デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京している設定です。


衛藤美紗希編

 

 あたしはずっと可愛くなりたかった

 

 だからずっと努力してきた

 

 勉強でもスポーツでも

 

 なんでも

 

 それでも

 

 自分の中で限界を感じて

 

 妥協するようになっていった

 

 そんなあたしの限界を

 

 無限にしてくれた

 

 偉大な人がいます

 

 ―――――――――

 

「衛藤さん、目線こっちに」

「はぁい☆」

 

 パシャ

 

「次はバッグを前面的に」

「こんな感じですかぁ?」

「そうそうそんな感じ……いいね〜、今回もとっても決まってるよ!」

「ありがとうございまぁす☆」

 

 パシャ パシャパシャ

 

 あたしは今、女性向けファッション雑誌のモデルのお仕事をしてまぁす。

 前回のがなんかとっても好評だったらしくってぇ、こうしてまた呼んでもらえたんだぁ♪

 まあこれも事務所でモデル経験のある子たちにたくさんアドバイスもらったからなんだけどね。

 

「じゃあ次は三人で並んでください」

「はぁい☆」

「かわいくお願いしまぁす♪」

「こんな感じですか?」

「うんうん、いいよいいよー!」

 

 そして今回はあたしだけじゃなくて、彩華と雅も一緒でガールズ・パワーでのお仕事でもあるんだぁ☆

 だから今回のお仕事はちょー楽しかった!☆

 

 ―――――――――

 

 無事に撮影を全部終えたあたしたちはみんなして各プロデューサー待ち。

 撮影用のメイクも落としたしぃ、帰る準備は終わったからぁ、あとはプロデューサーが来るまであたしたちはおしゃべりタイム☆

 

「んー、モデルのお仕事ってぇ、初めてだったんだけどぉ、結構楽しい感じだね♪」

「あ、それわかるぅ♪ それに修正とか加工してもらえるのもイイよねぇ♪」

「二人は修正入れ過ぎだったけどねぇ」

 

 今の話題はお仕事の話題。

 あたしはここの雑誌でしかモデルしたことないから分かんないけどぉ、撮った写真をあとから自分たちで見て、直してほしいーとことか暗くなっちゃってるとことか言ったら直してくれるんだよぉ、スゴイよねぇ。

 まあ修正でもムリな時はまた撮り直したりするんだけどぉ、今回はみんな修正と加工だけでオッケーだった☆

 

「そうかなぁ? あやか的にはぁ、もっと肌白くしてほしいって言っただけだよぉ?」

「みやびぃも脚のラインをキレイにしてもらっただけだよぉ?」

「どの写真にも入れようとしてカメラマンさんに『そんなに不満ならまだ撮る?』って言われてたじゃ〜ん。あれ笑ってたけど、ゼッタイにイイ気分はしてなかったと思うー」

「でもでもぉ、ちゃんとみやびぃは理由言ったもぉん」

「あやかもあやかもぉ」

 

 二人共相変わらずだなぁ。まあそこが二人のいいところでもあるんだけどねぇ☆

 

「てかさ、あやかぁミサキちゃんに聞きたいことあるんだけどぉ?」

「あ、もしかしてあのことぉ? だったらみやびぃも気になるぅ〜♪」

 

 なんだろ? 二人して気になってることとかあたしの身にあったかなぁ?

 そう思いながらあたしはお茶を口に含むと、

 

「ミサキちゃんってぇ、担当プロデューサーともうどこまでイッた系?」

「お泊りまでしちゃった感じぃ?」

「っ……ごほっ、ごほっ」

 

 二人の質問を聞いてめっちゃムセた。

 

「ちょ、ダイジー?」

「というかぁ、図星ってことぉ?」

「っ……はぁ、はぁ……図星でもなんでもない!」

 

「えぇ〜、それはないっしょ〜?」

「そぉだよぉ、二人して事務所から一緒に帰るとこ何度も見てるしぃ、その時のミサキちゃんってぇ、とってもキラキラしてるもん」

「…………別にフツーだしぃ」

 

 あたしはあたし専属のプロデューサーとカレシカノジョってことで付き合ってる。

 だってさ、あたしをここまで引っ張ってきてくれて、ずっと一緒に過ごしてきたんだし、フツー惚れない?

 アイドルとプロデューサーだからバレたらヤバいってのは知ってるけどさぁ、好きになったらそんなのカンケーないじゃん?

 

 プロデューサーのことオトすのにこの二人にも結構協力してもらった手前、その後の進展を話す義務はあるんだろうけどぉ……そこまでツッコんだ質問はナシでしょ、フツー。

 

 まあ、これまで数えきれないくらいお忍びでデートもしたしぃ、お泊まりも既に何度かしてるんだけどぉ♡

 勿論アッチもシちゃってるけどねぇ♡

 あたしが我慢出来なくて襲っちゃったなんて言えないけどぉ♡

 

「あ〜、ニヤニヤしてるってことはぁ、イイ感じなんだぁ♪」

「ミサキちゃんって顔によく出る系だもんねぇ♪ つか、めっちゃデレデレしててウケるー♪」

「なっ、それひどくなーい?」

「だってぇ……ねぇ?」

「ねぇ〜♪」

 

 うぅ……あたしってそんなにプロデューサーのことになると顔に出るのぉ?

 めちゃくちゃ恥ずいんですけどぉ!

 

 ガチャ

 

「お待たせ。話が終わったから事務所に戻るぞー」

 

 そんでめちゃくちゃタイミングよくプロデューサーも戻ってくるし! あたしにとってはタイミングちょーサイアクなんだけど!

 

「あ〜、ミサキプロデューサー、おつぽよー♪」

「お疲れ様でぇす♪ 彼女さんがぁ、待ちくたびれてましたよぉ?」

「ちょっと二人共っ!?」

 

 何勝手なこと言ってんの!?

 まあ、確かに遅いなぁとかは思ってたけどぉ……。

 

「え、そうだったのか? ごめんな、ページ構成とかで話し込んじゃっててさ」

「……別にぃ、あたしはフツーだったしぃ」

 

 なんで二人の言葉を鵜呑みにしてそんな優しい声出すかなぁ。キュンキュンすんじゃん!♡

 

「彩華、車行くぞー」

「オケオケー♪」

 

「雅も車に乗ってくれ」

「お先でぇす♪」

 

 そんでどうして二人のプロデューサーもこうも空気読めるかなー。こんな雰囲気で二人きりにしないでよー!

 

「俺たちも車行こうか」

「……うん」

「待たせてごめんな」

「別に待ってないー」

 

 プロデューサーがあたしのために頑張ってくれてるのちゃんと分かってるし……そもそも待ちくたびれてないし!

 

「そっか、ありがとう」

「っ……うん♡」

 

 つかホント、その笑顔ヤバい♡

 こっちまで嬉しくなるじゃん!♡

 

 ―――――――――

 

 それからあたしたちはあたしのプロデューサーの運転するミニバンで事務所に戻ったよぉ。

 上の人への報告も終わったしぃ、みんなともお別れしてぇ、あたしはあたしでちょこっとメイクしてプロデューサーをロビーで待ってる感じ。

 

 これからプロデューサーとディナーの約束してるんだぁ♡

 なんかぁ、今日は残業もないからって誘ってくれたぁ♡ ホントこういうのヤバい!♡ 何がヤバいって、いつもあたしのために忙しくしてて、今回は残業もないのに、わざわざあたしとの時間を作ってくれたこと!♡

 これホントなかなか出来る男の人いないから、ホントポイント高いよ。やっぱあたしの男を見る目はバツグンって感じ?♡ にしし♡

 

「お待たせ、んじゃ送ってくよ」

「お願いしまぁす♡」

 

 ロビーでの会話はキホン怪しまれないようにフツーの会話をする。

 でも、

 

「もういいぞ、美紗希」

「んぁ〜、ちょーこの時になるの待ってたぁ♡」

 

 プロデューサーの車に乗り込んじゃえばあとは二人の時間♡

 お仕事とかでも一緒だけど、こうしてくっつけないからホントはちょー寂しいんだよねぇ。

 でもでも、その寂しさもこの瞬間のためにあるっていうか、ご褒美がちゃんとあるって思うと我慢出来るんだよねぇ♡

 

「美紗希は本当に甘えん坊だなぁ」

「カレシに甘えて何が悪いのぉ?♡」

 

 つか、そんなこと言ってるプロデューサーだってあたしの頭ナデナデしてくれてるじゃん♡ もう、ホントプロデューサーのこういうとこ好き過ぎてヤバい♡

 

「悪くはないよ、ただ仕事の時とのギャップが凄いって話」

「だってぇ、お仕事の時はアイドルのあたしだけどぉ、プライベートの時はプロデューサーだけのあたしだよぉ?♡」

「ありがとう。んじゃ、行くか」

「りょーかーい♡」

 

 ―――――――――

 

 あたしたちが向かったのはプロデューサーのマンション近くにあるスーパー。

 ディナーじゃないのかって? ディナーはこれからあたしが作るの☆

 プロデューサーをオトす時にだって、あたしの手料理を食べてもらったんだから♡

 まあこれはあたしのお母ちゃんに教えてもらったことなんだけどねぇ。

 

「ねぇ、あなたぁ、今晩は何が食べたーい?♡」

「…………お前の作る物ならなんでも」

「ぷふっ、男らしい返答なのに顔真っ赤でウケるー♡」

「うるさいなぁ……そんなに笑うことないだろ?」

「ごめんごめん……ちゃんとノッてくれてありがと♡ 大好きだよ……ん〜、ちゅっ♡」

「こらっ」

 

 ほっぺにチュウしたら怒られちゃった☆

 でも都会ならどうせ誰も気にしてないし、あたしのことをアイドルだって思う人もいないっしょ。伊達メガネかけてるし☆

 そもそもバレたらバレたで交際宣言すればイイ感じだし!

 

「それよりぃ、ホント何か食べたいのないー? 作るよー? ダーリンのために頑張っちゃうよー? レシピだってネットで調べたらスグだしー?」

「…………前に作ってもらっただんご汁と鶏めしがいい」

「えぇ、またそれー? なんかこればっかり作ってる気がするー」

「美味いんだからしょうがないだろ……」

 

 あ、ちょっとスネた……普段めっちゃ大人なくせにこういう時だけ見せる子どもっぽいとこヤバい♡

 もぉ、どんだけあたしのこと好きにさせれば気が済むの!♡

 

「そんなにあたしが作ったの美味しーい?♡」

「まあな……それにあれを食べてると美紗希がこれまで親しんできた食事を味わえて、いいんだ」

「あはっ、ダーリンてば意外と過去のこと気にしちゃう感じだよねー♡」

「ちょっとな、ちょっと」

「そーかなー?♡」

 

 そうやってあたしのことを知りたいって思ってくれるのは嬉しい♡

 でもそれよりも嬉しいのは―――

 

「そうだ。でもそれだけじゃなくて、美紗希とこれからも食卓を囲みたいなって改めて思えるから、本当に美紗希が作ってくれる物ならなんでもいいんだよ、俺は」

 

 ―――あたしとの未来をちゃんと真剣に思ってくれてること♡

 

「ねぇねぇ♡」

「ん?」

「それってプロポーズ?♡」

「違う」

「えぇ、即答とかひどくなーい?」

「プロポーズはもっと先だ。それにこんなムードのないところで指輪なんて渡せない」

「っ♡」

 

 ま、待ってよ、そういうこと今言うの反則じゃない?

 胸がドキドキして、ちょーうるさいんだけど!♡

 

「その時が来たらちゃんと言う。だからその時までよろしくな」

「その時までなのー?♡」

「その先も」

「はーい♡ でも遅過ぎたら逆プロポーズしちゃうからね?♡」

「……努力する」

「あはは、気長に待ってまーす♡」

 

 それから食材もちゃんと買って、あたしの愛をうんと込めたお料理を食べてもらって、()()()()も食べてもらっちゃった♡―――

 

 衛藤美紗希⦿完




衛藤美紗希編終わりです!

ギャルというか、そういう系の言葉遣いって難しいので無難な感じで書きました!

お粗末様でした☆

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