デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。
プロデューサーの設定盛ってますがご了承ください。


佐藤心編

 

 アイドルは楽しい

 

 誰よりも輝けて

 

 可愛い衣装も着れて

 

 ファンと一体になれるから

 

 年齢がどうとか

 

 イタいとか

 

 めっちゃ言われるけど

 

 そんなのもう慣れちった

 

 いや、正確には気にしなくなった

 

 だって

 

 もっとムカつくヤツがいるから!

 

 ―――――――――

 

「………………」

「えっと、ここか。着いたぞ佐藤」

「佐藤言うな! しゅがはって呼べよ☆」

「静かに、佐藤」

「〜〜〜っ☆」

 

 おっすおっす☆ 愛されて26年、しゅがーはーとだよ☆ おい、今鼻で笑ったヤツ、あとでしゅがはの可愛さにしゅがーどばーってさせてやっかんな☆

 

 今ぁ、はーとはぁ、大手出版社にプロデューサーちんと来てるの〜♪

 なんでもぉ、自分とこで出版してるアイドル雑誌にぃ、ど〜〜〜してもしゅがはの特集記事を組みたいらしくてぇ……人気になって困っちゃう☆ きゃるるん☆

 

「どうも、〇〇プロダクションの〇〇です。うちの佐藤心をよろしくお願いします」

「しゅがーはーとでぇす! よろぴくっ☆ てりりん☆」

 

 早速取材のためのお部屋に通されたはーとたちなんだけどぉ、なんかすっげぇだだっ広い部屋。これもやっぱはーとの―――

 

「いえいえ、あの〇〇さんがプロデュースしているアイドルですから! うちとしては何が何でもいい記事にしますよ!」

 

 ―――お陰じゃぬぇぇぇぇぇっ!☆

 

 はーとのプロデューサー……今ははーと専属ってなってるけど、実はこの手の業界ではかなり有名人。

 はーとを担当する前は誰もが名前を知ってるアイドルユニットを何組も世に出したし、プロデューサー自体も今は36だけど、10年前は超人気アイドルだったの。

 そんな彼が突如アイドルを引退して始めたのが、このプロデューサー業。引退した理由は……怪我。

 

 10代で既にトップアイドルとして業界に君臨してたプロデューサーは無理が祟って体を壊し、普通の人みたいに歩けたり話すことは出来ても、歌うこともダンスを踊ることも出来ないボロボロの体になった。

 でも彼はアイドルという職業が本当に好きだから、引退しても今度は自分がアイドルをプロデュースして世に出る手助けをすることを選んだ。

 元から名前が売れてるのもあるし、レッスンや自分の見せ方といった様々な知識が豊富。それでいて自分が泣くはめになったからレッスン後やライブ後のケアも徹底してるから、彼に見出されたアイドルは必ず売れる。

 

 はーとも最初は『元超売れっ子アイドル』ってのをひけらかして優越に浸ってるとかひねくれた偏見を持ってたけど、レッスンやお仕事を共にこなしていく中でプロデューサーってマジですげぇって思うようになった。

 だからはーとも死ぬ気で食らいついて、けっこー有名になったし、お仕事もバンバン入ってるんだぞ☆ ちょー嬉ぴー☆

 

 ―――――――――

 

「今日はありがとうございました! 原稿が出来次第送りますので!」

「はい、こちらこそありがとうございました」

「ありがとうございましたーっ☆」

 

 ふぅ、無事に取材も終了☆ まあはーとへの質問よりプロデューサーへの質問の方が多い気がしたけど、いつものことだから別に気にしてぬわぁい♪ はーとのこころはいつも海のように穏やかでしゅがーのように甘い優しさで溢れてるから☆

 

「さて、事務所へ戻るぞ、佐藤」

「しゅがはって呼べよ☆ 終いには殴るぞ、お?☆」

「殴ったらアイドル引退して刑務所行きだな。おめでとう。あ、刑務所のアイドルとして長年君臨するのか。やるぅ〜、さとぅ〜♪」

「〜〜〜っ☆」

 

 こいつマジで……マジでこいつ!

 

 ムカつく!☆!

 

 プロデューサーとしてとか、一人の人間としてとか、そういうのならめっちゃ尊敬してるし、憧れてるよ?

 でもさ、カノジョにこんなこというか、普通!?☆

 

 あ、はーとね、実はプライベートではプロデューサーとラブラブチュッチュな関係だから☆

 プロデューサーに惚れてるって自覚した時、自分でも男見る目ねぇとか思った。でもなんでかこいつが好きで夜も眠れなくて……こいつに褒められたらめっちゃ嬉しくて……だからめっちゃアピったった!☆

 んで、プロデューサーってば、

 

『静かにするなら付き合うよ』

 

 ぬわぁぁぁんて言いやがった☆

 でもはーともアホでさ、はーとの気持ちを受け止めてくれたのが嬉しくって、その日の夜は遅くまで妹のよっちゃんに惚気報告しちった!♡

 

「あ、あの!」

 

 あちゃ〜、やっぱ外にいるはーとから溢れ出るアイドルオーラにファンが集まって来ちゃった☆

 

「〇〇さんですよね! わ、私、ずっと前からファンで……良かったらサインください!」

 

 ですよねー。そーですよねー。知ってたー。はーと賢い子だもーん。

 

「あぁ、ありがとう。何さん?」

「は、はい! えっと――」

 

 プロデューサーもプロデューサーで営業スマイルだし、キモッ☆ あ、なんか今日砂肝食いてぇ……あとで奢ってもらお♪

 

「はい、どうぞ♪ 俺はもうアイドル活動はしてないけど、今はこの子をプロデュースしてるから、応援してね♪」

「はろはろー☆ プロデューサーだけファンだなんて、しゅがはが許さないぞ☆」

「え、えっと……はい、応援してます……」

 

 女の子、走って行っちゃった……。顔めっちゃ引きつってるなぁ。まあこれも慣れてるけど……。

 

「相変わらずサムいな、佐藤」

「うっせー☆ しゅがははまだまだブレないぞ☆ つか、佐藤言うなつってんだろ☆」

「へいへい。しかし今の子、中学生だってさ。俺もまだまだ捨てたもんじゃないなぁ」

「言ってろよ☆ その内みんなしゅがはの魅力にメロメロにしてやっかんな!♪」

「はは、そうだな。そうなるように頑張ろうな」

 

 キュン♡

 

 くっそぉぉぉぉぉっ! そこでマジになるのマジでやめろってぇぇぇぇぇっ! しゅがはのハートにティンって来たじゃんかぁぁぁぁぁっ!

 

「わ、分かってりゃ別にいいぞ……」

「じゃなきゃ今の関係もないし、そもそもプロデュースすらしてねぇよ」

「うっせ♡」

 

 ―――――――――

 

 それからのはーとはプロデューサーと事務所に戻って報告してぇ、はーとのレッスン気張ってぇ、今日のアイドル活動は終わりぃ☆

 

 そんでそんで、本当ならはーとはアイドル寮に帰るんだけどぉ、プロデューサーから宅飲み誘われちった♡ カレシの家でお酒飲まされてぇ、はーとしゅがしゅがされちゃう〜♪

 

「………………」

「本当、はーとは二人きりになると静かになるよなぁ。仕事の時とのギャップが凄くて本当に可愛い」

 

 はい、素のはーとはいつもこんな感じです。

 だってさ、仕方なくね? プロデューサーは二人きりだとめっちゃはーとのことお姫様扱いしてくれるし、ちゃんと"はーと"って呼んでくれるし、何より優しいんだもん♡

 

「か、可愛いなんて……今更じゃね?♡」

「そうだな。初めて会った時から、はーとは可愛いもんな」

「〜〜〜っ♡」

 

 やめろよやめろよ!♡ はーとの心がバクバク言ってんの聞こえねーのかよ!♡ そんな悩殺ボイスでささやくんじゃねーよ!♡

 

「好きだよ、はーと」

 

 はーともプロデューサーのことめっちゃ好きぃぃぃぃぃっ!♡♡♡♡♡ てか愛してるぅぅぅぅぅっ!♡♡♡♡♡

 

「あれ、はーとは俺のこと嫌い?」

「な、な訳ねーじゃん……」

「じゃあ、好きって言って?」

「す、好き……」

「聞こえない」

「……好き♡」

「えぇ?」

「あ、あぅ……いっぱいしゅきぃ……♡」

「ありがとう、嬉しいよ」

「はぅ♡」

 

 そんなこと言いながら抱きしめんなよぉ♡ はーとの心がバクバクしてんのバレちゃうだろぉ!♡

 

「いつもごめんな。色んな人に愛想振り撒いて」

「ふぇ?」

「職業病みたいなもんでさ、話しかけられると笑顔になるんだ」

「……知ってるし、そういうもんだろ」

 

 それにプロデューサーが今でも人気なのって尊敬出来るし、はーとの自慢なんだかんな。バーカ。

 

「はーとは別に謝ることないからな? はーとはもっともっと愛想を振り撒いて、もっと有名なアイドルになるんだから」

「う、うん……♡」

「俺のファンが知らない顔をはーとが知ってるように、俺もはーとファンが知らないとびきり可愛いはーとの顔を独占してるから」

「っ……バーカ♡ んなの知ってるつの♡」

 

 あぁ、本当にやべぇよ。冗談抜きでお酒じゃなくてプロデューサーに酔ってるよ。食べたかった砂肝も全然味しねー。

 

「ね、ねぇ……」

「ん?」

「こ、言葉だけじゃ足んねーから、証明して……ほしい♡」

「お、今日は随分と甘えん坊はーとだね?」

「か、からかうなぁ……てかさっさとベッド連れてけよー♡」

「そこまで言われちゃ仕方ない。とびきり可愛いはーとを堪能させてもらいますか♪」

 

 あっ……お姫様抱っこしてくれた♡

 えへへ……もう好きって気持ちが溢れてきて、胸が痛い。

 

 好き……

 

「大好きだよ、プロデューサー♡」

 

 ……ヤベ、つい口にしちった。

 

「俺も大好きだよ、心」

「〜〜〜っ♡」

 

 そこで本名とかやめろよ! やめろって! はーと死んじゃう! 死因がプロデューサーからのスィーティーボイスとかある意味で伝説になっちまうよ!

 

 ―――

 

「ほい、ベッドに到着〜♪」

「っ♡」

「キスしていい?」

「訊くなよ、バーカ♡」

「いくら彼女相手でも礼儀正しくないとね」

「言ってろ♡」

 

 ちゅっ♡

 

 プロデューサーとのキス……本当にどうにかなりそう。

 好きって気持ちがどんどん湧いてきて、もっともっとって体が勝手に求めちゃう。

 

「んっ……ん〜っ……はぁはぁっ……もっとぉ♡ これでやめちゃ、やぁ♡」

「心可愛過ぎっ……ちゅっ」

「んぁむっ……んん〜っ♡」

 

 もっと……もっとして♡ 全然足りないよ♡

 

「はぁはぁ、はぁはぁ……♡」

「キスだけでこんなにして……保つのか?」

「はーとナメんなよ♡」

「はいはい、はーとは可愛い可愛い♪」

「つか、さ」

「?」

「な、なんでこんな時ばっかはーとのこと、はーとって呼ぶの?」

「そうすればはーとが誰かからはーとって呼ばれる度に俺との甘い時間を思い出すかと思って♪」

 

 こ、このすけこましぃぃぃぃぃっ♡

 ごめんなさい、大好きですぅぅぅぅぅっ!♡

 

「キッモ♡」

「ありがとう。それより、俺そろそろ限界なんだけど?」

「ムードってのがあんだろ?♡」

「ムード最高じゃん。可愛い彼女が目の前で乱れてて、蕩けた顔してるんだから……ちゅっ」

「んぁ♡ もぉ、優しくしろよな♡」

「それはこっちのセリフだ。まだ痕残ってるんだぞ、こっちは?」

「はーとのカレシっつう証ってことで♡」

「はいはい……ちゅっ」

「ちゅ〜っ♡」

 

 んな感じで、その日の夜もはーととプロデューサーはめっちゃしゅがしゅがしたし、プロデューサーの体にいっぱいしゅがはの証を残してやった♡―――

 

 佐藤心⦿完




佐藤心編終わりです!

崖っぷちアイドルのしゅがははやっぱりべらぼうに甘くないといけないので、こんな感じになりました!

お粗末様でした☆

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