸せって思える♡

 

「そんなんですよ〜。色んなお仕事してきたけど、この手の質問って良くあるんですよね〜」

「まあ、それだけ夕美が魅力的ってことだろ?」

 

 サラッと褒めてくるの……ずるいよ♡

 

「そ、そうかな?」

「そうとも。前に共演した男俳優から夕美の電話番号を尋ねられた時だってあるんだぞ?」

「えぇ!?」

「大丈夫大丈夫。ちゃんと断ってるから。夕美は直接訊かれたこととかないか?」

「男の人からはないですね……女の子の共演者から何人かありますけど……」

「そっか。でも気をつけてくれよ?」

「大丈夫ですぅ、私はプロデューサーさんのことしか眼中にありませんから!」

 

 もう、私をそんな風に見てるなんて心外だよ。

 私はプロデューサーさんだから恋したのに!

 

「ははは、そう怒るなよ。俺だってアイドルが恋人で常に人の目に晒されてるって思うと不安なのさ」

「その割には余裕っぽく見えるんですけど〜?」

「夕美よりは色んな経験してきてるからな。不安であっても露骨に面には出さないさ」

「ふ〜ん……なんか悔しいなぁ」

 

 まるで子ども扱いされてるみたい。

 プロデューサーさん自身はそんなつもりじゃないのは分かってるけど……こういうとこが子ども扱いされちゃうのかな?

 

「何が悔しいんだよ。俺なんてサイン会や握手会、ライブとかに来てるファンに嫉妬してるってのに」

「え?」

 

 嫉妬? プロデューサーさんが?

 

「そりゃあ、俺だって仕事人間な訳じゃないからな。可愛い彼女がみんなにちやほやされてるのを見るのは心穏やかじゃない」

 

 でも夕美の良さを世に伝えるのが俺の仕事だ……って言うプロデューサーさん。

 そう語るプロデューサーさんの目はとても真っ直ぐで、輝いてて……とても格好良かった。

 

 プロデューサーさんの言ってることはちょっと分かる。

 プロデューサーさんは気づいてないけど、私の大学の友達はプロデューサーさんを格好いいって言ってるんだよ?

 紹介して、とか……彼女いるの、とか……結構訊かれてるし、今でも前に担当してたアイドルの子たちから相談を受けてるのも知ってる。

 

 だから私もたまに嫉妬しちゃう……だから分かるの。

 

「でもさ、そんな人気なアイドルが俺の恋人だって思うと誇らしいし、男冥利につきるんだよな。夕美との出逢いに感謝してもしきれないよ」

「っ……そ、そんなの私だって同じだよ? あの日ボランティアであの公園でお花のお世話をしてなかったら、今みたいに過ごしてなかったんだもん」

「偶然ってすごいな」

「……偶然じゃないよ」

 

 私の言葉にプロデューサーさんは「え?」って返してきた。

 でも本当に私にとってプロデューサーさんとの出逢いは偶然だと思ってない……というか偶然だと思いたくないの。

 だって―――

 

「こんなに大好きになる人と出逢えたんだから、私とプロデューサーさんがあの公園で出逢うのは運命だったんだよ♡」

 

 ―――そういうことでしょう?

 

 あの時、私が公園でお世話してたお花はハーデンベルギア……花言葉は『運命的な出逢い』だもん。

 この恋はあのお花が引き合わせてくれた運命。

 

「…………そっか。夕美からそう言われると嬉しいな」

「えへへ……そうでしょ?♡ だからこれからもたくさん、私にプロデューサーさんの愛を頂戴ね?♡ そうしたら、私がお返しにプロデューサーさんのことを笑顔にしてあげるから♡」

「大胆なおねだりだな……でも応えてみせるよ」

「うん♡」

 

 それから事務所に着いてプロデューサーさんのお仕事が終わってから、私はプロデューサーさんに連れられて夜のガーデンレストランへディナーデートってことで連れてってもらっちゃった♡―――

 

 相葉夕美⦿完




相葉夕美編終わりです!

夕美ちゃんは私お気に入りキャラの一人です♪
なので夕美ちゃんらしさを頑張って書きました!

お粗末様でした☆
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